PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ:【音楽コンクール】 > ショパン国際ピアノコンクール

WWWFM The Classical Network というネットラジオ局で発見した番組をアーカイブで聴きました。

 

イヤホンで聴きましたが、音質の良さにびっくり。
視覚情報がないぶん、音をじっくり聴けるような気がします。

「Between the Keys」という番組で、パーソナリティのJED DISTLERは、先日の第18回ショパンコンクールのオフィシャル・ブロガーを務め、すべての演奏を視聴したとのこと。
彼の注目するピアニストは、セミ・ファイナリストやファイナリストだけではない!とのこと。

① Aristo Sham
セミ・ファイナルに進めなかったが、第1次でのエチュードop.10-8はすばらしかった。

② 進藤実優 & Talon Smith
難曲で有名な、3度のエチュード op.25-6の聴き比べ
もちろん右手は難しいけれど、左手も歌わせなくてはね。
Miss.Sindoのテクニック、パワーはすばらしい。
カリフォルニア出身Smithは作曲もする。ゆっくり目のスピードだが各声部の歌わせ方がよい。

③ Avery Gagliano
セミ・ファイナルまで行ったフィラデルフィア出身の彼女。
メロディーの作り方がすばらしい。ノクターンp,27-2。

④  Alexander Gadjiev & 小林愛実
ワルツ op.42 の聴き比べ
ガジェヴは積極性、集中力が際立つ。小林は中間部の解釈が印象的。

⑤ Georgijs Osokins  &  Jakub Kuszlik
マズルカ op.30-4 の聴き比べ

⑥ Bruce Liu
「奥様、お手をどうぞ」の変奏曲

もしかすると中間部を書き落としているかもしれませんが、
演奏のレベルの高さに、改めて感じ入りました。

「サラサーテ」12月号増刊、発売とほぼ同時に手にしていたのですが、やっと目を通しました。

2021-11-30 (11)

ネット上でも、いろいろな情報があふれていますし、
有料の雑誌の内容を、ここであれこれ並べるのもNGなのかも……という気もします。
で、「なるほど」と得心した点を数点だけご紹介。

  • 審査員長のカタジーナ・ポポヴァ=ズィドロン女史は、シモン・ネーリング君がファイナルに進めなかったことを「コンクールの損失」と述べ、本来は夜型である彼が、午前の早い時間の演奏を強いられ続けたたことが大きく影響したと指摘。
  • 伊藤順一さんのことをダン・タイ・ソン氏が「彼はショパンに対するすばらしい感性を持っているねえ」と評していたと、海老彰子さんが紹介。
  • ブルース・リウ君の優勝は「第3次予選での≪ドン・ジョヴァンニ≫変奏曲での圧倒的な名演」によるものだとエヴァ・ポブウォツカ女史が明言。
  • エヴァ・ゲヴェルギアンが入賞を逃したことにについて「この数年間の間に40ものジュニアコンクールを受け、この6月から9月の間にグリーグのコンチェルトとスクリャービンのCDを録音した」エヴァさんに、「ショパンコンクールという特別な場所にくるために」「時間とゆとりも必要」という苦言も呈された模様。
  • ネルソン・ゲルナーは、ブルースを「信じられないような鍵盤支配能力」「火花が散るようなあの感じ」と表現して賞賛。
第1次審査のすべてを、高久暁氏
第2次審査のすべてを、萩谷由喜子氏、
第3次審査のすべてを、酒井茜氏、
ファイナルのすべてを、青柳いづみこ氏

がレビューしていて、なかなか面白いです。


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優勝 Mr Bruce (Xiaoyu) Liu(ブルース・リウ), Canada

2位 Mr Alexander Gadjiev(アレクサンダー・ガジェヴ), Italy/Slovenia

2位 Mr Kyohei Sorita(反田恭平), Japan

3位 Mr Martin Garcia Garcia(マルティン・ガルシアガルシア), Spain

4位 Ms Aimi Kobayashi(小林愛実),Japan

4位 Mr  Mr Jakub Kuszlik, Poland

5位 Ms Leonora Armellini(レオノラ・アルメリーニ), Italy

6位 Mr J J Jun Li Bui, Canada

特別賞:

ポーランドラジオ放送局賞(マズルカ最優秀演奏賞) Jakub Kuszlik

国立フィルハーモニー賞(協奏曲最優秀演奏賞) Martin Garcia Garcia

クリスチャン・ツィメルマン賞(ソナタ最優秀演奏賞) Alexander Gadjiev

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入賞者のみなさん、おめでとうございます。
今日は早朝から仕事で拘束されていたため、記事アップがこんな時間になりました。


優勝のブルース・リウ君は、2016年の仙台国際コンクールの時に知りました。
当時から音の美しさ、柔らかさが印象的で、
師匠がダン・タイソン氏と知り、納得した覚えがあります。
今回、彼の演奏の時間帯がLIVE視聴しにくかったこともあって、後追いで少しずつ聴く程度でしたが、5年前に比べてずいぶん進化したなあ、解放されて自由になったなあ、といった印象を受けました(今まで全く記事にはしてこなかったのですが)。

今朝がた、後追いで視聴したコンチェルトは、まさに圧巻。
会場の反応も、いちばんヴィヴィッドだったのでは。
セミファイナルのプログラミングも印象的でした。


現地では夜中の2時過ぎの発表だったとのこと、
受賞者の人数も多いですし、かなり選考が紛糾したのでしょうね。
でも、この結果、すっと胸に落ちました。
優勝者が特別賞は何も受賞しないというのも、混戦ぶりを象徴しているかと。

日本のメディアでも、反田さん、愛実ちゃんのダブル入賞は大きく取り上げられています。
二人の活躍、どきどき、わくわくしながらLIVEで見てくることができて、大変密度の濃い時間を過ごさせてもらったなあ、と思います。
たぶん、私の人生にとっても、思い出深い10月になることでしょう。

感謝。

私の中では、予備予選から第一次、二次、三次と、ずっと度肝を抜かれ続けていた「イチオシ」コンテスタントが愛実ちゃんでした。
ということで、がんばってLIVEで視聴。

AIMI KOBAYASHI (Japonia / Japan)

ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 【スタインウエイ479】

第一楽章
スローテンポ。
明らかに、今までのコンテスタントとは異なる世界です。
繊細で、はかなくて、そしてとびっきりに美しい世界。
ああ、ショパンもきっと、こんな音色を奏でていたんじゃないかなあ……と思って聴いていました。
第二楽章
あふれでる歌心。
音の透明感がきわだちます。涙が出てきそう。ため息が漏れます。
一音、一音、慈しみたい、そんな気持ちになりました。
第三楽章
出だしから、明るく弾んで、とても楽し気。
今までのスローテンポとの対比もくっきり。
音のキラキラ感が弾けています。
一部、ちょっと音がもつれた個所があって、そこから少し音の濁りが生まれたかも。。。
でも、彼女ならではの繊細で美しいショパンが心にしみわたりました。
愛実ワールド、堪能。
ありがとう。



途中までは、LIVE視聴の記録。
ガジェヴさんの途中で離脱しましたが、
20日朝8時ごろからアーカイブを聴いて少し加筆しました。


J J JUN LI BUI(Kanada / Canada)

ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 【カワイ】

キラキラした音と歌心が魅力的で、肩入れしてきた私。
LIVEで聴こうと頑張って起きていました。
でも、……協奏曲では、本領発揮とはいかなかったかも。
もちろん、美しい瞬間はそこここにありましたし、
後半になるにつれて生き生きしてきていましたが、
なんとなく不完全燃焼で終わってしまった感が残りました。
緊張したのでしょうか。
演奏後の表情も、寂しげに見えてしまいました。


ALEXANDER GADJIEV (Włochy, Słowenia / Italy, Slovenia)

ピアノ協奏曲第2番 へ短調 【カワイ】

舞台袖でも、舞台上でも、余裕の表情、余裕の態度。
演奏も、しかり。
ピアノを自由自在に扱っている感。
第2楽章の冒頭、ひたすらに美しかった。。。
3楽章の冒頭も、音色を変えて語りかけてきました。さすが。
格の違いを感じてしまいました。
(朝起きて、ちょっと加筆)
考えてみれば、です。
こうやって「ピアノの音色が…」って感じたのは楽章冒頭部。
ほかの箇所は、オケとピアノがまさに一体化していて、
バランスとかタイミングとか、そういうものが全く意識に上がってきませんでした。
もしかしてこれは、ものすごい演奏だということなのかも。

……とはいえ、睡魔には勝てず、ここで離脱……それでも、十分にガジェヴさんの大人の世界を堪能しました。


(ここからはアーカイブ視聴)

MARTÍN GARCÍA GARCÍA(Hiszpania / Spain)

ピアノ協奏曲第2番 へ短調 【ファツィオリ】

まず、ファツィオリの音色に、ピアノが入った冒頭からびっくり。
カワイの古楽器っぽい音を聴いた後だっただけに、その華やかさが引き立つ、引き立つ。
ガジェヴさんと同じ曲を演奏しているとは、ちょっと信じがたい響き。
でもって、すばらしい歌わせ方。ピアノが喜んでいる!

実は私、第一次予選で、彼の顔芸と、歌声と、動き回る上半身に「イロモノ」判定を下してしまって、以来、彼を避けてきたようなところがあったのでしたが、そんなわが身を恥じ入りましたですよ。
友人からも
「見かけはアレだけれども、演奏そのものは全くの正統派。しっかり楽譜を読み込んでいて、素晴らしい」
と聞いていたのですが、なるほど、です。納得です。

ご本人も、指揮者も、オーケストラも、笑顔、笑顔でのカーテンコール。
ほんと、人を幸せにする演奏をする方ですね。

遅ればせながら、ただいま、4名全員聴きました。
全員がピアノ協奏曲 第1番 ホ短調。

共演は、アンドレイ・ボレイコ指揮、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団。



KAMIL PACHOLEC (Polska / Poland)

端正な音楽だなあと思って聴いていましたが、
地元のコンテスタントなのに、演奏後の反応が薄くてびっくり。
SNSの反応などを見ると、会場ではあまり音が届いていなかったという意見も。
青柳いずみこ氏が、ポーランドのコンテスタントにかかる重圧の物凄さを指摘されていましたが、そんなことも思われました。


HAO RAO (Chiny / China)

17歳、注目の新星。
乱れのない、みずみずしい演奏だと感じました。
縮こまることなく自由に歌っていて。
こちらには、会場も大拍手。


反田恭平 (Japonia / Japan)

音に厚みがありました。朗々として艶のある演奏。
ご本人がノリノリで弾いている様子が伝わって、聴いている方も万感迫ってしまいました。
セミファイナルが不本意な演奏だったと公言して、一度どん底気分を味わっていたようですが、それだけにファイナルでは吹っ切れて、会心の演奏となったのでは。
オーケストラとの掛け合いも、楽し気でした。
会場も大盛り上がり。スタンディングオベーションも出ていました。
ステージの出入りでも、関係者ととても親しそうにふるまっていて、なるほど、ポーランドを本拠地にしていることを実感させられました……人たらしですね、彼は。


LEONORA ARMELLINI(Włochy / Italy)

第1次の演奏で、あまりに明るく大きな音色(爆音)に度肝を抜かれた方ですが、
そういう音色は協奏曲に向くなあ……と思いました。
29歳。11年前のセミファイナリストですから、演奏経験も積まれていることでしょう。
そのあたりがわかる、堂々たる演奏でした。


それにしても、
オーケストラ、指揮者ともに、4回も同じ演奏を繰り返すのは大変でしょうねえ。
ソリストに寄り添おうとする音楽づくり、好感が持てました。
大きく歌ってルバートをかけて……というピアノの変化にも柔軟に対応していたと思います。
前回は、ソリストそっちのけでオーケストラが好きに演奏しているように感じる部分もあったりしたのですが、今回はそんなことはないと感じた次第。
あと2日、がんばっていただきたい。

私も残り2日、注目株はLIVE視聴を目指したい!(あまり自信ないけど。汗)

今、YouTubeで発表されました。
12名通過です。
日本人コンテスタント、★個人的な好み)
  1. Ms Leonora Armellini, Italy
  2. Mr J J Jun Li Bui, Canada★
  3. Mr Alexander Gadjiev, Italy/Slovenia
  4. Mr Martin Garcia Garcia, Spain
  5. Ms Eva Gevorgyan, Russia/Armenia
  6. Ms Aimi Kobayashi, Japan★
  7. Mr  Mr Jakub Kuszlik, Poland
  8. Mr Hyuk Lee, South Korea
  9. Mr Bruce (Xiaoyu) Liu, Canada
  10. Mr Kamil Pacholec, Poland
  11. Mr Hao Rao, China
  12. Mr Kyohei Sorita, Japan

日本からは、愛実ちゃんと反田君、進出です。
反田君、ご本人が不本意だったと公言されていたようですが、私は3次で初めて生で聴いて、とてもいいと思いました。オーケストラとの共演が聴けることになって、とてもうれしいです。
愛実ちゃんは、当然通るだろうと思っていました。

進藤さん、角野さん、古海さんの進出ならなかったのは残念ですが、この3名の方についても第3次の演奏はとても生き生きとしているように感じました。
今回、日本人コンテスタントの個性の豊かさは特筆に値すると思います。
素敵な演奏をたくさん聴くことができて、本当に幸せでした。ありがとうございました。


ポーランドは2名残っていますが、ネーリング君がいなくなってしまいました。
彼は、今回は本領発揮とは言えなかったような気がしています。
進出を決めた2名、これからきちんと聴こうと思います。

愛実ちゃんから反田君の間にはさまれた5人については、
スケジュールの関係で、ほとんど聴いていません。
他のコンクールではたびたび聴いているヒョク・リー君、
ダンタイソンに師事しているブルース・リウ君、素晴らしいだろうと予想がつきます。

第1次から会場の聴衆に愛されていると感じるハオ・ラオ君、
第3次Liveで最後の方だけ少し聴いたのですが、記憶と手元の乱れ(?)がありました。
それでも通過したということは、やはり溢れる音楽性があるということだと思います。
これも聴きなおさなくては。


ファイナル、本当に楽しみです。

10.00 – 11.00
NIKOLAY KHOZYAINOV(Rosja / Russia)

Nocturne in C minor, Op. 48 No. 1
Mazurkas, Op. 59
 No. 1 in A minor
 No. 2 in A flat major
 No. 3 in F sharp minor
Prelude in C sharp minor, Op. 45
Sonata in B minor, Op. 58
  Allegro maestoso
  Scherzo. Molto vivace
  Largo
  Finale. Presto non tanto

急ブレーキをかけるようなテンポの緩みを多用する、独特の曲づくり。
個人的には、やはり共感はできませんでした。
きっと、長年にわたる研究成果(何と言っても、11年前のファイナリストですし)を反映した演奏だと思うのですが。。。私の方の知識が浅薄なのだと思います。
ただ、ソナタのフィナーレは響きも豊かで、説得力のある演奏でした。



11.00 – 12.00
SU YEON KIM (Korea Południowa / South Korea)

Fantazja f-moll op. 49  /  Fantasy in F minor, Op. 49
Mazurki op. 24  /  Mazurkas, Op. 24
  No. 1 in G minor
  No. 2 in C major
  No. 3 in A flat major
  No. 4 in B flat minor
Tarantella As-dur op. 43  /  Tarantella in A flat major, Op. 43
Sonata h-moll op. 58  /  Sonata in B minor, Op. 58
  Allegro maestoso
  Scherzo. Molto vivace
  Largo
  Finale. Presto non tanto

ホジャイノフ君の後であるだけに、抜群の安定感に聴こえました。
正統派の、洗練された演奏。

タランテラが耳に新鮮で、ソナタの前奏のように響きました。
魅力的なプログラム。
弾ききった後のご本人の表情もよかったです。
会心の演奏だったのでは。


12.20 – 13.20
AIMI KOBAYASHI (Japonia / Japan)

Mazurkas, Op. 30
 No. 1 in C minor
 No. 2 in B minor
 No. 3 in D flat major
 No. 4 in C sharp minor
Preludes, Op. 28
 No. 1 in C major
 No. 2 in A minor
 No. 3 in G major
 No. 4 in E minor
 No. 5 in D major
 No. 6 in B minor
 No. 7 in A major
 No. 8 in F sharp minor
 No. 9 in E major
 No. 10 in C sharp minor
 No. 11 in B major
 No. 12 in G sharp minor
 No. 13 in F sharp major
 No. 14 in E flat minor
 No. 15 in D flat major
 No. 16 in B flat minor
 No. 17 in A flat major
 No. 18 in F minor
 No. 19 in E flat major
 No. 20 in C minor
 No. 21 in B flat major
 No. 22 in G minor
 No. 23 in F major
 No. 24 in D minor

魂の演奏。もう感動で言葉もありません。
渋いマズルカの最初の一音から心が震えましたが、
プレリュード全曲の、1曲1曲のあまりの深さに、頭を垂れて聴き入る心境。
凄まじい集中力、没入感、世界観。
なんという極みまで達したのかと、茫然とさせられる演奏でした。


今までのしわ寄せがいろんなところに及んできて、
視聴を続けるのが苦しくなってきました。。。
それに、正直言って、自分の耳にも自信がなくなってきました。
あくまでも個人的な、たわごと感想です。(弱気)


10.00 – 11.00(日本時間17:00-18:00)
LEONORA ARMELLINI (Włochy / Italy)

Polonaise-Fantasy in A flat major, Op. 61
Mazurkas, Op. 41
No. 1 in E minor
No. 2 in B major
No. 3 in A flat major
No. 4 in C sharp minor
Sonata in B flat minor, Op. 35
  Grave. Doppio movimento
  Scherzo. Molto vivace
  Marche funèbre
  Finale

アルファベット「A」で始まるお名前ゆえ、インパクトのあるプロフィール写真が既に目に焼き付いている方です。
記録には残しませんでしたが、第一次、二次もちょっと聴いていて、
超明るい音色で、迷いなく突進していくかのような演奏に
「え?これが、ショパン?」
と、私としてはちょっと「引いて」しまっていました。
それに比べると、今日の演奏にはショパンらしさが滲んでいたように思います。
朗々と歌い上げる力には、脱帽です。さすが、イタリア!


11.00 – 12.00(日本時間18:00-19:00)
J J JUN LI BUI(Kanada / Canada)

Ballade in F major, Op. 38
Mazurkas, Op. 24
No. 1 in G minor
No. 2 in C major
No. 3 in A flat major
No. 4 in B flat minor
Rondo à la mazur in F major, Op. 5
Sonata in B minor, Op. 58
  Allegro maestoso
  Scherzo. Molto vivace
  Largo
  Finale. Presto non tanto

第1次から、私のお気に入りのうちのお一人。
弱冠17歳のベトナム系カナダ国籍、ダンタイソンのお弟子さん。
なにしろ、音色が美しい~。
しかも、流れが自然で、これ見よがし感などがなく、
ただうっとりと聴き惚れてしまいます。
プログラムの流れもよく、最後まで楽しめました。
ぜひ次も聴いてみたいものです。



13.20 – 14.20(日本時間20:20-21:20)
YASUKO FURUMI(Japonia / Japan)

Rondo in E flat major, Op. 16
Mazurkas, Op. 59
No. 1 in A minor
No. 2 in A flat major
No. 3 in F sharp minor
Sonata h-moll op. 58  /  Sonata in B minor, Op. 58
  Allegro maestoso
  Scherzo. Molto vivace
  Largo
  Finale. Presto non tanto

古海さんの演奏、今回のコンクールはもちろん、
他の会場でも何度か聴いています。
ただ、今までは、今一つインパクトには欠けるような印象を持っていました。
(私のお耳の精度の悪さの告白です)
でも、きょうの演奏は、
なんだか一つ階段を上ったというか、ブレイクスルーしたような印象を持ちました。
(何様発言、すみません💦)
とってもショパンらしいというか、すっと入り込める演奏でした。
ご本人が楽しんで踊っているかのような、リズミカルなロンド、マズルカ。
最後のソナタの推進力、集中力も、お見事でした。
聴かせてくださって、ありがとう……そんな気持ちになりました。

本業の準備に追われているうえ、
家族の方の事情もあって、
ちょっと身がもたない感じになってきました。
今晩のライブ視聴は、わが推し!の進藤さん一人に絞ります。

【追記】
シャカリキになって仕事をしているうちに目が冴えてしまったので、
予定変更。午後の部も反田君だけLIVEで聴くことにします。


13.20 – 14.20(日本時間20:20-21:20)
MIYU SHINDO (Japonia / Japan)

Mazurkas, Op. 17
No. 1 in B flat major
No. 2 in E minor
No. 3 in A flat major
No. 4 in A minor
Rondo à la mazur in F major, Op. 5
Sonata in B minor, Op. 58
  Allegro maestoso
  Scherzo. Molto vivace
  Largo
  Finale. Presto non tanto

魅了されました。
このひとことに尽きます。

マズルカ。
心地よいゆとりで、きらめく音が繰り出され、
曲目が変わるごとに、立ち現れる全く異なる世界に、
聴き手が酔いしれていく。。。

マズルカ風ロンドは、ただもう美しく
音楽とともにたゆたいました。

ソナタ。圧巻。
素晴らしい集中力と構成力。
ブラボー。
ぜひ、ファイナルも聴きたい!

演奏後の会場を映し出す映像に、
2階席でスタンディングオベーションする沢田蒼梧くんの姿が。
彼自身の感動も伝わってきて、
なんだか、じーんときました。



17.00 – 18.00(日本時間翌00:00-01:00)
KYOHEI SORITA (Japonia / Japan)

Mazurkas, Op. 56
No. 1 in B major
No. 2 in C major
No. 3 in C minor
Sonata in B flat minor, Op. 35
  Grave. Doppio movimento
  Scherzo. Molto vivace
  Marche funèbre
  Finale
Largo in E flat major ‘Boże, coś Polskę’ (harmonization of the old version of the song for piano), Op. posth.
Polonaise in A flat major, Op. 53

マズルカ、冒頭はさわやかな風が吹き抜けたよう。
そして、ピアノが語る、語る。すごいな。
まさに、ピアノの森の世界を彷彿とさせる……森の情景が浮かぶような音楽。

ソナタへ。がらりと音色が変わる。パリッとした音。
迫力の第1楽章。
第2楽章のスケルツォも重量級。
私はもう少し軽いほうが好きだけれど、メロディアスな中間部との対比はくっきり。
第3楽章、葬送行進曲。渾身の演奏。歌声が聞こえる。
第4楽章、これは軽やか。お見事。

一転、弱音の美しい、甘い歌曲へ。
耳新しく、聴き手にとっても嬉しいひととき。

英雄ポロネーズ。
ペダルが少なめで、一音一音がはっきり聴こえる。
はっとするような美しい弱音も。鮮烈。
堂々たるヒーロー。余裕のある曲運び。

長い、長い拍手。
貫禄を見せつけた、立派なリサイタルでした。

セミファイナル進出者

1. Mr Piotr Alexewicz, Poland
2. Ms Leonora Armellini, Italy
3. Mr J J Jun Li Bui, Canada
4. Ms Michelle Candotti, Italy
5. Ms Yasuko Furumi, Japan
6. Mr Alexander Gadjiev, Italy/Slovenia
7. Ms Avery Gagliano, U.S.A.
8. Mr Martin Garcia Garcia, Spain
9. Ms Eva Gevorgyan, Russia/Armenia
10. Mr Nikolay Khozyainov, Russia
11. Ms Su Yeon Kim, South Korea
12. Ms Aimi Kobayashi, ★Japan
13. Mr Mateusz Krzyżowski, Poland
14. Mr Jakub Kuszlik, Poland
15. Mr Hyuk Lee, South Korea
16. Mr Bruce (Xiaoyu) Liu, Canada
17. Mr Szymon Nehring, Poland
18. Mr Kamil Pacholec, Poland
19. Mr Hao Rao, China
20. Ms Miyu Shindo,★ Japan
21. Mr Kyohei Sorita, Japan
22. Mr Hayato Sumino, Japan
23. Mr Andrzej Wierciński, Poland

日本人コンテスタント
日本人以外での私のお気に入り
★個人的推し!


ショックだったのは、この中に次の人たちがいないこと。
何かの間違いだろ~!と吠えております。

YUTONG SUN (China)
TOMOHARU USHIDA (Japan)
YUCHONG WU (China)

この3人は、私にとっては★!
ファイナルまで行くのでは……と踏んでいたのでした。
ユトン君については、私、2017年、彼が21歳の時から注目してました。
クライバーンコンクール時のインタビュー


VIỆT TRUNG NGUYỄN (Vietnam, Poland)

彼の演奏も、もっと聴きたかったなあ。。。


もちろん、ごく一部しか聴いていない私、
あれこれ言う資格などありません。
上記4名、
生演奏を聴きたい個人的推し!として記録しておこうと思います。

真央君リサイタルに足を運んでいたため、
LIVEでは無理だったのですが、愛実ちゃんの演奏だけは……と、帰宅してから視聴。


13.10 – 13.50(アーカイブで視聴)
AIMI KOBAYASHI (Japonia / Japan)

Polonaise-Fantasy in A flat major, Op. 61
Ballade in F major, Op. 38
Waltz in A flat major, Op. 42
Andante spianato and Polonaise in E flat major, Op. 22
 
1曲目、幻想ポロネーズの冒頭から、心を持って行かれました。
なんというテンポ……音色がじっくり心に響いていく間合いの素晴らしさ。
2曲目のバラードは一転。嵐のような高速部が印象的。
キレッキレのワルツ。
この流れの中で聴く舟歌、本当に水の流れていく様子が見えるよう。
音の響きが深くて重厚。この差は何なのでしょうか。。。感動の嵐。

ものすごい睡魔を抑え込んで無理に仕事をしていたら(そうせざるを得ず💦)、
逆に目がさえてしまって、夜の部を初めてLIVEで視聴。


17.00 – 17.40(日本時間0:00~0:40)
YASUKO FURUMI(Japonia / Japan)

Polonaise in F sharp minor, Op. 44
Polonaise-Fantasy in A flat major, Op. 61
Waltz in F major, Op. 34 No. 3
Barcarolle in F sharp major, Op. 60

1曲目のポロネーズは、昨日のユトン君の凄み曲調の印象が強すぎて…。
2曲目は古海さん渾身の演奏(目を閉じて没入)がズンズン伝わりました。
3曲目のワルツは、すでに耳タコ状態で、ちょっと判断がつかず。
舟歌、美しかったです。



17.40 – 18.20
ALEXANDER GADJIEV(Włochy, Słowenia / Italy, Slovenia)
https://chopin2020.pl/en/competitors/...

Prelude in C sharp minor, Op. 45
Barcarolle in F sharp major, Op. 60
Polonaise in F sharp minor, Op. 44
Waltz in A flat major, Op. 42
Ballade in F major, Op. 38

推進力に満ちた演奏。引き込まれました。
いろんな曲調、いろんな雰囲気を醸し出す演奏。特にポロネーズ。深い。
そのあとの軽やかなワルツが、また効果的。おしゃれ~。
舟歌の冒頭でガラリと音色が変わり、ハッとしました。うまい。
風格を感じる演奏。また聴きたい!

すべてライブで聴きました。
途中で気づきましたが、この5名、1次にライブで聴いたメンバーと同じです。
1次予選、初日の現地時間12:30~15:00に演奏された方々、全員通過だったんですね。
びっくり。

第二次予選初日
2021年10月9日(土)

10.00 – 10.40(日本時間17:00-17:40)
ARSENII MUN (Rosja / Russia)

Rondo à la mazur in F major, Op. 5
Waltz in E flat major, Op. 18
Scherzo in B minor, Op 20
Andante spianato and Polonaise in E flat major, Op. 22

途中から視聴。
アマチュアでもよく弾く「華麗なる大円舞曲」、
こんなにオシャレに魅力的になるんだ、と心惹かれました。
「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」、
ちょっと元気すぎ……もう少し丁寧に歌ってもよかったかも。


10.40 – 11.20(日本時間17:40-18:20)
SZYMON NEHRING (Polska / Poland)
https://chopin2020.pl/en/competitors/...

Impromptu in G flat major, Op. 51
Polonaise-Fantasy in A flat major, Op. 61
Waltz in A flat major, Op. 64 No. 3
Andante spianato and Polonaise in E flat major, Op. 22

前の方と比べて、ぐっと音色が深くなった感じ。
ネーリング君の歌心は、いつ聴いても心に響きます。
最後はやはり汗を振り飛ばしながらの演奏でした。
さらにスリムになったようにも見えましたが、ストレス瘦せではありませんように。。。



11.20 – 12.00(日本時間18:20-19:00)
VIỆT TRUNG NGUYỄN (Wietnam, Polska / Vietnam, Poland)

Prelude in F sharp major, Op. 28 No. 13
Barcarolle in F sharp major, Op. 60
Waltz in F major, Op. 34 No. 3
Nocturne in C minor, Op. 48 No. 1
Polonaise in A flat major, Op. 53 

前奏曲からの1曲が、まるで舟歌の前奏のよう。
プログラムが秀逸。引き込まれました。
音が美しくて、生き生きと推進力のある音楽を奏でる25歳。
1次でもいいと思ったけれど、さらに魅力を感じました。また聴きたい!



12.30 – 13.10(日本時間19:30-20:10)
GEORGIJS OSOKINS (Łotwa / Latvia)

Polonaise-Fantasy in A flat major, Op. 61
Polonaise in B flat major [Op. 71 No. 2] WN 17
Mazurka in C sharp minor, Op. 30 No. 4
Mazurka in C sharp minor, Op. 50 No. 3
Waltz in F major, Op. 34 No. 3
Polonaise in A flat major, Op. 53

2曲目、3曲目、耳に新鮮な曲で、とってもいい感じ。
マズルカ、まるで物語を語っているかのようで、魅力たっぷり。
ワルツから英雄ポロネーズへは、休みなく続けて演奏。
偉大なる英雄というより、ほろ酔い加減でいい気分になったお茶目な英雄のよう。
「オソキンス節」とでも呼びたいような独特な曲調で、最後、ミスタッチや音の濁りが気になりましたが、楽しめました。



13.10 – 13.50(日本時間20:10-20:50)
EVREN OZEL (Stany Zjednoczone / United States)

Impromptu in A flat major, Op. 29
Polonaise in F sharp minor, Op. 44
Waltz in A flat major, Op. 34 No. 1
Impromptu in F sharp major, Op. 36
Ballade in F minor, Op. 52 

1次予選の時と比べて、ミスタッチが増えたような気がしましたが、
最後のバラード4番は、とても魅力的でした。



13.50 – 14.30(日本時間20:50-21:30)
KAMIL PACHOLEC (Polska / Poland)

Polonaise in F sharp minor, Op. 44
Impromptu in F sharp major, Op. 36
Waltz in F major, Op. 34 No. 3
Waltzes, Op. 64
No. 2 in C sharp minor  
No. 1 in D flat major
Scherzo in B flat minor, Op. 31 

出だしのポロネーズ、直前の曲と同じとは思えず
……なるほど、ポロネーズってポーランド魂なのね、と納得。
全体的に1次よりいい出来だったように思いました。好印象。

取り急ぎのコピペです。
緑が日本人。8名通過です。

ピンクが1次予選で個人的に気に入った方。
(一方、まったく聴いていない方も多々、です💦)

もう出勤時間なので、取り急ぎこのへんで。

〈追記〉
聴いた中では特に推し!の方に★をつけました。^^


1. Mr Piotr Alexewicz, Poland
2. Ms Leonora Armellini, Italy
3. Mr J J Jun Li Bui★, Canada
4. Ms Michelle Candotti, Italy
5. Mr Kai-Min Chang, Chinese Taipei
6. Mr Xuehong Chen, China
7. Mr Hyounglok Choi, South Korea
8. Mr Federico Gad Crema, Italy
9. Mr Alberto Ferro, Italy
10. Ms Yasuko Furumi, Japan
11. Mr Alexander Gadjiev, Italy/Slovenia
12. Mr Avery Gagliano, U.S.A.
13. Mr Martin Garcia Garcia, Spain
14. Ms Eva Gevorgyan, Russia/Armenia
15. Ms Wei-Ting Hsieh, Chinese Taipei
16. Mr Adam Kałduński, Poland
17. Mr Nikolay Khozyainov, Russia
18. Ms Su Yeon Kim, South Korea
19. Ms Aimi Kobayashi,★, Japan
20. Mr Mateusz Krzyżowski, Poland
21. Mr Jakub Kuszlik, Poland
22. Mr Shushi Kyomasu, Japan
23. Mr Hyuk Lee, South Korea
24. Mr Bruce (Xiaoyu) Liu, Canada
25. Mr Arsenii Mun, Russia
26. Mr Szymon Nehring, Poland
27. Mr Viet Trung Nguyen, Vietnam/Poland
28. Mr Georgijs Osokins, Latvia
29. Mr Evren Ozel, U.S.A.
30. Mr Kamil Pacholec, Poland
31. Mr Hao Rao, China
32. Mr Sohgo Sawada★, Japan
33. Mr Aristo Sham, China, Hong Kong
34. Ms Miyu Shindo★, Japan
35. Mr Talon Smith, U.S.A.
36. Mr Kyohei Sorita, Japan
37. Ms Szuyu Su, Chinese Taipei
38. Mr Hayato Sumino, Japan
39. Mr Yutong Sun★, China
40. Mr Tomoharu Ushida★, Japan
41. Mr Marcin Wieczorek, Poland
42. Mr Andrzej Wierciński, Poland
43. Mr Yuchong Wu, China
44. Mr Lingfei (Stephan) Xie, Canada/China
45. Mr Zi Xu, China

職場からの帰路、電車が止まってしまって、大迂回路で帰宅。
余裕で視聴できるはずが大誤算に。。。可能な範囲でがんばりました。


12.30 – 13.00(日本時間19:30-20:00)
NIKOLAY KHOZYAINOV (Rosja / Russia)

Etude in C sharp minor, Op. 25 No. 7
Etude in B minor, Op. 25 No. 10
Etude in A minor, Op. 25 No. 11
Ballade in F minor, Op. 52

バラードだけLIVE視聴。
ううむ。テンポの揺れが不自然に感じられてしまって、音楽にのれなかった感。
11年前のショパコンで若きファイナリストになったときは、ぐいぐいの推進力があったように思うのですが。。。
でも、会場は大盛り上がり。

13.00 – 13.30(日本時間20:00~20:39)
SU YEON KIM (Korea Południowa / South Korea)

Nocturne in F sharp minor, Op. 48 No. 2
Etude in F major, Op. 10 No. 8
Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6
Scherzo in C sharp minor, Op. 39

音色があったかくて安定感ばっちり。弾き姿も美しい。
今年のエリザベート王妃コンクールのセミファイナリストで、同時期開催のモントリオール国際コンクールと掛け持ちしていて、モントリオールでは優勝したピアニスト。
そういう精神力の強靭さもなるほど!と思わせる演奏でした。


13.30 – 14.00(日本時間20:30-21:00)
AIMI KOBAYASHI(Japonia / Japan)

Nocturne in F sharp minor, Op. 48 No. 2
Etude in A minor, Op. 25 No. 11
Etude in A flat major, Op. 10 No. 10
Scherzo in E major, Op. 54

演奏前に椅子の問題発生?……そういば前回も、と思いだしました。
いったんステージに出てから引っ込んで、スタッフさんを呼び出すとか、こちらも精神力強し。
問題が収まって、演奏を始めるや……
あまりの音色の美しさに、涙が出そうになりました。なんともいえない色合い。
スヨンさんもいい音色と思ったけれど、別次元。同じピアノではないみたい。
胸迫るものがありました。素晴らしい演奏をありがとう~。



14.00 – 14.30(日本時間21:00-21:30)
MATEUSZ KRZYŻOWSKI (Polska / Poland)

Nocturne in F sharp minor, Op. 48 No. 2
Etude in E flat major, Op. 10 No. 11
Etude in A minor, Op. 25 No. 11
Scherzo in B flat minor, Op. 31

表情を動かさない、ポーランド22歳の若者。
正統派の演奏でした。
音も美しかったけれど、ミスタッチが散見したのがどう評価されるか。



14.30 – 15.00
JAKUB KUSZLIK(Polska / Poland)

Nocturne in E major, Op. 62 No. 2
Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6
Etude in C sharp minor, Op. 10 No. 4
Scherzo in C sharp minor, Op. 39

2015年のアムランを彷彿とさせる方。
どっしり構えた風貌そのままに、安定感たっぷりで、あったかい音色の人。
テクニックも素晴らしい。
今年の一次予選のレベルの高さには、本当に驚くばかり。


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