PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

タグ:♪牛田智大

2023年9月19日(火)19:00開演 21:15終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

ピアノ:牛田智大

<プログラム>
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」ヘ短調 Op.57
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110
  • ショパン:スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
  • ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
  • ショパン:スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
  • ショパン:スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
アンコール
  • シューマン:ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.11より第2楽章
  • パデレフスキ:作品集(ミセラネア)Op.16より第4曲ノクターン
  • シューマン:子供の情景より第7番トロイメライOp.15-7ヘ長調
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ピアノを慈しむような演奏でした。

牛田君、ステージに登場した姿があまりに細くて、びっくり。
礼儀正しく生真面目な青年そのものでしたが、
若者らしい溌溂さには欠けているように見えて、もしかして彼にとっては今、つらい時期なのかもしれない……なんて、オバサンの杞憂なら良いのですが。

ベートーヴェン、副旋律を際立たせたり、耳新しく響く箇所も多々ありました。
丁寧に音楽を創っているなあという印象。
ただ、熱量、鋭さ、という点ではちょっと物足りなさがあったかも。

ショパン、神経をゆきとどかせて、きれいにまとめていました。
個人的には、甘いところはもっと甘~く歌っちゃっても……とも思いましたが、
私の趣味が野暮ったいってだけかも。

アンコールの3曲、秀逸でした。
青年の身で、アンコール曲にこういう「癒し系」を3曲並べるあたりにも、何かが感じ取れるような。
会心の演奏!って表情の牛田君も見てみたい気もします(そんなキャラではないのかな)。


【追記】
今日のプログラムの末尾に「超速報!」として
ミューザ川崎の「夜ピアノ」、来シーズンのラインナップが発表されていました。

2024年11月~2025年3月
  • マルティン・ガルシア・ガルシア
  • アレクサンドル・カントロフ
  • ベンジャミン・グローワナー
  • 三浦 謙司
  • ケヴィン・チェン
  • アレクサンダー・ガジェヴ
すごい面々!ミューザ、やるな!

17.00 – 17.30(日本時間10月5日 0:00~0:30)
SARAH TUAN (Stany Zjednoczone / United States)

Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6
Etude in C minor, Op. 10 No. 12
Fantasy in F minor, Op. 49
Nocturne in B major, Op. 62 No. 1

エチュードと幻想曲だけLIVEで視聴。
(睡魔に勝てず……翌日の仕事も考えてLIVE放棄)
お人形さんのような外見、特に長い巻毛(鍵盤にかかることも)にびっくり。
でも、演奏は決して甘くはなく、躍動感があって好感が持てました。



17.30 – 18.00(5日朝のアーカイブ視聴)
TOMOHARU USHIDA (Japonia / Japan)

Nocturne in D flat major, Op. 27 No. 2
Etude in A flat major, Op. 10 No. 10
Etude in C minor, Op. 10 No. 12
Fantasy in F minor, Op. 49

ピアノはヤマハ。
最初のノクターン。なんとも美しい音、高貴な世界。
続いて、典雅なエチュード、
そして、圧巻のファンタジー。ショパンの慟哭が聞こえてくるようでした。
王道のショパン。さすがです。心が震えました。
でも、会場の聴衆の反応が薄かったような?ちょっと気になりました。
演奏前のバックステージで、天真爛漫な笑みを浮かべてカメラに手を振る姿に、なんという余裕……と思ったのですが、演奏中は大汗を書かれていて、ああ、やはり大変なんだなあと思いました。


20.00 – 20.30(5日朝のアーカイブ視聴)
ANDRZEJ WIERCIŃSKI (Polska / Poland)

Nocturne in B major, Op. 62 No. 1
Etude in A flat major, Op. 10 No. 10
Etude in A minor, Op. 25 No. 11
Scherzo in B minor, Op 20

個人的な話ですが、
2019年のポーランド旅行で、彼の生演奏を聴きました(@ワジェンキ公園)。
当時、マイクを通しての演奏でも感動しましたが、
今回も、最初のノクターンからしっかり世界を構築していました。
エチュードも美しい。
スケルツォ、甘美な中間部の流れがちょっと滞ったかな?
でも、やはり地元。会場の拍手は長く続いていました。


2021-10-05 (1)

これまでに視聴した日本人コンテスタントの
  • 沢田 蒼梧さん
  • 進藤 実優さん
  • 反田 恭平さん
  • 角野 隼人さん
  • 竹田 理琴乃さん
みなさん、すばらしい完成度で、ほんとに驚きました。
1年延期されたせいもあるのでしょうか、他国のみなさまのレベルも例年になく高く感じます。

強いてランク付けをすると、、、、
正直言って、私の印象度の強さも、この順番です。^^;
これって、私の耳がまだフレッシュなうちにビビッドに反応しただけ、という可能性も??
だんだん自分の耳に自信がなくなってきました。。。💦

2019年3月21日(木・祝)13:30開演 15:30終演
@横浜みなとみらいホール

<プログラム>
シューベルト:4つの即興曲 Op.90
ショパン:バラード第1番 ト短調 Op.23
~休憩~
ショパン:24の前奏曲 Op.28
(アンコール)
シューマン:子供の情景Op.15-7トロイメライ
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私にとっては、お初の牛田くん生演奏です。
まず、前半のプログラムが全とっかえになっていて、びっくり。
当初は、ラフマニノフとリストの予定だったのですが。。。

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なるほど~。
ステージマナーといい、この案内文といい、誠実の人ですね、牛田くん。
アンコールの前にも、ここに書いてあるような事情について自分の言葉で説明されてました。

感想。
彼は今、「重厚さ」を求めているような気がしました。
冒頭のシューベルト。
ピアノの響きが消えゆく先まで追っているような演奏でした。
とても丁寧に曲の構造をとらえていると感じました。
印象に残ったのは、左手低音部の、重い重い爆音。
この点については、この後のショパンにも共通していました…というか、さらに濃厚になりました。

重厚なるショパンだったのです。
ちょっとびっくり。
牛田君にはどちらかというと軽やかな印象を持っていたので。
そういえば、2位となった浜松国際コンの特集TV番組でも、ロシア奏法の重厚さを目指しているといったようなことを彼自身が語っていたかもしれません。

彼自身の世界観を感じたのは確かです。
たいへんに才能豊かな青年であることはお墨付きでしょう。
ただ、私が求めるショパンの世界とは、ちょっと異なる世界だったことも事実。

刺激を受けたという意味で、意義深いリサイタルでした。
当日券なし、満員御礼はさすがです。
ホールに入るまでかな~り並んだことにも驚きました。
その人気ぶりを改めて目の当たりにいたしました。

本日は2か所掛け持ちの仕事日のため、LIVEでは全く聴けず。
21時過ぎに帰宅後、アーカイブでの昨日の演奏を一人だけ聴きました。

79 牛田 智大 1999年生まれ 日本 →第二次演奏動画

佐々木 冬彦 SACRIFICE
F. ショパン バラード 第1番 ト短調 Op.23
S. ラフマニノフ ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.36 (1931)

2018-11-16

いやはや、舌を巻きました。
どの曲も、冒頭の一音で、ズキュンとハートを持っていかれます。
スケール感が半端ないです。
なんかこう、壮大なる建築物が地中から建ちあがっていくさまを見せつけるような現代曲。
その最後の音から、バラード冒頭の悲痛な一音に至るまでの空白の時間にまでも惹きつけられました。
ラフマニノフの厚み、深み、激情の魅力については言わずもがな。

公式レポートによると、
浜コンで演奏する曲はすべて中村紘子氏に捧げるものなのだとか。
コンサートとコンクールとの気分の差を問われた答え
「わりと別ものですね。コンクールのほうが、素でいられる気がします。」
にもぶっ飛びました。大緊張のあまり……というコンテスタントが多い中、「素でいられる」とは。

なるほど。大物です、牛田君。恐れ入りました。

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