PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

タグ:♩山根一仁

東京文化会館 舞台芸術創造事業
現代音楽プロジェクト かぐや

2024年1月13日(土)15時開演 16時45分終演
@東京文化会館小ホール

第一部:室内楽
  • ユハ・T・コスキネン:イザナミの涙【筝独奏】(世界初演)
  • カイヤ・サーリアホ:テッラ・メモリア【弦楽四重奏】
  • 横山未央子:地上から【弦楽四重奏】(委嘱作品/世界初演)
Vn:山根一仁、毛利文香
Va:田原綾子
Vc:森田啓介
筝:吉澤延隆

第二部:『かぐや the daughter tree』(委嘱作品/世界初演)

ソング・サイクル(歌曲)
  1. 竹取
  2. 輝く竹の幹
  3. 黄金と成長
  4. 無関心な
  5. 月を見るひと
  6. 奇妙な光
  7. 月の姫
原作:「竹取物語」及び与謝野晶子の詩に基づく
作曲:ジョセフィーヌ・スティーブンソン
作詞:ベン・オズボーン
振付:森山開次

ヴォーカル:ジョセフィーヌ・スティーブンソン
ダンス:森山開次

Vn:山根一仁、毛利文香
Va:田原綾子
Vc:森田啓介
筝:吉澤延隆


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2024年お初の生演奏鑑賞は、特別なステージでした。
世界でも有数の「現代音楽の聖地」といわれるフィンランドの音楽家と日本の音楽家、さらには和楽器と西洋楽器、日本語と英語、音楽と踊りがコラボレートして作りあげた舞台。

冒頭からビックリ。
筝を奏でながら、「おお(うめき声)」「爺様」「ツバキ」などの言葉を、秘かにささやいたり、朗々と吟じたり。
照明も凝っていて、2曲目は完全に暗転。
その前の筝と同じムードで弦楽四重奏の曲が奏でられて、これまた驚嘆しました。
なかでも、第1部で一番印象に残ったのが3曲目です。
弦楽器の胴の部分を叩き、ピチカートで演奏するこの曲、まるで鼓のような音色に聞こえて、
リズムがカッコよくて、痺れました。
作曲者の横山未央子(1989-)さん、会場におられて、満場の拍手を浴びられました。
フィンランド在住、シベリウス音楽院にお勤めとのこと。

圧巻は第2部でした。
森山開次氏の舞踊、舞台上方のスクリーンに翻訳を載せながらの歌唱、第1部の演奏者による演奏。
三者のコラボに加えて、照明による「月」や「樹木の影絵」、さらには演奏者の影が壁に映し出されるという効果も加わって、実に幻想的な舞台でした。
ボーカルの女性が、作曲者でもあったこと、帰宅して知りましたが、素晴らしい声でした。

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休憩時間に撮った画像です。

正面の譜面台(照明つき)のところで弦楽四重奏が奏でられ、
右手上方の白いスクリーンに歌の日本語訳が照らし出され、
右手舞台上で筝が演奏され、
登場した森山開次氏が中央の緑色の布の下に隠れたり、被ったり、着用したりして(歌い手が差し出す白い服を着用する時間帯も)、樹木や精霊になりきって踊るのです。
いやあ、幻想世界でございました。

スタンディングオベーションの嵐にて終幕。
客席には舞踊業界の方も多かったと見えて、ちょっとアバンギャルドっぽさが漂い、普通のクラシックコンサートとはまた違った雰囲気だったのも面白かったです。

終演後、外へ出たら雪が降っていて、これまたビックリでございました。

新日本フィルハーモニー交響楽団
2021年04月08日(木)19:00 開演 21:00終演
@ サントリーホール 

指揮:尾高忠明、ヴァイオリン:山根一仁*、ソプラノ:砂川涼子**

<プログラム>
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第 5 番 イ長調 K. 219 「トルコ風」* 

マーラー:交響曲第 4 番 ト長調** 

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久しぶりの山根くん。
ググってみたら、ほぼ3年ぶり(→2018年7月)。
ますます細くなったのでは……。
チュニックのような衣装だったこともあり、
舞台奥、反対側のP席から見て、一瞬、女の子が出てきたのかと見間違いました。💦

第3楽章の短調の、いわゆる「トルコ風」と言われる箇所が、とびぬけて魅力的でした。
山根君の音色って、優しく明るいモーツァルトより、
一種、悪魔的な曲想のほうが合うように思います。

マーラーは、初めて聴く曲。
解説に「牧歌的」とありましたが、なるほど、トロンボーンもチューバも編成に含んでいないというのは、「ロマン派最後の交響曲作家」としては、珍しいのでしょうね。

トライアングル、鈴、タムタム、グロッケンシュピール、ハープ、といった楽器の音がよく聴こえるのは、P席の特権かも。
その恩恵を実感できる曲でした。
第4楽章になってから、ソプラノの独唱が入りましたが、「天国の暮らし」を歌っているというとおりの美しさでした(でもって、ちょっとうとうと……)。

昼間、かなりハードな仕事の後に、文字通り、駆け付けたものですから。
行けなくなった、という方から、急遽、譲っていただいたチケットでした。感謝!
(で、焦ったあまり、写真も何も撮りませんでした。💦)

客席は、かなり空いていましたが、COVID-19対策なのでしょうか。
これ以上、感染が広がりませんように。
また、コンサート制限が厳しくなったり、しませんように。

なんだかもう、複数の仕事について突発的なことが同時多発状態になっていまして、
対応にてんてこ三昧になっていました。(まだ収まったとはいえない……💦)
そんななか、先日予告した武生音楽祭、
初日の前半だけLIVEで、あとはアーカイブで聴きました。


【武生国際音楽祭】J.S.バッハ&細川俊夫 独奏の調べ【2020.9.11】
  •  ​J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007 (水野優也/チェロ)
  • 細川俊夫:メロディアII(北村朋幹)
  • J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004(山根一仁/ヴァイオリン)
  • J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番ハ長調BWV1005(毛利文香/ヴァイオリン)
  • 細川俊夫:エチュード IV/V/VI(北村朋幹/ピアノ)
  • J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV1011(岡本侑也/チェロ)

若者たちの堂々たるソロ演奏の連続でした。
伊藤恵さんが体調不良でいらしたとのことで、初日には間に合わず、北村くんが代行。
細川俊夫氏のエチュードⅠ/Ⅱ/Ⅲの予定を、同氏作曲の別の作品に差し換えての演奏でしたが、音の少ない楽譜で聴衆を惹きつける音楽づくり、さすがだと思いました。


  • シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第2番イ短調 D385(山根一仁/ヴァイオリン、北村朋幹/ピアノ)
  • ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番ニ長調 Op. 70-1「幽霊」(毛利文香/ヴァイオリン、岡本侑也/チェロ、北村朋幹/ピアノ)
  • 武満徹:オリオン(水野優也/チェロ、北村朋幹/ピアノ)
  • ラヴェル:ピアノ三重奏曲イ短調 (毛利文香/ヴァイオリン、岡本侑也/チェロ、北村朋幹/ピアノ)
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またまた北村くん、出ずっぱり。すごいなあ。
伊藤恵さん、ピアノソロのリサイタルには出演されていたようですが、やはり体調不良でいらしたのでしょうか。
その影響でしょうが、プログラムの変更もありました。
たまたま、最後のラヴェルは、
ピアノ北村くんに、ヴァイオリン郷古廉くん&チェロ横坂源くん
という編成で聴いたばかりでしたが、今回の毛利さん&岡本くんのほうが、お行儀がいい感じだったかも。
(あ、そういえばネット視聴者もお行儀いいです。チャット欄、みごとに空白。。。)

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最後に「出演者集合」って感じで全員で舞台に登場したんですが、
山根くんのラフな格好に、会場からは笑いが。。。みんな仲良さそうで、ほっこりしました。
若いって、いいなあ。(おばさんの感想)

あ、アーカイブが残っているのは1週間限定とのこと。
視聴、お急ぎください。

録画で2週間分を視聴。
題名のない音楽会55周年のコンサート。
第一線で活躍中の今を時めく若者たち、よくぞ集めました。
すごいな。

私が今まで生演奏を聴いたことのある人たちだけを五十音順に挙げてみても、こんな感じに。
(以下、番組ホームページより情報貼り付け。画像は自宅TV画面の撮影)

岡本 侑也  おかもと ゆうや /チェロ
川久保 賜紀  かわくぼ たまき /ヴァイオリン
田原 綾子  たはら あやこ /ヴィオラ
成田 達輝  なりた たつき /ヴァイオリン
藤田 真央  ふじた まお /ピアノ
宮田 大  みやた だい /チェロ
森 麻季  もり まき /ソプラノ
山根 一仁  やまね かずひと /ヴァイオリン
横坂 源  よこさか げん /チェロ
吉田 誠  よしだ まこと /クラリネット

まさに祝祭
楽しんで聴けましたよ。
昨日の奉祝曲との差、歴然。和楽器もいいですね。
弾き手も聴き手も楽しめてこその祝祭♪

11/2の曲目は
♪1:「四季」メドレー
作曲: A.ヴィヴァルディ
編曲: 萩森英明
演奏: 55周年祝祭オーケストラ

♪2:「伝統から革新への序破急」
太鼓: 林英哲、英哲風雲の会
尺八: 藤原道山、風雅竹韻
能管: 一噌幸弘
大鼓: 柿原光博
太鼓: 小寺真佐人
津軽三味線: 上妻宏光、山中信人、廣原武美
箏: LEO(今野玲央)、沢井流若手アンサンブル

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11/9の曲目は
♪1:『ファイナル・ファンタジーVIII』より「Eyes On Me」
作曲 :植松伸夫
編曲: 山下康介
作詞: 染谷和美
指揮: 山田和樹
ソプラノ: 森麻季
ギター: 村治佳織
クラリネット: 吉田誠
ヴァイオリン: 成田達輝、山根一仁
チェロ: 宮田大
演奏: 55周年祝祭オーケストラ

♪2:「ポリリズム」
作曲: 中田ヤスタカ
編曲: 萩森英明
指揮: 山田和樹
ヴァイオリン: 川久保賜紀、南紫音、小林美樹
チェロ: 宮田大、横坂源、岡本侑也
演奏: 55周年祝祭オーケストラ

♪3:「アトムの子」
作曲: 山下達郎
編曲: 三宅一徳
指揮: 山田和樹
演奏: 55周年祝祭オーケストラ
ソプラノ: 森麻季
ギター: 村治佳織
クラリネット: 吉田誠
太鼓: 林英哲、英哲風雲の会
尺八: 藤原道山、風雅竹韻
能管: 一噌幸弘
大鼓: 柿原光博
太鼓: 小寺真佐人
津軽三味線: 上妻宏光、山中信人、廣原武美
箏: LEO(今野玲央)、沢井流若手アンサンブル
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TOPPAN HALL
山根一仁&上野通明&北村朋幹 Vol.1

2018年7月24日(火)19:00開演 21:10終演

<プログラム>
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第1番 変ホ長調 Op,1-1
  Ⅰ Allegro
  Ⅱ Adagio cancabile
  Ⅲ Scherzo. Allegro assai
  Ⅳ Finale. Presto

ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1番 ハ短調 Op.8

~休憩~

ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 Op.8(1854年初稿版)
  Ⅰ Allegro con molto
  Ⅱ Scherzo. Allegro con molto
  Ⅲ Adagio non troppo
  Ⅳ Finale. Allegro molto agitato

アンコール
ショスタコーヴィチ(北村朋幹編曲)ジャズ組曲第1番より
 Ⅰワルツ

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こんな猛暑になるとは夢にも思わず、数か月前にぽちっと衝動買いしたチケット。
いったん仕事から帰宅後、よろよろしながら出かけましたが、行ってよかったです。元気になりました。
トッパンホールでは、この3人によるシリーズを開始するとのこと。
その第1回にふさわしく、大作曲家のピアノ三重奏曲第1番をセレクトしたプログラムです。

プログラムノートの表現に共感したので、そのまま引用します。

知的かつ繊細でハイセンスな北村、強靭かつ鋭利で表現意欲旺盛な山根、柔軟かつ端正で内に情熱が潜む上野と、3人の個性は異なる。だが彼らはたびたび共演し、触発し合いながら、フレッシュな”共奏と競奏”を展開してきた。

なんというか、会場の空気の密度がぐっと濃くなったように感じました。
この3人ならではの空気感に圧倒されました。

ベートーヴェンでぐぐっと会場の心をつかんだ3人。今後もベートーヴェンを軸としてプログラムを組んでいく予定だそうです。
ブラームスは、「通常採用される晩年の改訂版」ではなく「迸る楽想を抑えきれない青年の才気の奔流」が魅力だという21歳時の初稿版でしたが、曲そのものとしては、やはり改訂版のほうが洗練されているように感じました。
「今後改訂版も取り上げることを視野に入れた選曲」とのことで、楽しみです。

洒脱なアンコール曲、とっても素敵でした。北村君の編曲の技にも改めて感嘆。

東京音楽コンクール入賞者リサイタル
田原 綾子 ヴィオラ・リサイタル

2017年12月17日(日)14時開演 16時20分終演 
@東京文化会館小ホール

共演:須関 裕子(ピアノ)
友情出演:山根一仁(ヴァイオリン)、毛利文香(ヴァイオリン)、上野通明(チェロ)

<プログラム>
ブラームス:F.A.E.ソナタより、第3楽章スケルツォ ハ短調 WoO.2
シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D.821
西村 朗:無伴奏ヴィオラ・ソナタ第2番<C線のマンドラ>
ヒンデミット:ヴィオラ・ソナタ op.11-4

~休憩~

コダーイ:2つのヴァイオリンとヴィオラのためのセレナード op.12
ブラームス:三重奏曲 イ短調 op.114

アンコール
山田耕筰=森円花:ペチカ 本日のための委嘱編曲(ピアノ五重奏版)
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私にとっては、2017年のコンサート聞き納め。それにふさわしい、見事なリサイタルでした。

「アンサンブル、かくあるべし」を見せていただいたようでした。
田原綾子さんご本人が、終始、実に楽しそうに振る舞っているのが聴衆としても心地よく、
彼女自身がアンコール前の短いスピーチで
「ヴィオラはそれだけでも魅力があるけれども、他の楽器と合わせることによって、ますます魅力が増す楽器」
と述べたような演奏姿勢が、魅力にあふれる音楽を醸し出すのだなあ…と思いました。

前半がヴィオラのソロ曲(それにふさわしい、濃紺にゴールドをちりばめた艶やかな衣装)、
後半がアンサンブル(シンプルな緑のドレスにお着換え)というメリハリもよかったです。
ピアノの須関さんとは、まるで姉妹のよう。姿かたちも、音楽も見事な一体感でした。

後半の友情出演の3人は「エール弦楽四重奏団」と組んでいる仲間ですが、
全員そろって、いまをときめく若手の綺羅星たち。
高校時代にこの4人でアンサンブルを組むことになり、それを機に田原さんはヴァイオリンからヴィオラに転向した……というのは、初めて知りました。

昨年末のコンサートで、田原さんの演奏に惹かれ、今回のリサイタルに足を運びましたが、昨年にも増して演奏に風格が出たように感じました。これからも楽しみです。
ヴィオラの魅力、満喫いたしました。

フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団(PEO)第61回演奏会

2017年4月30日(日)14時開演 16時10分終演
@東京芸術劇場

指揮:矢崎彦太郎
管弦楽:フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団
ヴァイオリン:山根一仁

<プログラム>

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調

(アンコール)バルトーク:無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2楽章

ムソルグスキー:展覧会の絵

(アンコール)ビゼー:「アルルの女」からアダージェット

*************

ルービンシュタイン・コンクールのさなかですけれども、
昨年と同じような棚ぼた招待券(→)をゲットして、行ってまいりました。
留学生たち、今年もルンルンといろいろやらかしてくれてまして(写真&動画撮影の嵐…)、
ホールスタッフの方々が走り回って注意されてましたが、追いつかない感じでした。(;^ω^)
曲間には、指笛、ヒューヒュー声もたくさん。
でもまあ、天真爛漫に楽しんでいる様子で、よかったです。

私個人の感想としては……やはり、山根君がよかった♪
一番印象に残ったのはバルトークかもしれません。
キレッキレのリズム感、難易度高いテクニックも楽しんでる様子、さすがでした。

オケは、ちょい危うい箇所が(特に金管楽器)多々あってハラハラしたのと、
ちょっと音のタイミングがずれて聴こえることがあって「あれ?」と感じましたが、
三階席の奥という、こちら側の位置取りの問題もあったのかもしれません。
(招待券なので、文句は言えません)
そんな中、ファゴット(女性演奏者)が危なげなく朗々と響いたのが印象的でした。

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