PIOピアノ雑記帳

ピアノ、音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

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今回のショパン研究所の配信ドキュメンタリーは、
『The Breath of the Orchestra』

2013年の「第9回ショパンと彼のヨーロッパ」国際音楽祭の折に演奏した
The Orchestra of the 18th Century(18世紀オーケストラ)
を取材したもの。
2020-03-26

古楽に疎くて全然知らなかったのですが、有名なオケなのですね。
世界的な演奏者が1年のうち、わずかな期間だけ活動するもので、
このオケを率いる指揮者
Frans Brüggen(フランス・ブリュッヘン)
に対する楽団員の信頼の厚いことと言ったら、それはもう!
2020-03-26 (2)

楽団員みなが18世紀の古楽器を携えているこのオーケストラが、
ショパンの音楽祭に招かれ、ショパンを演奏する、ということになったとき
「えっ?ショパン?嘘っ!」
との反応も多かったとのこと。
でも、Fransは
「その意義は深い。バッハの流れを受けてこそショパンがある」
との立場で、演奏が実現したとのこと。

なるほど。
こういう経緯もあったうえで、
古楽器によるショパンコンクールが始まったんだなあ、と思いました。

あ、このドキュメンタリーのタイトルは
Fransがオケに指示を出す際に、「息」を使うことが多い
それがまた凄い効果を示す、っていうところから来ているようです。

で、出てきたピアニストが、またすごいです。
ダンタイソン、アルゲリッチ、ピリス、ディーナ・ヨッフェ……
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その中に、海老彰子さんも。
海老さん、ショパンの協奏曲を演奏。
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ルバートが素晴らしいとの楽団員からの賞賛を得ていらっしゃいました。
さすがです。

それにしても、8月末ごろに催されている
 Chopin and His Europe International Music Festival
って、そんなに歴史の古いものだったのですね。
去年、ワルシャワを訪ねた際に、初めて気づいた私です。

今年も8月15日~9月1日の予定で組まれているようです。
2020年プログラム
この日程でちゃんと開けるといいですね。
今回もまた、そうそうたるメンバーです。

  • ダン・タイ・ソン、
  • ドミトリー・シシキン、
  • ケイト・リウ、
  • エフゲニ・ボジャノフ、
  • ケヴィン・ケナー
  • ルーカス・ゲニューシャス
  • ニコライ・ルガンスキー
  • エリック・ルー
  • チャールズ・リチャード=アムラン
  • イーヴォ・ポゴレリッチ
  • インゴルフ・ヴンダー
  • シモン・ネーリング
  • ユリアンナ・アヴデーエワ

私が知っているだけでも、こんな感じ。
(カタカナ表記、間違っているかもしれません💦)
Chopin Institute が主催すると、これだけの人達が集まるってことでしょうか。
つくづく、すごいなあ。。。

covid-19による世界的状況を受け、
Chopin Instituteが、期間限定でドキュメンタリー映画の無料配信を行うそうです。

(以下、Facebookのアカウントよりコピペ)
ポーランドは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、3月15日から14日間自宅隔離が行われています。この特別な時期に国立ショパン研究所はドキュメンタリー映画無料配信を用意しました。映画は毎週水曜日と土曜日に国立ショパン研究所のYouTubeページでご覧いただけます。

リンクは、for PC for iOS   for Android
日本時間では木曜、土曜の午前3時から24時間視聴可能となるようです。
先ほど、視聴したのはこちら
2020-03-19 (19)

アンナ・ガヴリタ & トマシュ・ヴォルスキ監督
第12回「ショパンと彼のヨーロッパ」国際音楽祭(2016年)
ドキュメンタリー映画
@ワルシャワ国立フィルハーモニーホール
2020-03-19 (20)
冒頭に出てきたこの画面、
弾いているのは、どうやら小林愛実さんのようです。

映画は、タイトルどおり2016年8月の音楽祭の模様を追うものですが、
中心となるのは、
  • オペラの準備、リハーサルの様子
  • Iwona Sobotka(ソプラノ)リサイタル(ピアノJanusz  Olejniczak)
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彼女のソプラノ、とっても美しかったです。
ピアニストのジャヌス氏、ポーランドでは「宝」と呼ばれているようですが(コメントで流れてました)、なるほどの音色でした。
  • Seong-Jin Cho (ピアノ)のチャイコフスキーP協奏曲
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  • Jan Lisiecki (ピアノ)のベートーヴェン(Fantasy for piano, choir and orchestra in C minor, Op. 80)
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ソンジン君の、リハーサルから本番までの真摯な雰囲気、そして人気の凄さ(終演後、サインと写真撮影を求めて並ぶ人々の熱気に圧倒されます)が印象に残りました。
リシエツキ君の、終始楽し気な雰囲気とは、かなり対照的です。

けれども、こういう大舞台よりも私にヒットしたのは、
  • ピアノレッスンの様子(講師:Tobias Koch 生徒:Tymoteusz Bies)
でした。
2020-03-19 (2)

Tymoteusz Bies君は、生演奏を聴いたことがあるピアニスト。
それも、昨年、ショパンの生家(ジェラゾヴァ・ヴォラ Żelazowa Wola)で!
ということもありますが、
レッスンの内容が、先生のコメントのセンスがピカ一でした。

Agitatoというのは、速く、という意味じゃないよ。
バスを待っているのに、全然来ないときのような。わかる?
君は、もうバスに乗っちゃってるよ。

もっと音をつなげて。
拍は大事だけれども、ソーセージを並べるわけじゃない。

(私は「サバのぶつ切り」と言われたことがあります。表現と食生活、直結してますね)
トロンボーンの「ワォ~ン」という響きをイメージすればいいかな。

涙とほほ笑みの間には、時間が必要だろう?
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レッスンでは、美術作品に触って、感触の違いを確かめさせたり。
深いです。

今のとは違った演奏を聴かせてみて。リサイタルだと思って。
じゃ、今度はその演奏とはまったく逆の演奏にしてみて。
ううむ。もっと自由になれるかな?
ちょっと座り直して、すぐに弾いて。
そうそう。
その音楽はどこから来る?
そして、どこへ行く?

このやりとり、はじめBies君は、
わからない、頭かな、心かな、などと言っていたのですが、
もう一度弾き直してみてから、先生も納得する答えにたどりつきました。
さあ、答えは何でしょう?(あとで答えをアップしま~す♪)

曲は、ショパン前奏曲Op.28-1。



映画の最後は先生のソロ演奏。

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指導者のTobias Koch、全然知りませんでした。
ドイツで活躍されているとのことですが、指導が英語で、助かりました。

あ、YouTubeでは、
最初にポーランド語字幕版、
次に英語字幕版がアップされていました。
私は気づかずに、
冒頭からのポーランド語字幕版をChopin Instituteの英語訳コメントを参考にしつつ視聴しましたが、英語版で見ればよかった、と後で思いました。

日本時間、3月20日(金)午前3時までの限定公開のようです。
ご興味のある方はお急ぎください。

帰宅時間が遅くなって、ピアノの音も出せず、
でも、仕事をする気にもなれず、
まさに逃避行動に走ってしまいました。
久しぶりの、〇〇azon  のフリー映画視聴。
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どんな映画なんだか、まったく知らず、
ただ、PCからおススメされたという理由だけでチョイス。
見終わってからよく見たら、
2016年のイギリス映画で、第69回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞作だったのですね。

タイトルどおり、主人公はダニエル。
心臓病で医者から仕事を止められた初老男性です。
彼が給付金受給の適格者かどうか判断すべく、続々と繰り出される質問からの幕開け。
なんとマニュアルチックな質問の羅列!
そのままでお笑いになってしまいそう。
かつて「ゆりかごから墓場まで」って習った、イギリスの福祉の姿がこれ?
初めは「あるある」なんて軽いノリで見ていたのですが、
重なっていくにつれて、だんだん深刻な、やりきれない気持ちになっていきます。
でも、こういう官僚的マニュアル対応、日本でもいまや日常茶飯事。

個人的な話になりますが、
トラブルを抱えて「相談所」に行くと、そこのマニュアルで対処されて、
その機関にとっての「成果」とカウントされるような結論へと誘導される。
成果にならないと判断されると、ポイと捨てられる。
そんな対応、私もたくさん経験しました。
そんな場所でのアドバイスを真に受けた私がいかにバカだったか、今にしてわかる情けなさ。
痛切に反省したって、あとのまつり。

さて、相談所で酷い扱いをうけたダニエルが、
その直後、義憤に駆られて手助けしたシングルマザーのケイティ一家。
ダニエルの心の広さ、温かさ、その振る舞いの正しさに心打たれます。
彼らのコミュニケーション、まさに人間的。

その末のエンディングには茫然とします。
もちろん、そうなるんじゃないかなあという予感はあったのですけれど。

印象的なシーン、多々ありましたが、
長く闘病した妻を看取ったダニエルが、ケイティ一家とともに妻をしのぶシーンもその一つ。
彼女がラジオから録音したという美しいメロディーに、思わずほろりとなりました。
ラジオに張り付いてカセットテープに録音するなんて、今の若者には想像もつかないでしょうね。

いろんな意味で、
かつてと今……具体的には昭和と令和の時代の差のようなものに心を馳せながら見てしまいました。


さあ、明日の予習をしなくては。
これにて逃避タイム終了。

話題の映画、見てきました。
昨日のレディースデイを利用して。
話題といっても、クラシック音楽ファン以外には、それほどでもない?
シネマコンプレックスの中でも、小さなホールでの上映でした。 
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よくできた映画だな、と思いました。
天才少年、風間塵が主人公だった原作の設定を
映画では栄伝亜夜をメインに据える形に変えたことは、感情移入のしやすさで成功ましたし、
何と言っても「春と修羅」を実際の音楽で演奏したことが、圧倒的なリアリティを与えていました。
俳優陣も、原作のイメージをよく伝えていたと思います。 

原作者の恩田陸さんも指摘するように、
あの膨大な量のストーリーを、破綻なく90分程度にまとめること自体、大きなチャレンジだったかと。
 →映画『蜜蜂と遠雷』原作者 恩田陸インタビュー

本選でプロコフィエフの第3番コンチェルトを弾く栄伝亜夜の弾き姿を見て、
アリス紗良・オットをイメージしたのは、私だけかな?

友人にDVD、いや、ブルーレイディスクを借りて視聴。
1993年公開って、もう26年も前の映画になるんですね。
監督がスピルバーグだったことも忘れていました。
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上記カバーの写真は、架空のシーンではないかと。
赤いコートを着た可愛い少女。
その赤は、モノクロ画面の中に表れた本編中に現れた、白黒以外の唯一の色。
(ユダヤ教儀式のろうそくの光も、一部オレンジ色で現れますが)

ゲットーの中で追い立てられる群衆の中の少女は、小高い丘から馬上の人としてシンドラーが見つめる光景の一部として描かれるもので、まるでシンドラーその人が少女の手を握っているかのような、このシーンはありません。(いや、もしかしてこの大人の手は女性の手?)

そういえば、フィギュアスケートのリプニツカヤ選手による赤い衣装での演技「シンドラーのリスト」が感動を呼んだことも思い出しました。


モノクロづかいが効果的な映画です。
色がついていたら、あまりに凄惨すぎて、私は見続けられなかったかも。
そういう意味での芸術性に惹かれました。さすがスピルバーグ。

内容としては、ホロコーストの悲惨さも、もちろん胸に突き刺さりましたが、
シンドラーの俗物性(ポーランドに来たのも金儲けのため。女や酒に目がなく、賄賂づかいの巧みさでのし上がっていく)と、いざというときの素晴らしい行動力を生々しく描いていく人物造形が印象的でした。

工場を任せていたユダヤ人、イサック・シュターンが誤って移送されそうになると、
その場のはったりで、移送責任者のドイツ軍軍人に脅しをかけ、列車そのものを緊急停止させてしまう場面。
いよいよユダヤ人への迫害が厳しくなり、「シンドラーのリスト」の作成を決意してからは、
条件を呑ませたり、誤謬を訂正させたり、何が何でも計画遂行に持って行くまでの意志、行動力の凄まじさ。

また、ドイツの無条件降伏後、ロシア軍によって「解放」されたユダヤ人たちのその後の苦労にも思いを馳せました。
東側はユダヤ人への憎しみが渦巻いている、でも、西側に行くことも薦めない、
というロシア兵の言葉。
いったい彼らは、解放されたあと、どのような道筋をたどって、どこへ向かったのか。
一方、逆の立場の者たち―ー軍の命令に従っただけのドイツ軍人たち―ーのその後も、過酷だったに違いありません。
シンドラー自身、ナチス党員だったわけですし。

とにかく、戦争というものの狂気と理不尽さをつくづく実感しました。
そして、
ジョン・ウィリアムが作り、パールマンがヴァイオリン演奏したというテーマ曲が、つくづく哀しかったです。

友人のSNS投稿で知って興味を覚え、映画館へ。
ときは1962年。アメリカ南部ではまだまだ黒人差別意識が濃かった時代です。
そんな南部地域を8週間かけて回るトリオ・ツアーを敢行するインテリ黒人男性ピアニスト、ドクター・シャーリー(ドク)。
ツアー間のドライバーとして彼に雇われたイタリア系男性、トニー。
二人のロードムービーに、最初から最後まで引き込まれ、心が温かくなりました。
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最初は黒人差別意識丸出しだったトニーが(イタリア系移民も差別の対象とされていた時代、もっと低い地位のものを貶める……陥りがちなパターンです)、
洗練とは程遠い、がさつそのものだった彼が、
ドクと行動を共にするうちに変化していく様子がとても自然で、人間っていいなあ、仲間っていいなあ、体験って、感性って大切だなあ、、としみじみと。

ドクの孤独も心に沁みました。
いつもクールでスタイリッシュで落ち着いている彼が、激高する場面が何度かあるのですが、その理由が心に刺さって。
国の中枢を担う人材(大統領とか、警察庁トップとか、…)を動かせる立場であることを自慢するどころか、そんな人間の手を煩わせたことを悔い、歓喜するトニーを叱りつける彼なのです。
黒人社会にも白人社会にも帰属感を覚えず、「はぐれ黒人 stryaed Black」と自称する彼。
典型的な黒人音楽には馴染みがなく、長年教育を受けてきたクラシック音楽では生きていけない彼。

黒人がブラームスやリストやショパンを弾くことは許されない
黒人が弾いてもいいのは、ピアノの上に酒のグラスを置いて弾くピアノだけだ

この発言を聞いたトニーの反応
「ジョーパン(ショパンを知らない)なんて、誰だって弾くんだろう。俺は興味がない。」
「でも、ドクの演奏はドクにしかできない。最高だ。」

このトニーにもシビレましたけれども、クライマックスは
大勢の人々を前にして、ついにドクが、ショパンを弾くシーンです。
そして、トニーはその演奏に大興奮!
もちろん、私も。
ラストシーンの家族の姿にも心打たれました。私自身を振り返り、またも猛反省。。。
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しみじみと映画館の外に出ると、桜は葉桜になっていました。

ドク役の俳優さん(Mahershala Ali)、トリオでの演奏でも、ショパンのエチュード「木枯らし」でも、実際に演奏しているように見えました。びっくり!
ググってみたら、心得があるわけではなく、この映画のために特訓されたのだとか。俳優さんはすごいですね。

「マイケル・ジョーダンのダンスをいくら見て練習したって、ああはならない。」
「通りを歩いている人をよく観察すれば、ダンサーがどの人かはすぐわかる。その人の生活にダンスが入り込んでいるから。」

という考えで、助けてくれる音楽家とwork togetherしつつ、ピアノの椅子に座ればピアニストに見えるよう、ピアニストの姿勢を身に着けるよう心がけて、日々生活したのだとか。
感服です!→インタビュー動画

遅ればせながら、観てきました。
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クイーンというバンドに詳しいわけでは全くないのですが(メンバーの名前も、ヒット曲名も挙げることができません💦)、
耳なじみのある曲、私でも歌えてしまう曲が続々出てきて、彼らの偉大さを再認識しました。
最後のライヴエイドのステージの迫力には圧倒されました。
ここまで音楽が主役の映画だったとは。
これは、やはり映画館の音響で体感することをお勧めいたします!

2時間という映画の時間枠に収めるため、事実とは異なる描き方も多々あるようですが、
「I am a performer.」
と断言するフレディの生き方は、がっちり描けていたように思います。
ロックというと、音楽理論そっちのけで「社会に対する怒りをぶつけて」「感性で音楽づくり」しているようなイメージを勝手に描いていましたが、フレディがオペラのレコードを愛聴していて、その知識がアルバムにも反映されているなど、初めて知りました。
バンドのメンバーも、宇宙工学の博士号を持っていたりと、インテリなんですね。

映画で描かれていたのは1970年から1985年の15年間ですが、
自分を振り返ってみれば、15年前の2004年なんて、ほとんど「最近」の範疇。
その短い間に、フレディはなんと濃い人生を生きたのであろうかと、そういう感銘も受けました。

ちょっと以前、自宅PCでの一人無料視聴(たしか浜コンのアーカイブがなかなか出て来なかった頃です)。いろんな意味で楽しめました。



まず、このオープニングだけで、なんとセンスがよいのだろうと。
そして、音楽がジョン・ウィリアムスなのかと。2002年の映画です。

詐欺師フランク・アバグネイル・ジュニア(レオナルド・ディカプリオ)の話なのですが、これがなんと実話。
父の事業の失敗、続く両親の離婚を機に、家出してしまったティーンエイジャーのフランクが、小切手詐欺を繰り返し、大金をだましとっていく、という話です。嘘に嘘を重ね、度重なるピンチを見事な機転で乗り切っていくフランク。

彼を追うFBIのカール・ハンラティ(トム・ハンクス)との攻防、見ものです。
まさにタイトルどおり。

ストーリーそのものはこの辺で伏せますが、
彼が刑に服した後の経緯(映画中から予想がつき、最後のクレジットではっきり明かされます)にも、また、ぶっとびました。
なんと、立派な一市民として、職も収入も(たぶん地位も)配偶者もゲット。
能力さえあれば、どこからでも巻きなおし可能なアメリカ、こういう点ではさすがです。

ググってみたらば、フランク氏、ただいま70歳でご健在の模様。
恐れ入りました。

久々に映画館へ足を運びました。
出勤前にちょうどよい放映館のロケーション。しかも本日レディース・デイ。
これも何かのご縁かと。
先日、ニュースで映画宣伝を見た時点では(→テレビ報道の記事) 鑑賞の予定もなかったのですが、その後、ピアノ仲間から「よかったよ」との感想を聞いて、行ってみる気になりました。

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はい、納得しました。
実際に見る前は、フジコ氏の「わが素晴らしき人生」または「苦労の道のり」のひけらかし作品、自己宣伝映画ではあるまいか?……と危惧していたのですが、
チャップリン時代の無声映画をほうふつとさせる小さな章立て(タイトル)で区切りつつ、実に率直な語り口で進んでいく、好感のもてる作りでした。

印象深かった点を箇条書きにします。

  • 響きの豊かさは骨格から? 掌、手指の厚みは比類なきほどかと。
  • 画才も見事。父親が新進気鋭のデザイナーだったと知って納得。
  • 母親の厳しい教育あってこその、ピアノへの情熱。母親の力、偉大なり。
  • 住居への思い入れにも驚嘆。19世紀建造のパリのアパートメント(1年のうち半年はここで)、東京の自宅、京都の町屋風住居、ベルリンの知人宅の地下、まだあったかも?すべての部屋を購入して自分好みに改築、改装。残したいものは「フジコ・ヘミング」という名前ではなくて住居であると明言。
  • その住居、そこに住む猫たちの世話を自ら買って出る知人、それも若い男性たちがいること、ベルリンでの学生時代の大家さんと半世紀に及ぶ家族づきあいをしていること等にも驚く。人心を引き付ける人柄なのに違いなく。
  • 母親がベルリンから持ち帰り、2代にわたって弾き倒したというピアノ、「Blüthner Leipzig」と大書してあったことも印象的。この5月にまさにこの直営店を訪れたところなので。
  • エンディング・テーマはドビュッシーの「月の光」。その図太い音色にびっくり。それでもちゃんと「月の光」の世界を構築していて、またびっくり。
びっくりポイント、てんこ盛りでした。
「年齢非公開」なんてテロップが出ていましたが、「1946年、14歳」というナレーションは何度も入ったような?次の世界ツアーはアフリカだとか。すごい人です。

PCでの無料映画視聴記録です。久々に、この前の日曜夜のこと。

「1つのドアが閉まれば、別のドアが開く」
(一つの可能性が閉ざされれば、別の可能性が生まれる)
主人公が車いす生活になった際、愛妻が口にしたというこの言葉、
誰の人生にもあてはまるものでしょうか。。。

2018-07-01 (1)

愛妻の死後、筆を折っていた老作家を再び執筆に向かわせたのは、
夏の間だけ仮住まいに来たBelle Isleの隣人家族との交流。
彼に信頼を寄せる利発な少女をはじめとする三姉妹、
美しいピアノを聞かせてくれる、離婚調停中のその母親。

ベートーヴェン、悲愴ソナタの第二楽章の旋律の美しさ、胸に沁みました。
外に漏れ聞こえてくる、夕暮れの中のメンデルスゾーンの無言歌、Op.53-1も。

どういうご縁か、映画のなかでモーガン・フリーマンに会うことが多い私です。

今朝のNHKニュースで、フジコ・ヘミングの映画公開が紹介(宣伝?)されて、びっくり。
彼女のことは、ここでも話題にしたことがあります(→過去記事)。

「ブラタモリ」でアシスタントをしている林田アナウンサー(芸大卒)、10代の頃は本気でピアニストを目指していたそうで、そのころ、フジコ・ヘミングの演奏に接して大きな影響を受けたのだそうです。彼女の取材によるコーナーでした。

フジコさん、もう80代とのことですが、今も年間60回ステージに立っているとのこと。
日本とフランスを拠点にしているといい、海外公演も多いようでした。

「最近うまくなってきたと思う。わかってきたから。私が正しいことをやっているってわかってきた。」
「雨降って地固まるって言うでしょ。何もないままだったら、地面はバサバサだったかもしれない。」


堂々たる風格。そして自信。
60代になってテレビ番組で注目されて以来の活躍ぶりは、万人の知るところです。
「どんな状況にあっても、楽しみは見つけられる」
という彼女の精神の証左として、戦時中の子供時代にかいた絵日記が紹介されていました。
厳しい時代、苦しい生活の中でも、美しいものを見つけてそれを絵日記に描いていた、と。
今もパリのカフェのテラス席に犬を連れて座り、道行く人を眺めるのが楽しいのだそうです。
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そういえば、昨年の今頃だったでしょうか、
「あなたも映画に出てみませんか」
といった宣伝文句とともに、フジコ・ヘミングのコンサートチケットが売り出されていました。
映画収録も兼ねたコンサートですよ、客席も映されますヨ、と。

フジコさんには、優秀なるバックアップ集団「チーム・フジコ」が控えているのだろうなあ、と思いました。

邦題:グッド・ライ~いちばん優しい嘘~
(C)2014 Black Label Media, LLC. All Rights Reserved. 日本公開2015年
2018-03-10 (2)
また無料PC視聴した映画ですが、これは佳作というより、傑作だと思います。
南スーダンの難民きょうだい(brothers & a sister)の物語。

冒頭は、スーダンの武装勢力に村が襲われるシーンから。
両親を失い、きょうだいで安全な場所を求めて数百キロも、いえ、千キロ以上も歩きとおすのです。その過程で弟を失い、きょうだいたちを率いてきた長兄も……。

難民キャンプにたどりつくまでの苦難の道も驚異でしたが、
キャンプに着いてから新たな道が提示されるまでに17年もの時間がかかること、
3.11以降は、その道も閉ざされてしまったことに衝撃を受けました。

カンザスシティに住処と職を得た兄弟3人の生活と、
彼らとの交流を通して、職を斡旋する仕事に就いている女性が変化していく様子を描く
そんな映画です。
ところどころで語られる「Good Lie」。
それがこの映画で意味するところは、最後の最後に衝撃的に明かされます。

家族の結束ぶり、両親に受けた教育とプライドが心に奥深く根付いている様子に心打たれました。
画像にもあげた兄弟を演じる3人は、実際のアフリカ難民であることがエンドロールによって判明。
訴えかける力の強さは、こんなところから生まれているのかもしれません。

邦題は「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」。
例のごとくの、映画PC視聴@自宅。
火曜日のお仕事が一段落したもので。イエイ!
40年間、NYブルックリンの5階の部屋(階段のみ・エレベーターなし)に住み続けた夫婦が、足腰がすっかり衰えてしまう前に住み替えようと考えて……というお話。

白人と黒人の結婚を認めないという州も多かった40年前に結婚した
夫アレックス(モーガン・フリーマン)と妻ルース(ダイアン・キートン)。
この夫婦がかっこよかったです。
夫は黒人のアーティスト(画家)。妻は白人の教師。

時折挟み込まれる過去の思い出映像、エピソード
……ルースがアレックスの絵のモデルになり、彼の個展を応援し、
結婚に家族の祝福を得られず、また子どもが持てず苦しみ、でもアレックスに支えられ、
退職祝いにアレックスから〇〇をプレゼントされ……
等々から、二人のあったかい関係がしみじみ感じられました。
「この部屋から去る」という瀬戸際状況が、二人の記憶を呼び覚ましたわけで、
こういう話の流れもセンスあるなあと思いました。

夫の鼻歌に密かに妻が合わせていたり、
オープンハウスに訪れて、レコードのターンテーブルに興味を示した少女にLPを聴かせたり、といった使われ方の音楽も、お洒落。

結末はなんとな~く見えてしまうのですけれど、
そうなるキッカケが、テロ騒動の若者逮捕のTV画像、というのが説得力あり。
佳作です。
2018-02-06

原題は「La Ritournelle」(2014年公開 仏)
……フランス語でルーティーンとか、シャンソンとかいう意味らしいです。
邦題の間奏曲(imtermezzo)とは、原題に関わりなく、パリでのアヴァンチュールをほのめかす語として日本側が付与した語句でしょうね。……ってことで、ちょこっと期待したクラシック曲"Intermezzo"のBGMなぞ、まったく出てきませんでした。(;^ω^)

目が冴えて眠れなくなってしまった
夜、一人でPC視聴。
フランス語もフランス映画も、まるっきり知識のない私ですが、
なぜかこのところ、続けざまに
イザベル・ユペールの映画を見てます。。。ご縁です。
(→未来よこんにちは  →アスファルト
2018-01-13 (1)
今回の役どころは、片田舎のブルゴーニュで牧畜業を営む一家(といっても息子は家を出ていて夫との二人暮らし。通いの雇人もいます)の主婦。……それでも彼女、かっこいい。
隣家の若者のパーティーに足を運んだことがきっかけで、パリ行きを思い立った彼女の、二泊三日のちょっとしたお遊びと、それに絡む夫の行動、二人の関係の変化などが、さらりと描かれます。
やっぱりフランス映画って、押しつけがましくなくてお洒落でございます。

なんだか両親の肩身が狭そうに描かれていた彼らの息子ですけれど、
ちゃんと主体的に学んでいて、軽業師の芸を磨いていて立派!立派!立派!

あれこれ考えつつわが身を振り返れば、
固い、固い、と言われる私の言動、思考すべて、ほんと硬直の極致だなあ。。。_| ̄|○

邦題「新しい人生のはじめかた」
2008年公開の映画です。
ちょっとコンを詰めすぎたので、頭のネジを緩めたくなり、
アマ★ンさんからのメール案内に誘われて、ふらふらと見てしまいました。

映画の冒頭が、ダスティン・ホフマンのピアノ演奏のシーンで、
予備知識皆無だった私は、
あららら、こんな映画だったの??と、びっくり。不思議なご縁です。

アメリカでCMソングを担当するハーヴィー(ダスティン・ホフマン)。
娘の結婚式参列のために訪れたロンドンで、心傷ついた彼と、
ヒースロー空港の統計局で働く独身女性、ケイト(エマ・トンプソン)との交流を描く物語。
(画像は日本版予告編。娘の披露宴から抜け出して自作のピアノ曲を披露するシーン)
2017-12-24 (1)
ハーヴィーがアメリカで弾いていたピアノは、ヤマハでした。
そして、ハーヴィー自作というピアノ曲、出だしの和音が、
どう聞いても、サティのジムノペディ。。。こういうのは問題にはならないのかな?

内容は、はい、頭を休めるにはちょうどいい感じでした。ほっこりします。
バージンロードでの娘のエスコート役が問題になるとか、
CMソングがデジタル音楽にとって替わられるとか、
ロンドンの街中で一番目立つ広告が「SANYO」だとか、
……ううむ、なんとなく「10年前」感を感じました。。。ダスティンもエマも若いしね♪

ウディ・アレン脚本・監督による2011年制作の映画。
例によってのPC無料視聴。
だいぶ前に見た直後は、さほどインパクトなし、と思ったのですが、その後じわじわと来ました……。
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主人公は、ハリウッドの売れっ子脚本家として稼いでいるアメリカ人男性ジル。
大金持ちのフィアンセ一家とパリを訪れたものの、世俗的なフィアンセと、パリの古きよき文化に憧れて小説執筆にふけるジルとの価値観の差が露わになるばかり。ところが、夜中になると、ジルを迎えにクラシックカーが登場。彼を1920年代のパリへと導き、ピカソ、ダリ、ヘミングウェイ、フィッツジェラルドといった文化人と交流し、さらには……というおとぎ話です。

1920年代へ、さらには馬車に乗ってベル・エポックと呼ばれた1890年代へ、とスリップするうちに明らかになったのは、どの時代においてもその時代に生きている人々は
「いかに今の世が空虚で想像力に欠けていることか!」
と嘆いている、という事実。
1920年代の人はベル・エポックに憧れ、ベル・エポック時代の人はルネッサンス時代に憧れる……。
なるほど。納得。人生訓。

このあたり、やはりウディ・アレンはうまいなあ~と思いました。
それから、やはりパリは芸術の街、特に絵画と言葉を紡ぎ出す街だな~と。
BGMに使われる音楽で、私に耳なじみがある曲は、ホフマンの舟歌、ぐらい。。。サティもドビュッシーも出て来ず。。

映画の中でキーとなる音楽は、アメリカの映画音楽の作曲家、コール・ポーターのもの。
そういえば、ラジオ講座で聞いた覚えが。。。これでした。(→アメリカン・ミュージックの系譜4
いろんなことがリンクしていくものですね。

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