PIOピアノ雑記帳

ピアノ、音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ: ラジオ

カルチャーラジオ 芸術その魅力
中世ヨーロッパの大聖堂~総合芸術の世界~
玉川大学芸術学部教授…小倉康之

第1回【パリのノートルダム大聖堂Ⅰ~聖堂史と火災・修復~】

キリスト教についても、建築についても無知なので、
聴いてみました。
火事になったノートルダム大聖堂が、3代目だったことも、
火事の被害が最小限に抑えられていたことも、初めて知りました。
今後も聴き続けるかどうかは……ううむ、微妙かも。
専門用語も歴史用語もわからなくって、ついていくのが大変!
2020-04-04
(内容メモ)

講演者は、建築図像学の研究者。
建築は、ステンドグラスをはじめあらゆる部分が、重なった全体として、一つの交響楽として奏でるように意味を伝えようとしている、とする立場。

火事(2019年4月15日~16日)の様子
18時40分~50分ごろに出火。
上から見ると十字状の中心にある、尖塔の屋根が燃えた。
これが木造。燃えると、すぐに燃え移る。
火のついた木材がその下の石の屋根(Rib vault リブ・ヴォールト)を直撃し、石が砕けると、大きな被害になる。
実際には、完全に木炭となって落下したため、石の屋根は砕けずにそのまま落ち、最小限の被害に留まった。
なんとか木造天井の部分で火を消し止められ、聖遺物を救い出すことができた。
消防士の奮闘の成果。
外壁の様子を見ると、側面の壁の部分、柱、ステンドグラスは残っている。
西側の塔は無傷。

今後の問題
周辺が鉛に汚染されたという説もある。検証が必要。
元の形に復元するのか、新たな形にするのか。
重要な部分を残して、復元可能な形で残すことはできた。

「ノートルダム大聖堂(Cathedral キャセドラル)」とは、
ノートルダム寺院の中の司教座のある建造物を指す。
「ノートルダム」とは、フランス語で「私たちの貴婦人」という意味。
この大聖堂は聖母マリアに捧げられた教会堂。
ドイツからフランスに住んでいたガリアでは女神に対する信仰も強かった。
彼らに布教するなかで「聖母子像」を信仰する形のキリスト教の形が出来、
その結果、12世紀のロマネスクの頃には聖母マリア崇拝が一般化した。


紀元前3世紀:シテ島にルテティア(ガリア人の民族)が居住。
4世紀:古代ローマに征服され、ローマの要塞都市がつくられる。
  この時期の末期からキリスト教の布教が始まり、すでに司教がいた。
5世紀:フランク族の侵攻
5世紀後半:パリがメロヴィング朝フランク王国の首都となり、
  王クローヴィス1世がカトリックに改宗し、ローマ・カトリックと連携。
  パリの重要性が高まる。
  司教がいるのだから、司教座のある大聖堂があったはずだが、詳細不明。
  木造の屋根、ローマの旧サンピエトロ寺院と同じ五廊式だったと思われる。
9世紀:ノルマン人(バイキング)の侵攻。
  このときのノルマン人はキリスト教徒ではないので、
  初代のノートルダム大聖堂は破壊され、パリは荒らされる。
  ロマネスク様式の教会堂が少ないのは、このためと推測される。
  パリでもこの様式で2番目の教会堂が造られたと思われるが、詳細は不明。

参考図書:馬杉 宗夫『パリのノートルダム』 八坂書房 2002年

1160年頃から3番目のパリのノートルダム大聖堂の建設
1180年:大聖堂の身廊部(ミサの際、信者席が置かれる部分)の建設開始。
1200年頃:巨大な塔がそびえる西正面のファザード建設開始。 
    堂々たる初期ゴシックの教会堂が完成。

J-WAVE
村治佳織 RINREI Classy Living (土曜20:00~20:54)
2020年2月22日(土)放送
ゲスト:藤田真央
780DE8B3-C256-46AE-83A3-C48A449386BE

いやはや、弾丸トークにびっくりしました。
村治さん自らが
「真央さん、お話面白い!ラジオ持たれたらどうですか?一人語りをぜひ!」
と発言されてたほど。
私もそう思います!ぜひ!
再放送はこちらから。

面白かったポイントは次のような点かな。

・今、チャイコンの後に決まった演奏会が多すぎて、海外含めての移動も多くて大変だけれども、いろいろな場所でいろいろなピアノに出会えることがとても楽しい。ピアノの音を瞬時に感じて、それに対応して音を引き出す楽しさがわかるようになった。

・今年のショパコンには出ない。気づいたら〆切が過ぎてた。

・チャイコン・ファイナルについては邪念だらけだった。1曲目のあとすぐ2曲目の協奏曲を始めるときは、げっ!ここでまた集中し直しか!って思った。チャイコ1番の後のラフマ3番第1楽章は「早く終わんないかな」っていう気分だった。清水和音さんとか、横山幸雄さんとか、1日に複数の協奏曲を普通に演奏されてるし、大丈夫だと思っていたのは甘かった。

・優勝したカントロフはチャイコ2番の50分、ブラームス2番も50分もの大曲2曲、ちゃんと彼なりの演奏ができていて凄かった。(「彼なり」って言葉を使っていたことに「ほおっ」って思いました)

・クラシックの音楽はオペラも含めてたくさん聞く。そのぶん、ポップスとかは全然知らなくて、小学生のとき「嵐」って自然現象stormのこととしか思えず、クラスの話題についていけなかった。

・父親の仕事の関係で転校が多かったけれど、ピアノが弾けたことで伴奏を頼まれたので、それで友達ができた。

・今、はまっている作曲家はバッハ。あの構築力はすごい。鍵盤楽器の限界を超えた世界を見つめている。いろいろ回って、バッハに帰ってきたっていうか。。。(この後、あ、ラジオ収録的には「モーツァルト」って答える予定だったんでしたっけ?って話に。以前は、ワーグナー、ラヴェルにも惹かれてていたとのこと。)

・この秋からはベルリンに留学する予定。3~4年、できれば一生行っていたい。

・2019年「多忙ピアニストランキング」世界第8位のキリル・ゲルシュタインに師事する予定(入試はこれから)。ゲルシュタインはルービンシュタイン国際ピアノコンクールで優勝して、ジャズも学んだピアニスト。楽譜に忠実でありながら発想が自由というところに惹かれている。

2020-02-23
ベルリンで、ますます飛躍することでしょうねえ。
そうすると、秋以降は、日本での演奏が聴きにくくなるのかな?
ゴールデンウイークの日本でのら・ふぉる・じゅるねにも出演とのことですが(チェロのクニャーゼフがいつステージに現れるか要チェック!)、チケット取りは壮絶だろうなあ。。。

ベストオブクラシック 2019年2月13日放送 NHKFM 19:30-21:10
▽ブルックナー交響曲 第7番 室内楽版 演奏会 


[バイエルン放送交響楽団 メンバー]
ダフィト・ファン・ダイク(Vn)、ベン・ヘイムズ(Va)、カーステン・ダフィン(Hr)

[紀尾井ホール室内管弦楽団 メンバー]
伊東 裕(Vc)、吉田 秀(Cb)、野口みお(Fl)、金子 平(Cl)、武藤 厚志(Timp・打楽器)

[客演]
西沢央子(Harm)、北村朋幹、中桐 望(Pf)
萩原 潤(Br)


<プログラム>

「さすらう若者の歌(室内楽版)」 
マーラー作曲、シェーンベルク編曲
(17分18秒)
(バリトン)萩原潤
(バイオリン)アントン・バラホフスキー
(バイオリン)ダーヴィト・ファン・ダイク
(ビオラ)ベン・ヘイムズ
(チェロ)伊藤裕
(コントラバス)吉田秀
(フルート)野口みお
(クラリネット)金子平
(打楽器)武藤厚志
(ハルモニウム)西沢央子
(ピアノ)北村朋幹

「交響曲 第7番 ホ長調(室内楽版)」 
ブルックナー作曲、アイスラー、シュタイン、ランクル編曲
(1時間09分36秒)
(バイオリン)アントン・バラホフスキー
(バイオリン)ダーヴィト・ファン・ダイク
(ビオラ)ベン・ヘイムズ
(ホルン)カーステン・ダフィン
(チェロ)伊藤裕
(コントラバス)吉田秀
(クラリネット)金子平
(ティンパニ)武藤厚志
(ハルモニウム)西沢央子
(ピアノ)北村朋幹
(ピアノ)中桐望
~東京・紀尾井ホールで収録~ 
(2018年12月5日)

「古典交響曲 作品25から 第4楽章」 プロコフィエフ作曲
(3分49秒)
(演奏)紀尾井シンフォニエッタ東京
<オクタヴィアレコード OVCL-00206>

2019-02-13

「紀尾井ホール室内管弦楽団」って、
2017年、紀尾井シンフォニエッタ東京から改名したものだったのですね。
そのメンバーと、バイエルンのメンバー、そして鍵盤楽器のゲストを迎えて、こんな洒落たコンサートを開いていたなんて知りませんでした。
昨日の記録です。
たまたまラジオのスイッチを入れて、行き当たった次第。

交響曲のブルックナーって、なんだか敷居が高くて(それに長くて)真面目に聴いたことがなかったのですが、室内楽版ってお洒落だなあ、と聴き入りました。
上の画像は番組のホームページから借用したものです。
どんな様子だったのか目でも確かめたくなって、ググってしまいました。。。

ベストオブクラシック
▽アンドレアス・オッテンザマー 郷古廉 ホセ・ガヤルド演奏会
2019年2月1日(金)午後7時30分~ 午後9時10分 NHKFM

(クラリネット)アンドレアス・オッテンザマー(1989年生まれ オーストリア出身)
(ヴァイオリン)郷古廉(1993年生まれ 宮城県出身)
(ピアノ)ホセ・ガヤルド(アルゼンチン出身)

<プログラム>番組サイトより転載
  • ドビュッシー:クラリネットのための第1狂詩曲(7分48秒)Cl&Pf
  • ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(13分13秒)Vn&Pf
  • プーランク:城への招待(抜粋)(15分48秒)Cl&Vn&Pf
  • バルトーク=セーケイ:ルーマニア民俗舞曲 Sz.56(5分45秒)Vn&Pf
  • ブラームス:間奏曲 イ長調 作品118第2(5分36秒)Cl&Pf
  • プーランク:歌曲集 作品105から第1曲「調べのように」(2分07秒)Cl&Pf
  • バルトーク:コントラスツ Sz.111(16分36秒)Cl&Vn&Pf
  • ショスタコーヴィチ:5つの小品 から「プレリュード」「ワルツ」(3分52秒)Cl&Vn&Pf

~東京・トッパンホールで収録~ (2018年12月1日)
(画像は番組公式サイトから拝借)
スクリーンショット 2019-02-01 18.43.21

年度末のドタバタで、ラジオを聴く余裕もすっかりなくなっていたのですが、
本日、一つの仕事が区切りを迎えたこともあり、
何気なく久々にラジオをつけてみたところ、聞こえてきたヴァイオリンの音色に惹き込まれました。
慌ててググってみたらば、なんと、我がお気に入りの郷古君!

2曲目のドビュッシーのソナタでした。

ちょうど、坂本龍一のドビュッシーを礼賛する本などを読んでいたこともあり、真面目に聴いてみましたが、なるほど、魅力的な響きです。
ピアノだと、メロディーが響きの中に溶けてしまうような曲目も多く、そういった曲の扱いが私、まだわからずにいるのですが、
ヴァイオリン・ソナタでは、響きの中にもメロディーラインがくっきり現れて、聴きやすく感じました。
ピアノとは丁々発止の掛け合いというよりも、淡いピアノを従えてヴァイオリンが縦横無尽にのびのび演奏している、といったアンサンブル。心地よい響き。

続くプーランクは、以前に生演奏で聴いたことのある曲。(→2018年4月
解説によると、劇付随音楽の全23曲でのうち、今回演奏されたのは6曲を除いた抜粋版、とのこと。
コロコロ変わるお洒落なムード、小粋です。
15分ほどのうちに17曲も演奏されたことになりますね。
ストーリーも一緒に楽しめたら、ほんとに素敵だろうなあと思わされます。

「兵士の物語」で音楽監督も務めた郷古君、こういう音楽に関心が深いのかなあとも思いました。

さて、この後、疲れが出た私、なんとうたた寝をしてしまいました。。。ってことで、
上に載せたプログラムの大半は、実は聴いていないのでした。面目ない。今後への参考ってことで掲載だけしておきます💦

実は今週、久々に風邪をひいてしまって、仕事を休んだ日もあったわたくし。
その薬を飲むと猛烈な眠気に襲われるのです。(と言い訳をする……)
インフルエンザではなかったことが救いです。
この週末にゆっくり休んで、完治をめざそうと思います。

2018年10月14日(日)放送

〈演奏曲目〉
  • エルガー「愛のあいさつ 作品12」(2分45秒)
    ショパン「序奏と華麗なポロネーズ 作品3」(8分55秒)
    チャイコフスキー「奇想的小品 作品62」(6分41秒)
    カタルーニャ民謡  カザルス編曲「鳥の歌」(3分31秒)
  • (チェロ)北村 陽、(ピアノ)鈴木 華重子
  • ~2018年9月12日 NHK大阪ホール~
  • CB5F8278-CE81-455F-A0E0-D560C0AF8852
わたくし2箇所掛け持ち勤務の本日、移動中にスマホのアプリで聴きましたが、実に楽しげな生き生きした前半、胸に染み入る「鳥の歌」に、傑出したものを感じました。

この番組お決まりの質問「この楽器を始めたきっかけ」が、またスケールの大きいこと!
映画やコンサート体験で、弾きたいと思った楽器は子供サイズが入手不能だったため、
楽器図鑑の中から「ファゴットと似た音域でコントラバスに似た楽器」であるチェロを演奏したいと思い定めたというのが、なんと3歳のとき。
初めはダンボールでははに作ってもらった模造チェロを抱えて、鼻歌を歌いながら演奏する真似をして楽しんでいたとか。

で、今後の抱負を問われ、
「五嶋みどりの、ミュージック・シェアリング活動をしたい。恵まれない人々のところへ赴いて演奏活動をしたい」
 この意識の高さは、生まれながらでしょうか?

最後のコーナー「思い出の一曲」で選んだ「鳥の歌」は、
最初に師事したギア先生が、陽くん小学校2年生のときに急逝。
その追悼式で弾いた曲とのこと。
亡くなったばかりの実の祖父にも捧げたい、という思いがしみじみ伝わる演奏でした。

なんだか、
ただ今大活躍中のヴァイオリンの郷古廉くんの演奏を初めて聴いたのも彼が中学生(13歳か14歳)のことだったなあ、
なんて思い出してしまいました。 

第13回 【音楽家としての使命】
ピアニスト…智内威雄
2018年9月26日(水)放送→ストリーミング 2018年10月4日(木) 午後3:00配信終了

演奏曲目 (演奏:智内威雄)
  • 宮沢賢治作曲、黒沢健編曲「星めぐりの歌」(林光の編曲に影響)
  • スクリャービン作曲「前奏曲と夜想曲」(1924年製のスタインウェイで演奏)
1B7FC430-136C-4C62-94AD-D1ECF60B042C
内容としては、ほぼ今までの12回の放送振り返りでした。
総括として、今後のプラン(夢)を3つ語られました。
左手のためのピアノ演奏を対象として、
  1. 学校を作りたい
  2. 図書館を作りたい
  3. 無形文化遺産登録をしたい
そして、智内氏自身の5つの顔を提示されました。それは
  1. 演奏者
  2. 教育者
  3. イベント企画者
  4. 社会貢献
  5. 父親
の5つ。
過去の人から受け継いで来た流れの中に自分がいるという意識を持ち続けておられるそうで、ここに至るまでの音楽家たちの足跡を踏まえ、彼自身が新たな足跡を残し、何らかの道しるべになりたい、と。

ここまで自己規定できるってすごいな、と改めて思います。
企画を持ち込まれたから、それに乗っかって話した、というのではなく、
自分で全てを総括・マネジメントして話している、と感じられるシリーズでした。

第12回 【コンクール~左手のピアノ音楽の社会化を目指して】
ピアニスト…智内威雄
2018年9月19日(水)放送→ストリーミング 2018年9月27日(木) 午後3:00配信終了

演奏曲目 (演奏:智内威雄)
橋爪皓佐作曲「モノクローム・コレクション」
リパッティ作曲 「ソナチネ」第3楽章
1B7FC430-136C-4C62-94AD-D1ECF60B042C
智内氏自身とコンクールの関わり
・本来、競い合うことが苦手 
・何かとこだわる性格のため、椅子の高さ調整に時間をとられすぎて落ちる等を経験
・ハノーバー音大留学中に意識が変わる。
「完璧な演奏を目指す場」ではなく「個性が認められる場」と感じ、順位はただのご褒美でしかないという感覚、コンクールは実は自分の演奏を探すのに適した場所だという認識を持つに至る

同じ目標を持った人たちの間に生まれる繋がり
→左手のための音楽をする人々にもこれがほしい→コンクールの立ち上げ

【左手のための国際ピアノコンクール】
埋没した芸術財産を、広く人類共通の財産として知ってもらうために、アマ、プロ、片手、両手の区別なしで実施する。
世界に知ってもらうという意識を込めて「国際」と冠す。

演奏者の頂点としてだけでなく、教育の頂点にあるコンクールという位置づけ。
教育、福祉、その循環のエネルギーとしたい。

【コンクールの歴史】
歴史的には、戦争に傷ついた人々に安らぎを与えるためにスタートした。現代のコンクールはその進化した形
ピアノコンクールで著名なもの
・ショパン国際ピアノコンクール
・チャイコフスキー国際コンクール
・エリザベート王妃国際コンクール(前身:イザイ国際コンクール)

日本ではテレビの影響が大きい
85年ショパコン「若き挑戦者たちの20日間」でブーニン現象
ステレオタイプ的扱いとしては、少女漫画的な美しいイメージ?

国際コンクールは第一次大戦後に急増。国家の威信と連動している。

【コンクールの問題点】
1.芸術に点数をつける
2.若者の一時点だけでなく、成長を追うべき
3.楽器の争いにもなる

第11回 【両手演奏と病から考えるピアノ演奏方法】
ピアニスト…智内威雄
2018年9月12日(水)放送→ストリーミング 2018年9月13日(木) 午後3:00配信終了

演奏曲目 (演奏:智内威雄)

リスト作曲 ハンガリーの神
リパッティ作曲 ソナチネ 第2楽章、第3楽章 
1B7FC430-136C-4C62-94AD-D1ECF60B042C
リハビリから見る身体の使い方
観察からうまれたピアノ練習法 、教授法

(1)両手の演奏家から学び考えるピアノ奏法
★「ピアノという打楽器を歌う楽器にする」ホロヴィッツ
歌とは?
何かしら変化をすることが歌である
ピアノにできないこと=単音でクレッシェンドする(ピアノは一旦音を出したら、あとは減衰するだけ)

ピアノにおける「変化をさせる」技とは?
ピアノにできる変化=音量と速度
自然な歌=自然な音量と速度の変化

★変化は、身体の重心移動で生み出す
  1. 指の重心移動
  2. 手首の重心移動
  3. 上半身から肘を伝わる重心移動
歌や管楽器で言う「息のいれ方 」は、ピアノにおいては「重心移動のしかた」
晩年のホロヴィッツは、重心移動はほとんど使わなかった。
爆発と静寂と、恐ろしいほどに調整されたスタインウエイのピアノ

★指の役割
レガート
指は万能ではない
音量、エネルギー源は他から補った方が良い

鍵盤にフィットさせるために指の形を変える
脱力したい 
過度の上下運動は、手がこわばる元
手の重心移動で、次の音を弾きやすく = レガート奏法

指の第1第2関節を引っ掻くような動作で、レガートっぽくする人がいる
これはよくない 手を硬直させたまた行う動作になる
局所性ジストニアの症状を悪化させる

★ポリーニはペダルの名手

★ギーゼキング または チェルカスキー
肘と手が逆方向に動くと、速く弾ける
映画「ベスト・キッド」の窓ふき動作

(2)リハビリに結びつけた教授法
練習時間を短くする
練習=ピアノに合わせて変化させていくこと
変化をよく観察する=長時間の練習では不可能

変な癖  力を入れ過ぎる
必死に練習する生徒に注意を払う

短期的な結果ではなく、長期的なメニューを考える
夢中で演奏していると、悪い癖も伸ばしてしまう そこに気づいてあげる

先生は、自分のコピーを作ろうとしないこと(教える側が好きなメニューではなく、その人を伸ばしていけるメニューを考える)
一つの方法が万能ではあり得ない
生徒との双方向の情報交換を。
相手の素質・個性を見抜くには、豊富な取材力が必要:レッスン=取材(その人の個性を探す)
生徒が自分の演奏(自分の症状)に自覚的になる

無駄にピアノでトレーニングしない
「どう表現したらよいのか」
いきなり弾き始めない。まず考える。楽曲を整理する。
分類(分ける作業)→ 楽曲を分析 →ようやく表現 ここでやっとピアノを使う
どうやったら楽しそうな音になるのか

自分の身体の癖を知る  演奏法の探求
直すべき癖  →音楽的表現を妨げる癖
直さなくていい癖  →音楽的表現を妨げない癖
障害を引き起こしやすい癖は直した方が良い  例)力み

一生涯演奏をつづけるには「手伝う」こと 「教える」のではない
技の伝承の輪が続いていけば、嬉しい。

第10回 【ピアニストの病(局所性ジストニアを中心として)】
ピアニスト…智内威雄
2018年9月5日(水)放送→ストリーミング 2018年9月13日(木) 午後3:00配信終了

演奏曲目 

シュールホフ作曲 組曲より 前奏曲、フィナーレ 

1B7FC430-136C-4C62-94AD-D1ECF60B042C

左手のピアノ曲を推し進めてきたのは、左手に何らかの障害を負ったピアニストたち。
その障害を分類すると

  • 戦傷 →ウィトゲンシュタイン
  • 局所性ジストニア →レオン・フライシャー等 
  • 腱鞘炎 →大勢 智内氏の恩師も
  • 骨折などの怪我 →両手のピアニストが左手の曲に触れ、回復後もレパートリーとする
  • 脳卒中 →大勢 習熟過程のアマチュアも多い
局所性ジストニア:ピアニストの質・量ともにこのカテゴリの意義が大きい
<発症の仕組み>
  脳の誤作動
  • 智内氏の場合:コンクールに出続けていたころに発症。
  • 最初はちょっとした違和感(ベートーヴェンのソナタ「告別」最終楽章、バッハの平均律など、さほど難易度の高くない曲が弾きにくく感じる)無意識に修正し、違和感を押さえつけてコンクール出場無意識の無理を続けるうちに急速に悪化ジストニアの症状が出た指と、それを庇う指の区別もつきにくくなる音階を弾くことすら難しくなるピアノにどう指を置けばいいかもわからなくなるピアノに限らず、指を使おうとすると拳になってしまう(シャンプー等)ピアノ演奏を聴くだけで、指を巻き込み、こわばるようになる
<治療法>
①内服薬 ②ボトックス注射 ③リハビリ(演奏法の再構築)
  • 智内氏の場合、ハノーファーの専門病院での③の意義が大きかった。こわばってしまった手指の力をどう抜くのか、意識的にコントロールする訓練演奏法の再構築
<発症が疑われる人へのアドバイス>

  • 演奏を止める
  • ジストニア外来へ行く
  • 力で押し込めて弾いていないか観察する
  • 情報を集める 例)翻訳本『どうして弾けなくなるの?』
<今後、望まれること>
  • 教育機関のサポート(発症後のケア  片手で試験が受けられるなど)
  • 「病」ではなく「志」を同じくする人で集まって交流する:ウィトゲンシュタインに共感する人、アマもプロも、両手演奏家も片手演奏家も
<強調しておきたいこと>
  • ジストニアの発症は決して悲劇ではない。
  • 智内氏自身は、今はジストニアを受け入れて共存しており、むしろ発症に感謝している。

第8回 【左手のピアノの奏法】
ピアニスト…智内威雄
2018年8月29日(水)放送→ストリーミング 2018年9月6日(木) 午後3:00配信終了

演奏曲目 
ラヴェル=田中博之 プレリュード 
ブリッジ  3つの即興曲より第3番
1B7FC430-136C-4C62-94AD-D1ECF60B042C
左手のピアノ演奏に求められるテクニックとは
  • 基本動作を見直したもの
  • 特殊ではないが、精度が求められる
  • ピアノの習熟にも役に立つ
具体的には、 脱力  右ペダル

 脱力
両手の演奏では誤魔化しが効く(誤魔化しても音楽に与える被害が少ない)。
しかし、片手演奏では誤魔化しが不可能。

ピアノという楽器の演奏のしにくさ
  • 両手の動きから見ると、キーボードは半円状に並んでいてほしい(実際には一直線上に並んだキーボードを扱わなくてはいけない)
  • 白鍵と黒鍵に段差がある
  • 音程の違いによる感触の差がない(奏者は音程を自分で意識しなくてはいけない)
弾きにくさを克服するために必要になるのが「脱力」
「脱力」は目的ではなくて手段。何のための手段かというと、
  • 身体と鍵盤をフィットさせ、関節の動きをスムーズにするため(脱力   は、関節をスムーズに動かすための潤滑油)
ピアノ演奏に関わる関節とは
  1. 一本一本の手指
  2. 指同士のコンビネーション
  3. 手首と指の連動
  4. 上半身
これらの関節を自在に動かし、ピアノと身体が連動するようにしなくてはいけない。

 右ペダル
「左手の音楽は水墨画だ」と言うことがあるが、これは、
ペダルによって、音のにじませ方に濃淡をつけていることを指す。
「左手のピアノ音楽は、左手と右足の芸術だ」とも言える。

1890年代
ラフマニノフの時代に、現代のペダルが完成(スタインウェイ)。
弾いて切る音のみで構成される音楽が、響きで残像を作る音楽へと変貌。

両手のペダルは、踏むタイミングを問題とするが、
左手のピアノは、ペダルを離すタイミングを問題とする。

 その他の特徴~親指、テンポ感~

【親指の意義】
両手演奏では、「親指を制するものはピアノを制する」と言われる。親指の機能を抑え込むことが求められる。
それに対して、
左手演奏では、「親指を生かす」演奏となる。一番強い指が、一番目立たせたい音の所に来て、メロディーラインと、伴奏ラインを区別することを容易にしてくれる。

【テンポの概念】
両手ピアノは、メトロノーム的なインテンポ演奏が可能。
左手ピアノは、跳躍があるので、弦楽器が弓の返しで間を取るように、自然とテンポの揺れが出る。

第8回 【編曲楽曲による成長】
ピアニスト…智内威雄
2018年8月22日(水)放送→ストリーミング 2018年8月30日(木) 午後3:00配信終了

演奏曲目 (すべて演奏は智内威雄)
バッハ=石坂真帆 「小前奏曲集第2巻」第6番 左手のピアノアーカイブ歴史編纂プロジェクトより 
ヨハン・シュトラウスⅡ=ゴドフスキー「宝石のワルツ」
マスネ=田中博之&智内威雄 「タイスの瞑想曲」
左手のピアノアーカイブ歴史編纂プロジェクトより 
バッハ=石坂真帆 「小前奏曲集第1巻」第7番 左手のピアノアーカイブ歴史編纂プロジェクトより 
1B7FC430-136C-4C62-94AD-D1ECF60B042C
左手のピアノ音楽の歴史=編曲の歴史
そもそも編曲とは何か?どういう行為か?何のためにするのか?

芸術性を高めた編曲  代表作:ブラームスによる編曲
  • バッハ:シャコンヌ

技術を高めるための編曲  代表作:ゴドフスキによる編曲
  • ショパン:練習曲(作品10には全曲左手版がある。超難曲)
  • ヨハン・シュトラウスⅡ:宝石のワルツ(ウィトゲンシュタインがゴドフスキに協奏曲を委嘱したところ、なかなか出来ず、その代わりにこれが提出。編曲というよりゴドフスキ作曲に近い)
聴き手にアピールするための編曲  
ロマン派的な有名楽曲=オペラが代表格
名旋律をピアノ用に編曲するのは、今の映画音楽にも共通。
左手のアーカイブプロジェクトでも、超有名曲、名旋律の編曲も手掛ける
  • マスネ=田中博之&智内威雄 「タイスの瞑想曲」(ヴァイオリンの単旋律を、どのようにピアノに移し替えるか。一つの実験)
編曲の立場  シャコンヌの編曲が典型的な立場を示している
  • ブゾーニ編曲 シャコンヌ
  絢爛豪華。音大の試験楽曲の超定番。
  「もしバッハがこの時代に生きていたら」「もしバッハがロマン派の作曲家であったなら」
  時代を移し替えることで豪華にしている。
  • ブラームス編曲 シャコンヌ
  シンプル。
  「もしバッハが左手演奏をしたならば」
  バッハの時代そのままに。等身大のバッハ。
  バッハ自身が書いたであろうストーリーを拡張させる。よりバッハらしく。

左手のアーカイブ歴史編纂プロジェクトの方針
ブラームスの立場。
「バッハを知るための教材にもしてしまおう」バッハの手法を研究して編曲。
クラシックの演奏の型を学ぶために、あえて編曲するという立場。大胆な試み。

編曲プロジェクトメンバー:智内威雄、田中博之、山中哲人、石坂真帆、長谷部瑞希、有馬圭亮

【編曲のつくりかえ、つくり直し】=歴史的に継続して行われてきた
残念なこと=「編曲は劣ったもの」という固定観念
実は、編曲によって原曲の魅力が再発見できるという側面もある。
  • バッハ「小前奏曲集第1巻」第7番 原曲は、オルガンの足用練習曲。

ラジオのアプリの「聴き逃し」という機能を利用して聴いた番組です。
アプリでは、8月24日(金)午後6時まで聴けるようです。

08/15(水) 22:10~23:00 : NHKラジオ第1放送
対談:五木寛之(作家)& 木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎主宰)


番組の最後、「若い世代へメッセージを」と促された五木氏が、
我々は現役を引退してから死ぬまで20年も30年もある。それをどう生きるかが大問題。若い人にメッセージなんて言っている場合じゃない。お互い頑張ろう、一緒に生きようとしか言えない。
といったことを述べられたのが印象的でした。
こういう文脈で「音楽は言葉の壁を乗り越える、世界の共通言語」ということを考えると、音楽と関わって生きることの意味づけも深くなるでしょうか。

番組の内容は、第二次世界大戦、そして現在のシリア内戦の中で作られた音楽を紹介し、味わうものでした。どれも、明るさ、透明感、ユーモアなども感じさせる音楽で、人間の心の強靭さというか、一筋縄では捕らえがたい生命力について考えさせられました。

D6800AB4-E9B6-47E9-AD45-CE30CF8D2B80

1.ヴィクトル・ウルマン作曲 ピアノソナタ第7番 最終楽章

ユダヤ人作曲家の絶筆(1944年にガス室で命を落とす2か月前に作曲)。
友人に渡した楽譜により、志村泉氏が演奏。
ウルマンはテレジン強制収容所で音楽活動を行った。ここで初演された曲は多数残っている。

音楽は戦中、さかんにプロパガンダに使用された。音楽の功罪を考える必要がある。
プロパガンダ映画として子どもオペラも。
テレジン収容所にいた1万5千人の子供のうち、戦後まで生き延びた者は100人。

2.鬼頭恭一作曲 鎮魂歌

東京芸術大学入学後、志願して空軍に入隊。1944年、特攻隊の訓練中に死亡。
この曲は、2015年、オルガンによって初演された。

日本の戦時中、音楽は欠かせなかった。
ピアノによる音感教育が日本の軍隊で利用された(潜水艦等の音を聴き分ける訓練)。
海軍特別年少生(14歳~)
単音の聞き分け→三和音の聴き分け 訓練で全員が利き分けられるように。

現在、戦争体験者の日本人は被害者としての側面だけを語っている。
もっと加害のほうを語るべきだと考える(by 五木寛之)。

3.エイハム・アハマド(シリア人音楽家)29歳 路上で子供たちと歌い、インターネット配信

曲名「ヤリヌーク(町の名前)は悲しがっている」
ISにピアノを焼かれ、妻子と共にドイツに逃れて難民として生活。
日本のNPO法人がクラウド・ファンディングでエイハムさんを日本に招聘し、来日コンサートも行った。(広島の被爆ピアノでの本人の演奏を紹介)

音楽は現状を変えるか?平和をもたらす力を持つか?

第7回 【左手のピアノ音楽の復興普及活動】
ピアニスト…智内威雄
2018年8月15日(水)放送→ストリーミング 2018年8月23日(木) 午後3:00配信終了

演奏曲目
ゴドフスキー作曲「ワルツポエム」演奏:智内威雄
レーガー作曲「ロマンス」
演奏:智内威雄
川上統作曲「宮沢賢治の夜 銀河ステーション」演奏:智内威雄
J.S.バッハ『平均律クラヴィーア曲集』第1巻第1曲「前奏曲」(左手のアーカイブより)
1B7FC430-136C-4C62-94AD-D1ECF60B042C
左手のアーカイブプロジェクトlefthandpianomusic.org)
左手の演奏動画の無償公開を始める
左手の演奏がどこまで可能なのかをわかってもらう(ピアノの鍵盤の端から端まで全て使えること等)
・ピアニストに曲目を知らせるため
・作曲者に、左手での演奏がどういうものかを知らせるため
・左手の技の伝承(挑戦者を焚きつけるような演奏が必要=賛否両論ある演奏が挑戦者を引き寄せる)

問題点
・運営費をどうするのか→CDによる募金活動(寄付者にCDを贈る)

運動の広がり
<芸術振興事業>
・作曲を委嘱して、ともに曲を作っていく→
『組曲・イソップ物語』等
<教育福祉活動>
・プロのピアニストのためだけでなく、初級レベルで楽しく弾ける入門用の曲を
  その弾き手が楽しむだけでなく、聞き手(友人・家族)が喜ぶ曲目を→童謡など
  「みんなで一緒に楽しく弾きたい」→発表会&新作発表&演奏者の交流のお祭りを
                  →「ワンハンド・ピアノフェスタ」開催
  「もっと上手くなりたい」→左手のためのピアノ教室主宰
・片手演奏を通して、多くの人に音楽の楽しさを伝えたい
・主役は音楽。弾き手は伝えるための黒子。音楽への恩返しとしての活動を模索中。

第6回 【超絶のピアニスト列伝(2)左手のピアニストを中心として】
ピアニスト…智内威雄
2018年8月8日(水)放送→ストリーミング 2018年8月16日(木) 午後3:00配信終了

演奏曲目
プロコフィエフ「左手のためのP協奏曲」第4楽章 
 演奏①ラップ(牧歌的。しかしこの初演がなければ曲は知られなかった)、
 演奏②クライネフ(バレエ音楽を彷彿とさせる跳躍感、軽快さ。洗練度が高い)、
 演奏③トラーゼ・指揮はゲルギエフ(超絶高速 トム&ジェリーの追いかけっこ?)

教育用の編曲「さくら」「かごめかごめ」、モンゴルの曲  演奏:智内威雄
マキシム・ゼッキーニ作曲「ナオウリ」(シャンソンを思わせる軽快な曲)
1B7FC430-136C-4C62-94AD-D1ECF60B042C
<左手のピアニストたち>
1.ゲザジチ(史上初の左手のピアニスト・リストのパトロンとしても有名)銃の暴発で右手を失った貴族
2.ウィトゲンシュタイン(左手のピアノ音楽の父)資産家・父が鉄鉱で富を築く。弟は有名な哲学者
3.オタカー・ホルマン(チェコのピアニスト)右手の指を拳銃で撃たれてで失う。銀行で働く。マルティヌー、ヤナーチェクも彼のために曲を書く。半アマチュア・ピアニストとして活動。
4.ラップ(ドイツ)プロコフィエフの左手のためのP協奏曲を初演。そのことによってウィトゲンシュタインと対立するが、曲が世に広まる。
~以下は現代~
5.レオン・フライシャー  2004年にヒンデミットの片手のためのP協奏曲を初演 来年で90歳の名ピアニスト。
6.グラフマン ランラン、ユジャワンの師匠。

7.ラウル・ソーサ(カナダ)ラヴェル「ラ・ヴァルス」等の編曲も。転倒して右手を痛めたが、現在は両手でも演奏
8.館野泉 現在81歳。2004年から左手のピアニストとして活動。左手のための曲を林光や間宮芳生(みちお)に委嘱  

<左手のピアノ曲紹介に熱心な両手のピアニスト>
1.ゴドフスキ
2.アムラン
3.ジャン・デュベ(カナダ) リスト国際コンで1位
4.マキシム・ベッキーニ(フランス)左手のスペシャリストに近い 作曲も


智内氏の主張
  • アマチュア・ピアニストを育てる重要性。アマチュアの層の厚さが音楽世界を動かす。智内氏は、ワン・ハンド・ピアノ・フェスタを主催。
  • 委嘱した曲を広める重要性。よりよい循環を目指し、同じ曲を違う人が違う解釈で演奏するという多様性を大事にしたい。
  • 左手のためのピアノ曲には課題があり、クリアする必要がある。これらは次回以降に。

第5回 【超絶のピアニスト列伝(1)両手のピアニストを中心として】
ピアニスト…智内威雄
2018年8月1日(水)放送→ストリーミング 2018年8月9日(木) 午後3:00配信終了

演奏曲目
ソフロニツキーの演奏による、スクリャービン作曲「前奏曲と夜想曲」より前奏曲
智内威雄の演奏による、ゴドフスキ作曲「エレジー」
智内威雄の演奏による、リパッティ作曲「左手のためのソナチネ」リパッティ自身とは異なる解釈(戦争真っただ中の作曲という時代背景から、リパッティよりも速い速度で)
クライネフの演奏による、プロコフィエフ作曲「ピアノ協奏曲第1番」第1楽章
1B7FC430-136C-4C62-94AD-D1ECF60B042C
【両手で演奏する歴史的ピアニストによる片手演奏、その関わり】

左手の演奏は、1つの技。
左手のピアノ演奏=障害、というわけではない。
クラシック音楽の魅力の一つは、その演奏の多様性にある。
同じ楽曲を、違うタイプの演奏家が違った解釈で演奏する。試みにカテゴリ分けをしてみたい。

<情熱的演奏>
1.アルフレッド・コルトー
2.サンソン・フランソワ  情熱的名演   ラヴェル作曲 左手のための協奏曲
3.クン・ウー・パイク  プロコフィエフのコンチェルト


<構造美・冷静な演奏>
1.ホロヴィッツ テンポよりも音色で曲想を作る 耳でよく聴く演奏 スクリャービン 
2.ゴドフスキ  
3.アムラン  ゴドフスキ編曲・ショパンの練習曲を全曲録音 編曲者としてもすぐれている(チャイコフスキーの「子守唄」) 美しい音の連なりを堪能できる
4.ディヌ・リパッティ 病と戦争に活動を制限された悲劇のピアニスト バランスのとれた演奏 ストイックな濃縮された音色 バッハ「シチリアーノ」 ベヒシュタインを美しく紡ぎ出す 「左手のためのソナチネ」を作曲(1941年)&演奏→後世のピアニストがその真似をしてしまう


<ロシアン・ピアニズム>演奏技術の頂点 コンポーザー・ピアニストも多い 社会的メッセージをこめる
1.アントン・ルービンシュタイン
2.ラフマニノフ  スタインウェイの性能向上に貢献 ピアノにオーケストラ的な響きを求める
3.スクリャービン
4.プロコフィエフ 左手のためのピアノ協奏曲(第4番)ウィトゲンシュタインの委嘱作品 音をどうまとめ上げるかは演奏家の力量次第。プロコフィエフの死語に初演された。
5.
ソフロニツキー(リヒテルが「私が天才というならあなたは神だ」と述べた、ロシアの伝説的ピアニスト)
6.リヒテル  内向的な響きを持つ


感想:ここに挙げたピアニスト全員が「左手の演奏」を残しているのかどうか曖昧なり(特に「ロシアン・ピアニズム」のところ)。「ピアニストのカテゴリ分け」が今回の主題??話の軸がちょっとブレたように感じます。

NHKラジオのアプリ「聴き逃し」機能を使って聴きました。
リサイタル・ノヴァ  2018年7月29日(日)放送

【司会】金子三勇士
【ゲスト】ヴォーグ・カルテット
(Vn.城戸かれん、Vn.櫃本樹音、Vla.湯浅江美、Vc.櫃本瑠音)
〜2018年6月7日  NHK509 スタジオ〜

演奏曲目
  • 映画「パルプ・フィクション」より「ミザルー」
  • ハイドン作曲  弦楽四重奏曲 ハ長調 作品76-3「皇帝」より第1、第2楽章
  • バルトーク作曲  弦楽四重奏曲 第4番より 第5楽章
44B35771-344F-40D7-93E5-80D44806BB6A

若々しく弾けるような、見目麗しき女性4人のカルテット
……「ヴォーグ」カルテットという名前の由来が「ファッション雑誌、ヴォーグの中の4人みたい」だから、とラジオで聴き、上のプロフィール画像を確認して納得。

シャキシャキと心地よいテンポで話す4人は、
大阪在住の櫃本姉妹(チェロの瑠音さんが姉上)、
東京在住の城戸さん、湯浅さん。……遠距離カルテットでもあるのだとか。 

「遠距離だけになかなか会えなくて、合わせ練習前のおしゃべりは、ノンストップですごいんですけど、いったん練習に集中したら、それもまた、すごいんです、私たち」
こんなことをサラリと言えてしまうなんて、かっこよすぎます。
カルテット結成のきっかけが、小澤室内楽アカデミー奥志賀。
日本人だけのメンバーで組まされたところに、主催者、先生側の意図も感じたというのも、またカッコいいなあ。
そして、そして、演奏もまた、切れ味鋭いかっこよさ♪

こちらで、8月6日(月)15時まで聴けます。ご一聴をおすすめします。

↑このページのトップヘ