PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ: 【TV番組】

ただいま、ホテルに宿泊してます。
昨日~本日のイベントに参加するため、移動してきました(これについては、また改めて)。

いつものように早朝に目覚めてしまったので、持参したPCで(昨日はホテルからオンライン授業を配信)NHKプラスを覗いてみたところ、こんな番組を発見。

最初の数話のみを視聴したきり、とんとご無沙汰になってしまったアニメ・シリーズ
「青のオーケストラ」。

この全24話が、昨日から土曜早朝(金曜の夜中)にかけて一気に放映されるようです。

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既に前半12話が放映済みですが、見逃し配信で視聴できます。
これから放映される後半は、今週末のお楽しみとしようかな。

クラシック倶楽部 2023年11月22日

ピアノ:パスカル・ロジェ
【収録】2022年11月30日 東京文化会館小ホール

<プログラム>
  • ラヴェル:鏡 から「海原の小舟」(14分27秒)
  • ラヴェル:ソナチネ(12分34秒)
  • ドビュッシー:映像 第2集(14分27秒)
  • ドビュッシー:版画(13分41秒)
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久々に見ました。クラシック倶楽部。
楽曲の字幕解説も、ずいぶん丁寧に入るんだなあと改めて思いました。
そして、今週は海外のピアニスト特集だったのだ……と知りました(遅い)。
明日(木)は、ゲルハルト・オピッツ、
明後日(金)は、ピーター・レーゼルです。

今日のパスカル・ロジェ氏、いつか生演奏を聴いたはず……とググってみたら、
もう10年近くも前のことでした(→2014年5月)。

何となく、いつも同じようなフランスもののプログラムを演奏しておられる気がしていたのですが、そうでもないのですね。
レパートリーの曲を深めていく、というのも一つの方向性ではありますし。

仕事しながらのながら視聴ではありましたが、フランス音楽、このところほとんど聴いても弾いてもいなかったこともあって新鮮でした。

全然音楽とは関係のない話題ですが、、、

昨日、NHK総合「クローズアップ現代」(午後7:30-午後7:57 放送)、
続けてEテレ「ハートネットTV 特集 認知症と行方不明(1)命を守るには」(午後8:00-午後8:30)と、たまたま視聴。
本日もEテレ「ハートネットTV 特集 認知症と行方不明(2)外出を支えるために」(午後8:00-午後8:30)を見ました。

認知症初期、あるいは、まだ診断も受けていない段階で行方不明になる方が多い、とのこと。
高齢の両親を抱えている私としても、うなずけること多々でした。
これからさらに高齢化社会となる日本、
迷子になるお年寄りが出るのは当然、と社会全体で受け止めて取り組む方向に行ってほしいなあと思います。

私と同じような方々も多いのでは……と思って、ご案内します。
NHKプラスの見逃し配信で1週間、視聴可能です。

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NHK Eテレ 「クラシックTV」
11/16(木) 午後9:00-午後9:30

MC:清塚信也(ピアニスト)&鈴木愛理(歌手・モデル)
ゲスト:多久潤一朗(フルーティスト)

<演奏曲目>
  • サラサーテ:カルメン幻想曲(抜粋)
  • 多久潤一朗:虹
  • (多久潤一朗による即興演奏)
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フルートの歴史もわかれば、特殊演奏も実例付き。
いろんなフルート大集合。
多久潤一朗さんって、「ちくわ吹き」としか知らなかったけれど、そんなもんじゃなかった。
作曲までされてるんですねえ。
密度の濃さ、楽しさ、折り紙付きの回です。
NHKプラスで1週間、配信中。

2023年9月4日(月)放映 NHK BSプレミアム
マリンバ:出田りあ
ピアノ:松岡優明

収録:2022年7月22日@武蔵野市民文化会館大ホール

【曲目】
  • ラヴェル/出田りあ編:組曲「マ・メール・ロワ」から
  • ラヴェル/出田りあ編:亡き王女のためのパヴァーヌ
  • エリック・サミュ/出田りあ編:シュガーリア
  • ロバート・プライズマン/出田りあ編:アヴェ・マリア
  • スタンリー・マイヤーズ:カヴァティーナ
  • ピアソラ/出田りあ編:天使の死
  • エンリオ・モリコーネ/出田りあ編:「ニュー・シネマ・パラダイス」から
  • バート・バカラック/出田りあ編:雨にぬれても
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1曲目の途中から視聴を始めて、
「あら、本当に魅力的な響き。いったい、どんなお方?」
とググってみたら、
「夫はヴァイオリニストの樫本大進。」
と出て来て、びっくり。

でも、そんな背景には関係なく、見事な演奏、そして編曲でした。
ご自身のホームページでは、肩書が「マリンバ奏者 / アレンジャー」となっていましたよ。
音楽も、ですけれど、ファッション(ピアソラで、赤いドレスから白のパンツ・スーツに衣装替え)、佇まいも魅力的。

インタビューによると、
2曲目に演奏されたエリック・サミュ作曲の「シュガーリア」の「リア」は、まさに彼女の名前を由来とするもので、作曲者は、パリ、コンセルバトワールでりあさんが師事された先生とのこと。
彼女を迎え入れたサミュ氏が、
「この曲の初演は、ぜひあなたに演奏してほしい」
と言われて、既に始められていた作曲を進めるなかで、アジア的な旋律を取り入れたりしたのだとか。
そうやって、周囲を惹きつけてしまうお人柄、画面を通してでも納得。

ソロで演奏された「カヴァティーナ」、心に沁みるなあと思っていたら、
映画「ディア・ハンター」のテーマ曲とのこと。
音の少ないメロディアスな曲を、聴かせるって、すごいなあと思って聴きました。

考えてみたら、
打鍵後は、音は減衰するのみで、1つの楽器でメロディーも伴奏も奏でてしまうって、ピアノと共通しますね。
声部によって、見事に音色が異なっていたところにも感服いたしました。

いやあ、マリンバって、いろんな音色が奏でられる楽器なのですね。

2023年8月29日放映(再放送)

【演奏】阪田知樹(ピアノ)
【収録】2022年6月30日(木)ハクジュホール(東京)

【曲目】
リスト作曲
  • 超絶技巧練習曲 第7番「エロイカ」
  • ハンガリー狂詩曲 第5番 「悲劇的な叙事詩」
  • ハンガリー狂詩曲 第15番 「ラコッチー・マーチ」
  • 超絶技巧練習曲 第4番 「マゼッパ」
ベートーベン作曲/リスト編曲
  • 交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」から 第3楽章、第4楽章
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番組冒頭の紹介パートで
「2013年、19歳でヴァン・クライバーンコンクールのファイナリストに」
というくだりがあり、あれから既に10年も経ったのか!とびっくりしました。
その直後には仙台国際コンクールにも出場していて、セミファイナルまで進出。
その活動のタフさに舌を巻いた記憶が。
2013年仙台国際音楽コンクールの記録

今回の放送は2022年6月のハクジュホールでの演奏会ですが、
いまや、阪田くんのこのシリーズ、あっという間に完売で、チケット確保が困難という様相を呈していますね。
私は2021年12月の公演は生で聴きましたが、その後、ちょっと行けずにいます。

今回のインタビューでは
  • おこがましいが、リストのように(作曲でも演奏でも活躍できるように)なりたい
  • コンサートのコンセプトは、後半の「英雄」とリンクするように組んだ
といったことを流暢に語っていましたが、
今後もきっと、目を見張るようなコンセプトを持って、活躍の場を広げていくんだろうなあ
今も進化を続けているしなあ、と思いました。
ただ、演奏も、そして、トークも、流暢すぎるがゆえの瑕のようなものも感じたりもしています。
(お腹いっぱいになりすぎてしまう感が少しばかり……)

2023年8月15日(火)放映
ハイドンからライヒまで―進化する弦楽四重奏―

【演奏】タレイア・クァルテット
  • 山田 香子(1st ヴァイオリン)
  • 二村 裕美(2nd ヴァイオリン)
  • 渡部 咲耶(ヴィオラ)
  • 石崎 美雨(チェロ)
【収録】2023年6月12日/NHK CT-104スタジオ

【曲目】
  • ハイドン:弦楽四重奏曲ニ短調作品76第2「五度」(1797年作曲)
  • スティーブ・ライヒ:ディファレント・トレインズ(1988年作曲)
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画像からもわかるように、画面の作り方が一般の収録と異なりました。
番組冒頭、最後のクレジットなども洒落た作りだったのは、BSの4Kチャンネルとの同時放送だったためでしょうか。
本日、8月15日終戦記念日を意識しての番組ではないかと。

初めに、吉田秀和が弦楽四重奏を「音楽のもっとも精神的な形」と評したこと、
その具体的な引用文が提示されました。

4人で音楽を作りあげることについて、タレイア・カルテットが答えるインタビューでは、次のようなやりとりが(うろ覚え💦)。

Q:意見が異なることは?
A:異なるというより、タレイア・カルテットのメンバー個々が得意な部分、良さを出すにはどうしたらいいかという意味での話し合いをする

Q:今日の2曲では、作曲年代に200年近い差があるが、それは意識するか?
A:当然、意識する。出だしから、異なる音色を奏でる必要がある。

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確かに、かなり異なる2曲でした。
ハイドンでは、演奏者同士が頻繁に目を合わせ、丁々発止でやりとりをしている様子でした。
指揮者がいない中で息を合わせる、ともに呼吸する演奏。
曲名にある「5度」の和音が常に響くような作曲法は、当時としては非常に斬新だったそうです。
ハイドンのピアノ・トリオを最近、自分でも練習しましたが、
ハイドンって、実はとっても奥深い音楽を創る人なのだと思います。
私の今までの認識が甘すぎただけ、という話ですが。

ライヒの音楽は、全体(3楽章ではなく「3部」という言い方をするのですね)を通して、インタビューで録音された古い肉声が、ずっと背後に流れていました。
肉声のリズムに合わせて音楽を乗せていく、という箇所が多々あって、これは、ある意味、メトロノームに合わせて弾くような正確さが求められる、ということでしょうか。
第1部「第二次大戦前のアメリカ」、第2部「ホロコースト」、第3部「戦後のアメリカ」。
言語の持つ力もまた、凄まじいです。


ミニマル・ミュージックとか、電子楽器、コンピュータの活用、五線譜を使わない新記譜法が「現代音楽」というカテゴリーで括られるようになったのは、戦後から?
それにしても、もう80年ぐらい経ちます。
優秀な若手がどんどん出て来て、作曲を手掛ける演奏家も珍しくなくなったように思える今、さらにどんな動きが生まれるのかなあ、、、なんてことも思いました。

2023年8月10日(木)放映
伊藤恵〜ベートーヴェンの後期ソナタを弾く〜

【演奏】伊藤恵(ピアノ)
【収録】2022年1月12日@桐朋学園宗次ホール(無観客収録) 

【曲目】
  • シューベルト:レントラー舞曲 D790
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 作品101 から 第2楽章
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番  ハ短調 作品111
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シューベルトは、明るい音楽であっても、
その底には「別れを告げる」思いが潜んでいるように感じる。

最初のインタビューで彼女が語っていたとおり、
シューベルトのレントラー、3拍子のワルツ12曲それぞれの優しさ、寂しさが心に沁みました。

伊藤恵さんといえば、シューマンだったよなあ、と思いながら見ていたのですが、
「なぜ今、ベートーヴェン?」という質問への答えを聞いて、納得。
シューマンの憧れていたのが、シューベルト。シューマンを演奏している間にシューベルトが弾きたくなった。
そのシューベルトが尊敬していたのが、ベートーヴェン。ベートーヴェンは、ずっと偉すぎる遠い存在として距離を置いていて、室内楽などで接するだけだったが、ある日、急に、彼の音楽の優しさが身に染みた。彼の人間愛に気がついた。
北村朋幹くんのお師匠さん、という指導者としての印象が強かったのですが、
ピアニストとしても、今も挑戦を続けて新たな発見をされているのですね。
(ベートーヴェン第32番のソナタについて)
完璧な人間じゃなくても、人間の存在そのものが尊いということを、シンプルな2楽章の歌で包み込まれるように感じる。ベートーヴェンの音楽の中には神様がいて、その神様に包み込まれるような感動がある。
伊藤恵さんのベートーヴェン、
確かに、暗闇、苦悩、葛藤という側面よりも、温かさを感じる演奏でした。
フォルテシモの和音に重さはあっても、冷徹さ、突き詰める厳しさはありません。
いろんな解釈というか、演奏があるわけで、それでいいんだと納得しました。
(ベートーヴェン第32番のソナタを弾き終えて)
皆様にお聞かせするために弾くというよりは、本当は自分のために弾いてしまうようなところもある。あまりにも素晴らしい音楽なので、一人でも多くの音楽家がこのソナタを演奏して、500年、1000年と続いていったらいいなと思う。

2023年8月8日(火)放映
小菅優〜ベートーヴェン・プロジェクト最終回〜

【演奏】小菅優(ピアノ)
【収録】2019年11月29日@東京オペラシティコンサートホール 

【曲目】
  • ダカン:クラヴサン曲集 第1巻 第3組曲から「かっこう」
  • 西村朗:カラヴィンカ
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第17番「テンペスト」ニ短調 op.31-2
  • ドビュッシー:前奏曲集 第1巻から「沈める寺」
  • ドビュッシー:前奏曲集 第2巻から「霧」
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「The 集中!」のピアニスト。
9歳から演奏活動を開始、という紹介に、そういえばそうであった!と思い出しました。
私の印象では、活動休止期間なく、ずっと活躍されている印象です。すごいなあ。

今回の放映は、2017年~2020年のコンサート・シリーズ「Four Elements」(四元素/水・火・風・大地)の中の、第3番目のテーマ「風」にあたるリサイタルです。

インタビューでの彼女の談話。
風というのは目に見えないもの。
空気、魂、命、というものが連想され、想像力を掻き立てられる。
取り組んできた中で、一番ミステリアスで不可思議な世界でありながら、奮い起こしてくれる強さもあり、感性を揺すぶられるエレメントだと思う。
ダカン、西村朗の曲は、初めて聴きました。
カラヴィンカとは、「仏教の阿弥陀経において、極楽に住むとされる人間の顔、鳥の体をもつ特別な鳥で、美しい声を持っている」というものとのこと。
ベート―ヴェンは、ずっと取り組んできた作曲家。
「テンペスト」第1楽章には激しい対話がある。嵐といっても、心の対話。
ハイリゲンシュタットの遺書を書いた後の、「芸術を残さねば」という彼の使命感を感じる。画期的な作品。
現実の「鳥」の描写から、宗教的な「鳥」へ、そしてベートーヴェン、ドビュッシーの世界へ、
というプログラム構成(実際のリサイタルからの抜粋ではありますが)に、
インタビューで語られていた、演奏者の想いを感じました。

彼女のリサイタルは、やはり全曲通して聴くと、また強い印象を残すことでしょう。
最近、彼女のソロ・リサイタルに行っていないなあ(弾き振りアンサンブルプロデュース企画は聴きましたが)と気づき、またチャンスがあれば是非、と思いました。

2023年8月7日(月)放映
河村尚子〜ベートーヴェン・プロジェクト最終回〜

【演奏】河村尚子(ピアノ)
【収録】2019年11月13日 @紀尾井ホール 

【曲目】
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
  • (アンコール)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109 第3楽章より
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ずしっと腰が入っていて、音の密度の濃いベートーヴェン。
実際に会場で聴いたリサイタルですが(→2019年11月)、TVで視聴するのは初めてです。
リズム感、躍動感と、その集中度、緊張感に、
TV画面を通してであっても、ググっと引き込まれました。

ちゃらちゃらっと何でも弾いてしまう(弾けてしまう)演奏家も多いですが、
やはり聴くからには、こういう密度の濃い音楽が聴きたいです。
実は、彼女の衣装のセンスにも共感している私。
ピラピラ、ふわふわ系でない、シックなドレスはいつも素敵です。


最初の5分程度は見逃してしまったのですが、
それ以降はインタビューなどは挟まれていませんでした。
冒頭にあったのかなあ。

我が家の男性陣(高齢の義父も滞在中)が連日かぶりついている、
アメリカ大リーグ、大谷選手が出場する試合中継の後に、たまたま流れた番組です。

空港ピアノ、ワルシャワ空港版(BS1)
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2019年にワルシャワを訪ねた私ですが、
そういえば、空港案内板にこのピアノの存在が記載されていたような。。。
時間に追われていて、実際にこのピアノを見ることもしませんでした。

おそらく再放送と思われますが(番組ホームページには、今回の放映記載なし)、
ポーランドは隣国ウクライナから150万人の難民を受け入れている
という説明、その避難所の様子の映像も流れていました。
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この少女もウクライナから逃れてきた9歳とのこと。
懐かしいブルクミュラーの練習曲を弾いていました。
たどたどしい箇所もある演奏でしたが、胸に響きました。

避難所では、音大出の若者が、ウクライナからの子供たちにピアノを教えているそうです。
避難民の半数、つまり75万人程度は子供。
今はどんな様子になっているのでしょうか。

ドキュランドへようこそ
(c) Alexander Koridze
「無調の輝き 現代音楽に魅せられた少年」
初回放送日: 2023年6月16日

あどけない少年ながらショスタコーヴィチなどの現代ピアノ曲を弾きこなし、自身で作曲もするツォトネ・ゼジ二ゼは10歳。ジョージアで祖母と妹と暮らす少年音楽家の日常(NHKの番組案内文)。

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主人公・Tsotne Zedginidze(ツォトネ・ゼジニゼ)君の自宅@ジョージアに、
Rönisch(レーニッシュ)のアップライトピアノが運び込まれるシーンからスタート。
トラックにはPolandというロゴが。
ポーランドからの輸入?もしくはポーランド系の運送会社?

ところが、ツォトネ君、
「このピアノは音が変わらない」
「指が痛くなる」
と苦情を言って、怒ってしまいます。祖母のニノさんが演奏を促しても、
怒りの感情を示す、荒々しい即興演奏をするばかり。

アップライトピアノといえども、それなりに値段は張るはず。
でも、ニノさんは「子供が、わがままを言うのではない!」などと叱ったりはしません。
「もっといいピアノに替えると約束する」と言うのです。
すごいなあ。


実は私、この少年・ツォトネ君のこと、ツィナンダリ音楽祭のWeb配信で知っていました。
驚嘆した記憶、今でも鮮烈です。
(↓に貼った演奏リンクなどのいくつかは、まだ生きていることを確認しました)


英語をぺらぺら話していたのは、父親が個人教授していたんですね。
音楽の教育は、亡き母方の祖母、ニノさんが担当。
父上もニノさんも、きれいな英語を話されていました。
二ノさんは、プロのピアニストでもあること、間違いありません。
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ニノになら、何でも話せる。他の人には、そんなことはできない。
ニノといっしょに、今の家に住み続けたい。

自分の意志をはっきりと告げるツォトネ君。
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取材者に「やってみて」などと言われても、
できないこと、嫌なことは、はっきりと拒絶します。

ジョージアの大統領、オーケストラの正指揮者、
そして、ダニエル・バレンボイム
そういう大物と、堂々と会話するツォトネ君です。
自らの演奏後、思うように弾けなかったとむくれる彼の姿を心配する周囲に、
「ツォトネは、自分の演奏に満足することはない(いつものこと)」
と説明する祖母。
彼に相続させるために、絵画や大リーグの有名選手のサイン・ボールをコレクションしているという父親。
もちろん、こういう家族やサポーターの存在あってこその、彼の活躍と言えるでしょうが、

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最後は黄金色の藁(小麦かな?)が美しい風景の中で、祖母、妹と3人でくつろいでいる場面。
こういう自然の中で、感性が育まれていくんだろうなあ、、、と思いました。

この番組、「NHKプラス」のサイトで1週間視聴できます。

【追記】
ツォトネ君の祖母、ニノさんとは、なんとエリソ・ヴィルサラーゼ(Eliso Virsaladze)さんの従姉妹にあたる方で、Prof. Nino Mamradzeと呼ばれる専門家でいらっしゃるそうです(ブログ「ぴあのピアノ♪」による情報)。



6月4日(日)放送分ということで、かな~り遅れてのアーカイブ視聴でしたが、
「クラシック・ファンではない方々にも、ピアノの、クラシック音楽の魅力を伝えよう!」
という亀井くんの意欲が伝わってくる内容でした。
自己アピールというよりも、音楽伝道師という感じと言えばいいでしょうか。

私にとっては、初めて視聴する番組でした。
いろんな番組があるんですねえ。
「初めて触れて」「推そう!」と思った人を紹介する、というコンセプト。
「推し」って、もう流行語ではなくて、一般名詞になったんでしょうか。

明後日、11日(日)21:59まで視聴可能とのことです。

音楽の話題ではありませんが、
一昨日の日曜夜から始まったシリーズもの
「アストリッドとラファエル2 文書係の事件簿」
というドラマ・シリーズ、面白いです。
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自閉症のアストリッドと、熱血漢の警視ラファエルが組んで事件を解決する
という内容です。

実は、この放映に先駆けて、シリーズ1が一挙に再放送されました。
それを「NHKプラス」で視聴してハマったわたくしです。
最近、仕事に追われて深夜就寝、早朝起床が続いているのですが、
深夜、眠れなくなった日に、つい出来心でポチっとしてしまった次第。

謎解きの面白さはもちろんのこと、
自閉症の人々の生きづらさ、それを乗り越えるための社会的仕組み、
主人公2人が信頼関係を築いていく過程なども見ごたえありました。

シリーズ1の最終話のタイトルが

「五線譜の暗号」

バッハのフーガの解説なども入っていましたが、
フランスでは「ドレミファソラシド」で音程を把握していて、ドイツ語読みはしない
ということもキーポイントになっていました。


再放送の第1シリーズ(全10話)の後半は、まだNHKプラスで視聴できます。
おすすめです♪

2023年5月10日(水)放映
フォーレ四重奏団〜ピアノ四重奏が奏でる「展覧会の絵」〜

【演奏】フォーレ四重奏団
フランスの作曲家フォーレの名に因んで、カールスルーエ音楽大学出身の4人が1995年に結成した四重奏団。日本にも度々訪れ、多くのファンを魅了し続けている。
  • ヴァイオリン:エリカ・ゲルトゼッツァー(Erika Geldsetzer)
  • ヴィオラ:サーシャ・フレンブリング(Sascha Frömbling)
  • チェロ:コンスタンティン・ハイドリッヒ(Konstantin Heidrich)
  • ピアノ:ディルク・モメルツ(Dirk Mommertz)
【収録】2021年12月6日、所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール

【曲目】
  • マーラー:ピアノ四重奏曲 断章 イ短調
  • ムソルグスキー(ディルク・モメルツ、グリゴリー・グルズマン編曲):組曲「展覧会の絵」
  • フォーレ(ツェルナー編曲):夢のあとに
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2021年の収録とのことなので、再放送だと思われますが、
久々に昨日の朝、放映時間に初めて視聴しました。

「26年間、同じメンバーによる常設の四重奏団として活動し続けるのは難しいが、リーダーも、メンバーの役割も決めずに、ただ"いい音楽をつくる"ことだけを共通目的としているから、可能となっている。カリスマ的なリーダーがいると、メンバーが入れ替わる結果になることが多い。」

という説明に、なるほど、と思いました。
でも、最近は日本の若者たちが結成したカルテットが活動しているような気も。
今後も継続して活動していくのかどうか、見届けることになるでしょうか。

さて、プログラムの3曲とも、のびやかで集中力の高い演奏でした。
マーラーの曲は、1楽章分しか楽譜がないため、「断章」と呼ばれているのだとか。
響きが美しかったです。
「展覧会の絵」「夢のあとに」はメジャーな曲ですが、カルテットでの演奏、魅力的でした。

また、4人そろってのインタビューが、なんとも雰囲気がよくて、うらやましくなりました。

2023年4月3日(月)放映  NHK総合
映像の世紀 バタフライエフェクト「戦争の中の芸術家」

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内容のメモ書きです。
断片的に知っていたことも多々ありましたが、一つのテーマで追いかけることの説得力を感じました。
芸術と戦争(政治)というテーマが投げかけて来る問いは、現在もそのまま私たちの目の前に。


(1)戦争の中(ファシズム下)の音楽
  • フルトヴェングラー(ドイツの指揮者)
ヒットラー支配下で音楽活動を継続
妥協を許さないリハーサル風景の動画が残っている。
当時のベルリンフィルには、コンサートマスターを含め7人のユダヤ系団員がいた。
ヒトラーがフルトヴェングラーを特別扱いし、ベルリンフィルだけが聖域に。
団員を守るためにヒトラーに迎合した側面もある。
「芸術はたまたま政権をとった政治に属するものではない。」
VS トスカニーニ「ファシズム政権下では演奏しない」と宣言、フルトヴェングラーを公然と批判

1942年ヒトラーの誕生日前夜祭
フルトヴェングラー指揮 ベルリンフィル
ベートーヴェンの第9交響曲 非常に速い終楽章の名演「ヒトラーの第九」と呼ばれるように。
終演直後、ゲッペルスと握手するフルトヴェングラーの姿を多くの人が批判(予告なしのゲッペルスの行動だった)

  • ショスタコーヴィチ(ソ連の作曲家)
政治に翻弄された人生
9歳で作曲開始、19歳で最初の交響曲を発表。
1939年発表のオペラは「ソビエトを代表するものだ」と大評判に。
スターリンの大粛清(数百万人が処刑)の開始後、
スターリンの不興を買ったオペラで窮地に追い込まれる。
翌年発表の交響曲第5番「革命」はそれまでの前衛的な音楽と一転して明快→地位回復
革命の勝利を表現したと言われるラストの部分に、カルメンのメロディーを引用
(ただし、その歌詞は「気をつけろ!」。ここに意図が隠されていると読める。)

独ソ戦
ドイツ軍がレニングラード包囲
ショスタコーヴィチも従軍中だったが、抜け出して疎開先で交響曲第7番「レニングラード」作曲
ドイツとの戦いの象徴となるが、作曲家自身は後日「ファシズムとは単にナチズムを意味するのではない。恐怖、屈辱の象徴であり、この曲はソ連の体制のファシズムも描いている」と述べている。


(2)戦争の中の文学
  • ゴーリキー(ソ連の作家)
ソビエト作家同盟を設立し、ソビエト政権を礼賛。
  • 火野葦平(日本の作家)
日本でも芸術家を戦意高揚に利用した典型例
1938年第6回芥川賞授賞式を@中国広州で開催。受賞者の火野葦平が従軍中だったため。
苦境にあえぐ作家たちを救い、世にアピールするための方便(菊池寛による仲介)。
「従軍ペン部隊」が組織され、中国に送り込まれ、給与も支払われた。

日本軍の「インパール作戦」
食料や弾薬の補給を軽視した無謀な作戦。悪化していく戦線の実態を火野葦平が書き残したが、検閲のため世に出せず。


(3)芸術界、戦後の動向
戦後、敗戦国の芸術家たちが罪を問われる
  • バイロイト音楽祭を当面の間は中止
  • ワーグナーの音楽は敵対視される
  • フルトヴェングラーは音楽家を守ったことが評価され、無罪となったが、「ナチ協力者」という批判は止まず
  • 火野葦平は公職追放。許された後も批判は止まず。作品『革命前後』でその苦しみを綴ったのち、自殺
  • スターリン死亡の年にショスタコーヴィチが交響曲第10番を発表:暗く陰鬱な曲調(スターリン礼賛ではない)。「我々ソビエトの芸術家は、芸術を国の体制から切り離すことはできない」と、葛藤を吐露
この流れは現在も。
  • ロシアのウクライナ侵攻後、職を解かれたワレリー・ゲルギエフは今も沈黙を守る。
  • フルトヴェングラーに見いだされ、彼を師と仰ぐダニエル・バレンボイムは、イスラエルにおいてワーグナー作品の演奏を認めるか否か、観客に問いかける→観客の議論が30分以上続く。反対派は会場を去り、演奏は決行。「ワーグナーの音楽に忌まわしい思いを抱く人がいてもいい。ただし、他の人から音楽を聴く自由を奪ってはいけない」

2023-04-04 (1)

フルトヴェングラーの回想
「ナチスの下で生きて行かなくてはいけなかったドイツ人ほど、ベートーヴェンの音楽を必要とした人はいなかった。自分がドイツ人のためにしたことを悔やんではいない」

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当番組、NHKプラスの見逃し配信で1週間視聴可能です。

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