PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ:【コンサート・レビュー】 > 室内楽(ピアノなし)

2023年7月11日(火)19:00開演 20:40終演
@みなとみらいホール 小ホール

タレイア・カルテット 
重厚で繊細な弦楽四重奏の響き

山田 香子(1st ヴァイオリン)
二村 裕美(2nd ヴァイオリン)
渡部 咲耶(ヴィオラ)
石崎 美雨(チェロ)

〈プログラム〉
  • モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク
  • ハイドン:弦楽四重奏曲第61番 ニ短調「5度」Op.76 No.2 Hob.Ⅲ:76
  • ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10
  • (アンコール)Danish String Quartet:Peat Dance
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公益財団法人国際音楽芸術振興財団の主催による、無料コンサートでした。
淡いブルーグリーン調のドレス(4人それぞれの生地、柄、デザイン)をまとった、見目麗しい女性4名がステージに登場。
タイトル副題にあるとおり、「重厚」さも兼ね備えたカルテットでした。
息を合わせる様子などは、潔くてかっこよかったです。
シュっとしてハンサムな音楽が奏でられた、という印象。

個人的には、ハイドンが印象に残りましたが、たまたま自分でも室内楽に取り組んでいるせいかもしれません。
最後に、演奏者がステージからごあいさつされたときには
「モーツァルトやドビュッシーが演奏できて……」と言われていたので。

後半のドビュッシーは、ほとんど意識をなくしてしまっていた私です。
ちょっと疲れがたまっていたようでして(言い訳😓)。

改装後の小ホールに入るのは、初めてだったかもしれません。
美しゅうございました。
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2023年1月22日(日)14:00開演 16:05終演
@渋谷美竹サロン

1st ヴァイオリン:郷古廉(ごうこ すなお)
2nd ヴァイオリン:横島礼理(よこしま まさみち)
ヴィオラ:佐々木亮(ささき りょう)
チェロ:宮坂拡志(みやさか ひろし)

<プログラム>
  • ストラヴィンスキー:弦楽四重奏のための3つの小品
  • ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調  Op.10
  • ウェーベルン:弦楽四重奏のための6つのバガテル  Op.9
  • ラヴェル:弦楽四重奏曲  ヘ長調
アンコール
  • ラヴェル:弦楽四重奏曲  ヘ長調より 第2楽章
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極上のアンサンブル。
実力者による理知的な洗練の美を堪能いたしました。

客席は50席限定という親密な空間。
初めて訪れた会場でしたが、そのおハイソな雰囲気にも驚きました。

1曲目のストラヴィンスキーでは、郷古さんがメモも見ずに詳しい解説を。
「春の祭典」発表の翌年の作で、同時期には「兵士の物語」もあり、旺盛な創作活動期。
3曲は、①ダンス、②エキセントリック、③聖歌 とのタイトルで、
4手ピアノ用にも編曲されているとのこと。
冷たい響きの、王道現代曲、といった雰囲気。
弦楽器とは思えぬ音色もたくさん聴こえてきました。

ドビュッシーは、がらりと雰囲気を変わり、
捉えどころがない暗いムードの中に、メロディアスな旋律やロマンティックな和音も。

休憩を経て、ウェーベルン。
6曲で4分に満たないというこの曲の合わせに、一番てこずったのだそうです。
ウィーンらしい生温かさを感じるところが、ストラヴィンスキーとは大きく異なる、との説明。
現代曲でありながら、人間っぽさ、有機的なものを感じるとの郷古さんの解説でした。
無調音楽。なるほど。

ラヴェルは、完成度の高い崇高な曲。
フォーレに献呈されたとのこと。
息をのんで聴き入ってしまう、圧巻の演奏でした。

「カルテットは本当に難しい。演奏者にとっては聖域。作曲家も重要視して取り組んできた。」
という発言に納得させられる、実に濃密な時間を過ごしました。

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2022年12月29日(木)14:00開演 16:20終演
@紀尾井ホール

チェロ:辻本玲、伊藤悠貴、小林幸太郎、伊東裕、岡本侑也、上野通明

<プログラム>
  • クレンゲル:賛歌(辻本、伊藤、小林、伊東、岡本、上野)
  • グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」(上野、伊東、岡本、伊藤、小林、辻本)
  • ドビュッシー:月の光
  • サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ(岡本、伊藤、上野、伊東、辻本、小林)

    ~休憩~
  • R.ワグナー:歌劇ローエングリンから エルザの大聖堂への行進(伊藤、岡本、上野、辻本)
  • ボロディン:中央アジアの草原にて(小林、上野、辻本、岡本、伊東、伊藤)
  • チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」
  •  第1曲 小序曲(伊東、辻本、小林、上野、伊藤、岡本)
  •  第2曲 行進曲(伊東、辻本、小林、上野、伊藤、岡本)
  •  第3曲 金平糖の踊り辻本、小林、上野、伊藤、岡本、伊東)
  •  第4曲 ロシアの踊り(トレパック)林、上野、伊藤、岡本、伊東、辻本)
  •  第5曲 アラビアの踊り上野、伊藤、岡本、伊東、辻本、
  •  第6曲 中国の踊り伊藤、岡本、伊東、辻本、林、上野)
  •  第7曲 葦笛の踊り岡本、伊東、辻本、林、上野、伊藤)
  •  第8曲 花のワルツ(伊東、辻本、小林、上野、伊藤、岡本)
アンコール
  • ポッパー:ハンガリー狂詩曲(伊藤、岡本、上野、小林、辻本、伊東)
  • ピアソラ:現実との3分間

編曲:小林幸太郎
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祝祭感に満ち満ちた、楽しいコンサートでした。
6本のチェロでこんなに豊かな世界が構築できるのですねえ。
大切な旋律が埋もれる……なんてことは皆無で、実に美しいアンサンブルでした。
もちろん、超絶技巧もお見事でしたが、それよりもアンサンブルの美が印象に残りました。
そして、出演者自らが語られていたように、
みなさま、笑顔、笑顔。

辻本氏、40歳になられたそうですが、
「みんながこんなに和気あいあいとしていられるのは、最年長の僕の精神年齢が最年少だから。」
そのコメント、素晴らしいです💓
舞台袖へ引っ込む際、当初、若手のみなさんが互いに譲りあって舞台上で渋滞を引き起こす中、辻本氏が諦めたかのような表情で大股で先頭に立ち、のっしのっしと引っ込んでいかれたのも微笑ましく。
でも、第2部の後半では、その場の流れで若手もすんなり移動されていました。

個人的にイチオシの岡本くんの音色の美、健在でした。
音色で言うと、若手の上野、伊東、岡本が際立っていたような。
でも、トークになると、それ以外の3名が大活躍。
多彩なキャラクターの6名が合わさって、新たな世界が構築されていくというのが、実に魅力的です。

このコンサートに足を運ぶのは2度目でしたが、来年も行ってしまう予感。。。
会場全体、大盛り上がりでございました。

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主催:公益財団法人国際音楽芸術振興財団
2022年12月20日(火)19:00~20:45 
@サントリーホール 小ホール(ブルーローズ)

澤江衣里/ソプラノ
久保法之/カウンターテナー
小堀勇介/テノール
山本悠尋/バリトン
<プロムジカ使節団>
圓谷俊貴/チェンバロ・オルガン・指揮
池田梨枝子/ヴァイオリン
秋葉美佳/ヴァイオリン
髙岸卓人/ヴァイオリン
遠藤結子/ヴァイオリン
深沢美奈/ヴィオラ
山本徹/チェロ
髙本ショーン知弥/コントラバス
斎藤秀範/トランペット
荒井豪/オーボエ
森綾香/オーボエ
石川友香理/チェンバロ・オルガン

<プログラム>
  • A.ヴィヴァルディ:<四季>より「冬」(ソロ:池田梨枝子)
  • C.P.E.バッハ:チェンバロ協奏曲 ニ短調 (ソロ:圓谷俊貴)
  • J.S.バッハ:カンタータ 第147番
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バロック音楽のコンサートって、久しぶり。
ちょっと疲労が溜まっていたこともあって、気持ちよく眠りに誘われた時間帯も。
なんだか精神療法を受けたような。。。
かな~り以前、オラトリオを聴いて、同様の気分になったことを思い出しました。

よく知っている「四季」、
新鮮に響く、華やかなチェンバロ協奏曲、
全曲聴くことはめったにないカンタータ(有名な「主よ人の望みの喜びよ」が入ってました)
という組み合わせも粋なプログラムで、楽しめました。

これで無料とは、本当にありがたいです。
そうそう、
古楽器って、特に出だしの音合わせが大変そうだな~とも思いました。

サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン
Suntory Hall Chamber Music Garden 2022

プレシャス 1 pm Vol. 4 
第一人者たちの交歓

2022年6月17日(金)13時開演 14時20分終演(休憩なし)
@サントリーホール ブルーローズ

ハープ:吉野直子
ホルン:ラデク・バボラーク

<プログラム>
  • サン゠サーンス:オーボエ・ソナタ ニ長調 作品166
  • ドビュッシー(ブルグ 編曲):スラヴ風バラード
  • ドヴォルジャーク(バボラーク 編曲):ホルンとハープのためのドヴォルジャーク・ポプリ(①4つの歌曲 作品82 より 第1曲「私にかまわないで」、②交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」より 第2楽章「家路」、③ジプシーの歌 作品55 より 第4曲「我が母の教えたまいし歌」、④ロマンティック小品集 作品75 より 第3曲)
  • ドビュッシー:『シランクス』(ソロ・ホルンによる)
  • トゥルニエ:『森の中の泉のほとりにて』(ソロ・ハープによる)
  • アンドレ:『晩秋の歌』
アンコール
  • グラナドス:アンダルーサ
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最前列の中央で鑑賞。
バボラ―ク氏も吉野さんも、お茶目です。
ランチタイム・コンサートの王道♪ といった雰囲気のコンサート。

明るく、耳なじみもあるような曲の数々で幸せな気分を味わってから、
最後の1曲『晩秋の歌』では、芸術性を堪能しました。
なんだか日本の雅楽っぽい和音やメロディーも聞こえてくる、小品の7連作。

アンコールも秀逸でした。
バボラ―ク氏のテクニック、健在です。


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サントリーホール入口の上方、壁の裏にオルゴール?(パイプオルガンの音色♫)が隠れていて、人形が先導して現れるや、音楽を奏でるなんて、初めて見ました、聴きました。
開場時間12:30に着いたところ、音楽が終わって引っ込んでいくところでした。

2022年3月11日(金)14:30開演 16:20終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール
  • 指揮:秋山和義(★)
  • オルガン:松居直美(♪)
  • 司会:山田美也子
  • チェロ(12名):山崎伸子・菊池知也・向山佳絵子・長谷川彰子・大友肇・横坂源・藤原秀章・矢部優典・上野道明・水野優也・森田啓佑・築地杏里(香月麗から変更)
<プログラム>
  • J.S.バッハ:前奏曲 変ホ長調 BWV552/1(♪)

(黙祷)
  • モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618(チェロ12重奏)(♪)
  • J.S.バッハ:主よ人の望みの喜びよ(チェロ12重奏)(♪)
(休憩)
  • クレンゲル:賛歌 Op.57(チェロ12重奏)(★)
  • ポッパー:演奏会用ポロネーズ Op.14(チェロ4重奏:上野・藤原・森田・水野)
  • ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より荘厳なる曲(チェロ8重奏:上記以外)
  • チャイコフスキー:弦楽セレナーデハ長調Op.48からワルツ(チェロ12重奏)(★)
  • J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番WV1004よりシャコンヌ(チェロ12重奏)(★)
アンコール
  • カザルス(カタロニア民謡):鳥の歌(チェロ12重奏)(♪)(★)
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オルガンと12人のチェロ、というコンセプトに惹かれて。
3階席でしたが、すてきな響きが楽しめました。
祈り、という言葉がぴったりの演奏会でした。

2021年12月27日(月)19時開演 21時終演
東京文化会館小ホール

チェロ:辻本玲、伊藤悠貴、小林幸太郎、伊東裕、岡本侑也、上野通明

<プログラム>
  • ダヴィドフ(編曲:W.トーマス・ミフネ):賛歌(辻本、伊藤、小林、伊東、岡本、上野)
  • ポッパー:ハンガリー狂詩曲(伊藤、岡本、上野、小林、辻本、伊東)
  • ドビュッシー:月の光(上野、伊東、伊藤、岡本、小林、辻本)
  • リムスキー=コルサコフ:シェヘラザードより 若き王子と若き王女(伊東、辻本、上野、小林、岡本、伊藤)
  • サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ(岡本、伊藤、上野、伊東、辻本、小林)

    ~休憩~
  • ピアソラ:「ブエノスアイレスの四季」
  •  夏・(伊藤、岡本、辻本、伊東、上野、小林)
  •  秋・(伊東、伊藤、岡本、上野、小林、辻本)
  •  冬・(上野、小林、伊東、辻本、伊藤、岡本)
  •  春・(辻本、伊東、上野、小林、岡本、伊藤)

アンコール
ピアソラ:現実との3分間

編曲:小林幸太郎(冒頭曲以外の全楽曲)

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こんな豪華なメンバーが、5年も前から年末に集ってはコンサートを開催していたとは。
全員すごい腕前で、しかもとっても楽しそうで、こちらも元気をもらいました。
演奏の熱量がすごかった。
引き込まれて、こちらも心拍数が上がりました。

小林さんだけお名前も存じ上げなかったのですが、編曲がすばらしかったです。
「チェロがかっこよく聞こえるように編曲してくれる」
とは伊東さんの弁ですが、ほんと、そのとおり。
今年没後100年の記念年であるサン=サーンス、参加者全員が度肝を抜かれる超絶技巧ぶりで、編曲者自身が「本当に演奏可能なのか」と心配だったそうですが、見事な出来ばえでした。
6人それぞれトークも披露してくれましたが、お互いに尊敬しあいながらアンサンブルを楽しんでいる様子が伝わってきました。

おそらく満席だった会場の聴衆も、大盛り上がり。
拍手が鳴りやみませんでした。
来年の年末にも開催決定、とのこと。
是非次も聴きに行きたいものです。

配信期間:2/15 18:00 ~ 3/1 18:00 の期間限定の動画です。
おススメ!




<PROGRAM>
  • バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番より「プレリュード」
  • パガニーニ:24のカプリースより 第1番、第24番
  • バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より「シャコンヌ」
  • イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調「バラード」
  • 平義久:コンヴェルジャンス(収束)Ⅲ
  • 一柳慧:フレンズ
  • 即興演奏:詩・「自分の感受性ぐらい」(茨木のり子)に乗せて(朗読:安達真理)
  • チャイコフスキー:弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」より 第1楽章 (ヴァイオリン:坪井夏美  ヴィオラ:安達真理、田原綾子  チェロ:笹沼樹、佐藤晴真)

紀尾井ホールのロビー、ステージ、リハ室(?)、ステージと、演奏の場を変えながら、そして最後には同世代の仲間たちも集ってのリサイタル。
音楽愛がビシバシ伝わります。朗読つき即興演奏にも惹かれました。

2020年6月16日(火)20時開演 21時終演

【Beethoven and More! クラシック音楽の夕べ】
カルテット・アマービレ plays ベートーヴェン

・ベートーヴェン:弦楽四重奏曲op.132より3〜5楽章

演奏:カルテット・アマービレ
篠原悠那、北田千尋(ヴァイオリン)
中恵菜(ヴィオラ)
笹沼樹(チェロ)


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この曲を選んだ理由は、第3楽章に
「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」
という副題がついていて、それが今のこのコロナ禍に状況に合っているから、とのこと。

カルテット・アマービレは、2年半前にも生で聴いていて(→
そのときから注目していましたが、
今日、拝見して、
音楽も、そして、見た目も、ずいぶんと大人っぽくなられたなあと思いました。
若い人は、本当に大きく変わる時期なのでしょうね。

調布音楽祭、プログラムはこちらから。
無料で視聴できます。
クラウドファンディングの理念に共感です。

いろいろな試みが実を結びつつあるのですね。

2019年8月7日(水)18時開演 19時05分終演
@Leichtenstein Palece  (Malostranke namesti 13)

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演奏:チェコフィルハーモニーの弦楽楽器奏者5名

(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)

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会場でのプログラム配布もなし。
路上で配布していたチラシとは異なる曲順で、次々と演奏されていきました。


<プログラム>

  • モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハト・ムジークより
  • ヴィヴァルディ:四季より 夏
  • バッハ:AIR
  • ドヴォルジャーク:スラヴ舞曲 ハ長調 作品46-1
  • ドヴォルジャーク:新世界より ラルゴ
  • スメタナ:モルダウ
  • J.シュトラウス:ピチカート・ポルカ
  • シューベルト:アヴェ・マリア
  • ビゼー:カルメン組曲
  • ドビュッシー:月の光
  • チャイコフスキー:花のワルツ
  • ラヴェル:ボレロ
アンコール
  • J.シュトラウス:プリンク・プランク・ポルカ
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泊っていたホテルから徒歩5分ほどの場所での室内楽コンサート。
1時間ちょっとという長さ、
超メジャー曲を並べたプログラム、
フラッシュさえ焚かなければ、写真も録画も自由、
……明らかに観光客向けのコンサートです。^^


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開演20分前は、客の入りはこんな感じでしたが、
開演時には8割がた埋まっていました。人気です。

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せっかくだから、と「がぶりつき」の前から3列目中央で鑑賞。
いやあ、演奏者のみなさま、見事なエンターティナーぶり。
しかつめらしい表情で、くそ真面目にトライアングルを鳴らすヴィオラ奏者、
楽器をこすったり、回したり、叩いたり、見事にパーカッション役もこなすコントラバス奏者、
表情たっぷりのアクションでメンバーを引っ張る第一ヴァイオリン奏者。

演奏のレベルも高かったです。
動画撮り放題!なんていうコンサートでは、演奏者名は伏せるんだなあ。。。なんて納得してしまいました。
ビビリの私、スマホのシャッター音が気になって演奏中には写真を撮らず。
ファインダー越しより、生で見たり聴いたりしたいですしね。^^
屋外コンサートだったりしたら、撮っちゃうんですけれども。

生演奏を堪能して、とっても明るい気分になって、素敵な旅の思い出となりました。
そして、いい気分のまま、ここからディナーへと向かった私たち3人だったのでした。

ベルリン・バロック・ゾリステン
(ライナー・クスマウル・メモリアル・ツアー2019)

2019年7月4日(木)19時開演 21時10分終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

出演:ベルリン・バロック・ゾリステン(コンサートマスター:ヴィリ・ツィマーマン
  ジョナサン・ケリー(オーボエ) 樫本大進(ヴァイオリン

<プログラム>
トマーゾ・アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調 Op.9-2 
  1.アレグロ・エ・ノン・プレスト 2.アダージョ 3.アレグロ
アントニオ・ヴィヴァルディ:弦楽のための協奏曲 ト短調 RV156
  1.アレグロ 2.アダージョ 3.アレグロ
アレッサンドロ・マルチェッロ:オーボエ協奏曲 ニ短調 
  1.アンダンテ・スピッカート 2.アダージョ 3.プレスト
アントニオ・ヴィヴァルディ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調 RV548 
  1.アレグロ 2.ラルゴ 3.アレグロ

~休憩~

アントニオ・ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集《四季》Op.8, Nos.1-4  
  第1番 ホ長調Op.8-1 RV269「春」
 1.アレグロ 2.ラルゴ・エ・ピアニッシモ・センプレ 3.ダンツァ・パストラーレ:アレグロ
 第2番 ト短調 Op.8-2 RV315「夏」
 1.アレグロ・ノン・モルト 2.アダージョ~プレスト 3.プレスト
 第3番 へ長調 Op.8-3 RV293「秋」
 1.アレグロ 2.アダージョ 3.アレグロ
 第4番 ヘ短調 Op.8-4 RV297「冬」
 1.アレグロ・ノン・モルト 2.ラルゴ 3.アレグロ

アンコール
ヴィヴァルディ「四季」より「夏」第3楽章 
             「冬」第2楽章 
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ふむ。☝の大進くんは、かなり若いですね。
本物のほうは、なんだか壮年期の海野義雄さんと似てきたような……。
一時期より細くなって、ダンディ度が増していました。

な~んて、どうでもいい話題から入ってしまいましたが、
いやはや、その演奏に脱帽でございました。
彼が入ると、俄然、音楽が生き生きとしてくるんです。まるでマジック。
もちろん、前半もたいへん洗練された素敵な演奏だったのですけれども。

アンコール曲は、いつまでたっても席を立たない観客に押されてやむなく、、、という感じでしたが、それがまた圧巻でした。
「夏」は、本ステージ以上の超高速アンコールバージョン。
演奏者のみなさまも楽しそうなことといったら。

あ、予算厳しき折、舞台後方のお安い席だったのですが、ここって、ステージからの距離は近くて演奏者の様子がよくわかりますし、弦楽器の音は上に上がってきてよく聴こえました。
チェンバロも蓋をすべて取り外してあり、舞台裏側の方向にも音がとどきましたよ。
BBSのみなさま、ちゃんとこちら側に向いてお辞儀してもくださいましたし。

そして、アンコールの「冬」はというと、
まったり、ゆったりではなく、闊達な旋律が魅惑的に響くわくわくバージョン。
エネルギーをチャージしていただいて帰宅したような気分になりました。
すばらしきかな、音楽。すばらしきかな、才能。

The Rev Saxophone Quartet
2018年12月6日(木)19:30開演 21:20終演
@文京シビック 大ホール

ソプラノ・サクソフォン:上野耕平
アルト・サクソフォン:宮越悠
テナー・サクソフォン:都築惇
バリトン・サクソフォン:田中奏一郎

<プログラム>
ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」より”月の光”

J.リヴィエ:グラーヴェとプレスト

A.ベルノー:サクソフォン四重奏曲
 第1楽章<モデラート・トランクィロ>、第2楽章<ディナーミコ>、第3楽章<アダージョ>、第4楽章<モルト・ヴィヴァーチェ>

~休憩~

E.&A.モリコーネ:ニュー・シネマ・パラダイス・メドレー(石毛里香 編)

H.アーレン:虹の彼方に(宮本大路 編)

M.トーメ作曲:ザ・クリスマス・ソング(宮本大路 編)

E.ブレイク、L.プリマ:メモリーズ・オブ・ユー~シング・シング・シング(川崎龍 編)

A.デザンクロ:サクソフォン四重奏曲
 第1楽章<アレグロ・ノン・トロッポ>、第2楽章<アンダンテ>、第3楽章<ポコ・ラルゴ、マ・リゾルート~アレグロ・エネルジコ>

アンコール
ハービー・ハンコック:ウォーターメロン・マン(宮越悠 編)
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完成度のめちゃくちゃ高いアンサンブルに酔いしれました。
サックス万歳!
逆に言うと、
アンサンブルで聴衆を感動させるには、ここまでの実力がないと無理なのか~と、めまいがしそうにもなりました。

4人それぞれ、メンバーを尊重しあっていることが伝わる、素敵なチーム。
音楽も、人間性も、あっぱれです。
会場の温度が、空気の密度が、ググっと上がったことがわかる時間でした。

座って演奏された、緊密なアンサンブルのクラシック曲と、
立ち上がってノリノリで演奏されたジャズ曲と、
それぞれの良さが引き立つ、洒落たプログラム。
祝祭感いっぱいのコンサート、お見事でした。

荘村清志(ギター)
福田進一(ギター)
林正子(ソプラノ)

2018年3月16日(金)19:30開演 21:15終演
@文京シビックホール 大ホール

<プログラム>

ドビュッシー(荘村清志編):「ベルガマスク組曲」より月の光(荘村&福田)
モリコーネ(鈴木大介編):ニュー・シネマ・パラダイス(荘村&福田)
ピアソラ(ベニーテス編):ブエノスアイレスの四季より”春”(福田)
ピポー:歌と舞曲第1番 (荘村)
ファリャ(プジョール編):スペイン舞曲第1番(荘村&福田)

マイヤーズ(鈴木大介編):カヴァティーナ(荘村&福田)
グラナドス(アスピアス編):トナディーリャスより
 第3番「トララとギターの爪弾き」第9番「愛と憎しみ」(林&荘村) 
 第1番「ゴヤのマハ」第7番「悲しむマハNo.3」(林&福田)
タレガ(サグレラス編):アルハンブラの想い出(荘村&福田)
ファリャ(福田進一編):7つのスペイン民謡(林&荘村&福田)
 1.ムーア人の織物 2.ムルシア地方のセギディーリャ 3.アストゥーリア地方の歌 4.ホタ 5.ナナ(子守歌) 6.歌 7.ボーロ

アンコール
ドリーブ:カディスの娘たち(林&荘村&福田)
リー・ハーライン:星に願いを(荘村&福田)
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(画像は本ステージの出演者による動画メッセージより)
ギターの音色を堪能しました。
福田氏が14歳のときに荘村氏は既にTVの世界の人、という間柄ながら、
お二人のつきあいは30年以上になるとのこと(12年前に福田氏のリサイタルに荘村氏がゲスト出演したのが、ステージ共演の最初だとか)。
お二人のCD”DUO"は持っているのですが、やはり生演奏は魅力が桁違い!

ギターと歌のコラボというのは初めて聴きました。
ああ、スペインではこうやって民衆が音楽を楽しんでいるんだろうな~という雰囲気が味わえました。
林氏が加わると、ステージが途端に妖艶に。
メンバーが加わることでの相乗効果、お見事でした。
素敵な大人の夜でした。満足。

Music Dialogue
ディスカバリーシリーズ 2017-2018  Vol.4

2018年3月9日(金)19:00開演 21:10終演
@南麻布セントレホール

<出演者>
エール弦楽四重奏団
(1st Vn.山根一仁、2nd Vn.毛利文香、Vla.田原綾子、Vc.上野通明)
大山平一郎(ヴィオラ)

<プログラム>
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第2番 イ短調 作品13(1827)
メンデルスゾーン:弦楽五重奏曲第2番 変ロ長調 作品87(1945)
Music Dialogue (出演者への質問)コーナー
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一昨日の本番です。
リハーサルを見せていただいた五重奏曲だけでなく、若者だけの四重奏曲も。
見違えるように息の合った演奏に、すっかり引き込まれました。
リハーサル時は客席の固いパイプいすに「お尻が痛い…」と感じたのに、今日はそんな思いも覚えずに終演を迎えたことも、その証拠。

一体感、疾走感、華やかさ、切なさ…
そういったもののスケール、幅の広さが、何十倍にもなっていました。

2曲を続けて演奏後、休憩をはさんで質問コーナーへ。
出演者の生の声が聞けるのも魅力です。
エール弦楽四重奏団結成の経緯(女性2人が高校2年時に室内楽をやろうと動いたが、当初は異なる編成を考えていて……という話に、山根君がびっくりしていたのが印象的。男性2人は1学年下なんですね)は、桐朋高校の音楽プロジェクトと連動してのことだとか。
桐朋高校、正規の学生として在籍する以外に、他の高校在籍で放課後に通うコース(毛利さんの場合)もあるというのを初めて知りました。
女性陣がつけた「エール弦楽四重奏団」という名前には男性陣は不満で(米国のYale大学と混同されるのが嫌だとか)、そろそろ改名してはどうかと提案していたのは笑えました。
4人それぞれ個性が異なっていて、張り合う感じがないのがいいですね~。

誰に質問を当てても、その場で考えながら的確な答えを返すのを聞いて、つくづくみんな頭がいいなあ~と思いました。
今回のステージの感想を求められ、音楽を合せる楽しさを語って
「こうやって好きなことをやっていけるって、悪くない人生だな、と思います。」
とまとめていたのが、山根君。
すごくまっとうな、まっすぐな、才能ある若者と一緒の空間にいるだけで、こちらも豊かになるような気がしました。
(2018年3月10日ちょっと加筆)

Music Dialogue
ディスカバリーシリーズ vol.4
字幕解説つきリハーサル

2018年3月6日(火)18:00-19:30
@南麻布セントレホール

曲目
メンデルスゾーン(1809-47):弦楽五重奏曲第2番 変ロ長調 Op.87(1845)

出演者
エール弦楽四重奏団
(1st Vn.山根一仁、2nd Vn.毛利文香、Vla.田原綾子、Vc.上野通明)
大山平一郎(ヴィオラ)
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昨日のドタバタを脱却するや、ダッシュで家を飛び出して、行ってまいりました。
公開リハーサル。
いわゆるゲネプロではなく、
「今日これから、初めて合わせるんです」というリハーサルを公開するという会。

「字幕解説つき」
とは何ぞや?と思っていたのですが、
会場に同席されているチェリストの方と、作曲家・音楽評論家の方が、リハーサルの演奏を聴きながら、ラインでチャットしあう文面がスクリーンにオンタイムで表示される
という方式のものでした。
「これが第一主題で…」「トゥッティというのは全員が演奏することで…」
といった解説や聴いていての感想などがスクリーン上を流れていく、という仕組みです。

私、すべてをキャッチしたわけではありませんでしたが、なかなか面白かったです。

演奏されたのは、1楽章。(その次に3楽章だけ、1度通して時間切れ。)
まず「初めて」というのに、ちゃんと最後まで通ってしまうことにビックリ。
そして、時間がたつほどに、音楽がみるみる魅力的になっていくのを実感しました。
和音の音色、リズムが一体化して、音楽全体が生き生きしていきました。
大山さんのコメントは、まず
「楽譜にはどう書いてある?」
という問いかけから始まって、スラーとスタカートの箇所の演奏のしかたとか、
強弱記号の変化の様子を大きく捉えて考えるとか、
私にも身に覚えのあるようなオーソドックスな指摘から。
演奏側も、すぐに指摘の意味をくみ取って
みるみる演奏が変わっていくのはさすがだなあ~と思いました。

音を小さくする、音量を下げる、力を抜く、といった表現ではなく
「音をほぐす」
という言い方をされたのが印象的でしたが、「字幕解説」によると、この表現は「大山先生の専売特許」なのだとか。

カーテンが音響に与える影響にも驚きました。
開演直後はチェロの後ろの窓にひかれていたカーテン(暗幕)。
途中で大山氏
「音が吸われてしまう。こんなに一生懸命弾いてるのに」と言われて開けたところ、
各段にチェロの音がよく聞こえるようになりました。
そういえば、最初にメンバーが座る位置を決めていたとき、「字幕解説」は
「位置を決めるのは大事」と。
なるほど、場の設定って、演奏にとって大きい要素なんですね。

これから本番の金曜日まで、毎日練習を重ねるという5人。本番も楽しみです。

山崎伸子プロデュース
輝く若手演奏家による「未来に繋ぐ室内楽」vol.2
カルテット・アマービレ

2017年11月29日(水)14時開演 16時10分終演

出演:◎カルテット・アマービレ
 第1ヴァイオリン:篠原悠那  第2ヴァイオリン:北田千尋
 ヴィオラ:中 恵奈  チェロ:笹沼 樹
   ◎ゲスト:山崎伸子(チェロ)

<プログラム>
ベートーヴェン(1770-1827 ドイツ)
  弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 op.18-4(約24分)
 第1楽章:アレグロ・マ・ノン・タント
 第2楽章:スケルツォ:アンダンテ・スケルツォーソ・クアジ・アレグレット
 第3楽章:メヌエット:アレグレット―トリオ
 第4楽章:アレグロ―プレスティッシモ

ヤナーチェク(1854-1928 チェコ)
  弦楽四重奏曲 第1番 ホ短調 JW Ⅶ/8 「クロイツェル・ソナタ」(約20分)
 第1楽章:アダージョ―コン・モート
 第2楽章:コン・モート
 第3楽章:コン・モート―ヴィーヴォ―アンダンテ
 第4楽章:コン・モート(アダージョ)―ピウ・モッソ

~休憩~

シューベルト(1797-1828 ドイツ)
  弦楽五重奏曲 ハ長調 D956(約55分)
 第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ
 第2楽章:アダージョ
 第3楽章:スケルツォ:プレスト 
 第4楽章:アレグレット
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ずいぶん以前にチケットをゲットし、若いコの演奏ネ、なんていう軽い気持ちで足を運んだのですが……
実に深い、見事な音楽性に引き込まれました。痺れました。おどろきました。
昨年9月に「難関で知られるミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門」で第3位に入ったということですが、納得の演奏。

なんというか、音楽を追求したい、極めたい、表現したい、という真摯な思いが伝わる演奏で、聴く側としても背筋が伸びる思いをしました。
室内楽の醍醐味を感じました。
深淵なる音楽が醸造される瞬間、瞬間に立ち会わせていただく幸せ。
「息が合う」とかいうレベルを超越すると、こういう世界が開けるのか…という。
プログラムもよかったです。
ヤナーチェクの物語る世界、異界でした。

ぜひまた聴きに行きたいです。
見た目も麗しくて、ああ、若いっていいなあ~と思いました。ため息。

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