PIOピアノ雑記帳

ピアノ、音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ:コンサート等のレビュー > オーケストラ(ピアノなし)

ミューザシンフォニーホール&東京交響楽団
名曲全集 第154回

2020年2月9日(日)14時開演 16時20分終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:齋藤 友香理
チェロ:横坂 源
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:水谷 晃

<プログラム>
ハイドン:チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 Hob.Ⅶ:1(弾き振り)
 ⅠModerato ⅡAdagio ⅢAllegro molto

スザンネ・ツァーガー=スヴィリドフ:チェロ協奏曲「つばき」(横坂源による委嘱作品、日本初演)
 ⅠIntrada ⅡSarabande ⅢAllemande ⅣCourante ⅤRondeau

~休憩~

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 
 ⅠAllegro ⅡAdagio ma non troppo ⅢFinale Allegro moderato

アンコール
ブルッフ:コル・ニドライ
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一昨日、この公演の情報を知り、思い立って行ってきました。
行ってよかったです。チェロの豊穣なる世界、堪能しました。

B席、2階の右側バルコニー。
ちょうどコンサートマスターの水谷さんが真正面に見える席でした。
指揮者の視線も、表情も、置いてある楽譜まで見えて、
ステージとの距離感が近く、ここ、おすすめ席です。
横坂さんの弾き姿も、横から捉える感じで、表情もよく見えました。

1曲目のハイドン1番。
実は私の大好きな曲です。生で聴けて幸せ♪
チェリストの弾き振りって、初めて見ました。カッコいい~❤
冒頭のみ、ごく短い間オケの方を向いて振り、
第2、第3楽章では、チェロを弾く姿のまま、わずかに斜め後方に視線をやって、体全体でキューを出す横坂さん。
肩、腕、手のひらの後ろ姿がものを言う……それをオケと一緒に後方から眺めることができました。
コンマスの水谷さんが、とにかく笑顔で楽しそうに弾いておられました。
まさに、オケ、ソリストが一体となった、幸せ感いっぱいの演奏でした。

2曲目から齋藤さん登場。
彼女の振り姿にもしびれました。
振り始めるや、その集中力といったら!目ぢからといったら!
オケのメンバーを惹きつける、動かしていくパワーの凄さを目の当たりにしました。
日本初演の音楽は、不思議な雰囲気。
プログラムノートによると「儚さという概念が音と化し、音楽として時間をオマージュしたもの」で、「つばき(Tete de l`Atman)」の「Atman」はインド哲学の「生命」「呼吸」を表すとのこと。
作曲者のSusanne Zarger Swiridoffさんが会場にいらしていて、この曲が終わると、ステージに上がられて演奏者たちに拍手を送っておられました。その嬉しそうな足取りも、表情もよく見えました。
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(上記画像は、https://www.zargar-swiridoff.com/de/susanne-zargar-swiridoff/vita から借用)

ドヴォルザークは、特に2楽章の抒情性に引き込まれました。実に優美な音楽。
そこから、間をおかずして華やかなフィナーレに移行する際には、ホール全体が息をつめて音の行き先を見つめていることが伝わってきました。緊張感と一体感の共有。ぞくぞくしました。

フィナーレ終了とともに、会場大興奮。
そして、アンコールがまた素晴らしかった。
この曲のために、ハープ奏者とホルン奏者が舞台袖から姿を現しました。
お口直しの軽い曲ではなく、本格派の一曲。
チェロの低音の歌心が心に沁みわたりました。

実に濃密な2時間でした。
まさに出ずっぱりだった横坂源さん、ブラボー!

2020年1月25日(土)14時開演 16時半終演
@東京芸術劇場

指揮とお話・ピアノ:小林研一郎
ヴァイオリン:千住真理子*
日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:木野雅之

<プログラム>
J.シュトラウスⅡ世:ワルツ≪春の声≫
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64*
ナポリ民謡:オーソレミオ*
モンティ:チャルダッシュ*
小林研一郎氏のお話

ドヴォルジャーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95≪新世界より≫
アイルランド民謡:ダニーボーイ

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夫の知り合いにいただいたチケットで。

まさに、タイトルどおりでした。
コバケン氏、振るだけでなく、千住真理子氏のソロに合わせてピアノは弾く、
マイクを握って離さず、
ベートーヴェンとドヴォルジャークの交響曲の類似点、ブラームスとドヴォルジャークの交友、その他、あれこれ、ピアノを弾きつつおしゃべり三昧。

きっと会場にはコバケン氏のファンが集結されていたんでしょうね。
我等のような招待券による聴衆も多かったとは思いますが、ほぼ満員に近い盛況ぶりでした。

音楽も闊達だったとは思うのですが、
なんだか、コバケン氏の八面六臂の活躍ぶりのほうが印象に残ってしまって
音楽そのものの印象が薄れてしまった感あり。

千住真理子氏も流麗ではありましたが、
会場が広くてざわついていたせいか、こちらの印象もちょっと散漫に。
私の体調のせいもあるかもしれません。

やっぱり、ちゃんと自分で選んで、チケットを買って行きたいなあと思ってしまいました。
いやほんと、チケットをいただいておきながら、申し訳ない限り。

新日本フィルハーモニー交響楽団 2019年9月演奏会
ジェイド<サントリーホール・シリーズ>#609

2019年9月5日(木)19時開演 21時10分終演
@サントリー・ホール

指揮:上岡敏之
コンサートマスター:崔文洙

<プログラム>
シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 D417「悲劇的」
  1. Adagio molto - Allegro vivace
  2. Andante
  3. Menuetto:Allegro vivave
  4. Allegro

ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB107 (ハース版)
  1. Allegro moderato
  2. Adagio. Sehr feierlich und sehr langsam
  3. Scherzo. Sehr schnell
  4. Finale. Bewegt, doch nicht schnell
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いろいろ多忙な1週間だったうえに、交通機関の乱れなどもあって、まさにヘロヘロになって会場にたどりついた私でした。
棚ぼた式に、いただいたチケットだったこともあり、
開演前、「これは寝るな」……そう確信してもいたのですが。。。

だいじょうぶでした。
特にブルックナーには、びっくりしました。
ブルックナーのイメージが変わりました。
こんなにロマチックな音楽だったとは。
やさしく奏でられる弱音の美しさ、アンサンブルの妙味にしびれました。
聴衆は、ただもう音楽に引き込まれていました。
楽章間に聴衆のつく溜め息…「ほうっ」という声…がシンクロしていました。

演奏後、会場に飛び交う「ブラボー!」。
行ってよかったです。

2019年8月4日(日)15時開演 17時20分終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

仙台フィルハーモニー管弦楽団~東北の雄が川崎にやって来る!~

指揮:高関健
ヴァイオリン:郷古廉
ゲスト・コンサートマスター:三上亮

<プログラム>
ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 二長調 作品35
(ヴァイオリンソロ・アンコール)
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番より 第1楽章

チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 作品36
(アンコール)
チャイコフスキー:交響曲第6番 「悲愴」第3楽章より
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新装なったミューザ。
仙台フィルを歓迎して、入り口には七夕飾りが。

そう、祝祭感あふれる、楽しくエネルギッシュなコンサートでした。
チャイコフスキー、よいですわ~❤
郷古くん、またパワーアップしていました。
ヴァイオリンの音色の深さが増したような。
ぐいぐいオケをひっぱって、彼自身楽しそうだったのがまたよし。

交響曲では、ファゴットが美音でした~。
アンコール、楽章の一部を取り出して聴くというのもオツなもの。
幸せな一日に感謝。

広州市福岡市友好都市締結40周年記念
広州ユース交響楽団2019年日本公演
指揮:ジン・ファン
ヴァイオリン:ルー・シーチン*

2019年7月21日(日)19時開演  21時15分終演
@サントリーホール

《プログラム》

チェン・チーガン:「五行」
  1.水 2.木 3.火 4.土 5.金

ホー・ジェンハオ/チェン・ガン:
 ヴァイオリン協奏曲「梁山泊と祝英台」*

アンコール
パガニーニ:ヴァイオリン独奏のためのソナタ イ長調*

〜休憩〜

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」
  第1楽章 海とシンドバッドの花
  第2楽章 カランダール王子の物語
  第3楽章 若き王子と王女
  第4楽章 バグダッドの祭り、海、岩礁での船の難破

アンコール
菅野よう子:花は咲く
不詳(Jing Hun編曲):茉莉花(ジャスミン)
劉天華:良宵
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パリッと、きちんとスジの通った音楽、揃った音色、
中国の若者たちの、レベルの高さにビックリでした。
前半の中国の客も、初めて聴きましたが魅力たっぷり。
情景が浮かぶような、わかりやすい曲で、オリエンタルなムードたっぷり。
西洋でもうけるのでは?と感じました。

ヴァイオリニストは、1987年、東洋人ヴァイオリニストとして史上初めてパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝した強者だそうですが、なるほど納得の貫禄の演奏でした。
女性指揮者も、日本の三ツ橋敬子氏を彷彿とさせるような、ダイナミックな指揮ぶりで、若者たちをぐいぐい引っ張っていました。
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こんな風に、舞台横の二階席から見下ろす形の席だったので(画像は開演前)、
舞台上の様子がよくわかったのも、楽しかったです。
6人がかりで大活躍だったパーカッション、
前半、一番年下らしい男の子が必死に頭を振ってリズムをとっていました。
一生懸命だけれど、明らかに余裕がない感じ。
休憩時間中、先輩がつきっきりで最後の練習につきあっているのも微笑ましかったです。

大活躍といえば、
木管楽器やチェロ第一奏者、そしてコンサートマスターのソロ演奏は見事でして。
そのうち、ソリストとしてデビューするのかもしれませんね。

このユース交響楽団、
プロの広州交響楽団の提携楽団なのだとか。
今回の演奏会で指揮を担当したジン・ファンがユースの音楽監督でもあり、プロの広州交響楽団の首席指揮者でもあるとのこと。
Jリーグサッカーのユースチームのようなものでしょうか?
ううむ、将来を見据えてますねえ。
 

2月10日(日)放送 クラシック音楽館 Eテレ 日曜21時~22時半
<N響1901回 定期公演>

1.管弦楽組曲 第4番 ニ長調 BWV1069(バッハ作曲)
2.前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552(バッハ作曲/シェーンベルク編曲)
3.マニフィカト ニ長調 BWV243 クリスマス用挿入曲つき(バッハ作曲)

アンコール
クリスマス・オラトリオから「私はあなたの飼い葉桶のそばに」(バッハ作曲)
「久しく待ちにし主よ、とく来たりて」(15世紀フランスの聖歌/ヒッレルード編曲)


管弦楽 : NHK交響楽団
指   揮 : トーマス・ヘンゲルブロック
合   唱: バルタザール・ノイマン合唱団
(2018年12月7日 NHKホールで収録)
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オーケストラ主体の番組はあまり見ることはないのですが、
上記画像でおわかりのように、郷古くんがオーケストラの一員として参加していると知って、見てみました。
バッハを聴いてみたい気分であったこともあります。

番組冒頭で、コンマスのマロさまが、自身のヴァイオリンで
「現代の奏法」と「バロック風の奏法」
を比較して演奏してみせていたのが、大変わかりやすかったです。
バッハの時代、
ヴァイオリンという楽器は「あご当て」をつけずに演奏していたため、
弦を押さえる左手でも楽器をホールドする必要があり、ビブラートをかける余裕がなかった、
また弓の形状も現在とは異なっていて、ビブラートには向かなかった、
ということなんだとか。
ビブラートをかけない「ピリオド奏法」という語は知っていましたが、その背景を初めて知りました。

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で、むやみに
「バロック時代の奏法そのままで」
というのではなく、あくまで現代の楽器の良さを生かしつつ「バロックの匂い」を楽しむというスタンスで、という説明にも納得。
実際の演奏も、たいへん聴きやすく、惹き込まれるものでした。

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バロックに疎くて、この指揮者のことも知りませんでしたが、きっと音楽づくりには指揮者の指導も大きく関わったに違いありません。
後半の合唱つきについては、マロさん、
「ソリストを招聘するのではなく、合唱団の中から、その代表としてソリストを務めるという形がいい」
「バロックの専門家集団という合唱団とともに演奏していると、合唱団に寄り添おう、という気持ちが生まれる。その結果、オーケストラと合唱団がまさに一体化した。これは得難い経験」
といったような話をされていました。

こういった解説もありがたいなあ、と思った次第です。
バッハ、下手をすると寝てしまうこともある私でさえ、この演奏会はTVでも飽きませんでした。
アンコールの
「わたしは喜びをもってあなたをながめ、飽きることがありません…」
という歌を聴いていたら、涙が出そうになりました。
その演奏後、会場の静寂ぶりも特筆ものでは。
生で聴いたら圧巻だったのだろうなあ……と思いました。

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Aprico 20th Anniversary
都響 × アプリコ
小林研一郎

2018年10月6日(土)15:00開演 17:10終演
@大田区民ホール・アプリコ 大ホール

指揮:小林研一郎
チェロ独奏:岡本侑也
管弦楽団:東京都交響楽団

<プログラム>
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
 Ⅰ Allegro Ⅱ Adagio ma non troppo Ⅲ Allegro moderato

(チェロ独奏アンコール)
ジョヴァンニ・ソッリマ:ラメンタチオ

~休憩~

ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88
 Ⅰ Allegro con brio  Ⅱ Adagio  Ⅲ Allegretto grazioso Ⅳ Allegro ma non troppo

(アンコール)
同上曲目最終楽章より終末部

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例のごとく、岡本侑也くん目当てで足を運びました。
アプリコでは初めての2階席。
オケ全体がよく見えること、管楽器の音がよく響くこと、は利点。
ステージ上の物(人)のサイズ等がわかりにくく、音色によっては届きにくいこと、が難点でしょうか。

岡本君は、ますます理知的に、そして力強くなったように聴こえました。
弾き姿も、音楽も。

アンコール曲、聴くのは2回目です(→1回目)。
前回もオーケストラとの共演の後のソリスト・アンコールでした。
今回は彼の美声…モンゴルのホーミーのような声でチェロの音色とハモるのです…が良く聞こえなかったのが残念。2階席だったためかもしれません。
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コバケンさん、御年78歳とのことですが、変わらぬバイタリティー、軽やかな棒捌きで、驚きました。
会場に向かって必ず語りかけるところも相変わらず。
「こういう盛り上がって終わる曲の場合は、アンコールも同様に盛り上げた方がよいと思う」
というようなスピーチでしたが、なるほど。
スパっと洗練された終わり方だったと思います。

20周年記念にふさわしい、祝祭感のあふれるコンサートでした。

JADE(サントリーホール・シリーズ)

 2018年7月4日(水)19時開演 21時終演
@サントリーホール

新日本フィル交響楽団
指揮:アンドリュー・リットン
コンサートマスター:豊嶋泰嗣

≪プログラム≫
●ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第8番 へ長調 op.93

●ショスタコーヴィチ(1906-75)
交響曲第4番 ハ短調 op.43
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思いがけず招待券をいただいて、急遽行ってまいりました。
なかなか面白いプログラム。
大作曲家の隠れた名曲?あまり聴く機会のないシンフォニーです。
ナポレオン活躍期に書かれたベートーヴェンの8番。
そして、レーニンの死後、スターリン支配となった時期のショスタコ4番。

巨大なオーケストラ編成のショスタコ4番では、曲の出だしからの大音量に度肝を抜かれました。

【楽器編成】フルート4、ピッコロ2、オーボエ4(イングリッシュホルン持替)、クラリネット4、Es管クラリネット、バスクラリネット、ファゴット3、コントラファゴット、ホルン8、トロンボーン3、チューバ2、ティンパニ、大太鼓、小太鼓、シンバル、吊しシンバル、トライアングル、ウッドブロック、カスタネット、タムタム、グロッケンシュピール、シロフォン、ハープ2、チェレスタ、弦楽5部

曲目解説によると

作曲家自身が「巨大妄想」と後に述べた破格の大作は、ソヴィエトの国家規模を思わせる広大さを持つ。悲劇性と抒情性とアイロニーを結びつつ、ヒステリーとトランス、暴発力と蕩尽という生来の資質を巨大な振幅で遺憾なく高揚させ、引用と風刺の技法も含めて、勇猛果敢な創造力の自在な開放をみせるところが本曲ならではの生命だろう。(青澤隆明)

とのこと。
でも、私の耳には「暴力的」というより「豊穣」な響きとして届きました。
和音の洒落た重なり、多くの楽器による響きの差、コケティッシュなスタカートなども耳に残り、長大な曲をしっかり構成していたなあ、という印象です。
全身を使ってのアグレッシブな指揮ぶりも見ていて楽しゅうございました。

客席、ちょっと空席は目立ちましたが、終演後は大拍手の大盛り上がり。
いい気分転換になりました。

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団
名曲全集第137回

2018年 5月19日 (土) 14:00開演 16:10終演

指揮:カーチュン・ウォン
ヴァイオリン:郷古 廉
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:グレブ・ニキティン

≪プログラム≫

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47


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演奏を聴いて、元気になりました!
実に伸びやかで、みずみずしい音楽でした。

郷古君。
私が過去に聴いた経験としては、オーケストラと合わせるとなると、ちょっと音量が足りないかな……と感じたこともあったのですが、今日は全く違いました。
美しいヴァイオリンの音色、朗々と響いてきました。痺れました。
2階席のほぼ中央という座席がよかったという側面もあるかもしれませんが(見事な楽器ほど、音が遠くに飛ぶのだとか)、ほんと、彼の音色は魅力的です。
また、彼の弾きっぷりが今日は特に楽しそうでした。
リラックスして、弾きたいまま自由自在に演奏している、という趣。
客席の拍手がなかなか止まなかったのも当然かと。

指揮者は2016年に国際コンクールに優勝している、シンガポール人の若者。
郷古君とは演奏後にハグし合って、お互いを讃えていました。
こういう人間関係も、よい演奏を生むのでしょうね。
ウィーンで研鑽を積んでいる郷古君、
ベルリンに学び、ドイツ人マズア(ゲヴァントハウス管弦楽団で長らく指揮)の愛弟子だというウォン君、
ともにドイツ語が流暢で、コミュニケーションがばっちりとれているのかもしれません。

ウォン君はショスタコーヴィチの交響曲を暗譜で指揮。
パリっとした、メリハリの利いた演奏でした。
曲の輪郭がよく見えたように感じました。
いろんな楽器がソロ演奏で活躍する曲の魅力、存分に引き出していました。
ちょうどショスタコーヴィチに関連する本など読んだ(読んでいる)ところで、彼の交響曲を興味深く聴けた次第です。

管楽器が活躍する交響曲は、2階席で聴くのがおすすめかも。
新緑の瑞々しさが引き立つ季節にふさわしい、すてきなコンサートでした。



Liebe - Freude Musik Für due Mensshheit
2018年4月28日(土)16時開演 18時終演 
@コンツェルトハウス・ベルリン

ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
指揮:IVAN FISCHER(イヴァン・フィッシャー)

日本語詩の朗読:HANNAH YUKIKO KUSAKA (2003年生まれ)*

ベルリン放送合唱団**
ソプラノ:CHRISTIANE KARG(クリスティアーネ・カルク)**
アルト:GERHILD ROMBERGER(ガーヒルド・ロンバーガー)**
テノール:MAURO PETER(マウロ・ピーター)**
バス:Hanno Müller-Brachmann(ハノ・ミュラー=ブラッフマン)**
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<プログラム>
武満徹(1930-1996) 系図(Family Tree)~若い人たちのための音楽詩~*
                                  (詩:谷川俊太郎)
~休憩~

ベートーヴェン(1770-1827)  交響曲第9番「合唱付き」 Op.125**
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まずは、会場コンツェルトハウス・ベルリンの重厚さに圧倒されました。
外装といい、内装といい、その威容、華麗さに歴史の重みをひしひしと感じました。

武満徹の「系図」は、谷川俊太郎の詩集『はだか』から選んだ6篇の詩を少女の一人称の形に武満自らが再構成し、管弦楽曲全編にわたって配した作品です。
今回の舞台には、振袖姿の15歳の少女が登場し、その詩をすべて日本語で朗読。
ステージ上方に詩のドイツ語訳が同時投影され、会場全体が意味を理解しつつ聴いていることが肌で伝わってきました。
第1曲「むかしむかし」、第2曲「おじいちゃん」、第3曲「おばあちゃん」、
第4曲「おとうさん」
〈おとうさんのはしがさといもをつまんだ/くちをあけたらおくのきんばがみえた/おとうさん/おとうさん/ずうっといきていて〉
といった具合に続いていく詩です。第5曲「おかあさん」、最後の第6曲「とおく」。
異国で聴く日本語詩に、なんだかジーンとしました。
管弦楽団との共演は珍しいのでは…と思われるアコーディオンの音色も、詩と合っていて心に沁みました。

また、後半の第九では、いつもステージ上に陣取るはずの合唱団も、声楽ソリストも姿が見えず、
どういうことかと思っていたら、ソリストは目立たないようにオーケストラ団員の中に座っていて、歌う箇所になると立ち上がり、舞台中央に歩を進めるという形。
そして、合唱団はというと、なんと彼らは舞台ではなく、客席の中に散らばって座っていて、こちらも歌う個所になると立ち上がって歌いだし、終わればまた座るという形だったのです。
すぐ近くの席から聞こえてくる合唱団員の歌声は、それはさすがのもので、驚嘆しました。
また、天井が高く音響のいいホールならではの演出に感じ入りました。
同じパートの中に陣取って集団として歌うのではなく、客席の中に散り散りになって「個人」として歌いつつ合唱とするには、相当の技量が必要なことでしょう。

前半、後半ともに忘れられないプログラムとなりました。
(下記の写真で立ち上がっているのがソリストたち。演奏後の拍手時の写真です)
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東京ユヴェントス・フィルハーモニー
  第16回定期演奏会
2018年1月7日(日)18時開演 20時半終演
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:坂入 健司郎
ヴァイオリン:毛利 文香

<プログラム>
ベーラ・バルトーク(1881-1945):ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112
 アンコール(ヴァイオリンソロ)
  J.S.バッハ:ソナタ第2番 イ短調 BWV1003  第3楽章

アントン・ブルックナー(1824-1896):交響曲第9番 ニ短調
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友人に誘われて、急遽足を運んだコンサート。
慶應義塾ユースオーケストラから、幅広い年齢層や出身のメンバーが集って名称変更したオケということで、アマチュアオケになるのでしょうが、大変に立派な演奏で、びっくりしました。

決め所をビシっと合わせた、心を一つにした端正な演奏という趣。
ソリストも慶大生、指揮者も慶大OB、ということも大きいのでしょうか。
聴いていて、清々しい気分になりました。
長時間に及ぶ大曲にもかかわらず、整った清冽な演奏を聴かせる若者たち、いいですねえ。

バルトークもブルックナーも、難解な曲です。
指揮がなかったら、演奏不可能では?と思いました。
この指揮者、坂入氏の功績が大きいのでしょうね。
プログラムによると「13歳ではじめて指揮台に立ち」、井上道義氏や小林研一郎らに指揮を学び、チェロも演奏されるそうで、近年、音楽雑誌の「注目の気鋭指揮者」にも推挙されているのだとか。
今回のブルックナーは、様々な異稿譜のうち「オーレル版を基にコールス校訂報告書を参考にした」形で演奏されたそうで、研究熱心さ、楽曲にかける意欲が窺える指揮ぶりでした。

ヴァイオリン・ソロの若々しい安定感も印象的でした。
毛利文香さん、以前から知っていますが(→2010年2017年2月2017年12月)、
このところの成長、活躍著しいですね。

新年から、いいコンサートが聴けました。友人に感謝♪

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 
第310回定期演奏会
2017年10月19日(木)19時開演 21時終演
@東京オペラシティコンサートホール

指揮:飯森範親
チェロ:岡本侑也

≪プログラム≫

チャイコフスキー イタリア奇想曲 作品45
チャイコフスキー ロココの主題による変奏曲 イ長調 作品33
 (チェロのソロ演奏によるアンコール)
 ジョヴァンニ・ソッリマ作曲 ラメンタチオ

~休憩~

チャイコフスキー 交響曲第4番 ヘ短調 作品36

**********

岡本君がエリコンで2位になって(→2017年6月のネット追っかけ記録)すぐにこのコンサートを知り、思わず「ポチリ購入」してしまったもの。
生で聴く岡本君、またまた進化を遂げていまして、びっくりしました。

会場のほぼ中央という位置の影響もあるかもしれませんが、
チェロの朗々たる美音に酔いしれました。出だしの一音からハート鷲掴み状態。
曲目解説に言う
「可愛らしい主題」「妖精が飛び回るように軽快な第1変奏」「さらに急かされるようなテンポになる第2変奏」「独奏チェロが伸びやかで雄大な旋律を奏でる第3変奏」「上品なダンス風の第4変奏(途中で独奏チェロの短くも激しいカデンツァが挿入される)」(以下略)
といった曲想の流れを、見事な音楽性で表現していました。すごい技巧的な箇所も、テクニックよりもまず歌が届く感じ。。。

拍手鳴りやまず……で、アンコールに度肝を抜かれました。
なんと、岡本君自身の「歌」(といっても歌詞はなし)つきの演奏。美声でしたよ。チェロと声との不思議な和声は、宗教的な響き。
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Giovanni Sollima 作曲  Lamentatio

って言われても、時代もなにも全く知りません。。。で、ググってみましたら、
Giovanni Sollimaは1962年イタリア生まれの作曲家、チェリスト。なんと私と同い年。
びっくり。現代曲だったとは。。。てっきり、ラ・フォリア等と同時代の古い曲かと思いました。
でも、確かに、……チェロのネックを上から下までフルに使う、弦を押さえる手がダイナミックに動き回る……そんな曲調がそう古いはずありませんね。
Youtubeにも作曲家自身の演奏とか、何人かの演奏が既に上がっていましたが、私としては今日の岡本君の演奏には及ばないと思います。
格調の高さが際立つ、一種、凄みのある美しさでした。チェロという楽器の魅力に改めて開眼。

オール・チャイコフスキーの音楽会。
ちょうどヴァン・クライバーンのチャイコフスキーコンクール参戦記録を読んでいるところで、このタイミングでの鑑賞となったことにご縁も感じます。よいコンサートでした。

フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団(PEO)第61回演奏会

2017年4月30日(日)14時開演 16時10分終演
@東京芸術劇場

指揮:矢崎彦太郎
管弦楽:フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団
ヴァイオリン:山根一仁

<プログラム>

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調

(アンコール)バルトーク:無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2楽章

ムソルグスキー:展覧会の絵

(アンコール)ビゼー:「アルルの女」からアダージェット

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ルービンシュタイン・コンクールのさなかですけれども、
昨年と同じような棚ぼた招待券(→)をゲットして、行ってまいりました。
留学生たち、今年もルンルンといろいろやらかしてくれてまして(写真&動画撮影の嵐…)、
ホールスタッフの方々が走り回って注意されてましたが、追いつかない感じでした。(;^ω^)
曲間には、指笛、ヒューヒュー声もたくさん。
でもまあ、天真爛漫に楽しんでいる様子で、よかったです。

私個人の感想としては……やはり、山根君がよかった♪
一番印象に残ったのはバルトークかもしれません。
キレッキレのリズム感、難易度高いテクニックも楽しんでる様子、さすがでした。

オケは、ちょい危うい箇所が(特に金管楽器)多々あってハラハラしたのと、
ちょっと音のタイミングがずれて聴こえることがあって「あれ?」と感じましたが、
三階席の奥という、こちら側の位置取りの問題もあったのかもしれません。
(招待券なので、文句は言えません)
そんな中、ファゴット(女性演奏者)が危なげなく朗々と響いたのが印象的でした。

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