PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ:【コンサート・レビュー】 > オーケストラ(ピアノ協奏曲を含む)

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 定期演奏会第371回
@ミューザ川崎シンフォニーホール

2021年9月11日(土)14時開演 16時終演

指揮:カーチュン・ウォン
ピアノ:三浦謙司
ソロ・コンサートマスター:崎谷直人

<プログラム>
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83(48分)
 ソリスト・アンコール
  モンポウ:前奏曲 第5番

~休憩~

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92(38分)


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いやあ、やられました。感動の嵐。
前進全霊、音楽に浸ってまいりましたよ。

ブラームスのP協奏曲第2番は、エリザベート王妃コンクールのネット視聴で、
阪田知樹くんの演奏も、優勝者・フルネル君の演奏も聴きましたけれど、
三浦君の演奏に酔いしれました。

阪田君の演奏は、客観的に「スケール大きい!すばらしい」と感嘆し、
フルネル君の演奏は、「おおお。さすがフランス、欧州の香り!」
と思ったのでしたが、今日の三浦君は、
「音楽が語っている!なんという自然さ!」
とでも言いたい印象。
演奏者と一体化した音楽を感じました。
そして、そして、当然のことながら

生演奏は、すばらしい~🎵

と改めて実感。
なんというか、あの闊達な語りっぷりには、生粋の日本人には出せないようなセンスを感じました。
アンコールのモンポウ、ピアノの音色の美しさにうっとりでした。

そして、カーチュン・ウォン氏の指揮にも、また痺れました。
2018年今年3月、ともに堪能しましたが、
今日のベートーヴェンは、演奏者とバチバチとアイコンタクトをとりながら(暗譜での指揮)、全身を鞭のようにしならせての熱演。
オーケストラも、実に生き生きとしていました。
聴いていて、心拍数がアップしました~♪

会場の聴衆全体も大興奮。
オーケストラが舞台袖に引っ込んでからも、拍手が鳴りやまず、
カーチュン氏を再びステージ上に呼び出してしまったほどでした。
2階の正面席で聴いた私、
オーケストラの音色も惜しげなく浴びることができたという感覚です。

そして、特筆すべきは、
我が席のすぐそばに、反田恭平くんが陣取っておられたということ。
凄いオーラですね。誰しも気づきます。
終演後は、2回ロビーにて、三浦謙司くんと二人で語らう姿が。

いろいろ、ひっくるめて、大変印象深いコンサートでした。

2021年7月16日~8月1日
公式ホームページ

medici TVで配信、という情報を得て、
有料会員にならないと、視聴不能なんだろうな……と思っていました。
が、
medici.TV.Japanが、期間限定で無料公開してくださってます!

 

すごいです。太っ腹!
今、オープニング・コンサートをアーカイブで聴いて、ぶったまげたところです。
世界の猛者が集うと、こういうことになるのか……と、
お口をあんぐり、呆然自失、脈拍急上昇、みたいな。

アーカイブでは、
曲目の切れ目にきちんとマークもしてくださっていて、ありがたい限り。

【演奏】
デニス・マツーエフ(ピアノ)
ティムール・マルティノフ(トランペット)
ヴェルビエ・フェスティヴァル・チェンバー・オーケストラ
ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)

<プログラムの冒頭>

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第1番 Op.35
 1. Allegretto
 2. Lento
 3. Moderato
 4. Allegro con brio

2021-07-17

ショパコン予備予選と同時期の開催。
体が二つほしい。

日時:2021年3月27日(土)18時開演
会場:サントリーホール
指揮:井上道義
ピアノ:北村朋幹
曲目:
ベートーヴェン : ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 op.58
ショスタコーヴィチ : 交響曲 第6番 ロ短調 op.54

2021-03-27

https://live.nicovideo.jp/watch/lv330871464
(2021/4/3(土) 23:59 まで公開されているそうです)


昨日、前半だけLIVEで視聴しました。
ちょうど、TVで、
伝説の名演を再び!「ツィマーマンが弾くベートーベンのピアノ協奏曲 第4番」
という番組を視聴したところだったのですが、
ニコ動では、時間を共有している感覚、臨場感が強く、面白いと感じました。

北村君のピアノ、
冒頭のピアノの音から、びっくり。
和音ではなくアルペジオで、しかも実に繊細な音色だったので。
そして、
ピアノ・パートがない間はオケの方を向いて、彼自身が指揮し始めそうな雰囲気。
実に楽しそうな表情なのも印象的でした。
何よりも、一楽章のカデンツァが秀逸でした。
北村君のオリジナルだったとのこと。いやもう、感服です。

北村君のピアノ椅子
「パイプ椅子の三段重ね」
がチャットで話題をさらっていたのも、面白かったです。
このところ、これが彼の定番になっていますが、どういう意図なのでしょうね。
あの椅子だと、脱力しやすいのでしょうか。

それにしても、
内容も音質も申し分ないコンサートを無料配信してくださるとは。
東京交響楽団に、大感謝です。

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団
名曲全集 第165回

2021年3月13日(土)14時開演 16時10分終演

指揮:カーチュン・ウォン
ピアノ:藤田真央
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:グレブ・ニキティン

<プログラム>
ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491

ピアノソロ アンコール
モーツァルト:ピアノ・ソナタ K.545 第一楽章

シベリウス:交響曲 第2番 ニ長調 作品43


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なんといっても、藤田真央くんのモーツァルトが絶品でした。
3階席から、双眼鏡でがっつり拝見&拝聴。
柔らかな弱音なのに、3階席までまっすぐに届くピアノの音色に驚きました。

特に第2楽章は、天上の音楽。
ただただ、うっとり、夢見心地になりました。
木管との掛け合いが、なんとも素敵。なんて繊細な音楽づくり。

カーチュン・ウォンさん、この協奏曲だけは指揮棒を使わず、
手指を柔らかく使っての指揮ぶり。
それもまた、真央君の個性を引き立てているように見えました。聴こえました。
オーケストラ、指揮、ピアノが一体となって作り上げる特別な世界。
そこに身を浸せたことに、一期一会の出会いに感謝です。

また、アンコールが珠玉の演奏でした。
以前、題名のない音楽会で、真央君自身が「天真爛漫」と名付けていた曲。
さらに進化を遂げて、天真爛漫なる天使となっていました。
軽やかに加えていた独自の装飾音も効果的。

後半のシベリウスは、まっすぐ伸びる針葉樹林さながら、率直さが前面に出ていると感じました。
プログラム・ノートによると、イタリアのイメージも込められているとのこと。
オケの響きが堪能できて、満ち足りた気分になりました。

2021年2月18日(木)午後6時開演 8時10分終演
@めぐろパーシモンホール

日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:高関 健
ピアノ:藤田 真央

<オール・ベートーヴェン・プログラム>
  • バレエ音楽≪プロメテウスの創造物≫op.43 終曲
  • ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
  • (アンコール)モーツァルト:ピアノソナタ k.331 第2楽章
~休憩~
  • 交響曲第6番≪田園≫へ長調 op.68
  • (アンコール)プロメテウスの創造物 序曲
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19時開演予定が、緊急事態宣言を受けて18時開演に変更。
職場から全身全霊のエネルギーをかけ、馳せ参じました。
よくぞ間に合った!

会場は感染対策のため、ステージから近い前列5列はすべて空席に。
ステージがゆったり見渡せるように感じました。

ベートーヴェンにも、いろいろな側面があるのだなあ、と実感。
真央くんのピアノの音色は、柔らかい音なのに、弱音なのに、はっきりくっきり届きます。
毎回感じますが、まるでマジック。
うっとりと楽しませていただきました。
ベートーヴェンの3番は真央くんにとって初演だったのだそうですが、
余裕で楽しんで演奏しているように見えました。
なんだか、どんどんほっそりとしていくように見えるのは気のせいでしょうか。
多忙で無理をしている、なんてことがありませんように。
アンコールを聞いて、やはり彼のモーツァルトは特別だと再認識。

田園は名曲だなあ、と改めて思いました。
オケの音の渦が心地よく響きました。
アンコール曲は祝祭感いっぱい。
楽しいコンサートでした。

2021年2月7日放映
(2020年11月14日@NHKホール→当日の記事

NHK交響楽団(コンサートマスター:白井圭)
指揮:熊倉優
ピアノ:藤田真央

1.メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」Op.26
2.シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54*
 シマノフスキ: 4つの練習曲 Op.4-3 (アンコール)*
3.バッハ作/レーガー編:コラール前奏曲「おお人よ、お前の罪に泣け」BWV622
4.メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 Op.90 「イタリア」

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熊倉さん、真央くん、やはり、素晴らしい!
会場の客席からはわからない、
お二人の表情、真央君の汗の飛び散りなども見て当日の感激再び、です。

真央くんのインタビューには、思索の人、の側面が現れていました。
幼いころ、シューマンのピアノ協奏曲はつまらない、と感じたことは教訓。
本当に細部まで突き詰めて解釈してこそ、シューマンの音楽は生きる。
単純なリズム、単純な休符に込められたものを考えるべき。
この曲はロマンチックになりすぎないように心掛けている。
曲に潜む葛藤を表現したい。


私の耳には、美しさがまず届きましたが、
確かに、ただ甘いだけではない、その奥にうごめくものがあるからこそ、
全体を通して「聴かせる」のですよねえ。
第1楽章のカデンツァ、熱量を感じました。
第3楽章の、モーツァルトにも通じるキラキラした音の粒、
そしてクライマックスにむけてのうねり、引き込まれました。
「今回は、やりたいように、やらせてもらいました!」
と宣言していた真央くんですが、ピアノとオケの一体感たるや、お見事でした。

アンコールのリリシズムも改めて堪能。
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熊倉さんのインタビューには、真摯な人柄が。
バッハは、N響の皆さんといっしょに、色をつけていきたい、
メンデルスゾーンについては
第1楽章の冒頭で、会場の空気感、色が変わる感じを、
短い第4楽章では、テンションを維持して駆け抜ける熱量、本番の瞬間の指揮とオケのやりとりを
感じてほしい
とのこと。

ほんと、そのままビビッドに感じ取りました。感動。
私にとっての保存版です。
ありがとう、NHK。

〈フレッシュ名曲コンサート〉
読売日本交響楽団
指揮:原田慶太楼
ピアノ:小井土文哉

2021年1月30日(土)15時開演 17時終演
@めぐろパーシモンホール 大ホール

<プログラム>

ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
アンコール(ピアノソロ)
グリーグ:抒情小曲集より「アリエッタ」

チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64

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今年初めての生演奏のコンサートです。
開演前のステージ上には、金管五重奏のみなさまが。
祝祭感たっぷりの楽しい演奏に、気分もUP。
コロナ禍のいま、粋な計らいに感謝です。

そんな楽しさのムードをキープしたまま、開演。
セビリアの理髪師序曲。
原田慶太楼さんご自身の解説によると、
グリーグのピアノ協奏曲との共通点からの選曲とのこと。
作曲者のロッシーニが、P協が生まれた1867年に亡くなったこと、
オペラの作曲年・1816年が、P協の作品番号16とも共通すること、
そして、
ロッシーニの序曲はE major〈ホ長調〉で終わっていて、
グリーグのA minor〈イ短調〉とつながりがいい、というのもポイントだったとか。
(調性の主音同士が5度離れた調性は、構成音が1音異なるのみで、近しい関係にある)
なるほど~。
明るいエネルギーに満ちた演奏でした。

次は、お目当ての
小井戸文哉くん登場。
なんとも細くてスタイリッシュに見えました。

何度かテレビやラジオでの演奏を聞いたことがありますが、生演奏はお初。
真面目で端正な演奏、という印象を抱いていましたが、
今回のグリーグは、以前より解放されて自由さが生まれているように感じました。
アンコールも含めて、素敵な時間でした。

そして、チャイコフスキー。
原田さんの作る音楽って、ルバートたっぷりでありながら、自然に流れるところが魅力です。
やっぱりいいなあ、ロシア音楽。
今、個人的にはショスタコーヴィチの小品を練習中なのですが、
共通性を感じるような曲想をあちこちに感じたりもして、とっても楽しく聴きました。

2階席は、やはり管楽器の音がよく聴こえます。
今日のチャイコフスキーにぴったりだったかも。
楽しさ満喫の2時間強でした。

2020年11月14日(土)18時開演 20時終演 
@NHKホール

NHK交響楽団(コンサートマスター:白井圭)
指揮:熊倉優
ピアノ:藤田真央

<プログラム>

メンデルスゾーン
序曲「フィンガルの洞窟」作品26

シューマン
ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
 Ⅰ アレグロ・アフェットゥオーソ
 Ⅱ 間奏曲:アンダンティーノ・グラチオーソ 
 Ⅲ アレグロ・ヴィヴァーチェ

(アンコール・ピアノソロ)
シマノフスキ:4つの練習曲 作品4 第3曲

~休憩~

バッハ(レーガー編)
コラール前奏曲「おお人よ、おまえの罪の泣け」BWV622

メンデルスゾーン
交響曲 第4番 イ長調 作品90「イタリア」
Ⅰアレグロ・ヴィヴァーチェ
Ⅱアンダンテ・コン・モート
Ⅲコン・モート・モデラート
Ⅳサルタレロ:プレスト
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記憶に残る、すばらしいコンサートでした。
真央くんのシューマンの協奏曲は、みずみずしく、しなやか。
心に響きました。
出だしの一音でググっと観客の心をつかみ、最後まで惹きつけ続けるその魅力っぷりには、ただもう脱帽です。

火曜日に聴いたフィリアホールでは2階席から見下ろす角度だったので、あまり気づきませんでしたが、真央君、すっかり細く華奢な身体になっていることにも驚きました。

今回は1階、前方左側の席。
指揮の熊倉さんが真央君に向かってほほ笑んだ、その視線の延長線上に私の席!という配置で、私、勝手に一人で「胸キュン」
藤倉さん、20代でN響を指揮とは、素晴らしい。
見ていて端正で美しく、まさに音楽を導いていく指揮ぶりにも感嘆しました。
彼の指揮、ぜひまた聴きたい(見たい)です。
コンマスの白井さんもダンディで素敵でした。

プログラムも絶品だと思いました。
海外からのアーティストの出演が不可能になったための公演だったようですが、
新たに組まれたものでしょうか。
いろいろ疲労まみれの私には、これらの音が、音楽が、ただただ、ありがたかったです。
メンデルスゾーン、バッハ、いいですねえ。
そして、真央君のアンコール、シマノフスキも心に沁みました。
音楽って、素晴らしい!

舞台上にも、観客席にも、大きなテレビカメラ。
天井からはマイクが何本も、という環境にも驚きましたが、ラジオで生中継されていたのですね。
きっと放送でも感動的な音色が届いたことでしょう。

真央君も、熊倉さんも、また聴きに行けますように!


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横浜シンフォニエッタ祭#04
横浜シンフォニエッタ第15回演奏会「協奏曲とアンサンブルの午後」

2020年11月10日(火)14時半開演 15時45分終演
@青葉区民文化センター フィリアホール

<プログラム>

アルノルト・シェーンベルク
≪浄夜≫ Op.4(弦楽合奏版)

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.35
第1楽章 Allegro moderate
第2楽章 Lento
第3楽章 Moderato
第4楽章 Allegro con brio

アンコール
同上・第4楽章

ピアノ:藤田真央
トランペット:佐藤秀徳
指揮:山田和樹


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思い立って、数日前にポチリ。
実は、午前のオンラインの仕事が自宅では不能(電気工事でネット使用不可)となり、
午前中はネットカフェにこもって仕事する羽目に陥ったのでした。
その場所から、この会場まで「アクセス良好ではないかっ!」と思い立ちまして。

ディスタンス対策バッチリのコンサート。
座席は一人おき、1Fは列も1列おき。
最後の数枚となってから購入した私の席は、2階の右手、
舞台を真横から見下ろす位置でしたが、指揮者、演奏者と距離が近くて、なかなかよかったです。

とはいうものの、
へろへろ状態で聴いた≪浄夜≫は、私にとっては最上の子守唄と化し、
ごめんなさい……状態でした。

でも、真央くんのピアノで、ぱっちりと目覚めましたよ。
とにかく、最初の一音で
「ハッ!」
と衆目を惹きつけてしまう、あの音色は一体、何でしょうか??
ショスタコーヴィチは、パリっとしたハンサムな音色でした。
実にクリア。
すごいいっぱい、音色の引き出しがあるんだなあ……と感銘を受けました。

真央君、もう実に楽しそう。
山田パパ(ご自身がスピーチで、そう称されてましたよ。真央君と20歳差の「パパ」です、と)は、指揮台の上でまさに踊られていました。
しかも、真央くんの方を向いて誘いかけるように、一緒にノリノリで。

「パパ、もう体力残ってないんだけど、4楽章、アンコールにやるって言うんだよねえ」
ですって。

もともとは前半に予定されていたピアノ協奏曲、
「いまを時めく藤田真央に、最後を締めてもらうしかないでしょう!」
ということで、入れ替えたのだとか。

たしかに。
藤田真央くんの音色とリズム感、ほんと、只者ではありません。


2020年9月7日(月)19時開演 21時10分終演
@BUNKAMURA オーチャードホール

ピアノ:三浦謙司(第1位)
ピアノ:務川慧悟(第2位)

新日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:広上淳一

<プログラム>

~務川慧悟~
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 Op.103「エジプト風」
Ⅰ アレグロ・アニマート
Ⅱ アンダンテ
Ⅲ モルト・アレグロ

~三浦謙司~
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
Ⅰ マエストーソ
Ⅱ ラルゲット
Ⅲ アレグロ・ヴィヴァーチェ

~primo 三浦謙司 second 務川慧悟~
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365


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異次元のピアノでございました。
さまざまな美音を繰り出し、キレキレに音楽をまとめる務川くん、
包容力にあふれる音色で、会場全体を包んでしまう三浦くん。

前方左側に陣取ったので、お二人の表情などもよく見えましたが、
三浦君の自然体には、なんか呆気にとられました。
……まったく構えず(そもそも普通の背広姿)、緊張とは無縁な様子で舞台に現れ、
「さて、弾くか」
みたいな風情でピアノに向かい、いったん音楽を奏で始めるや、、、凄い!

まったくタイプが違いつつ、それぞれ破格の魅力をもつ二人が共演すると、
音楽もまた相乗効果。
彼らの奏でるモーツァルトに、浄化された気分です。

蓋を取り払った第2ピアノの音は通りにくい……と聞きますが、
務川君のキラキラした音は、見事に届きました。びっくり。
それを受け止め、コラボによってさらにふくよかな音楽が生まれ、
会場を満たしていく様子を生で体験できたのは、至福の時間でございました。

18日にセミファイナルの部・後半4名のソロ演奏をLIVE配信で聴き、
「これは生で聴いてみたい!」と思い立って、行ってまいりました。
サントリーホール。

結果、やはり生演奏のパワーは格別でした。
「コンサートとして(ここ強調)」堪能してまいりました。

<共演>
東京交響楽団
指揮:岩村力
コンサートマスター:水谷晃

<プログラム>

1.谷 昂登 (桐朋女子高等学校音楽科 男女共学 高2)
ラフマニノフ◎ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30

2 山縣 美季 (東京藝術大学 大1)
ショパン◎ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21

~休憩~

3 尾城 杏奈 (東京藝術大学大学院 院1)
ラフマニノフ◎ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30

4 森本 隼太 (学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校 高1)
ラフマニノフ◎ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30

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ラフマニノフの3番を3回聴きましたが、
圧巻はトリの森本君!
なんというか、音量ではなく「音楽の質量とパワー」が段違い。
音がうねって、はじけて、逆巻く感じ。
疾走感も、歌心も、たっぷり満喫。
彼のときだけ、どの音もオケに紛れることなく、くっきり届きました。
ついこの間まで中学生だった若さでもあり、ちょっと荒削りの箇所もありましたが、
それを補って余りある音楽性でした。
久しぶりに、聴いていて心臓がバクバクする演奏に出会いました。

それが証拠に(なんて言い切ってしまいますが)、
第四楽章になると、もうオケも指揮者もコンマスも、楽しくってしょうがない!といった表情に。
1階席前方左側に陣取っていた私には、そのあたりまで見えましたよ。
ルバートたっぷり、おおきくテンポを変えてくる森本君を、
全力で支えたオーケストラもあっぱれでした。👏👏👏

次に印象的だったのは、ショパンの山縣さん。
なんといっても、単音の音色の美しさに痺れました。


コンクール審査の結果は、こういった私の感想とは一致しないものでしたが、
審査員席のある2階席で聴くと、異なる音楽が聞こえ、異なる景色が見えるのでしょうか。。。

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でも、いずれも立派な演奏だったことには間違いありません。
素敵な演奏を聴かせてくださった4名の方々に感謝です。
そして、今、
ピティナのホームページで、聴衆賞の結果を発見。
森本君の演奏は、ネット配信で聴いても圧倒的だったんですねえ。

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あ、今気づきましたが、私がネットで聴いたソロ演奏は、
「決勝曲目」のうちの一部だったんですね。
このソロ演奏も、最終順位の決定に加味されたのだとすれば、納得できる部分もあります。なるほど。

読売日本交響楽団
第117回みなとみらいホリデー名曲シリーズ
@横浜みなとみらいホール 

2020年2月11日(火・祝)14時開演 16時終演

指揮:山田和樹
ピアノ:イーヴォ・ポゴレリチ
コンサートマスター:長原幸太

<プログラム>
グリーグ:二つの悲しき旋律 
Ⅰ傷ついた心 Ⅱ春

シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
Ⅰ.Allegro affettuso Ⅱ.Intermezzo:Andantino grazioso Ⅲ.Allegro vivace

~休憩~

ドヴォルザーク:交響曲 第7番 ニ短調 作品70
Ⅰ.Allegro maestoso Ⅱ.Poco adagio Ⅲ.Scherzo:Vivace Ⅳ.Finale:Allegro

アンコール
アザラシヴィリ:無言歌(弦楽合奏版)
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いつものごとく(?)開演前のステージ上には、ピアノ練習をするポゴレリチ様の姿が。
毛糸のお帽子をかぶり、ニットの普段着に腹巻?ひざ掛け?といったいで立ち。
ピアノはステージ隅に寄せてあるので、客席にお尻を向ける格好になるのですが。
軽くつま弾くピアノの音色が、BGMのように自然に会場に響いていました。

そのポゴ様のピアノ協奏曲は、はっきりと届く音色が印象的でした。
先月、売り切れ間近に滑り込みでとった席は、2階の一番奥。
そんな場所まで、クリアに響いてくる音でした。
そして、
テンポの揺らし方が尋常ならざるレベルでした。
ピアノだけの演奏になる箇所になるや、ぐぐぐっと遅くなります。
そんなピアノの精神性を掬い取って、寄り添って、
オケとぴったり合わせる山田マエストロ、お見事でした。
ピアノの低音部が強調されて、折にふれてスローになることで
シューマンの叙情性よりも、
確信を持った構成力とでもいうのが浮き上がってきたように感じました。
ポゴさまにとっても会心の演奏だったようで、
演奏後の拍手を受け、まず山田マエストロの手をとって前に引っ張り出し、讃えていました。

そういえば、ピアノの位置も普通とはちょっと違っていました。
普通は指揮台の左側にあると思うのですが、今回は指揮台の真ん前。
マエストロ、思い切り振りかえって、ピアニストの顔を見るという感じでした。
でも、逆に言えば、二人の位置はとても近かったです。

山田和樹さんの指揮、生は初めてでしたが、躍動感に満ちて魅力的でした。
なんだか、彼の人間性の温かさ、大きさといったものが会場全体に満ちたような。
アンコールの前には、高校時代を過ごした横浜で演奏会ができる喜びを語り、
そのころに知った曲を演奏します、とのスピーチも。
アザラシヴィリ、初めて聴きました。
ほんと、「歌」でした。切々と流れるメロディーに胸がいっぱいに。

祝日の素敵なひとときとなりました。

2019年11月7日(木)19:00開演 21:55終演
@東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル

サー・アンドラーシュ・シフ[指揮・ピアノ]
カペラ・アンドレア・バルカ[管弦楽]

〈プログラム〉
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.19
Ⅰ. アレグロ コン ブリオ
Ⅱ. アダージョ
Ⅲ. ロンド、アレグロ モルト

ピアノ協奏曲第3番  ハ短調 op.37
Ⅰ. アレグロ コン ブリオ
Ⅱ. ラルゴ
Ⅲ. ロンド、アレグロ

〜休憩〜

ピアノ協奏曲第4番  ト長調 op.58
Ⅰ. アレグロ モデラート
Ⅱ. アンダンテ コン モート
Ⅲ. ロンド、ヴィヴァーチェ

(アンコール)
ピアノ協奏曲第5番 皇帝より
第2、3楽章

ピアノソナタ第12番 葬送より
第3、4楽章
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幸せな時間でした。
2階B席、ピアノ🎹に向かうシフ様とほぼ正対する席で堪能。
シフ様自身、実に幸せそうな表情で、音楽に浸っておられました。
はい、なんかもう、「演奏する」という状態を超越して。

弾き振りのありようが、あまりに自然で、
もともと、こうあるべきなのではないか?と思わせられました。

モーツァルトのような香りが感じられる協奏曲第1番から、どんどんベートーヴェンらしくなっていくプログラムも面白く聴きました。
明日の演目のはずの「皇帝」まで聴かせていただけて、
さらに、ピアノソナタまでたっぷりと。
シフ様、大盤振る舞い!感激です!

聴衆、男性率、高し。
上から見た感じ、最前列は全員男性。
スタンディングオベーションで、シフ様と向き合ってお辞儀の応酬のようになっていた方も。

特別感に満ち満ちた一夜となりました。
来年1月以降、NHK「クラシック音楽館」で放映予定とのことです。
見逃さないようにせねば。

2019年9月18日(水)14時開演 16時15分終演
@横浜みなとみらいホール 大ホール

ピアノ:實川風(J) 
ピアノ:福間洸太朗(F)
指揮:原田慶太楼(♪)
日本フィルハーモニー交響楽団(♪)

<プログラム>
ヤン・ヴァン=デル=ロースト/高橋幸代編曲
Jan Van 出rRoost(1956-) 
●横浜音祭りファンファーレ(♪)

フレデリック・ショパン(1810-1849)
●ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11(J)(♪)
 Ⅰ.Allegro maestoso
 Ⅱ.Larghetto
 Ⅲ.Rondo:Vivace

●バラード第1番 ト短調 作品23(F)

~休憩~

●バラード第4番 ヘ短調 作品52(J)

●ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21(F)(♪)
 Ⅰ.Maestoso
 Ⅱ.Larghetto
 Ⅲ.Allegro vivace
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平日の昼間だというのに、大ホールの1階席はほぼ満席!
という盛況ぶりに、まずびっくりしました。
直前になってチケットを求めたワタクシは、ピアニストとほぼ正対して見下ろすような2階席でした。
タイトルじゃありませんけれども、實川氏も福間氏も、まさに貴公子の風格。
見た目も楽しませていただきました。(なにせ表情をガン見できる席だったので)

お二人ともピアノの音色が美しくて、うっとり。
実によい午後の時間を過ごしました。

實川氏、ステージでの生演奏は初めて聴きました。
音を慈しんで奏でるかたです。響きの美しさが秀逸。
バラード4番に痺れました。

福間氏を聴くのは2度目ですが、ますます磨きがかかっていました。
音がクリアで、ぐぐっと音楽を凝縮し、まとめあげる力が見事。
聴衆を惹きつけますね。
会場の多くが福間氏のファン?といったムードを感じました。

今度はそれぞれのリサイタルをじっくり聴きたいものです。

パルTAMA主催
読響 しんゆり名曲コンサート
≪熱狂のベートーヴェン≫

指揮:広上淳一
ピアノ:反田恭平

2019年4月7日(日)15:00開演 17:05終演
@昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ

<プログラム>
ベートーヴェン:劇付随音楽「エグモント」序曲 作品84
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23
(ピアノソロ アンコール)
ショパン:ワルツ第6番 Op.64-1 小犬のワルツ 

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92
(アンコール)
シューベルト:劇音楽「ロザムンデ」より 間奏曲第3番 変ロ長調

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反田くんのピアノが聴いてみたくて、直前に衝動的にぽちり。
3階席でしたが、音がよく響いてきました。

反田君の持つ「熱量」、伝え方、圧倒的でした。
音量、音色、テンポ、すべてにおいての伸び縮みのしなやかさにびっくり。
それも、オケと一体となって、です。
カデンツァにいたっては、ルバートの醍醐味を堪能!といった感じ。
恐れ入りました。
ちょうど、TVで同じオケでの牛田君の同曲を見た(聴いた)ばかりでしたが(→2019.04.03)、まったくの別物でした。
牛田君がロシアの季節を表現していたとすれば、
反田君は壮大なる宇宙の力を表現していたような。。。

反田君のリサイタルも聴きたいものです。
大物ぶりを実感いたしました。
終演後のサインを求める列の長さにも驚きました。

リズミカルで実に楽し気な広上さんの指揮ぶりも印象的でした。
3階席からは、指揮者はちょっと見にくかったのですが。
ピアノはしっかり見えて、よかったです。

The 13th World Peace Classic Concert
神に愛されしモーツァルト降臨~格調高雅なる協奏曲&魅惑のオペラ・ブッファの祭典~

2019年3月4日(月)18時半開演 21時35分終演
@東京芸術劇場

<オール・モーツァルト・プログラム>
・アヴェ・ヴェルム・コルプスより Nitta version
・ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調
・2鵜台のピアノのための協奏曲 変ホ長調

・ピアノ協奏曲 第23番 イ長調
・オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」ハイライト

2019-03-05

不思議なコンサートでした。
出演者の方からの割引チケットというご縁でしたし、そのお目当ての曲目はまさに格調高いものでしたから、それが聴けただけで私は満足。結果オーライなのですが。
3時間に及ぶ祝祭感覚満載のコンサート。

不思議だったのは、出演者の技量の凸凹感です。
プログラムに「激励いただいている方々」リストが麗々しくついていたことと関係があるのかも?(支援者にゆかりのある方々が出演されていた、とか。。。)

いろんなコンサートがあるものだなあ、と思いました。
モーツァルトの楽しさは満喫できましたので、よしとします。

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