PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ:【コンサート・レビュー】 > オーケストラ(ピアノ協奏曲を含む)

ジャパン・ナショナル・オーケストラ
ロマン派協奏曲 前夜祭演奏会

2024年3月19日(火)19時開演 21時終演
@みなとみらいホール 大ホール

出演:
務川慧悟(ピアノ)
エリック・ルー(ピアノ)
反田恭平(指揮)
ジャパン・ナショナル・オーケストラ

<プログラム>
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(ソリスト:務川慧悟)
(ソリスト・アンコール)
ラヴェル:クープランの墓より プレリュード

~休憩~

シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54(ソリスト:エリック・ルー)
(ソリスト・アンコール) ピアノ連弾 エリック・ルー(primo)&反田恭平(second)
ブラームス:ワルツ Op.39-15

IMG_7573

祝祭感たっぷりのコンサートでした。
ステージには花が飾られ、終演後にはサプライズ(?)のキャンドル・サービスも。

IMG_7558

本編コンサートの白眉は、何と言ってもエリック・ルー君でした。
人を惹きつける力、吸引力が、ずば抜けています。
音がキラキラしていて、耳が持って行かれます。
唸らされました。

また、同じイ短調の協奏曲を続けて聴く、というのも興味深かったです。
開演前の「館長&ホール・プロデューサー挨拶」において、
グリーグはシューマンの影響を受け、シューマンに敬意を表してピアノ協奏曲を作曲した、との解説が入りましたが、実際に並べて聴いてみて、納得しました。

後半のシューマン、前半のグリーグのデジャヴ?……のように感じた箇所がいくつも。

細い身体なのに、エリック君の音がぐんぐん伸びて通ることに、驚きました。
ただ、気になるのは、
右手人さし指が、包帯ぐるぐる巻き状態だったことです。

演奏に支障はないように見受けられましたが、
アンコールが反田君との連弾になったのも、指の不調をかばってのことかも、、、と思いました。
大事なく、済みますように。。。

IMG_7560

カーテンコールの時間帯は撮影可でした。
この後、ロビーに出てみると、こんな情景が。

IMG_7562

ここで、室内楽の演奏という「お見送りサービス」を受けたのでした。
なんとも嬉しい一夜となりました♪


2024年1月30日(火)19時開演 21時10分終演
@東京オペラシティコンサートホール

エリック・グオ(ピアノ)
鈴木優人(指揮)
バッハ・コレギウム・ジャパン(管弦楽)

ピアノ:プレイエル(1843年製)
1843年7月18日完成、10月19日エビネイ子爵が購入。
マホガニーケース 製造番号No.10456  長さ205㎝
タカギクラヴィア所蔵
2018年度ショパン国際ピリオド楽器コンクール認定楽器


<プログラム>
  • モーツァルト:≪フィガロの結婚≫序曲 K.492
  • ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
  • ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
ソリスト・アンコール
  • ショパン:前奏曲 Op.28-4 ホ短調
  • ショパン:前奏曲 Op.28-13 嬰へ長調
  • ショパン:マズルカ Op.59-1
  • ショパン:ワルツ 第4番 Op.34-3 ヘ長調
IMG_7384

エリック・グオ君、自由人!
舞台袖から、よく響く笑い声とともに登場(たぶん、ご本人の声)。
協奏曲では、ピアノソロが入る前からオケと一緒になってピアノ弾いちゃったり、曲の途中、ソロパートじゃなくてもどんどんピアノに触ってました(こういうところのピアノの音色は2階席までは届きませんでしたが、弾いてることはよく見えました)。
特にピアノ協奏曲2番、こんなに楽し気に響く曲だったっけ?と思いました。

グオ君、ほほえみを浮かべ、往々にして顔を上げて天井の方を見て音楽に浸ってました。
すごく伸びやかな音。
プレイエルのソロパートは朗々と響いていました。2階席でもよ~く聴こえて、嬉しい驚き。
オーケストラとのバランスもよく、美しい~✨
うっとりです。

アンコールのソロ曲も、ルバートたっぷり、情感たっぷりの演奏でした。
4曲も聞けて、幸せいっぱい気分になりました。
そうそう、
アンコールの最後の曲は、指揮の鈴木氏とともに舞台上に現れてから、鈴木氏を舞台上にとどめたまま、おもむろに弾き始め、弾きながら鈴木氏に向かって微笑みかける(というか、音楽で語り掛けている感じ)だったのも、また、彼の自由人っぷりを表していたと思います♪

IMG_7385
(画像は開演前)

新日本フィルハーモニー交響楽団シーズン・プログラム
すみだクラシックへの扉
2023年9月29日(金)14:00開演 16:00終演
@すみだトリフォニーホール

指揮:阿部加奈子
ピアノ:三浦謙司

<プログラム>
  • ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(管弦楽版)
  • ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
  • (ソリスト・アンコール)ドビュッシー:忘れられた映像
  • チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op.74「悲愴」
IMG_6713
三浦さん、ピアノの音がクリアに届きました。
柔らかい音色でもこんなに届くのか、とびっくり。
なんというか、純度の高い音色です。
即興っぽさが生きる第1楽章、ピアノが歌い上げる第2楽章、どんどん盛り上がる第3楽章、
いろんな音色が飛んできて、オケとの掛け合いも含め、めくるめく楽しさでした。
第2楽章、美しかったです。
アンコール、初めて聴く曲で、第2楽章に通じる曲想。
(曲目の掲示画像を投稿されていた方のおかげで、曲目を加筆できました。感謝。10/1)

阿部加奈子さん、おとこまえな指揮ぶりでした。
エネルギーがぎゅぎゅっと詰まった、集中度の高いチャイコフスキー。
コントラバスが真正面の最後列に6本(だったかな)並んでいるというのは初めて見る配置かも。
低音部とパーカッションの迫力、ガツンと来ました。かっこいい~。
テンポも速めで、ドラマチックな展開に心臓ばくばく。

ワクワク感たっぷりのコンサートでした。

フェスタ・サマーミューザ
ガルシアのラフマニノフと魅惑の『シェエラザード』
2023年7月29日(土)16:00開演  18:10終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮 :キンボー・イシイ
ピアノ:マルティン・ガルシア・ガルシア *

<プログラム>
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op. 18 *
  • (ソリスト・アンコール)ラフマニノフ:前奏曲集 第13番 op.32-3 変ニ長調
  • リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』 Op. 35(ヴァイオリン独奏 郷古 廉)
  • (オーケストラ・アンコール)リムスキー=コルサコフ:熊蜂は飛ぶ
IMG_6492

まさに「フェスタ!」の熱気に満ちたコンサートでした。

ガルガル君は、ショパコンで「コンチェルト賞」を受賞した記憶がありますが、オーケストラとの合わせを聴いて、納得いたしました。
実に生き生きとピアノの音が響いてくるのです。
輪郭のくっきりとした音が飛んでくるのです。
胸がすくようなクリアな音に、重厚感のある低音部の音に、胸キュンです。
歌い上げるラフマニノフを堪能しました。

ピアノはファツィオリ。
4本ペダルの美しいピアノです。
ステージ上で、堂々たる威容を誇っていましたよ。

後半の「シェエラザード」は、コンサートマスターの郷古君の美音に、
チェロの辻本さん、管楽器の方々、ソロ担当の方々の実力に圧倒されました。
オーケストラの厚みのある音も大迫力。
指揮イシイさんは、後半、なんとすべて暗譜。譜面台なし。
絵巻物を見ているような気持ちになりました。
祝祭感に満ちた音楽、万歳!

アンコールの熊蜂は、まさに羽音がぶんぶん聞こえてきました。
ゲスト指揮者で、アンコールまで準備されちゃうなんて、さすがです。

満たされた気分で会場を後にしました。

IMG_6493

文京シビックホールリニューアル記念公演

2023年6月28日(水)19:00開演 21:20終演
@文教シビック大ホール

ピアノ:チョ・ソンジン
指揮:山田和樹
バーミンガム市交響楽団

<プログラム>
  • F.ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
  • (piano solo アンコール)ヘンデル:調子の良い鍛冶屋
  • S.ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 op.27
  • (オーケストラ アンコール)エルガー:夜の歌
IMG_6384

幸福感に包まれたコンサートでした。
開演前10分ぐらいから山田和樹さんがステージに登場し、トーク開始。
いやあ、滑舌よく、楽し気に語られていました。

藤田真央君と僕は親子と呼ばれるくらいに似ているって言われるんですよ。
で、ソンジン君と真央君が似ているという話もあるから、僕とソンジン君も似た者同士?
ソンジン君の音楽はとにかく自然。ナチュラル。
ショパンのこの曲は、ソリストとオケの合わせが難しい指揮者泣かせの曲。
指揮者が「おっとっと~」と、むち打ちになりそうなことも多いのに、ソンジン君とは決してそんなことにはならず、実に気持ちよく音楽が進む。

ワクワク感、祝祭ムードが高まりました。

さて、開演。
ソンジン君が、特別な存在であることを改めて実感しました。
とにかく素晴らしかった。
ピアノの音のなんと美しいこと!
まさに天上の音楽、天上の音色。
何度も聴いた曲ですが、ここまで集中して聴いたのは初めてかもしれません。
和樹さんの言われたとおり、オーケストラとも息ぴったりでした。

ヘンデルも、ここまで軽やかに弾きこなせるピアニストは他にいないでしょう。
聴くたびに進化を遂げています。
拍手鳴りやまず。
会場のライトが煌々とついても、まだ鳴りやまず、でした。

後半のラフマニノフは、実に優美。
山田和樹氏、ステップを踏んだり、腰をかがめたり、全身を大きく使っての牽引力溢れる指揮ぶりでした。
1時間に及ぶ大曲でしたが、そんなに長いとは感じさせず。
眠気に襲われることなく、集中して聴けました。

アンコールは、朗々と歌い上げる音楽。
英国エルガー作曲とあって、オーケストラの十八番なのでしょうね。
気持ちの良いコンサートの〆となりました。

記憶に残るコンサートとなるに違いありません。
シビックホール、気持ちよく、そして、音響の素晴らしいホールです。

IMG_6382

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団
名曲全集 第186回
2023年4月22日(土)14:00開演 16:15終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ(Krzysztof  Urbanski)
ピアノ:ヤン・リシエツキ(Jan Lisiecki)
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:グレブ・ニキティン(Gleb Nikitin)

<プログラム>
  • メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」序曲 op.21
  • ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 op.21 (Ⅰマエストーソ Ⅱラルゲット Ⅲアレグロ・ヴィヴァーチェ)
  • (ソリスト・アンコール)ショパン:ノクターン第21番 ハ短調「遺作」KK IVb/8, CT128
  • ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 op.95 「新世界より」(Ⅰアダージョ --アレグロ・モルト Ⅱラルゴ Ⅲスケルツォ モルト・ヴィヴァーチェ Ⅳアレグロ・コン・フオーコ)
28101379-0146-4932-8663-FB70464C6541

ポーランド生まれの指揮者、ウルバンスキ氏、シュっとしたカッコよさで、すべて暗譜で振っておられました。
集中力、会場を惹きつけて離さないパワー、、、これがカリスマ性ってことでしょうか。
大きな手のひらをパッと広げたり、シュっと握ったりするアクションの効果絶大。
目力(めぢから)の強さが半端ないです。
わたくし、ファンになりました💙

新世界の第2楽章、いわゆる「家路」のメロディーで有名ですが、
イングリッシュホルンのソロは、なんと3階のバルコニー席で吹いておられました。胸キュン。
(写真は終演後、写真撮影OKのカーテンコール時に撮影。私もこのエリアの席でした)
0909D12C-7608-4D6A-ACB6-838A262A224D
前半のショパコンも見事でした。
実は、このピアニスト目当てのコンサートでしたが、今日の印象ではウルバンスキ氏のほうがインパクト大だったという次第。

ヤン・リシエツキ、カナダ出身の若きピアニスト。今27歳かな。
Webで何度か演奏を聴きましたが、印象が非常にいいときと、そうではないときがあったので、本物はいかに?と思って生演奏を聴きたくなったのでした。
結果。
本物でした。音色が本当に美しかったです。
ピアノの響きを上手に引き出して、のびのびと演奏されていました。
緩急の幅が大きくて、なかなか個性的でしたが、わざとらしさは全く感じませんでした。
指揮のウルバンスキ氏とは、NDRエルプフィルハーモニー(旧北ドイツ放送交響楽団)との共演でCDを出して、エコー賞を受賞しているとのこと、なるほどの演奏でした。

6D31EBA5-7C5C-4610-8499-50DC9752027F

新年度が始動して、あれこれストレスフルな1週間だったのですが、
そのわちゃわちゃを洗い流して、すっきり幸せな気分になったコンサートでした。

そうそう、このコンサート、ニコニコ動画で、Web視聴できます。
(無料生配信後のタイムシフト視聴。023/4/29(土) 23:59 まで視聴可能)
おススメです💖
 


2023年3月4日(土)15時開演 17時20分終演
@めぐろパーシモンホール 大ホール

指揮:角田鋼亮
ヴァイオリン:周防亮介
チェロ:上野通明
ピアノ:岡田奏
管弦楽:読売日本交響楽団

<プログラム>
  • ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 op.26
  • ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18
CFC1543B-69D8-4BEA-BB08-F8F8843A059E

いやあ、ソリストの皆様、圧巻でした。

1曲目のブルッフは、室内楽のアンコールピースなどでちょっと聴いたことがある程度。
実にロマンティックな曲を書かれていたんですね。
プログラムノートによると(by 音楽ライター 柴田克彦氏)
マックス・ブルッフ(1838-1920)は、メンデルスゾーンやシューマンの流れをくむドイツ・ロマン派の作曲家。5歳年上のブラームスとほぼ同時期に活躍した。(中略)作品は多岐におよび、19世紀後半には絶大な名声を誇った。
なんと。
私、20世紀に活躍された作曲家のように誤解していました。
演奏されたヴァイオリン協奏曲は20代の作で、こればかりが脚光を浴びることにブルッフ本人は不満を抱いていたという話もあるそうです。
周防さんの演奏は、室内楽のアンサンブルを聴いたことがありますが、コンチェルトはお初。
黒いパンツスーツに、肩から黒いひらひらの布をなびかせながら登場。
演奏者の雰囲気に合っていました。
豊かな音色で、堂々とオーケストラと渡り合う演奏、「うまい!」と声をかけたくなります。
おみごと。

続けて上野くん。
ちょっと中世のヨーロッパを思わせるようなふわっとシャツに黒ジャケットで登場。
既にスタイルを作っているって感じです。
演奏のほうは、コンクール配信などから「現代ものの難曲を、理知的に熱量をもって弾きこなす」というイメージが強かったのですが、
本日は、ビブラートをふんだんに利かせて豊かに歌い上げる演奏。
曲に合わせて、いろんな奏法をこなしてしまうんだなあと舌を巻きました。

休憩後はピアノ協奏曲。
TV放送やネット配信では聴いたことがある岡田さん。生演奏は初めて聴きます。
まるでダンサーを思わせる深紅のスレンダードレス、胸元にはスパンコール、手首には黒いリストバンド、というハッと目を引く衣装で登場。
そのお姿そのままに、演奏もイケイケのムード。
ときおり、左足を前後に振り子のように振りながら、リズムよく推進力のある音楽。
曲が進むほどに、ピアノの音がどんどん鳴っていく感じでした。
芯のある重い音が印象的で、ピアノがオーケストラをリードしていました。
あっぱれ。

7DA809F8-B58B-4B9C-BB5A-23CAFD6D9FD2

ロビーには、こんなプレートも設置されていて、

7F36767F-522B-4729-82EF-72288FDCC441
舞台の両脇にはお花も。
祝祭感満点のコンサートでした。
「未来の音」の記録がプログラムノートの裏表紙に掲載されていました。
記念に貼っておきます。
A9AE82BC-2161-4BD6-8312-925B4642B32B

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団
名曲全集 第184回
2023年2月5日(日)14時開演 16:05終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:アレッサンドロ・ボナート
ピアノ:金子 三勇士
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:小林 壱成

<プログラム>
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18
  • (ソリストアンコール)J.S.バッハ(金子三勇士編):G線上のアリア
  • リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」op.35   (Ⅰ海とシンドバッドの船 Ⅱカランダール王子の物語 Ⅲ若い王子と王女 Ⅳバグダッドの祭り――海――青銅の騎士のある岩出の難破――終曲)ヴァイオリン独奏:小林 壱成
76249BA4-56AA-4B32-ABAE-25D21E2B05B8
初めて聴く指揮者でした。
それもそのはず、1995年イタリアのヴェローナ生まれの若者です。
柔らかな体の動きで、見事な物語世界を描き出していました。
コンマスの小林さんはじめ、ソロ担当の管楽器、チェロ、パーカッション、皆さまの技量に感服です。

前半のピアノ、先週は同じ席から上原彩子さんの演奏を見た(聴いた)のですが、
視覚的に、上原さんの体の動きは横に、金子さんの動きは縦(前後)に揺れていた感じ。
随分と印象が異なりました。
金子さん、ちょっと力んでおられる?と思いましたが、ステージ左側の真横から見下ろすという座席(視点)の影響もあったかもしれません。
あ、でも、アンコールはしっとりと歌い上げておられて、素敵でした。ご本人の編曲だったのですね。

完売御礼の客席からは、「ブラボー」と、声も横断幕も出ていました。
幕を掲げておられるのは男性の方々。
金子三勇士氏、男性に人気なんでしょうか。

45614562-1068-4A89-A1B5-80B9975D990A

撮影可能なカーテンコールで、ボナート氏のお顔を捉えられなかったのが残念無念。

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団
名曲全集 第183回
2023年1月29日(日)14時開演 16:05終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:大友直人(東京交響楽団 名誉客演指揮者)
ピアノ:上原彩子
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:小林 壱成

<プログラム>
  • ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 op. 43
  • (ソリストアンコール)ラフマニノフ:前奏曲集 op.23-2
  • エルガー:交響曲第2番 変ホ長調 op. 63
BFE025F0-2EC8-4158-87AC-A688F8A6CFC0

王道のコンサート!という印象でした。
指揮者は徹頭徹尾の紳士であり、ソリストは堂々たるテクニックと音楽性を披露。

上原彩子さんは、「大地の音!」という印象でした。
さすがチャイコフスキー・コンクールの覇者です。
ラフマニノフ・イヤーの今年、まず最初に王道・上原さんが聴けてよかったです。
アンコールも、まさにロシアの大地をほうふつとさせるような音色でした。
紺色のドレス(袖の部分がキラキラ)もお似合いでした。

大友氏、前半の協奏曲はソリストに寄り添う感じでしたが、
後半のエルガーになると、熱量がググっと上がりました。
表情も真剣に。
オーケストラの音量もアップ。
エルガーって、こんなに大迫力の音楽を書く人だったんだ、と見直しました。

第4楽章、最後の弱音の行方まで堪能したいところでしたが……
指揮の手が下りないうちに、P席の方から盛大な拍手が。フライングです。
残念無念。。。

聴衆の大半が同じ気持ちだったことでしょう。
かなり経ってから、大友氏の手が下ろされるや、盛大な拍手が湧きおこりました。
カーテンコールで何度も呼び戻された大友氏でした。
A6EBC945-3712-4996-971A-2FD56DA8BDA1

E619AEC4-AC47-451E-A19C-1ED4F9B1B8D8
(カーテンコールは撮影可でした)

スーパーソリスト達による秋の特別コンサート~2022~
藤田真央 協奏曲の夕べ

2022年11月30日(水)19:00開演 21:10終演
@サントリーホール

藤田真央(ピアノ)
ロリー・マクドナルド(指揮)
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

<プログラム>
  • ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18  第1楽章 モデラート 第2楽章 アダージョ・ソステヌート 第3楽章 アレグロ・スケルツァンド
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30 第1楽章 アレグロ・マ・ノン・タント 第2楽章 インテルメッゾ、アダージョ 第3楽章 フィナーレ、ブレーヴェ
B925BA0D-AF55-4D0F-9052-67D8AE4E7ECD

2階の正面席をゲット。
真央君の進化ぶりに舌を巻きました。
なにしろ、音が美しい。そして、余裕があるのです。
視覚的には、くねくねと、鍵盤を撫でているように見えるのに、音の粒はくっきりと美しく届くって、どういうことが起きているのか、、、

同じような席で、若者の演奏によるコンチェルト(ラフマニノフではありません。コンクール本選)を聴いたときとは音色の質がまるで違って、唖然としました。

ご本人は、とっても楽し気に、時折オーケストラの方をじーっと見つつ、すいすい演奏していく様子。
会場の聴衆を巻き込んで、オーケストラとともに熱量を高めていく技も圧倒的です。
……でありながら、最初から最後まで、一度もハンカチ(タオル?)を手にすることもなく、汗を気にすることもなく、シレっと、平然と演奏を終えていました。

感動8割、あっけにとられる気持ち2割、といったところです。
さすがは世界の真央。
ジャンパー(代役のこと。大物ピアニストの代役を何度つとめたんでしょう?)真央。
これは、今後もどんどんファンを増やしていくことでしょう。
チケットも取りにくくなっていくんだろうなあ。。。

0A33E03C-0E16-4972-BBA1-90754D4716BC

モーツァルト・マチネ 第50回
2022年9月3日(土)11:00開演 12:10終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

ピアノ(弾き振り):小菅優
管弦楽::東京交響楽団
コンサートマスター:水谷晃 

<プログラム>
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲 第13番 ハ長調 K.415(弦楽版)Ⅰアレグロ Ⅱアンダンテ Ⅲロンド アレグロ
  • メンデルスゾーン:ピアノと弦楽のための協奏曲 イ短調 MWV02 Ⅰアレグロ Ⅱアダージョ Ⅲフィナーレ アレグロ・マ・ノン・トロッポ
F434B576-719D-407F-82FD-926B99133B8A

小菅優さん、かっこよかったです♪
ああ、身体の中から音楽が溢れてくるんだなあ、
全身で音楽を感じるって、こういうことなのだなあ、と思いました。
指揮とピアノ演奏を行き来するわけですが、それが、実に自然な流れの動きとなっていました。

モーツァルトでは、音の少ない単旋律を音楽的に聴かせる力、
メンデルスゾーンでは、超高速で鍵盤上を駆けめぐるテクニック、鮮やかなリズム感が光っていました。

オーケストラは小規模編成。
ヴァイオリン12、ヴィオラ4、チェロ3,コントラバス2。
それに、反響板を取り外したピアノ。
この音のバランスがとても美しくて、うっとりと聴き惚れました。

演奏しているみなさまがとても楽しそうだったのも印象的でした。
素敵な朝時間が過ごせました。

10th anniverasary 調布音楽祭
フェスティバル・オーケストラ
ドイツ・ロマン派の輝き~河村尚子を迎えて~

2022年6月25日(土)18:30開演 20:50終演
@調布市グリーンホール 大ホール

指揮:鈴木 雅明
ピアノ:河村 尚子
管弦楽:調布国際音楽祭フェスティバル・オーケストラ
コンサートマスター:白井 圭(NHK交響楽団ゲスト・コンサートマスター)

<プログラム>
  • メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26
  • シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
  • (ソリスト・アンコール)シューマン=リスト:献呈
  • ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68
8E63712E-8FEF-4371-A016-E731A0A4F06D

オーケストラ、「オーディションに合格した若手演奏家たちによって構成」とは書いてありましたが、中高生のように見える若者たちが大勢で、びっくりしました。
その中に、指導的役割として、メジャーオーケストラの首席奏者や、ソリスト(フルートの上野星矢氏)などが入っているのです。いやあ、若者たちにとっては一生の宝に相違なく。

鈴木雅明氏の熱の入った指揮ぶり、
河村尚子氏の実にクリアに輝いて届く音も、大変印象的でした。
オーケストラの音色が、ともするとちょっと一本調子になりがちなところ(全体的にはもちろん立派でしたが)を、ピアノの音色でコントロールしているように聴こえました。
そして、彼女の笑顔と、お茶目で優雅なステージ上での振る舞いも素敵でした。

第2部の最後になって、鈴木氏が改めて河村尚子さんもステージに呼び戻していました(既にドレスからワンピース姿に)が、最後まで聴いていらしたんですねえ。

大曲を見事に演奏しきった若者たちにも大拍手👏👏👏

実はわたくし、本日は朝から大変気の張る案件を抱えていて、緊張しつつ一仕事終えてほっと一息……といった状況でコンサートに足を運んだのでした。
そんなわけで、コンサート中、意識が朦朧とすること度々(懺悔)。
でも、それを差し引いても、行ってよかったです。

日本生命 presents ピノキオ支援コンサート
オーケストラ・コンサート
2022年05月16日[月]18:30@東京オペラシティコンサートホール

マルタ・アルゲリッチ(Pf)*
チョン・ミン(Cond)
ウィリアム・チキート(Vn)
ミッシャ・マイスキー(Vc)★
東京音楽大学オーケストラ・アカデミー

<プログラム>
  • ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」op.9
  • シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 op.54(pf:アルゲリッチ)
  • シューマン:幻想曲集 op.73(pf:アルゲリッチ&Vc:マイスキー)
  • (デュオ・アンコール)ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ
  • (デュオ・アンコール)ショパン:チェロソナタ 第3楽章。
  • ブラームス:交響曲第1番ハ短調 op.68
8B51B3B8-ABA0-4D0A-A020-BABF4855D79C

タイトルのとおりです。
アルゲリッチ&マイスキーの神業デュオに、ただただ、息を吞みました。
あふれ出る音楽。
自由に、闊達に、ただただ楽しんでいるだけのようなお二人。
音楽の天国……というか、音楽の魔界から降臨したようなお二人。
まるで前世からともに演奏してきたかのような。
カリスマ性のオーラ、発散しまくり。
感動って、こういうことだったのですね。
ショパンのポロネーズ、まさに圧巻でした。
アンコール2曲も演奏してくださって、もう感激です。会場、すごい熱気でした。

シューマンのピアノ協奏曲も、アルゲリッチならではのリズム感、躍動感で、
1階後方席までクリアに届くパキッとした音色に圧倒されました。
ハンサムな音楽。
そして、まったく無理のない、しれっと当たり前のように演奏する弾き姿にも驚嘆しました。
お見事な脱力ぶり。
なぜあの姿からあんなにクリアな音が生まれるのか、まさにマジック。
汗をかくとか、全身を使うとかとは無縁の世界。
オーケストラの若者たちの方を度々見つめては、煽ったり、慈しんだり、引っ張ったり。

オーケストラは、さすがに若々しく、明るい音色でした。
弦楽器の弾き姿の美しさ、管楽器の見事なテクニックにも驚かされました。

満員の客席には、大物音楽家たちもおられるのだろうな~と思っていましたが、
休憩時間に、指揮者のチョン・ミョンフン氏とすれ違いました。
で、ググってみたら、本日の指揮者チョン・ミン氏はミョンフン氏のご子息と判明。
なるほど~。
彼もこれからが大変に楽しみです。

いやはや、盛沢山なコンサートでした。
白熱したチケット争奪戦を勝ち抜いてくれた妹に感謝!

2022都民芸術フェスティバル参加公演
オーケストラ・シリーズNo.53

2022年3月16日(水)19時開演 21時5分終演
@東京芸術劇場コンサートホール

指揮:松本宗利音
ピアノ:阪田知樹
読売日本交響楽団

<プログラム>
モーツァルト:歌劇「後宮からの誘拐」K.384<序曲>
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58
(ソリスト・アンコール)
ドビュッシー:「子供の領分」より第1曲 グラドゥス・アド・パルナッスム博士

チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64

105BB5F5-FA3C-43BB-B5FF-1C3F288DE602

事情あり、遅刻。
モーツァルトは聞けず、ベートーヴェンの前に駆け込みました。
会場案内係の方のスムーズなエスコートに感謝、感激。

阪田くんのベートーヴェンは、シュっとしていてかっこよかったです。
2階席まで音の粒がクリアに届きました。
大音声よりも、細かい音の粒立ちにぐっときました。
そして、第1楽章、第3楽章のカデンツァにしびれました。
「カデンツァは、ソリストの魅力を伝えるためにある」
と聞きますが、その王道!と思いました。
縦横無尽にピアノを響かせて、ピアノも楽器冥利に尽きたことでしょう。
コンパクトなアンコールも、洒落ていました。

チャイコフスキー、意志の力を感じました。
2階席は、管楽器の音が朗々と鳴り響いて聞こえます。
大迫力でした。
活力に満ちた音楽。チャイコフスキー、やっぱりいい!💖
ロシアを代表する作曲家ですが、出自をたどると、祖父の代にウクライナの姓をロシア風に改めたとのこと。
……紛争が一日も早く収まるよう、祈るばかりです。

2022年1月15日(土)15時開演 16時15分終演
@フィリアホール

ヴァイオリン:川久保賜紀
ピアノ:藤田真央
N響メンバーによる室内オーケストラ(コンサートマスター:山口裕之)

<プログラム>
モーツァルト作曲
  • 交響曲第36番 ハ長調 K.425「リンツ」(全4楽章)
~休憩~
  • ヴァイオイン協奏曲 第5番 イ長調 K.219「トルコ風」(全3楽章)
  • ピアノ協奏曲 第26番 二長調 K.537「戴冠式」(全3楽章)
アンコール(ヴァイオリン&ピアノ)
クライスラー:美しきロスマリン

44561658-E1ED-4F96-A09F-3F6370E9982B

藤田真央さん目当てで、行ってきました。
今朝のTV「題名のない音楽会」も視聴したので、水曜日の芸劇と併せて、今週は真央くんWeek……1週間で三連発!

きょうもまた、とろけました。
最初の一音で、メロメロです。
媚薬をかがされたような……。
どうやったら、あんなにやわらかい音色が出せるのでしょうか。
第1楽章のカデンツァは、真央君自作とのこと。
構成力の見事さも発揮して、お見事でした。

小さめのホールに、室内楽編成のオーケストラ(1stヴァイオリン3、2ndヴァイオリン3、ヴィオラ2、チェロ2、コントラバス1、フルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ1)、いいですねえ。

そして、アンコールがまた秀逸でした。
以前、川久保さんの「美しきロスマリン」をTVで視聴したときには
「お堅い模範演奏」
といったイメージを抱いたのですが、
きょうは、それとはまったく別物の、自由自在でしなやかな演奏でした。
真央君のピアノが、彼女のしなやかさを見事に引き出していたように感じました。
ピアノって、偉大です。
お二人とも暗譜でのアンコール演奏!という点にも感服いたしました。
すばらしかったです。👏👏👏

イスラエルで昨日開催されたコンサートが、まだアーカイブで視聴できました。

Koncert „The Winners: Rubinstein Meets Chopin”



ショパコン優勝者のブルース・リウ君が
ショパンのピアノ協奏曲第1番
(アンコールはショパンの練習曲「黒鍵」)、

ルービンシュタインコンクール優勝者のシモン・ネーリング君が
モーツァルトのピアノ協奏曲KV 466
(アンコールはショパンのマズルカop.56-2)
を演奏しています。

個人的には、ネーリング君のマズルカに胸キュン。
(2時間1分45秒~)

↑このページのトップヘ