PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ:【コンサート・レビュー】 > 室内楽(ピアノを含む)

12月16日(土)
@紀尾井ホール (Web配信のアーカイブで視聴)

出演:
  • ヴァイオリン:MINAMI(吉田南)、辻 彩奈、外村 理紗、戸澤 采紀、服部 百音、HIMARI
  • チェロ:鳥羽 咲音、北村 陽、柴田 花音、佐藤 晴真
  • ピアノ:亀井 聖矢、吉見 友貴
  • 特別出演:石田 紗樹(ヴィオラ)、鈴木 慧悟(ヴィオラ)、小林 海都(ピアノ)

<プログラム>
  • チャイコフスキー:弦楽六重奏曲《フィレンツェの思い出》作品70(辻 彩奈、戸澤 采紀、鈴木 慧悟、石田 紗樹、佐藤 晴真、柴田 花音、北村 陽)
  • フランク/ヴァイオリンソナタ イ長調(MINAMI、吉見 友貴)
  • ショパン/ピアノ三重奏曲 ト短調 作品8(服部 百音、鳥羽 咲音、亀井 聖矢)
  • ブラームス/ピアノ五重奏曲 ヘ短調作品34(外村 理紗、HIMARI、石田 紗樹、柴田 花音、小林 海都
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ここ数年、日程的に行けない(休日出勤日と重なる)ことが続いていて、案の定、今年もでした。
例年、年明けにTV放映されるので、それを待とうかとも思いましたが、思わずポチリ。
12月22日まで視聴可能で、これからでも購入1500円)できます。

ながら視聴してしまったので(期間中にもう一度聴こうと思っています)、熱量がぐぐっと詰まった演奏が続きました。
演奏前に収録されていたインタビューには、「リハーサルに4日間、リハーサルが楽しい、充実している」といったフレーズも出ていましたが、そうだろうなあ、と思いました。

今、気づきましたが、チェロの北村陽さん、柴田 花音さんは、今年の日本音コンの1位、2位ですね。
(実は、今、クラシック倶楽部のチェロ本選の様子を見ながら書いています。^^)

特に、フランクのヴァイオリン・ソナタは、二人が同じ学校(ニューイングランド音楽院)に在籍中で、アメリカでも合わせていたとのこと。
なるほどの演奏でした。

いつも思うことで、もう言い古されていることですが、
若いっていいなあ。
まっすぐな、ひたむきな、力強さを感じました。
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上手く撮れませんでしたが、最後のカーテンコール。

2023年12月13日(水)19時開演 20時50分終演
@サントリーホール ブルーローズ
(主催)公営財団法人国際音楽芸術振興財団

TRIO VENTUS 受け継がれるロマンティシズム
(Vn:廣瀬心香 Vc:鈴木皓矢 Pf:石川武蔵)

<プログラム>
  • シューマン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品63
  • リーム:見知らぬ情景Ⅲ
  • ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
アンコール
  • シューマン(キルヒナー編):カノン形式による6つの練習曲より 第6番
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ありがたや~の無料コンサート。
仕事後、慌てて夕食をとり、駆け付けました。
会場は大変あたたかくて、よい雰囲気……ということで、睡魔に負けました(恥)。

トリオ・ヴェントス、
前回聴いたときからピアニストが変更になり、表現が丸くなったようにも感じましたが、
今回は全員お元気な姿で、よかったです♪(→前回の記録
初めて聴く曲だったアンコールが可憐で、特に印象に残りました。

それにしても、クリスマスの季節ですねえ。

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2023年11月3日(金祝)14時開演 16時終演
@フィリアホール

ヴァイオリン:ルーカス・ハーゲン
ヴァイオリン:ライナー・シュミット
ヴィオラ:ヴェロニカ・ハーゲン
チェロ:クレメンス・ハーゲン

ピアノ:藤田真

<プログラム>
  • モーツァルト:弦楽四重奏曲 ニ短調 K.421(第1楽章…アレグロ  第2楽章…アンダンテ  第3楽章…メヌエット  第4楽章…アレグレット・マ・ノン・トロッポ)
  • ドビュッシー:弦楽四重奏 ト短調 Op.10 (第1楽章…生気をもって、きわめて決然と  第2楽章…充分に生き生きと、リズミックに  第3楽章…アンダンティーノ、穏やかで表情豊かに  第4楽章…きわめて中庸に~きわめて動的に、そして情熱をもって)
  • シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44(第1楽章…アレグロ・ブリランテ  第2楽章…イン・モード・ドゥナ・マルチア、ウン・ポーコ・ラルガメンテ  第3楽章…スケルツォ、モルト・ヴィヴァーチェ  第4楽章…アレグロ・マ・ノン・トロッポ)
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前半は、しっとりと弦楽四重奏。
第2ヴァイオリン以外の3名はハーゲン家の兄弟妹の間柄とのこと、さすがのアンサンブルでした。
紳士、淑女の佇まいでの、清澄なる響きとでも言いましょうか。

前から2列目の右端という、珍しい位置から鑑賞。
チェロの楽譜がばっちり見えて、そのヴィンテージぶり(黄ばみ具合、皺の寄り具合、ページのよれ具合)が印象的でした。アンサンブルの歴史、ここにあり!って感じ。

後半には藤田真央君登場。
ステージ上も、そして、会場全体も、ぐっと熱量があがりました。
真央君の表情がよく見えましたが、ほんとに幸せそうに演奏するんですねえ。
アンサンブルが好きなんだろうなあと思いました。
テンポ抑えめ、正統派、端正なシューマンでしたけれど、弦の音色と溶け合った、見事なピアノでした。

アンコールはなし。
拍手鳴りやまず、会場が明るくなり、舞台袖のドアがぴっちりと閉じられた後も、もう一度、カーテンコールに応えた演奏者たちでした。

サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)

ディスカバリー!ナイト~室内楽なシンフォニー~
2023年6月13日(火)19時開演 21時終演

ピアノ:北村朋幹
ヴァイオリン:郷古廉
チェロ:横坂源
打楽器:清水太 西久保友広 藤井里佳

<プログラム>
  • ベートーヴェン:交響曲第2番 二長調 作品36(ピアノ三重奏用編曲)
  • ショスタコーヴィチ(テレヴィアンコ編曲):交響曲第15番 イ長調 作品141bis(ピアノ三重奏と13の打楽器用編曲)
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実に濃密かつ楽しい時間でした。
左サイド、前から2列目という席。
演奏を楽しまれている演奏者の様子も、よくわかりました。

ベートーヴェンから、
「豊かな響きに包まれる」感覚に酔いました。
3人の息の合いっぷり、スケールの大きさに感服です。

ショスタコーヴィチで打楽器が入ると、もう祝祭感満載♪といった感じ。
リズム感、迫ことができて、
第1楽章、ウィリアムテル序曲のテーマがあちこちに出て来て、楽しいったらありません。
打楽器群が抜けた、メロディアスな楽章もあり、どんどん景色が変わっていきます。
「兵士の物語」も思い出しました。

拍手鳴りやまず、カーテン・コールは4回だったか、5回だったか。
演奏者たちの笑顔が、充実した演奏を象徴していました。
お目当てだった北村君、鉄仮面の印象がありますが、今日は頬が緩みっぱなし。

注目のピアノ椅子はごく普通(スチール椅子の積み重ねではない)でした。
ピアノの横に斜めにチェレスタが置かれているのが目をひきましたが、
ショスタコーヴィチの最終盤では、体の向きを変えることで、ピアノ&チェレスタ2台使い演奏を披露していましたよ。
CMGのホームページを見ると、この企画を立てたのは北村君のよう。
彼にとって、会心の夜となったのでは。
その場に居合わせることができてラッキーでした。

サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)

葵トリオ ピアノ三重奏の世界
~7年プロジェクト第3回

2023年6月9日(金)19時開演 21時終演
有料オンライン・リピート配信で視聴

<出演>
ピアノ三重奏:葵トリオ
  • ピアノ:秋元孝介
  • ヴァイオリン:小川響子
  • チェロ:伊東裕
<プログラム>
  • ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 作品1-3
  • ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調
  • ラフマニノフ:『悲しみの三重奏曲』第2番 ニ短調 作品9(1907年版)
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平日の19時からLIVEで配信を視聴するというのは、主婦業も担う者には至難の業です。
ということで、今日になってやっとリピート配信で視聴しました。

7回シリーズの1回目2回目、と続けて聴いてきましたが、
今回も期待にたがわぬアンサンブルでした。

ベートーヴェンは作品番号1。
短調ではありますが、ピアノの音色のキラキラ感が印象的でした。

ドビュッシーも、学生時代の作で、プログラム・ノートによると、長らく楽譜が行方不明になっていて、1986年にやっと出版されたという作品とのこと。つい最近のことではありませんか!
確かに、ドビュッシー独特の皮肉っぽさというか、ひねくれた感じのない、
若者らしい素直さ、のびやかさが表れている曲のように感じました。

ラフマニノフも作品9。
チャイコフスキーが亡くなったことを悼んで作曲されたといいますが、それは1893年のこと。
ラフマニノフは1873年生まれですから、20歳ごろの作品ですね。
こちらはまさに慟哭を聴くようでした。

いろいろな曲想が楽しめる、バランスのよいプログラムでした。
リピートできるうちに楽しませていただきます。

2023年5月21日(日)15時開演 16時15分終演
@西巣鴨 西方寺

クラリネット:東 紗衣
ヴィオラ:杉田 恵理
ピアノ:守重 結加

<プログラム>
  • モーツァルト:三重奏曲「ケーゲルシュタット」(Cl&Va&Pf)
  • ブリッジ:2つの小品 Pensiero & Allegro Appassionato(Va&Pf)
  • ドビュッシー:ベルガマスク組曲より「月の光」(Pf)
  • フィンジ:5つのバガテル(Cl&Pf)
  • ブルッフ:8つの小品より No.1, 2, 7(Cl&Va&Pf)
アンコール
  • 武満 徹:映画「写楽」より 青春群像(Cl&Va&Pf)
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静かなお寺という環境で、少人数の聴衆だけの室内楽コンサート。
コンサートのタイトルどおり、新緑も目に鮮やかで、大変気持ちのいい時間を過ごしました。

休憩なし1時間ちょっと、という時間も、
日曜昼間の、親密な空間でのコンサートにちょうどいい感じでした。

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冒頭のモーツァルトも素敵でしたが、
時間とともに、アンサンブルもどんどん調子を上げていきました。
「月の光」、繊細な音楽に、ため息が出ました。

最後のブルッフが見事でした。
曲ごとに、いろいろな景色が見えました。
いつか、8曲すべて聴いてみたいです。

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2023年3月28日 [火] 19:00開演  20:45終演
@東京文化会館 小ホール

ヴァイオリン:金川真弓、山本翔平
ヴィオラ:佐々木 亮
チェロ:横坂 源
ピアノ:三浦謙司

<プログラム>
シューマン作曲
  • 幻想小曲集 op.88
  • ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 op.63
  • ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44
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(上記画像は音楽祭ホームページより拝借)
極上のアンサンブルを楽しみました。
楽器の音色が響き合う、溶け合った空間に身を浸してきた感覚。
なんと美しく響いていたことか。
かつ、個々の楽器同士のやりとり、掛け合いの一つ一つがくっきりと見えました、聴こえました。

シューマンの音楽づくりの成せる技なのか、
演奏者のテクニック、心の成せる技なのか、
おそらくは、その相乗作用。

拍手、なりやまず。カーテンコールは5回だったかな?
なんとか公演終了に持っていくべく、会場の電気が「これで終わり!」とばかりに点灯。

すてきな時間をありがとうございました。

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紀尾井レジデント・シリーズⅠ
葵トリオ(第2回)

2023年2月3日(金)19時開演 21時5分終演
@紀尾井ホール

ピアノ:秋元 孝介
ヴァイオリン:小川 響子
チェロ:伊東 裕

<プログラム>
  • シューマン:ピアノ三重奏曲 第2番 ヘ長調 op.80
  • ショパン:ピアノ三重奏曲 ト短調 op.8
  • メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 op.49
アンコール
  • シューマン:ピアノ三重奏曲 第1番 第2楽章
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アンサンブルの魅力、妙技、炸裂!
そんなコンサートでした。

ロマン派どっぷり、のプログラムは、シューマンを3年間3公演のテーマとするシリーズの第2回目。
葵トリオは、サントリーホールの7年プロジェクト(→2022年7月の記事)もありますし、実に精力的に活動されてます。
今日のプログラムでは、前半から後半へと気分を切り替えるために、3人揃って衣装も変えた、と最後のスピーチで明かされていました。
前半はブルー&グリーン系、後半は赤、という切り替え、かっこよかったです。

シューマンとショパンは、じっくり聴くのは初めてでした。
シューマンは、素直で温かい雰囲気の曲。
37歳の作ですが、この頃って、精神的に安定していたんでしょうか。
ショパン、ロマンチックでした。
ワルシャワ音楽院在学中、18歳での作曲って、天才の面目躍如ですね。

メンデルスゾーンは、まさに「めくるめく」気分でした。
一流のアンサンブルって、こうなるのか……と納得、興奮。

アンコール、難しいリズムなのに、
当然のごとく、さっとその世界に入っていけることにも感服いたしました。

本日はCD販売、サイン会も行われるとのことで、終演後のロビーもにぎわっていた模様。
ぜひまた聴きたいと思いました。

新進演奏家育成プロジェクト リサイタル・シリーズ TOKYO120
東 紗衣 クラリネット・リサイタル

2023年1月25日(水)19時開演 21時終演
@東京文化会館 小ホール

クラリネット:東 紗衣
ピアノ:守重 結加
パーカッション:大家 一将

<プログラム>
  • ミヨー:クラリネットとピアノのためのソナチネ
  • ストラヴィンスキー:3つの小品
  • サロネン:夜の歌
  • シュトックハウゼン:小さなハルレキン
  • オネゲル:クラリネットとピアノのためのソナチネ
  • 坂東祐大:上手にステップが踏めますように(2022)for clarinet and percussion(東紗衣 委嘱作品・改訂初演)
  • ヒンデミット:クラリネットとピアノのためのソナタ
アンコール
  • M.レーガー作曲 ロマンス


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意欲的なプログラム。
共演者、新曲作曲者も含めて、熱い思いの伝わるリサイタルでした。

リズム、が印象的でした。
度肝を抜かれたのがシュトックハウゼン。
「踊るクラリネット奏者のために書かれて」いるとの解説でしたが、まさに。
衣装も、カジュアルというか、サイケデリックなものに着替えて、舞台狭しと動き回り、バレエっぽいポーズをとりながら、あるいは寝そべりながら、楽器を吹く姿に圧倒されました。

ピアノとのアンサンブルは絶妙の美、
パーカッションとは丁々発止、という感じで、どちらも楽しめました。
クラリネットのソロもありましたし、よく練られたプログラム。

現代曲では、キェーッとでもいうような甲高い音が連続するパターンが多いので、
アンコールで、しっとりメロディアスな音を聴いて、ほっとしました。
演奏者も「寒いので、最後に暖まってからお帰りください」と言われてましたが、まさに。

直前に思い立って足を運びましたが、行ってよかったです。

2023年1月9日(月・祝)13:30開演 15:40終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

ヴァイオリン:前橋汀子
チェロ:堤剛
ピアノ:藤田真央

<オール ベートーヴェン(1770-1827)プログラム>
  • ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調「春」op.24    第1楽章アレグロ、第2楽章アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ、第3楽章スケルツォ:アレグロ・モルト、第4楽章ロンド:アレグロ・マ・ノン・トロッポ

  • チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 op.69   第1楽章アレグロ・マ・ノン・タント、第2楽章スケルツォ、アレグロ・モルト、第3楽章アダージョ・カンタービレ―アレグロ・ヴィヴァーチェ


  • ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調「大公」op.97   第1楽章アレグロ・モデラート、第2楽章スケルツォ,アレグロ、第3楽章アンダンテ・カンタービレ・マ・ペロ・コンモート、第4楽章アレグロ・モデラートープレスト
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まず、ベートーヴェン、さすがだ、すごい!と思いました。
今さらではありますが、ほんと、みんないい曲だなあ、と。

特に、後半のトリオがよかったです。
3つの楽器の音色のバランスが絶妙でした。
音数の多いピアノ、弦楽器の音量に合わせて実に繊細でありながら、すべての音がクリアに響くって、まるでマジックかと思いました。
真央君が他の楽器の音をとてもよく聴いているということが、音楽からも、身体の動きからも伝わってきて、感銘を受けました。

前半のデュオは、ちょっとぼわ~っとしてる感もあったのですが(たぶん、バリバリ弾く若手の演奏を聴き慣れてしまったせい)、いぶし銀の魅力、ともいえるでしょうか。
トリオでは、特にピアノが音楽に推進力を持たせていたと思います。
真央君、巨匠の技!と思いました。

堤氏、ひたすら真央君を立てていて、舞台に出るのもはけるのも、真央君の後。
一方、P席に向けたカーテンコールでは、堤氏の姿を隠してしまっているピアノの蓋をさっと真央君が閉める、という一幕も。
真央君、こんな気遣いもできるんですねえ。さすが。
ショッキング・ピンクのドレス姿の前橋さん、相変わらずあでやかでしたが、さすがにハイヒールではありませんでした。

そうそう、ピアノの譜めくりを担当されていたのが、ピアニストの松田龍さんだったと思いますが、シュっとされていて、かっこよかったです。

クラシック音楽が世界をつなぐ~輝く未来に向けて~
『煌めくガラ・コンサート』

選ばれし若手実力派アーティストが贈る
一夜限りのスペシャル室内楽
ガラ・コンサート in 銀座

2022年12月9日(金)19時開演 21時半終演
@王子ホール

藤本高輝(ギター)
米良美一(カウンターテナー&司会)
高木綾子(フルート)
加耒徹(バリトン)
千田悦子(ハープ)
石上真由子(ヴァイオリン)
尾池亜美(ヴァイオリン)
深見まどか(ピアノ)
周防亮介(ヴァイオリン)
田原綾子(ヴィオラ)
海野幹夫(チェロ)
松本和将(ピアノ)

矢部華恵(司会)

<プログラム>
  • 武満徹編曲:ギターのための12の歌より「シークレット・ラブ」「星の世界」藤本
  • ヘンデル:「メサイア」より”彼は軽蔑され” 米良&藤本
  • パガニーニ:「カンタービレ」高木&藤本
  • フランセ:フルート、ハープと弦楽三重奏のための五重奏曲第1番 高木・千田・石上・田原・海野
  • メンデルスゾーン:歌の翼に 加耒&千田
  • カッチーニ:アヴェ・マリア 加耒&千田
  • ジョルダーニ:カーロ・ミオ・ベン 加耒&千田
  • フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調  尾池&深見
  • ブラームス:ピアノ五重奏曲 変短調  周防・石上・田原・海野・松本
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文化庁の支援を受けた事業とのこと。
一流のアーティストが12名大集合という楽しさでした。
このメンバーが集ったのは今夜限りとのことですが、
「キャラバン」というだけあって、全国13地域21公演が行われているようです。

冒頭のギターの音色に胸キュン。
選ばれた12名、皆様さすがの存在感、朗々たる音色でした。
前半は短めの、ソロやデュオを中心に、
後半は重量級、本格派室内楽、というプログラムも上手い♪

最後のブラームス、どんどん熱量が上がっていって、曲が進んでいくとともに一体感もマシマシ。
みごとなオオトリでございました。

楽しきかな♪のコンサート。誘ってくれた友人に感謝🥰

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スーパーソリスト達による秋の特別コンサート~2022~
室内楽の夕べ Chamber Music Evening

2022年11月28日(月)19:00開演 21:20終演
@サントリーホール

樫本大進(ヴァイオリン)
赤坂智子(ヴィオラ)
ユリアン・シュニッテル(チェロ)
藤田真央(ピアノ)

<プログラム>
  • モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K.478  (第1楽章 アレグロ 第2楽章 アンダンテ 第3楽章 アレグロ・モデラート)

  • メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.49(第1楽章 モルト・アレグロ・アジタート 第2楽章 アンダンテ・コン・モート・トランクィロ 第3楽章 スケルツォ、レッジェーロ・エ・ヴィヴァーチェ 第4楽章 フィナーレ、アレグロ・アッサイ・アパッシオナート)


  • ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 Op.25 (第1楽章 モアレグロ 第2楽章 インテルメッゾ、アレグロ・マ・ノン・トロッポ   第3楽章 アンダンテ・コン・モート 第4楽章 ジプシー風ロンド、プレスト)
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至福の時間でした。
すべての楽器の美しい音が、どんな楽想においてもかき消されることなく、絶妙のバランスで耳に届きました。
まさにマジック。

ピアノって、弦楽器の音色と混じり合うのが難しい、、、と感じること多々だったのですが、
真央くんのピアノは別物です。
いったいどうやったら、あんな音色が出せるものやら。

本日、真央くんの誕生日とのことですが(祝💛24歳)、特にサプライズ等はありませんでした。
そして、そういう姿勢も好ましく思いました。
アンコールもナシでしたが、それも物足りないとは感じない、充実のプログラムでした。

素晴らしい音楽が生まれる場に立ち会えたことに感謝。

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~Joy of Music シリーズ~
田崎悦子ピアノリサイタル[第4回]
Joy of Bartók (ジョイ オブ バルトーク)
Piano Festival in 八ヶ岳 20周年記念コンサート

2022年11月6日(日)14:00開演 16:00終演
@東京文化会館小ホール

ピアノ:田崎悦子
ヴァイオリン:城所素雅
パーカッション:柴原誠・大場章裕
ピアノ(第2部):藤川天耀

<プログラム>
第1部:ピアノソロ(ベラ・バルトーク作曲)
  • 「子供のために」 Sz. 42, BB53(1908-09, 1945改訂)より
  • 「14のバガテル」作品6, Sz. 38, BB50(1908)より
  • ハンガリー農民歌にもとづく即興曲 作品20, Sz. 74, BB83(1920)
  • 組曲「戸外にて」Sz. 81, BB89(1926)全5曲

第2部:chamber music(ベラ・バルトーク作曲)
  • ヴァイオリン・ソナタ 第2番 Sz. 76, BB85(1922)
  • 2台のピアノと打楽器のためのソナタ Sz. 110, BB115(1937)
アンコール:ピアノソロ
ショパン:マズルカ 作品67-4 イ短調

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投稿のタイミングを逸して、1週間遅れとなりました。
バルトークだけのコンサートというのは初めてでしたが、
よく練られた構成で、飽きることなく聴けました。
プログラム・ノートに記された、田崎氏自身のバルトークにまつわるアメリカでの体験談も大変興味深く読みました。

八ヶ岳での若者向けセミナー20周年ということで、
指導を受けたOB,OG,ならびに今の受講生が舞台上に並び、スピーチや花束贈呈をする時間帯がありましたが、これはあんまりスマートじゃない気も。
(そんな受け取り方をする私の方がひねくれ者なのかもしれませんが💦)

とはいえ、若者に貴重なセミナーの機会を提供しつづけるとともに、
挑戦的なプログラムのコンサートを開催しつづける田崎氏、お見事である。

2022年9月2日(金)19時開演 21時15分終演
@すみだトリフォニー小ホール

Bouquet des Tons (音の花束アンサンブル)
フルート:齋藤佐智江
ヴァイオリン:飯島多恵
チェンバロ:猿渡紀子

(ゲスト)チェロ:夏秋裕一

<プログラム>
  • C.フランク:アヴェ・マリア
  • G.Ph.テレマン:四重奏曲 協奏曲 第1番 ト長調 TWV43:G1
  • J.S.バッハ(高橋喜治 編曲):「音楽の捧げものBWV1079」より リチェルカーレ
  • J.S.バッハ:「音楽の捧げものBWV1079」より トリオ・ソナタ
  • J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番より プレリュード(Vc)
  • 高橋喜治 :「Bouquet des Tons」より 桜 (Fl, Vn, Cemb)
  • 高橋喜治 :海と私(Fl, Vn, Cemb)
  • J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第5番 二長調 BWV1050
(アンコール)
  • M.ラヴェル(高橋喜治 編曲):ボレロ
  • 日本歌曲『椰子の実』
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30周年!の想いのこもったコンサートでした。
プログラム冊子には、今までの歩みを振り返る懐かしの写真なども。

私が何十年ぶりかでピアノのレッスンを再開したとき、
初めてアンサンブルを習ったとき、
お世話になった先生方によるユニットなのです。
一時期はそのコンサートに、ずいぶん頻繁に足を運んでいました。(2005年~2015年
前回はいつだったか調べてみたら、2018年でした。

本格的な曲目が並ぶ本編と、
もう手の内に入っています!感に満ちた、楽しいアンコール
という曲目の構成がお見事です。

歴史、感謝、希望、祈り……
といった思いの伝わるコンサートを、気持ちよく楽しんできました。
御縁に感謝。

サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン
Suntory Hall Chamber Music Garden 2022

葵トリオ ピアノ三重奏の世界 ~7年プロジェクト 第2回

2022年6月8日(水)19時開演 21時10分終演
@サントリーホール ブルーローズ

ピアノ:秋元 孝介
ヴァイオリン:小川 響子
チェロ:伊東 裕

<プログラム>
  • ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第2番 ト長調 作品1-2
  • 細川俊夫:トリオ
  • フランク:協奏的三重奏曲第1番 嬰ヘ短調 作品1-1
アンコール
  • ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第3番 第3楽章メヌエット
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7年プロジェクトの第2回目、とのこと。
昨年はオンラインで聴きましたが、そのようなプロジェクトになったとは知りませんでした。
なるほど。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲を1番から順に、毎年ステージに載せるのですね。
アンコールは、「来年演奏予定の3番から」との曲紹介スピーチがありました。

サントリーホールの小ホール・ブルーローズは、平らな床に椅子を並べて客席とするため、後方席になると、ステージはほとんど見えない、ということになります。
……ということを知っていたので、発売開始とともにチケット購入。
その甲斐あって、前から2列目の中央の席がゲットでき、ステージの様子がしっかり見えました。

3人の音のバランス、絶妙なんですが、
演奏では、ほとんど目を合わせたりしないんですね。
空気を共有し、3人の世界を生み出している、という感じ。

衣装も、水色をテーマに3人で色調を揃えていてかっこいい。
伊東さんは休憩後にシャツの色を変えていました。
小川さんも、後半は肩についていたケープを外して登場。
こういうところも、トリオとして楽しくアレンジしているだろうなあ~と想像します。

ベートーヴェンもフランクも、作品番号1。
解説によると、「最初の作品でも最初に出版された曲でもない」とのことですが、
ともに40分ぐらいかかる大曲で、スケールの大きさに圧倒されました。

細川俊夫氏、会場にもみえていました。
「シャーマン(預言者)」の世界を映し出す(解説による)とのことで、まさに幽玄の世界。
3人の息が合うのがマジックのようでした。

会場集中度も高く、曲間ごとに「ほう~っ」というため息が漏れていました。
聴き手を集中させてしまう力を持つトリオです。

ミューザ川崎・ホリデーアフタヌーンコンサート2022前期

2022年4月3日(日)13時半開演 15時20分終演
@ミューザ川崎シンフォニーホール

バンドネオン:三浦一馬
ソロ・ヴァイオリン:石井泰尚
ピアノ:山田武彦
ほか
コントラバス2名、ギター1名、ドラム・パーカッション1名、ヴァイオリン6名、ヴィオラ2名、チェロ2名

<オール・ピアソラ・プログラム>
編曲/オーケストレーション:三浦一馬
  • フーガと神秘
  • デカリシモ
  • リベルタンゴ
  • エスクアロ(鮫)
  • 悪魔のロマンス
  • アディオス・ノニーノ
  • タングアンゴ
  • ブエノスアイレスの春
  • ブエノスアイレスの夏
  • ブエノスアイレスの秋
  • ブエノスアイレスの冬
アンコール曲3曲
  • ツィガーヌ・タンゴ
  • ビオレンタンゴ
    アレグロ・タンガービレ
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去年はピアソラの生誕100年記念年、
そして今年は、ピアソラ没後30年の記念年なのですね。

チケット完売とのことで、ほんとに4階席までいっぱいの聴衆の方々にびっくり。
ヴァイオリンの石田さんの動員力?はたまた、三浦くんの?

バンドネオン、こんなに大勢のオーケストレーションで聴くのは初めて。
ギターとバンドネオンの音色は、スピーカーで増幅していました。
ううむ。
個人的には、バンドネオンは、
もう少しこぢんまりした空間で、少人数編成で聴く方が好みです。
大人数だと、タンゴらしい「溜め」というか、土臭さ、濃厚さが、ちょっと拡散気味になるような。

指揮台の位置に、三浦君が客席を向いて坐って演奏。
出入りのしかたも指揮者と同様で、他のメンバーと一線を画している印象。
オケは、完全に石田氏が仕切っておられました(客席へ向けての礼とか、出入りとか)。
団体行動必須!という雰囲気が、ちょっと音楽とかけ離れているように感じて私には違和感。
でも、こういう雰囲気が大好きな方々も大勢おられるようでした。

いろいろなコンサートがあるんだなあ、と思いました。
(今年、人生初で「シリーズセット券」なるものを購入したので、たまたまそのシリーズに入っていたコンサートに足を運んだ次第です。)

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