PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ:【音楽コンクール】 > エリザベート王妃国際音コン(チェロ)

ファイナル途中で興味はクライバーンに移ってしまった私ですが、
遅ればせながら結果(6月4日に発表)だけ貼っておきます。

first prize
Hayoung Choi Korea, °1998

second prize
Yibai Chen China, °2001 

third prize
Marcel Johannes Kits Estonia, °1995

fourth prize
Oleksiy Shadrin Ukraine, °1993

fifth prize
Petar Pejčić Serbia (Rep.), °2002

sixth prize
Bryan Cheng Canada, °1997
2022-06-08

母のけがで実家に滞在中、ちらちらと聴いた程度で、
たまたま聴けた方々はほとんどファイナルに残れず、しかも私の耳がチェロよりピアノにひきつけられてしまっていたので、特にコメントは残せません。。。
あ、3位のMarcel Johannes Kits君のファイナルを少し視聴しましたが、深紅のシャツが印象的でした(そんなコメントかい!💦)。

ファイナリスト12名は、これから順番にチャペルに隔離滞在(?)して、
ほかのコンテスタントと共同生活をしながら、ファイナル準備をすることとなります。

ファイナルの日程(日本との時差は7時間)はこちら
演奏曲目は、外部との接触を断った状態で渡されて1週間で仕上げる新譜(JÖRG WIDMANN作曲 Unpublished work)と、協奏曲(Brussels Philharmonic, 指揮Stéphane Denève)です。

ファイナリスト12名中、4名が韓国。
他はセルビア、ベルギー、エストニア、オーストリア、カナダ、ウクライナ、スイス、中国から1名ずつです。

演奏される協奏曲は、ドボルジャークが3名、
シューマン2名、ショスタコーヴィチの1番、2番も各2名、プロコフィエフも2名、
ルトスワフスキが1名です。


以下、ファイナルの日程に、演奏者のプロフィール抜粋などを加筆して載せます。


★2022年5月30日(月)20:00(日本時間翌日3:00~)

① Taeguk Mun Korea, °1994
協奏曲:ROBERT SCHUMANN Concerto in A minor op. 129
  • University of Southern California在籍
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはNoreen Polera
  • 2019年チャイコフスキー国際コンクール第5位等
② Petar Pejčić Serbia (Rep.), °2002
協奏曲:DMITRY SHOSTAKOVICH Concerto n. 2 in G major op. 126
  • HMT Felix Mendelssohn Bartholdy在籍
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはTatiana Chernichka
  • 2020年AENA Special Prize (2nd Prize), International Pablo Casals Competition等

★2022年5月31日(火)20:00(日本時間翌日3:00~)

③Stéphanie Huang Belgium, °1996
協奏曲:ANTONÍN DVOŘÁK Concerto n. 2 in B minor op. 104 B 191
  • Queen Elisabeth Music Chapel在籍
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはDana Protopopescu
  • 2021年Premier Prix, Concours International Societa Umanitaria de Milan等
④Marcel Johannes Kits Estonia, °1995
協奏曲:DMITRY SHOSTAKOVICH Concerto n. 1 in E flat major op. 107
  • Berlin University of the Arts マスター在籍
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストは薗田奈緒子
  • 2018年George Enescu competition (Romania)第1位等

★2022年6月1日(水)20:00(日本時間翌日3:00~)


⑤Jeremias Fliedl Austria, °1999
協奏曲:ROBERT SCHUMANN Concerto in A minor op. 129
  • ザルツブルクのモーツァルテウム在籍
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはVictor Santiago Asuncion
⑥Hayoung Choi Korea, °1998
協奏曲:WITOLD LUTOSLAWSKI Concerto
  • セミファイナルの最終演奏者(リサイタル)
  • University of Arts Berlin在籍
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはTatiana Chernichka
  • 2018年Krzysztof Penderecki Cello Competition第1位等

★2022年6月2日(木)20:00(日本時間翌日3:00~)

⑦Bryan Cheng Canada, °1997
協奏曲:ANTONÍN DVOŘÁK Concerto n. 2 in B minor op. 104 B 191
  • Universität der Künste Berlin卒業
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはSilvie Cheng
  • 2021年Geneva International Music Competition第1位等

⑧Oleksiy Shadrin Ukraine, °1993
協奏曲:SERGEY PROKOFIEV Symphony-concerto op. 125
  • Queen Elisabeth Music Chapel所属
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはDana Protopopescu
  • 2018年Prague Spring competition第3位等

★2022年6月3日(金)20:00(日本時間翌日3:00~)


⑨Woochan Jeong Korea, °1999
協奏曲:SERGEY PROKOFIEV Symphony-concerto op. 125
  • Hochschule fuer Musik Hanns Eisler Berlin、マスター在籍
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはJosé Gallardo
  • 2019年The 26th KBS & KEPCO Music Competition第2位等
⑩Samuel Niederhauser Switzerland, °1998
協奏曲:DMITRY SHOSTAKOVICH Concerto n. 2 in G major op. 126
  • Hochschule für Musik Basel (FHNW)在籍
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはJosé Gallardo
  • 2021年Guy Fallot Prize, Concours de Genève等

★2022年6月4日(土)20:00(日本時間翌日3:00~)

⑪Sul Yoon Korea, °1995
協奏曲:ANTONÍN DVOŘÁK Concerto n. 2 in B minor op. 104 B 191
  • University of Music Franz Liszt Weimar在籍
  • 予選、セミファイナルの共演ピアニストはYukie Takai
  • 2019年The Felix Mendelssohn Bartholdy Conservatory Competition第2位等
⑫Yibai Chen China, °2001
協奏曲:DMITRY SHOSTAKOVICH Concerto n. 1 in E flat major op. 107
  • 石坂団十郎(在ドイツ)に師事。
  • Highschool for Music FHNW Basel在籍
  • 予選、セミファイナルリサイタルの共演ピアニストは薗田奈緒子
  • 2019年チャイコフスキー国際コンクール第5位等
 
2022-05-22


動画視聴は「Watch & Listen」から。

セミファイナリスト24名は、とてもとても追えず、
本日の空き時間に聴いたのは、次の3名。

★森田啓佑くん(日本  1997年生まれ)
コンチェルトの時より、お顔の表情が明るくなったように見えました。
課題曲の新曲(DAAN JANSSENS :Wie aus der Ferne)は、不穏な空気感を色濃く伝える、集中度の高い演奏だったと思います。
音楽も表情豊かで、時間経過とともに調子もアップしていったように感じました。

★Constantin Heise くん (Germany, °2001)
ピアニストのYukie Takai さんの演奏を聴きたくて選びましたが、チェロも良かったです。
課題曲の新曲(DAAN JANSSENS :Wie aus der Ferne)、
無伴奏の「パガニーニの主題による変奏曲」ともに、切れのいい弓さばきと、雰囲気ある弱音が魅力的。
リサイタルの終演後は、聴衆も盛り上がっていました。
弾き姿が美しくて、コンチェルトも楽しんで弾いていた様子。
私にとっての注目株です。

★Min Ji Kim さん (Korea, °1995)
リサイタルの演奏で興味を惹かれて、コンチェルトも視聴してみました。
ハイドンの2番、第1楽章のカデンツァが渾身の演奏で聴かせていました。
全体的に粘り気を感じる演奏で、なるほど、こういうのもアリだな、と思いました。

でも、この曲といえば前回の岡本侑也君の演奏が白眉だと思う私。
さわやかな風が吹き抜けていくようです。
多くの方に聴いていただきたい。



セミファイナル、
ベルギー時間15時(日本時間22時)開始の部(前半)と、
ベルギー時間20時(日本時間翌3時)開始の部(後半)に分かれていて、
それぞれコンチェルトを2名が演奏後、リサイタルを他の2名が演奏するという形です。

朝5時ごろにアクセスすると、後半のリサイタル開始後間もなく、という感じで、
昨日同様、本日もこの時間帯が視聴できました。

Sul Yoon (Korea, °1995)
  • FELIX MENDELSSOHN Sonata n. 2 in D major op. 58
  • DAAN JANSSENS Wie aus der Ferne
  • CLAUDE DEBUSSY Sonata in D minor
  • CLAUDE DEBUSSY Minstrels (Préludes I)
Yukie Takai, pianist accompanist

ドビュッシーの2曲を聴きました。
テンポも音色もさまざまなのに、ピアノとチェロがぴったり合っていて驚嘆。
ミンストレルって、ピアノ曲ではなかった??
Yukie Takaiさん、今回のセミファイナル初日に Constantin Heise (Germany, °2001)と、
2017年にも、セミファイナリストのJonas Palm(Germany, °1993)と共演されています。

Yibai Chen (China, °2001)
  • DAAN JANSSENS Wie aus der Ferne
  • GYÖRGY LIGETI Sonata for Solo Cello
  • FRYDERYK CHOPIN Sonata in G minor op. 65
Naoko Sonoda, pianist accompanist

チェロよりピアノの方に注意がひきつけられてしまいました。
薗田奈緒子さんは、ほかにAnton Spronk (The Netherlands, Switzerland, °1994)、
Marcel Johannes Kits (Estonia, °1995)とも共演されます。
セミファイナルのリサイタル・プログラムは、やはり2種類用意されていて、どちらを演奏するかは演奏日の前日に指定されるとのこと。いやはや、共演者も大変ですね。

(薗田さんとチェロの生演奏を聴いたことがあるのを思い出しました→2018年9月

昨日夜と今朝がた、LIVEで聴けた3人全員、偶然にも女性でした。
(本当は森田啓佑さんを目指していたのですが、出遅れてしまい、後半だけに……ちょっと重たかった感があるかも)

 Stéphanie Huang (Belgium, °1996)
  • JOSEPH HAYDN Concerto n. 2 in D major Hob. VIIb:2
Orchestre Royal de Chambre de Wallonie, dir. Vahan Mardirossian

伸びのある、耳に心地よい演奏。
時折楽しそうに微笑むキュートな表情も好感度大。
会場盛り上がってるなあ……と思ったら、地元ベルギーの方ですね。


 Anouchka Hack (Germany, °1996)
  • NADIA BOULANGER 3 Pièces
  • JOHANNES BRAHMS Sonata n. 2 in F major op. 99
  • DAAN JANSSENS Wie aus der Ferne
  • GASPAR CASSADÓ Dance of the green devil
Victor Santiago Asuncion, pianist accompanist

深紅のドレスで、大人の雰囲気。
共演ピアニストの方の"エスニック・シャーマン"のような雰囲気(失礼💦)もあいまって、独特の世界観を垣間見たように感じました。
ピアニストの方、2019年ヴァイオリン部門の公式accompanist でもいらしたのですね。
(The Filipino-American pianistであられました。長髪の今とはずいぶんと雰囲気が違っていて、びっくりですが。)
今回2022年の共演ピアニストについては、発表なしなのでしょうか(私の探し方が下手なだけ?)。


 Min Ji Kim (Korea, °1995)
  • DAAN JANSSENS Wie aus der Ferne
  • ROBERT SCHUMANN Adagio and Allegro op. 70
  • BENJAMIN BRITTEN Sonata in C major op. 65
  • ANTONIO BAZZINI La ronde des lutins op. 25
Tatiana Chernichka, pianist accompanist

セミファイナリスト24人のうち、韓国からの参加が5人ってすごいです。
Min Jiさん、第1曲目の課題新曲、第1音目が美しくてハッとしました。
こういうのって、とっても大事だと思います。
こちらの共演ピアニストは、若々しく見える女性なのに、安定感と疾走感バッチリ。
ググってみたら、2013年ピアノ部門のファイナリストでした。
複数のコンテスタントと組んでいるので、今回の公式accompanistかもしれません。


ピアニスト、日本人のお名前も散見しています。
前回2017年のチェロ部門で注目した、薗田奈緒子さん のお名前は、今回も。

森田啓佑さん、セミファイナルに進出です。

2022-05-15 (4)

セミファイナルは、下記をそれぞれ別の日に演奏する形となります。
  • ハイドンの協奏曲
  • リサイタル

森田さんの演奏スケジュールは次のとおり。
  • 5月17日(火)15時(日本時間22時)~ ハイドン チェロ協奏曲 No.2
  • 5月20日(金)21時半ごろ?(日本時間21日4時半ごろ?)~ リサイタル
リサイタルの曲目は、未発表。
昨年(ピアノのコンペティション)では、2種類のプログラムを用意するように言われ、
そのどちらを演奏するかは直前(2日前だったか?)になってから指定される、という方式でしたが、チェロも同様なのでしょうか。
今のところ、課題曲である委嘱新曲(楽譜は事前配布)の
  • DAAN JANSSENS作曲  Wie aus der Ferne
だけが、演奏曲目として記載されています。

動画視聴は「Watch & Listen」から。
ファイナルに進めるのは、24人中12名。
ファイナリストは、21日夜(日本時間22日早朝?)に発表予定です。

日本人コンテスタントのお二人とも、第一次予選の演奏は終えられています。
森田さんについては、演奏動画、音声のアーカイブが視聴できます。
藤原さんのものも、もうすぐアップされるものと思われます。


森田啓佑さん

https://concoursreineelisabeth.be/fr/candidats/keisuke-morita/5094/
★演奏曲目 (09/05/2022) 
LUIGI BOCCHERINI Sonate en sol majeur G. 15
EUGÈNE YSAŸE Grave (Sonate pour violoncelle seul en ut mineur op. 28)
PAUL HINDEMITH Phantasiestück op. 8
★共演者
Anna Naretto(
ピアノ)、Karel Steylaerts(チェロ)


藤原秀章さん

https://concoursreineelisabeth.be/fr/candidats/hideaki-fujiwara/5094/
★演奏曲目(11/05/2022) 
LEOS JANÁCEK Con moto - andante - Con moto - adagio (Pohádka)
EUGÈNE YSAŸE Grave (Sonate pour violoncelle seul en ut mineur op. 28)
LUIGI BOCCHERINI Sonate en ut mineur G. 2
★共演者
Karel Steylaerts(チェロ)、Yukino Kaihara(ピアノ)

 
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Live演奏、アーカイブ動画がまとめて見られるのは、こちらのサイトです。

日程を6月に後ろ倒しして開催されます(例年は5月)。
6月4日から、とのこと。
公式サイト


日本からの参加は、既にプロとして活動中の実力派のお二人です。
  • 藤原秀章くん(1994年生まれ)
  • 森田啓佑くん(1997年生まれ)
参加者は総勢68名。
アメリカ、韓国からのコンテスタントが一番多くて10名、とのこと。
前回のチェロ部門は2017年開催で、岡本侑也君が2位に入った年かと思うと、感慨深いです。

2022-03-11

また、3月8日には、ロシアのウクライナ侵攻についてのメッセージが発信されていました。
一部だけ抜き出してみます。

Artists from all over the world have always found a warm welcome here, even in the toughest days of the Cold War.

米ソ冷戦時代を振り返り、コンクールとしては政治的立場をとらないと明言。

Since its inception, the rules of the Competition have stipulated that “a candidate cannot be rejected on any ideological, linguistic, political, religious, or racial basis." All young artists will be welcomed, whatever their nationality.

コンクールの歴史と理念に基づく、主催者の矜持を感じます。
「思想的、言語的、政治的、宗教的、人種的」な理由で拒絶することはない。
すべての国籍の若者を歓迎する。

We truly hope that the musicians and audience members who will soon join us at the Competition will contribute, each in their own way, to spreading those values, in a spirit of mutual respect and non-violence.

最後には、参加者だけでなく、コンクールの聴衆にも言及。
文中の「those values」とは、前段落の「the arts must continue to unite people around universal values such as peace, justice, and freedom.(芸術は、平和、正義、自由といった普遍的な価値観で人々を結び付けていくものだ)」というもの。
聴き手側も、各自のやり方で世界平和に貢献できるはずだ、という主張につなげています。

なんだか、背筋が伸びる思いがしました。
こういう発信ができる力って、すごいと思います。

エリザベート王妃国際音楽コンクール2017 チェロ部門(初開催部門)
結果が出ました。→ Queen Elisabeth Competition 公式ホームページ
(追記:岡本君の演奏リンクを追加しました)
  1. First Prize : Victor Julien-Laferrière
  2. Second Prize : Yuya Okamoto
  3. Third Prize : Santiago Cañón-Valencia
  4. Fourth Prize : Aurélien Pascal
  5. Fifth Prize : Ivan Karizna
  6. Sixth Prize : Brannon Cho
ずっと聴いて応援してきた岡本侑也くん、第2位入賞です! 
おめでとうございます。
全ラウンド聴きましたが(→拙記事の エリコン(6)エリコン(14)
どの局面においても理知的で、内面的にも深い、語り掛ける音楽だったと思います。

岡本くんの演奏はこちら↓で視聴できます。
第一次(音声データ)
第二次リサイタル 第二次コンチェルト 
ファイナル

第1位の Victor Julien-Laferrière君(フランス)は、たまたま全く聴いておらず、
コメントできません。。。
第3位のSantiago Cañón-Valencia君(コロンビア)はファッションも個性的で、
メディアからも注目されていた印象。
個人的には、第6位のBrannon Cho君(米国)の音色にも惹かれていたので、
彼も入賞して嬉しいです♪

岡本君2位のニュース、既に山手線車内掲示板に速報で出たとのこと(妹からの連絡に感謝)、
これから人気が出て、演奏会のチケットがとりにくくなることを恐れる私です。。。

画像は表彰式中継ビデオから切り出したもの。1位のVictor君と語り合う岡本君。
1位から順に発表していく方式には、ちょっとびっくりしました。


2017-06-04 (4)

岡本侑也くんのファイナル、LIVEで聴きました。
テレビ局のストリームは快適だったのですが、
最終盤、ドヴォルザーク協奏曲の最後の方で突然映像が切れてしまい、びっくり。

(追記:ファイナルの録画→公式ホームページVIDEO。UPまでに時間かかりますが)

実は、岡本君の前のJeongHyoun (Christine) Leeさん、
課題曲(細川俊夫「Sublimation」)の途中でチェロの弦が2本も切れてしまうというアクシデントが発生した模様。岡本君登場前の休憩時間に、スタジオにリーさんを呼んでこの話をしていて、切れたときの映像も流れていました。そんなこともあって、時間が押していたのだろうと思います。
コンクールにおいても、いろいろ起こるものですねえ。
リーさん、アクシデントに見舞われたステージ上でも、スタジオのインタビューでも、キュートな笑みを絶やさず、焦らず優美に対処していました。今後、人気者になる予感。。。

さて、岡本君。

細川氏の新曲、初めて全曲通してちゃんと聴きましたが、
仏教のお経を唱える時に使うお椀形の鐘(たぶん)とか、拍子木(たぶん)も登場。
いろんな音を「昇華」する音楽、という意味も込められているのでしょうか。
チェロの演奏技法も、さまざま取り入れられているようで、
幽霊チックな音色を出したり、ピックで弾いて野太い音を出したり、
さすがはチェロのコンクール用に作曲された曲……と思いました。

岡本君、冒頭の幽霊に始まって、次々にさまざまな音色を繰り出していましたが、
演奏しながら汗だくでした。
彼のこんな姿は初めて。
いつもクールに、何事もないかのように演奏している印象が強い彼です。
新曲それも現代曲をたった1週間で自分のものにするって、大変なのでしょうねえ。

続くドヴォルザークの協奏曲は、いつものごとく崩れや乱れのない、高貴な演奏。
演奏後の会場動画では、(TV画面が切れた後、慌ててコンクールのホームページで視聴)
観客のスタンディングオベーションも見えました。
ただ、
昨日のカンさんのような、渦巻くパワーにエトス!といった迫力は足りなかったかなあ。
とはいえ、現代曲もドヴォルザークも、
チェロ1本になるカデンツァ部分は、ここぞとばかりに聴かせていました。お見事!

テレビでは、演奏前にコンテスタント紹介動画も流れたのですが、
岡本君のインタビューは流暢なドイツ語で、字幕はフランス語。
ほとんど何もわからず。。。演奏前にはチョコレートを食べて集中力を高めるらしい??
下記画像はそのインタビュー動画の一部です。

53



ほとんど聴いていないのですが、
今朝5時ごろ、試しにアクセスしてみたら、韓国ベテラン女性のSeungmin Kangさん、LIVE中継中でした。
ファイナリスト12名中、6番目の演奏者。
ファイナルも折り返し点となりました。

演奏はドヴォルザーク協奏曲の終盤で、朗々と響く堂々たるもの。客席はスタンディング・オベーションの嵐。
彼女、リサイタルでも常に渾身、迫力の演奏という印象でしたが、オーケストラと合わせるとなると、音量が出るのは強みですね。

明朝、同じ時間帯、同じドヴォルザークで、岡本君登場の予定です。

細川俊夫氏の「Sublimation」も録画で聴きましたが、チェロを琵琶のように搔き鳴らしたり、拍子木を打つような打楽器音が入ったりと、日本風の趣も感じました。
岡本くんがとんな音色を創り出すのか、楽しみです。

ファイナルの課題曲となる新曲が発表されました。

細川俊夫氏の作曲による「Sublimation」。→公式News

なんと日本人作曲家の作品でした! 
Sublimationは、昇華という意味のようですが、
日本的なムードなども取り入れているのでしょうか?
楽しみです。

29日(日本時間30日3:00am)から始まるファイナルで、
ファイナリスト12人によって、ブリュッセル交響楽団との共演で演奏されます。
世界初演は、中国のSihao He君となりますね。

finalのスケジュールは、こちら→ 拙ブログ記事 公式ホームページ


2017-05-28

セミファイナル、遅ればせながら録画で聴いてみました。
今まで、ハイドンの協奏曲2番の演奏にあたることが多かったので、
今度はハイドン1番、ファイナリストの演奏をば。(全員じゃないですが)
演奏者によって曲の雰囲気が随分と変わることがわかって、おもしろうございました。

では、印象の覚え書き。。。

Santiago Cañón-Valencia(コロンビア1995) くん
長髪で、指輪をジャラジャラ嵌めている、個性派チェリストくん。
ファイナリスト発表の動画を見ていたら、カメラがやたら彼を映していました。
彼の演奏に対する会場の受けがよく、ファイナル進出を予測していたのではないかと。
もしかすると、マスコミ的にも本命なのでしょうか??
確かに、即興演奏、ロック・ミュージックも行けそうな、ビート感溢れる演奏でした。

Brannon Cho(米国1994) くん
非常に爽やかで端正な演奏。わたくし的には、とっても好感が持てました。
ハイドンに対する愛があふれているような。
後でリサイタルも聴いてみようと思います。

Ivan Karizna(ベラルーシ1992) くん
たいへん豊かな音で、流麗な演奏をします。
大柄な身体を揺すって、えくぼの笑顔で、楽しそうな弾きぶりです。
佐藤卓史くんとのリサイタルも聴きましたが、プロコフィエフソナタが秀逸でした。

ということで、3人とも、さすがはファイナリスト。レベル高いです。
こういう中で順位をつけるのって、大変でしょうねえ。つくづく。

上記とは関係ないのですが、
公式ホームページ、セミファイナルの写真集中の一枚に(タイトル"Planning")、
岡本君、三井君、上村さん、カンさんが話し合う様子を見つけたので、ここにUP。^^


Planning33068

ファイナルステージのタイムテーブルを書いておきます。
協奏曲の曲目とともに。(紫は女性コンテスタント)
協奏曲は、ショスタコーヴィチが6人、ドヴォルザークが4人、シューマンが2人。
セミファイナルと異なる曲なら何でもいいのですが、重なるものですね。

いずれも、ベルギー時間 20:00(日本時間 翌日3:00am)の開演。
世界初演となる新曲(10~15分)と協奏曲の二本立てで演奏されます。
岡本くんは、日本時間・金曜早朝の登場予定です。

  演奏動画→ VIDEO(公式ホームページ)  外部サイトLIVE中継

5/29月曜

1. Sihao He(中国1993) シューマンop.129

2. Brannon Cho(米国1994)ショスタコーヴィチ1番

5/30火曜

3. Yan Levionnois,(フランス1990)ドヴォルザーク2番

4. Aurélien Pascal(フランス1994)ショスタコーヴィチ1番

5/31水曜

5. Maciej Kułakowski(ポーランド1996)ショスタコーヴィチ1番

6. Seungmin Kang(韓国1987) ドヴォルザーク2番


6/1木曜

7. JeongHyoun (Christine) Lee(韓国1991)シューマンop.129

8. 岡本侑也(日本1994) ドヴォルザーク2番


6/2金曜

9. Bruno Philippe(フランス1993)ドヴォルザーク2番

10. Santiago Cañón-Valencia(コロンビア1995)ショスタコーヴィチ1番

6/3土曜

11. Victor Julien-Laferrière(フランス1996)ショスタコーヴィチ1番

12. Ivan Karizna(ベラルーシ1992)ショスタコーヴィチ1番

2017-05-22



ファイナリストは、以下の12名です。
  1. Santiago Cañón-Valencia(コロンビア1995) 
  2. Brannon Cho(米国1994) 
  3. Sihao He(中国1993) 
  4. Victor Julien-Laferrière(フランス1996) 
  5. Seungmin Kang(韓国1987) 
  6. Ivan Karizna(ベラルーシ1992) 
  7. Maciej Kułakowski(ポーランド1996) 
  8. JeongHyoun (Christine) Lee(韓国1991) 
  9. Yan Levionnois,(フランス1990)
  10. 岡本侑也(日本1994) 
  11. Aurélien Pascal(フランス1994)
  12. Bruno Philippe(フランス1993)

わあい!岡本君、残りました。.。゚+.(・∀・)゚+.゚
三井君、Valentino Worlitzsch君もよかったと思うのですが……残念。

たまたまですが、全く聴いていないコンテスタントが多いです。
そんな中、韓国の女性二人は聴きました。これもたまたまですが。
カンさんは、チャイコフスキー国際コンクールでも入賞する等、
華々しいコンクール入賞歴なのだとか(演奏後のインタビューで指摘されてました)。
とっても熱い演奏をされます。
リーさん、二次予選ではカンさんの次の登場で、コントラストを利かせた演奏という印象。
弾きぶりがチャーミングで、新曲課題曲が見事でした。

ファイナルの演奏順はくじ引きで、これからその演奏順に
 一日に二人ずつQueen Elisabeth Music Chapelに移動し、ファイナルに備えます。
いわば隔離ですね。隔離期間1週間。
このお屋敷に着いた時点で、課題曲(未発表の新曲)の楽譜が手渡されるというルール。
ファイナルでは、この譜読み能力、独力で音楽を作る能力も試されるわけです。
一つ屋根の下にいる間に、ファイナリスト同士の友情が育まれるという話も。。。

ファイナルは、5月29日(月)~6月3日(土)。
たいへん楽しみです♪
 
2017-05-21

セミファイナルの協奏曲、ハイドンかボッケリーニ、ということになっていますが
今まで、ボッケリーニに当たったことがありません。演奏するコンテスタント、何名なのでしょう。

ハイドンのチェロ協奏曲が大好きな私、おおいに喜んで聴いているのですけれど、
古典派の協奏曲って、やはり音程のズレ、音色の瑕疵が目立ちますね。
ちょっとした箇所で、おやややや、あららら、という演奏も結構あります。
リサイタルでは、共演ピアニストと共にリラックスして演奏していた人の
ナーバスな様子が見えたり……オーケストラが慣れた相手っていうのは無理ですものね。

今まで聴いたところでは、やはり岡本侑也(日本1994)くんの演奏が好き♪
リサイタルでは、曲が渋いせいもあって会場の反応いまひとつでしたが、
今回のハイドン協奏曲2番では、会場も大いに盛り上がっていました。
特に緩徐楽章の2楽章、音色が美しくてうっとり。

ファイナル、是非通ってほしいです。
(セミファイナルのアーカイブ動画→Video_Semi-final

同じハイドン2番では、
三井静(日本1992)くん(髪型・雰囲気が一新していてびっくり!)も、流麗な演奏でした。
LIVEで聴けたJeongHyoun (Christine) Lee(韓国1991)さんはメリハリが素敵だったかな。

調べてみたら、この3人の
他に、
Seungmin Kang(韓国1987)さん、 Victor Julien-Laferrière(フランス1996) くん、Alexey Zhilin(ロシア1987)くん、Irena Josifoska(セルビア・ハンガリー1996) さん、Christoph Heesch(ドイツ・日本1995) くん、Astrig Siranossian(フランス1988)さん、Maciej Kułakowski(ポーランド1996) くん、Anastasia Kobekina(ロシア1994) さん、Thomas-Michael Auner(オーストリア1990)くん、Valentino Worlitzsch(ドイツ1989) くんの合計12人がハイドン2番を選択していました。

それにしても、夜の視聴はストリームが途切れること多々。
うちのネット環境が悪いのか、視聴者が増えてきたのか、現地録画の関係なのか。。。
ファイナルは視聴者がもっと増えるでしょうから、視聴困難になるかもしれません。

画像は三井君のセミファイナル協奏曲演奏姿と、登録プロフィール写真です。

2017-05-20 (3)

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