PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ: 【音楽関係・雑記】

日本時間、8月10日(水)23時からライブ配信予定。
もうすぐです。




<プログラム>
Johann Sebastian Bach (1685–1750) II Partita c-moll BWV 826 (1726) Sinfonia Allemande Courante Sarabande Rondeaux Capriccio
Johannes Brahms (1833–1897) 4 Klavierstücke op. 119 (1893) Intermezzo h-moll Adagio Intermezzo e-moll Andantino un poco agitato Intermezzo C-dur Grazioso e giocoso Rapsodia Es-dur Allegro risoluto PRZERWA Fryderyk Chopin (1810‒1849) Scherzo h-moll op. 20 (1834–1835) Scherzo b-moll op. 31 (1836–1837) Scherzo cis-moll op. 39 (1839) Scherzo E-dur op. 54 (1842–1843)

2009年生まれのピアニスト、作曲家(→リサイタル記事
Tsotne Zedginidze君についてのインタビュー記事(ドキュメンタリー)が、ヴェルビエ音楽祭のアーカイブにアップされていました。(Op.1~4)
インタビュアーは、藤田真央くんとも共演していた、ヴァイオリニストのマルク・ブシュコフ氏。
Tsotne Zedginidze君とブシュコフ氏は、ツィナンダリ音楽祭で既に会い、演奏も聴いていたそうです。


Op.1  Being Tsotne

ピアノに初めて触れたのは5歳のとき。
妹とかくれんぼをしたりして遊ぶ、普通の子供だった。
今も普通の学校に通っていて(コロナ禍でオンラインだが)、友だちもたくさんいる。
母語はジョージア語。
英語は読む・書く・聞く・話す、すべてできる(このインタビューも英語)。
ロシア語も読める。ドイツ語、フランス語も勉強中。


Op.2  About Verbier

8歳の時に初めて聴衆としてヴェルビエ音楽祭に来た。
アルゲリッチなど、有名な音楽家たちに会えてうれしかった。
演奏するのは今年が初めて。

 
Op.3  The composer

6歳のときの即興演奏の動画を見せる。
8歳のときにシェーンベルクやウェーベルンの音楽を聞いて、12音技法を知り、学ぶようになった。
ツィナンダリ音楽祭では、ヴァイオリンとピアノのための作品をブシュコフ氏自身が聴いていたが、ピアノ・パートは楽譜なしで演奏しているのを見て驚いた。
このときの共演者のヴァイオリニスト・エリーザに勧められて行ったが、正解だったと、ブシュコフ氏は振り返る。
現在、Tsotne君は、初めてのオーケストラ作品(フル・スコア)を書いている、
すべてのコンサートは、5歳の時に亡くなった母に捧げるものだ、とのこと。



Op.4  Beyond music

音楽に限らず、文学も好き。ロシア、ウクライナ文学もよく読んでいる。
sarcasticで、グロテスクだが、インスピレーションが得られる。

2022-08-01

12歳(たぶん)とは思えないような内容で、ただもう舌を巻きました。
ヴェルビエには祖母とともに来ているとのことでしたが、お母様が既に亡くなられていたとは。
精神的に大人に見えるのは、こういった事情もあるのでしょう。
既に大物音楽家たちに目を掛けられている様子ですが、今後が楽しみです。


2022年10月27日(木)まで視聴可能

<プログラム>
  • ショパン:ノクターン Op. 48 No. 1 in C Minor
  •  Op. 48 No. 2 in F sharp Minor
  • ショパン:バラード No. 3 in A flat Major, Op. 47
  • リスト:バラード No. 2 in B Minor

  • ブラームス:主題と変奏 in D minor op. 18b
  • クララ・シューマン:3つのロマンス op. 21
  • ロベルト・シューマン:ピアノ・ソナタ No. 2 op. 22
  • 1. So rasch wie möglich
    2. Andantino. Getragen
    3. Scherzo. Sehr rasch und markiert
  • 4. Rondo. Presto possible, Prestissimo, quasi cadenza
(アンコール)
  • モーツァルト:Rondo for piano in D Major, K. 485
  • モーツァルト:Piano Sonata in C Major No. 16, K. 545
  • 1. Allegro
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プログラムを見て、「すごい重量級。本格派!」とびっくり。
で、演奏聴いて、「こりゃ、すごい!」と心底脱帽。
このプログラムで、最後に、あの軽やかなモーツァルトを聴いたら、もう聴き手としてはメロメロでございます。

冒頭、ショパンのop.48-1、今までにあらゆる名ピアニストの演奏を聴きましたけれども、その中でも私にとってのピカイチでありました。
気張ったり、無理したり、という箇所が皆無。
すべてが自然に流れていながら、テンポの揺れの大きさたるや!
音楽性とは、こういうことか!と思いました。
そのまま、集中力を切らさずにop.48-2へ。その気迫に、会場も呑まれた感じ。
とにかく、冒頭から凄まじい「吸引力」でした。

シューマンのソナタでは、第1楽章の演奏後に、盛大な拍手と歓声が沸き上がりました。
「ここで感動を伝えずにいられようか!」という聴衆側の熱意爆発。
真央君の反応は、というと、、、
「ここで集中を途切れさせたくない」という思いと、嬉しさと、困惑との入り混じった表情が、何とも。。。意地でも立ち上がらずに、声が納まるのを待って次へと進んだのでした。
このあたりにも胸キュンだった私です。
(あくまで目指すは「自分が納得する芸術世界」であって、聴衆に媚びる気はない、という主張だと受け止めました)

どこまで進化を続けるのか。大変、大変、楽しみなピアニストであることに間違いありません。

リュカ・ドゥバルグ君(ピアノ)が、洗練された紳士になっていて、びっくり。
前々回チャイコフスキー・コンクールの時の
「この人、何者??…なんだか怪しげで、場違いだけど、すごい!」
といった怪しげ感、場違い感(失礼💦)が、すっかり払拭され、余裕しゃくしゃくの演奏家になっておられました。
彼のピアノ・リサイタルは予定されていないようで、残念!


視聴可能期間: Monday, October 24, 2022 まで
  • Marc Bouchkov — Violinist
  • Klaus Mäkelä — Cellist
  • Martin Fröst — Clarinetist
  • Lucas Debargue — Pianist

<プログラム>
Wolfgang Amadeus Mozart, Trio for Piano, Violin and Cello in B-flat Major, K. 502
  • 1. Allegro
  • 2. Larghetto
  • 3. Allegretto
Béla Bartók, Contrasts for Clarinet, Violin and Piano, Sz. 111
  • 1. Verbunkos
  • 2. Pihenő
  • 3. Sebes


Johannes Brahms, Trio in A Minor for Clarinet, Cello, and Piano, Op. 114
  • 1. Allegro
  • 2. Adagio
  • 3. Andantino grazioso
  • 4. Allegro
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そして、指揮者だと思っていたクラウス・マケラ君がチェリストでもあることを知って、またびっくり。

クラリネットとのマルティン・フロスト氏も、同様に指揮者でもあるようですね。
ヴァイオリンのマルク・ブシュコフ氏は、チャイコフスキー・コンクール第2位の凄腕で、先日は真央君とも共演されてました。
世の中、若き鬼才があちこちに。
そんな彼らが楽し気な共演を視聴できて、眼福、耳福!

バルトークって難解なイメージでしたが、なかなかお茶目な響きにも聴こえました。
ちょっとショスタコーヴィチにも似てるかも?

スクリャービン、胸に沁みました。
「語りかける力」に脱帽。
op.11-5, 15を練習したことがあるのですが、ああ、こういうことか、と納得しました。

ショパンは、演奏者によってここまで世界観が異なるのか、
という意味で、また衝撃的です。

いずれにしても、一聴の価値あり。
リサイタルを2回開催できるあたりにも、他を圧する大物感が。


Available until
Monday, October 24, 2022

<プログラム>
Alexander Scriabin, Preludes, Op. 11
  • No. 1 in C Major – Vivace
  • No. 2 in A Minor – Allegretto
  • No. 3 in G Major – Vivo
  • No. 4 in E Minor – Lento
  • No. 5 in D Major – Andante cantabile
  • No. 6 in B Minor – Allegro
  • No. 7 in A Major – Allegro assai
  • No. 8 in F-sharp Minor – Allegro agitato
  • No. 9 in E Major – Andantino
  • No. 10 in C-sharp Minor – Andante
  • No. 11 in B Major – Allegro assai
  • No. 12 in G-sharp Minor – Andante
  • No. 13 in G-flat Major – Lento
  • No. 14 in E-flat Minor – Presto
  • No. 15 in D-flat major – Lento
  • No. 16 in B-flat Minor – Misterioso
  • No. 17 in A-flat Major – Allegretto
  • No. 18 in F Minor – Allegro agitato
  • No. 19 in E-flat Major – Affettuoso
  • No. 20 in C Minor – Appassionato
  • No. 21 in B-flat Major – Andante
  • No. 22 in G Minor – Lento
  • No. 23 in F Major – Vivo
  • No. 24 in D Minor – Presto


Frederic Chopin, 24 Preludes, Op. 28
  • No. 1 in C major
  • No. 2 in A minor
  • No. 3 in G major
  • No. 4 in E minor
  • No. 5 in D major
  • No. 6 in B minor
  • No. 7 in A major
  • No. 8 in F-sharp minor
  • No. 9 in E major
  • No. 10 in C sharp minor
  • No. 11 in B major
  • No. 12 in G sharp minor
  • No. 13 in F sharp major
  • No. 14 in E flat minor
  • No. 15 in D flat major 'Raindrop'
  • No. 16 in B flat minor
  • No. 17 in A flat major
  • No. 18 in F minor
  • No. 19 in E flat major
  • No. 20 in C minor
  • No. 21 in B flat major
  • No. 22 in G minor
  • No. 23 in F major
  • No. 24 in D minor
(アンコール)
Alexander Scriabin, Etude in C-sharp Minor, Op. 2, No. 1

日本時間2:00amからのライブ配信ですが、
朝の5時過ぎには、既にアーカイブ視聴可能となっていました。すごいな。


Available until
Sunday, October 23, 2022

<プログラム>
  • Chopin, Polonaise in C-Sharp Minor, Op. 26 No. 1: Allegro appassionato
  • Chopin, Fantasy in F Minor, Op. 49
  • Chopin, Barcarolle in F-sharp Major, Op. 60
  • Chopin, Polonaise-fantaisie in A-flat Major, Op. 61
  • Chopin, Nocturnes Op. 9 No. 2 in E-flat Major
  • Chopin, Nocturnes, Op. 15 No. 1 in F major
  • Chopin, Nocturnes, Op. 27 No. 1 in C sharp minor
  • Chopin, Nocturnes Op. 48 No. 2 in F sharp Minor
  • Chopin, Two Nocturnes, Op. 55  No. 1 in F minor
  • Chopin, Nocturnes, Op. 62 No. 2 in E major
  • Chopin, Polonaise No. 6 in A-flat Major, Op. 53, "Heroic"
(アンコール)
  • Chopin, Three Mazurkas, Op. 63 No. 3 in C-sharp minor
  • Moritz Moszkowski, Etude in F Major, Op. 72, No. 6
2022-07-23

どすん、どすん、と、重い音を時折響かせる弾き方。
冒頭のポロネーズに特にその傾向が強く、冒頭から
「俺は俺の演奏で行く」
と宣言しているかのように聴こえました。
舞曲の軽やかさも失っていないのがお見事。

後半冒頭、耳タコ(失礼)のノクターンでは、一転して柔らかさを前面に。
それでも、歌いすぎず、媚びず、という主張も感じました。

全体を通して、超越した世界観だなあ、と思いました。
聴衆を熱狂させる、魅せる世界観ではありませんが、説得力があります。
そして、音色が美しいこと、体が安定していること、当然ですが、さすがです。

一番聴きやすかったのは、アンコールの2曲でした。

  • ヴァイオリン:マルク・ブシュコフ(Marc Bouchkov)
  • チェロ:ズラトミール・ファン(Zlatomir Fung)
  • ピアノ:藤田真央
この3人、2019年のチャイコフスキー国際音楽コンクールの入賞者(チェロは第1位、ヴァイオリンとピアノは第2位)とのこと。

<プログラム>
  • ラヴェル:Trio for Piano, Violin and Cello in A minor
  • 1. Modéré 2. Pantoum 3. Passacaille 4. Final (Animé)
  • アレンスキー, Trio for Piano, Violin and Cello No. 1 in D minor, Op. 32
  • 1. Allegro moderato 2. Scherzo (Allegro molto) 3. Elégie (Adagio) 4. Finale (Allegro non troppo)
(アンコール)
  • メンデルスゾーン:Trio for Violin, Cello and Piano No. 1 in D Minor, Op. 49
  • 2. Andante con moto tranquillo
2022-07-21 (1)

ラヴェル、アレンスキーともに、おそらく初めて聴きましたが、美しいです。
いやあ、こういうのを「名手のトリオ」と呼ぶのでしょう。
特にアレンスキーの第2楽章スケルツォ、
なるほど、こういう自由闊達な軽妙さが三人で醸し出せるのか、と目からウロコ。
これぞスケルツォ!
しかも、「ここぞ」というソロ演奏を映像できちんと捉えているという、見事なカメラワークにも脱帽でした。

アンコールの甘~いメンデルスゾーンには、聴いていてとろけそうな心境に。
3人の幸せそうな表情も印象的でした。
2022-07-21 (4)

真央君、いったいどこまで進化してゆくのでしょうか。。。

藤田真央くん、
体調不良でキャンセルとなったマルタ・アルゲリッチさまの代役出演です。
アルゲリッチの他のプログラムの代役を任じるのは、セルゲイ・ババヤン、そして、ダニール・トリフォノフ。
まさに、世界の真央になったのだなあ、と感慨もひとしおです。

指揮:Gábor Tákacs-Nagy
オーケストラ:Verbier Festival Chamber Orchestra
ピアノ:藤田真央



<プログラム>
  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op. 19 1. Allegro con brio 2. Adagio 3. Rondo : Molto allegro
アンコール
  • J.S.バッハ(ラフマニノフ編曲):Partita for Solo Violin No. 3 in E Major, BWV 1006 (arrangement)
  • ラヴェル:ハイドンの名によるメヌエット
2022-07-19 (2)

実に生き生きとしていて、最初から最後まで引き込まれました。
第3楽章、もうみなさま、楽しくて楽しくて……といった表情。
その先頭に立つのが、指揮者と真央くん。二人揃って楽しさ全開のノリノリに見えました。

2022-07-19 (1)

会場も大いに盛り上がり、ソリスト・アンコールが2曲。

このあと、ベートーヴェンの第9交響曲も演奏されましたが、そちらは視聴していません。
それにしても、アルゲリッチの「medical condition」による降板、という情報が気になります。
アルゲリッチさまの体調、はやく回復されますように。

 
ところで、……
1曲目のアンコール曲で、思い出しました。
ちょっと前に、ドイツのネット・ラジオで真央君の演奏を聴いて感動したことを。
今、アクセスしてみたら、もうアーカイブは聴けなくなっていましたが、曲目のみ下に挙げておきます。


【参考】ドイツのラジオ番組で聴けた内容
2022年6月20日の録音
@ Herkulessaal der Residenz(ミュンヘン)
ピアノ:藤田真央

<プログラム>
  • ショパン:ノクターン c-Moll, op. 48, Nr. 1
  • ショパン:ノクターン fis-Moll, op. 48, Nr. 2;
  • ショパン:バラード As-Dur, op. 47 
  • リスト:バラード 第2番 h-Moll 
  • ブラームス:主題と変奏 d-Moll, op. 18 b
  • クララ・シューマン: 3つのロマンス op. 21
  • ロベルト・シューマン: ソナタ g-Moll, op. 22
アンコール
  • モーツァルト :ロンド K.485 ニ長調
  • バッハ(ラフマニノフ編曲):ガヴォット(from Partita for solo violin No.3 in E major BWV 1006)


Twitterで情報を知り、興味本位で視聴してみて驚愕しました。
自作曲から始まるプログラム。
それも、音数の少ない、無調の響きさえ感じられる独特の世界観。
プログラミングされた曲も、いわゆる「指が回る」曲調ではなく、まるで精神性を追求するかのようです。

2009年生まれの少年です(現在、12歳か13歳)。

 

ピアニスト:Tsotne Zedginidze

<プログラム>
  • Tsotne Zedginidze, Dolorem (Tristesse)
  • Claude Debussy, Preludes, Book I
  • 1. Danseuses de Delphes (Dancers of Delphi)
  • 4. "Les sons et les parfums tournent dans l'air du soir" ("The sounds and fragrances swirl through the evening air")
  • 5. Les collines d'Anacapri (The Hills of Anacapri)
  • 9. La sérénade ininterrompue (The Uninterrupted Serenade)
  • Arnold Schoenberg, Three Piano Pieces, Op. 11
  • 1. Mässig
  • 2. Mässig
  • 3. Bewegt
  • Béla Bartók, Out of Doors, Sz. 81
  • 1. "With Drums and Pipes"
  • 2. "Barcarolla"
  • 3. "Musettes"
  • Tsotne Zedginidze, Printemps
(アンコール)
  • Tsotne Zedginidze, Improvisation(即興演奏)
  • Tsotne Zedginidze, Lullaby
2022-07-18

どんな背景を持つ少年なのか調べてみました。
ジョージア出身。
傑出した音楽的才能を評価されて奨学金を受けており、
既にTsuinandali Festivalなどで、作曲した曲も演奏も披露しているようです。

そういえば、去年のTsuinandali Festivalの配信(Medici TV)がどうしても視聴できず、原因不明のまま放置したのですが(→2021年9月10日)、
今回のTsotne君の演奏(Verbier音楽祭のMedici TV)は問題なく視聴できました。
問題解決なのか、そのうち問題再発となるのか……運を天に任せます。

2022年4月14日(木)19時開演 20時40分終演
@東京国立博物館 平成館ラウンジ

ピアノ:三浦謙司

<プログラム>
J.S.バッハ(1685-1750)
  • 協奏曲 ニ短調 BWV947(A.マルチェッロのオーボエ協奏曲にもとづく)Ⅰ.Andante  Ⅱ.Adagio Ⅲ.Presto
  • パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825 Ⅰ.Praeludium Ⅱ.Allemande  Ⅲ.Courante Ⅳ.Sarabande Ⅴ.Menuet Ⅰ Ⅵ.Menuet Ⅱ Ⅶ.Gigue
  • イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 Ⅰ.Allegro Ⅱ.Andante Ⅲ.Presto
~休憩~
  • フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816  Ⅰ.Allemande Ⅱ.Courante Ⅲ.Sarabande Ⅳ.Gavotte Ⅴ.Bourree Ⅵ.Loure Ⅶ.Gigue
  • 幻想曲とフーガ イ短調 BWV904
  • J.S.バッハ(ブゾーニ編):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 BWV1004より シャコンヌ
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なんだか、まるで教会で聴いているかのような響きでした。
石造りのようなロビーだから?
写真でわかるように、ピアノの下や奥の壁に木製のものが置かれていたのですが、これら、音響効果を狙う目的で設置されたのだそうです(友人が会場の方に質問した折の回答です)。
なるほど~。

ちょうど真横から見るような位置の最後列から鑑賞。
ちょっと丸めた背中、猫の手のような雰囲気で鍵盤に置かれる指、……安定感ばっちりの姿勢がよく観察できました。
三浦君、完全に目を閉じて演奏していることも多々。
「全身耳」状態なのだな、と感じました。

全曲バッハって、すごい集中力を要します。
曲目ごとに、楽章ごとに、異なる音色が繰り出されることに、
また、重なっていく声部が、どれもクリアに響くことにも、ただ驚き。
「暖かくて、かつ、クリアな音色」が、重さや、厚みや、透明感を変えながら、美しく動いていく音楽に身を浸して、なんだか心身が浄化されたような気分になりました。

最後は圧巻のシャコンヌ。
若いころのガジェヴさん(浜コン優勝時)や、桑原志織さんなど、いろいろな方の素晴らしい演奏を聴きましたが、三浦君の音楽は、力でグイグイ圧倒してくるというアプローチではなく、音楽の中に沈潜していくとでもいった趣。
大音量というより、グッと沈む重い音といった響きで、それがとても好ましかったです。

鳴りやまない拍手にも、アンコールはなし。
拍手を制しての短いスピーチは、次のような内容。
  • 今の年齢でのオール・バッハ・プログラムは挑戦。むちゃくちゃ緊張したが、おじいちゃんになってからかっこよくバッハが弾けるようになるための第一歩と捉えている。
  • バッハ自身の編曲から始まって、いろいろなバッハ・オリジナル、そして最後にブゾーニの編曲、とプログラム全体でバッハを表現したつもり。アンコールを弾きたい気持ちはあるが、シャコンヌの後に続けられる曲が思い浮かばない。アンコールなしにさせてほしい。
たしかに、堪能させていただきました、バッハ。
行ってよかった!と、素直に思えたリサイタルでした。

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会場入りした時に出迎えてくれたのは、こんな東博の建物たち。幻想的でした。

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2022年4月9日(土)19時開演 20時終演
@東京文化会館小ホール(Web配信で視聴)

ピアノ)
アンドレアス・シュタイアー(前半セコンド、後半プリモ)
アレクサンドル・メルニコフ(前半プリモ、後半セコンド)

<プログラム>

 シューベルト:
  • 6つの大行進曲 D819 より 第3番 ロ短調
  • 4つのレントラー D814
  • 6つのポロネーズ D824 より 第1番 ニ短調
  • 2つの性格的な行進曲 D886(D968b) より 第1番 ハ長調
  • フランス風の主題によるディヴェルティスマン D823 より 第2番 アンダンティーノと変奏
  • ロンド イ長調 D951
〜 休憩 〜
  • 創作主題による8つの変奏曲 変イ長調 D813
  • 幻想曲 ヘ短調 D940
(アンコール)
  • ハンガリー風ディヴェルティメント 第2楽章 D818
2022-04-09 (4)

さすがの演奏でございました。
最初の行進曲から「なるほど、こうなるか」。
音がすっきりと整理されていて聴きやすいし、リズムがクリアでカッコイイ。

実は以前、軍隊行進曲の連弾を手がけてみたことがあるのですが、なんだか大音量のガチャガチャになってしまった記憶が。
まずは、頭の整理、音符の整理が必要だったってことですね。

前半最後のロンドが特によかったです。
楽しくて、テンポの自由な変化がとってもおしゃれでした。

後半の「幻想曲」は、いろんなピアニストの演奏を聴きましたが、さすが「大人の風格」でした。

ご両名とも、プリモのときは
「左手で素早く右腕の二の腕をつかむ」
という動作が度々見受けられましたが、きっとセコンドの右手とぶつからない(セコンドが動きやすい)ように引っ込めていたのでしょうね。
お二人で並んでいる佇まいが、とても自然でした。
会話したり、親し気な様子を見せたり、ということはないのですが、まとっている空気感が同じという感じ。

2022-04-09 (3)

次の機会があれば、ぜひ会場で聴きたいものです。

2022年3月25日(金)19:00開演 20:55終演
@東京文化会館小ホール

チェロ:岡本侑也
ピアノ:河村尚子

<プログラム>
  • ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
  • ナディア・ブーランジェ:チェロとピアノのための3つの小品
  • プーランク:チェロ・ソナタ FP143
  • ブラームス:チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 op.99
(アンコール)
  • リリ・ブーランジェ:ノクターン
  • シューマン:献呈
  • ドビュッシー:美しき夕暮れ
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濃密な音楽に身を浸しました。
聴衆も一体化して、集中していました。
全曲、最後の音が消えるまで、フライング拍手皆無の素晴らしさ。
終演後も拍手、鳴りやまず。
「強制終了!」
という感じで会場の照明点灯後も、しばらく続いた拍手でした。👏👏👏👏👏

岡村君の生演奏、今月これで3回目ですが、今までと「桁」が違う感。
「昇華!」とでもいいましょうか。
河村さんのピアノに、ただ、脱帽です。

出だしのピアノの一音目から、度肝を抜かれました。
なんという音の粒の輝き。
なんとも自然な呼吸のルバート。
耳を惹きつけて離さない、生き生きとした音楽。
精霊が降りてきたのが見えたような気がしました。
岡本君と河村さん、同じ呼吸で、音楽に身を任せていました。
出るは、感嘆のため息ばかりなり。

流麗さだけでなく、コケティッシュな楽しさも、そこここに。
そして、抜群のリズム感、拍感。

大進君&小菅さんにひきつづき、すごいデュオを聴いてしまいました。
一生、忘れられないと思います。

友人のSNS投稿で知った記事です。
有料会員じゃなくても記事の全文が読めて、ありがたい限り。
雑誌『Number』1043号「フィギュアスケート・クライマックス2021-2022 北京五輪シーズン特集」(たぶん最新号)より。

 


反田恭平、羽生結弦、ともに1994年生まれ。
羽生君が演じた、ショパンの「バラード1番」について、反田君が語っています。


「僕も作品の背景を調べた上で演奏していますが、『バラード第1番』は、ドラマティックで、激動のドラマが繰り返される作品。途中、短調から長調に変わるところでは、祖国ポーランドを大切にしていたショパンの自分の生い立ちや未来を描いている。さらに中間部分の美しいメロディでは、長調のところでポーランドに抱いている幻想やファンタジーを表現し、それが現実だったという気づきもある。最後の熱烈的なコーダでは、あれはもはや夢だったのかもしれない、幻想だったのかもしれないというところで曲が終わるんです。そういったストーリーはピアニスト視点としては壊されたくない世界観なんですが、羽生選手の演技を見ていると、そういったものをしっかりと理解していることが伝わってくる。編集も相当考えられているなと感じますね」


羽生君が使った音源はクリスチャン・ツィメルマンの演奏とのこと。
羽生君自身で、いろいろなピアニストによる演奏を聴いたうえで、
「一番しっくりきた」演奏として選んだそうで、
「フィギュアスケートのプログラムでは時間の制約で流しきれない原曲の部分」も聴き込んで消化したのだそうです。

フィギュア・スケートの音源選びにも、演技者本人が関わっているとは知りませんでした。
ピアノ音楽が好きな人に、フィギュア・スケートファンが多いのも当然だなあと納得しました。

 

たまたま、こんな動画に行き当たりました。
11月2日のアップですから、フレイレ死去の報を受けてのことかと。

ネルソン・フレイレとマルタ・アルゲリッチ、
出会ったのは、15歳と19歳のときだったとか。。

二人の連弾や、2台ピアノの練習風景、
ステージ演奏、
ファンへのサイン、
さまざまな風景が流れていきます。

ラフマニノフの「ワルツ」
グァスタヴィーノの「Bailecite」
チャイコフスキーの「こんぺいとうの踊り」
などなど。

私達、いつから、えっと、友だちとしてはいつから始まったっけ?
なんていうアルゲリッチの言い方、洒落てるし、
フレイレ、アルゲリッチの吸いかけのタバコ、そのまま自分で吸ってる。。。
ああ、これは、……
審査員の仕事を放り投げてでもそばにいる、っていう選択になるわけですね。

最後がフレイレの「献呈」ソロだというのも、なんだか泣けました。

Medici TVのサイトで、今晩(9月9日 日本時間23時半~)
藤田真央君の演奏のLIVE中継があります。
お知らせまで。




ツィナンダリ(Tsinandali)フェスティバル 公式ホームページ

藤田真央ピアノ・リサイタル
≪オール・モーツァルトプログラム≫

幻想曲 ニ短調 K.397
ピアノソナタ第8番イ短調 K.310 
幻想曲ハ短調 K.475
ピアノソナタ第14番ハ短調 K.457

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よく見たら、14日には、
ヴァイオリニストのレーピン、ピアニストのレーディキン、チェロのミーシャ・マイスキーの共演リサイタルがあります。→こちら

15日には、
藤田真央君の2回目のピアノ・リサイタル(ブラームス、リヒャルト・シュトラウス)→こちらも。

16日は、
ノセダ指揮、プレトニョフのピアノで、シューマンとメンデルスゾーン。→こちら

17日は、
Alexander Rammのチェロ、レーディキンのピアノでのリサイタル。→こちら
プレトニョフのピアノ・リサイタルも。→こちら

19日は、
レーディキンのピアノ・リサイタル。→こちら


凄いメンバーです。
これ全部、Webで見られるのでしょうか。要チェックですね。

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