PIOピアノ雑記帳

ピアノ、クラシック音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

カテゴリ: 【音楽関係・雑記】

30周年のガラ・コンサート。
本日早朝からアーカイブで視聴してみたら、3時間近い長丁場(2時間56分46秒)と表示されて、まずびっくり。
そして、最初のプログラム、没後150周年を記念してのラフマニノフの前奏曲では、
1曲ずつピアニストが入れ替わるという趣向に、またびっくり。


Sergei Rachmaninov, Preludes, Op. 23
  • No. 1 in F-sharp minor: Largo(アレクサンドル・カントロフ)
  • No. 2 in B-flat major: Maestoso(エフゲニー・キーシン)
  • No. 3 in D minor: Tempo di menuetto(藤田真央)
  • No. 4 in D major: Andante cantabile(ミハイル・プレトニョフ)
  • No. 5 in G minor: Alla marcia(イェフィム・ブロンフマン)
  • No. 6 in E-flat major: Andante(キリル・ゲルシュタイン)
  • No. 7 in C minor: Allegro(アレクサンダー・マロフェーエフ)
  • No. 8 in A-flat major: Allegro vivace(リュカ・ドゥバルグ)
  • No. 9 in E-flat minor: Presto(ダニール・トリフォノフ)
  • No. 10 in G-flat major: Largo(ユジャ・ワン)
演奏者が特定できた自分に👏(ブロンフマンだけ迷いました)笑

最初のカントロフ君、難なく自分の世界に没入しているところが、まず凄いです。
そして、キーシン、プレトニョフに挟まれての、真央君の登場に、喝采を送ります。
いつものごとく、とても楽しそうに演奏。
キーシンの後に弾いても、音色の美が際立っていました。
続くプレトニョフ氏、実は今まで、彼のピアノ演奏の良さがわかるようなlわからないような……だったのですが、今回は納得。
音の少ない曲で、実に優美に流れる音楽を構築していて、なるほど、確かに巨匠!と思いました。
(今回は、鼻歌混じりに流すのではなく、曲に集中して弾いてらしたのでは。)

真央くんのお師匠さん、ゲルシュタイン氏にも、なるほど納得!です。
自然さが際立つ楽し気な弾きぶり、というのは、真央君にも通ずるものでしょう。
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(画像はカーテンコールで師匠と目を見かわす真央くん♪)

真央君以外の若手は後半に集中。
マロフェーエフ君の「イケメン化」については既に述べましたが、
ドゥバルグ、トリフォノフの両氏は、わが道を行く路線を貫いていることが外見からも窺えます(髪型、お鬚、独特ですねえ)。

当初の予定では、ソンジン君も入る予定だったはず。
直前のキャンセルだったようですね。体調不良でしょうか。。。心配です。
その代役は、おそらくリュカ・ドゥバルグ(ルカ・デバルグ)君でしょう。
彼と、ユジャ・ワンのみ、楽譜を見ての演奏でした。

それにしても、これだけのメンバーを揃えて一度に弾いてもらう、なんてことができるのは、この音楽祭だけではないでしょうか。必聴、必見!


次は、
バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を、ピアノ独奏だけでなく、弦楽三重奏、四重奏を主に、時にデュオや管楽器も入れての編曲版で。

Johann Sebastian Bach/Dmitry Sitkovetsky, Goldberg Variations, BWV 988 (transcription by D. Sitkovetsky。
  • Aria ピアノ独奏
  • Variation 1~4 弦楽器アンサンブル(三重奏、四重奏)
  • Variation 5 ピアノ独奏
  • Variation 6~10   弦楽器アンサンブル(二重奏~五重奏)
  • Variation 11  クラリネット入り室内楽
  • Variation 12 – Canone alla quarta  ピアノ独奏
  • Variation 13~17  弦楽器アンサンブル(三重奏、四重奏)
  • Variation 18 – Canone alla sesta トラペット、クラリネット、チェロ、コントラバス
  • Variation 19 弦楽七重奏
  • Variation 20 ピアノ独奏
  • Variation 21 ~26  弦楽器アンサンブル
  • Variation 27 – Canone alla none ピアノ独奏
  • Variation 28 弦楽三重奏
  • Variation 29 ピアノ独奏
  • Variation 30 – Quodlibet オールスターキャスト
実に魅力的でした。
ステージ上で、暗転している半分のスペースで、次の演奏者がセッティングする、というのもスリリングだったのでは。歌舞伎の早変わり的な面白さもありました。

驚いたのは、Variation20で、アレクサンドラ・ドヴガンさん(2007年生まれ)、
Variation29で、ツォトネ・ゼジニネ君(2009年生まれ)、
という超若手が登場したこと。
弦楽器は、もう誰が誰やら……チェロのミッシャ・マイスキー、クラウス・マケラ(指揮だけじゃない!)、ゴーティエ・カプソンあたりは、すぐにわかりましたが。
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ということで、第30変奏から、マケラ&マイスキーの大写し。

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オールスター、演奏者がこんなに大勢いたんです。
さすがヴェルビエ、畏るべし。

今朝、鳥肌もののピアノ協奏曲をLIVEで聴いて、一人で大興奮。
アーカイブは残らないのかも……と思ったのですが、今でも視聴可能とわかり、ご紹介。

【追記】2023年7月25日5:00am
すみません。動画が非公開に変更されていることを確認しました。😢
23日夜までは、この音楽祭の他の動画も視聴できたのですが、、、。
残念ですが、動画リンクは削除し、公式ホームページのリンクのみ載せます。



アルゼンチンのテアトル・コロン(コロン劇場)で開催中の「アルゲリッチ音楽祭」。
「CONCIERTO 4」と題する公演で、
アルゲリッチ自身のピアノ演奏による「ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番」でした。
  • ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
  • 指揮:シルヴァン・ガザンソン
  • ブエノスアイレス・フィルハーモニー管弦楽団
  • トランペット:セルゲイ・ナカリャコフ
 
彼女が登場しただけで(動画では1時間36分ごろ〜)、もう会場、大興奮。
でもって、演奏を終えるや、それ以上の興奮の渦。
アンコールは、同じショスタコーヴィチのP協奏曲の最終楽章を途中からもう一度。
(途中から、パッとすぐに入れるのも凄いです)

アルゲリッチ、もうキレッキレの演奏です。
とてもいい表情をされていたので、スクショしちゃいました。

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Studio 30の動画、37分ぐらい(真央くん&ブシュコフが終わるまで)アーカイブで視聴。
一つ訂正が
このインタビュワーは、クリスチャン・トンプソン氏。
ヴェルビエ音楽祭のdirectorにして、
真央君に電話して「2日後のアルゲリッチの代役を」と命令したMartin Engstroem氏ではありません。

 

今回の構成は、こんな感じ。
  1. ヴェルビエ・アカデミー生二人、スタジオに登場
  2. ヴェルビエ祝祭オーケストラの二人(トランペット&チューバ)、スタジオに登場
  3. 真央くん、ブシュコフとのデュオ・リサイタル終演直後のインタビュー(19分半ごろ~)
  4. マルク・ブシュコフ(Marc Bouchkov)スタジオに登場
  5. スタジオに真央君も合流(~36分半)
1.では、アカデミー生が、子供のころから憧れていた巨匠と身近に触れ合えることへの感激とか、日々のスケジュール(午前にマスタークラス、午後にワークショップ、その他があり、音楽だけでなく、プレゼンの仕方なども学べるのだとか)など、高揚した表情で説明していました。室内楽を組んだ仲間とは、非常に親しくなるそうです。

2.では、初対面のメンバーで、いかに素晴らしいオーケストラを作りあげていくか、という話。トランペットの方は今回「2.5回目」の参加(2021年は途中で解散)で、印象的だった指揮者に「マケラ(マーラー1番)」「ノセダ(ショスタコーヴィチ)」の名前を挙げていました。チューバの方はアメリカ出身、コントラバスも弾く、ジュリアード音大生。ヨーロッパは2度目だそうです。若い世代にはコロナ禍の影響が大きいのかも。

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3.では、途中に動画が3本挟まれていました。(①真央くん「ヴェルビエ音楽祭について」、②ブシュコフ氏「チーズに喩えて自分を話す(空欄補充タスク)」、③真央くん「過去の自分の動画や写真を見ながら独白」)
音楽祭主催側が、真央くんに特に注目していることが窺えます。
インタビューで面白かった真央くんの発言は、
  • 今回のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏は、たったの10曲(only 10!)。前回のモーツァルトのピアノ・ソナタ全18曲の演奏に比べたら、楽。リラックスして臨んでいる。
  • 共演のブシュコフ氏について、嫌なところは「iPadを使っている」点(一方、ブシュコフ氏側は、真央くんのbad pointは皆無!と断言されていました)。
ブシュコフ氏曰く、真央くんの長所は「なんでも習得してしまう。学びたがる」点だとのこと。
今回の演奏会のプログラム(ベートーヴェン・ソナタの配列)も、二人で相談して決めたのだそうです。時系列に並べるのではなく、ベートーヴェンの様々な異なるスピリットが伝わるプログラムにしたかった、とのこと。なんというか、彼の真央くんに対する「全幅の信頼」が伝わってきました。

【追記】連続演奏会Ⅱ「第6番の第2楽章」の美を二人揃って「推して」ました。必聴です!


インタビューの最後に出てきたのは、真央くんの日本の自宅にいる猫ちゃんたちの写真。
マーティン氏、「ミャオ・フジタ」だね、と一言。

Studio30とは、この名前の部屋から中継されるインタビュー番組。
7月19日、ツォトネ君のリサイタル後のものをアーカイブで視聴しました。



インタビューに応えているのは
  1. Stephen McHolm(ヴェルビエ・アカデミーの責任者)
  2. Julien Quentin(ピアニスト)
  3. Tsotne Zedginidze(ピアニスト・作曲家 13歳)
  4. Alexander Malofeev(ピアニスト)
  5. Antoine Tamestit(ヴィオリスト)
  6. Daniel Lozakovich(ヴァイオリニスト)
今年で30周年の音楽祭を祝って、という意味もあるのでしょう。
歴史を振り返るような内容も多々。

1. では、次のようなことが伝えられていました。
  • ヴェルビエのアカデミー・プログラムは1994年にスタート。
  • 今回は19のマスター・クラスが開講されている。
  • 新しいプロジェクトとしては、レコーディングがある。
  • ヴェルビエのスタッフが若手演奏家のレコーディングに尽力する。
  • ベース・トロンボーンの演奏かも参加している。
  • マスター・クラスを見ることをおすすめする。
  • コンサートの前のプレ・トークを楽しみにする人も多いが、マスタークラスに行けば、教師からも、トップレベルの若手からも、いろいろな考えが聞ける。
2では、彼が出演した過去のコンサートの記録も流されていて、2009年の4台ピアノのコンサート(ヴィヴァルディ「四季」を演奏 20分頃~)では、当時の初々しいユジャワンの姿も見られます(ドレス丈も髪も長い♬)。
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3.では、ツォトネ君の初登場(当時10歳)のときのリサイタル動画も。

4.のマロフェーエフ君、去年の「ちょっと不貞腐れた高校生」的な雰囲気が一変。急に洗練された青年になっていて、びっくりしました。かなり痩せたのかも。

5.6.は、室内楽のメンバーとして。模範的な答えをそつなく発言していた感じでした。
コンサート動画もいいけれど、こういうインタビューや過去の振り返りの動画も面白いです。 

Tsotne Zedginidze(ツォトネ・ゼジニゼ)君⇒2023年6月のTV番組2022年のヴェルビエ音楽祭
今年のヴェルビエ音楽祭にも登場です。



昨日7月19日(水)日本時間18時ごろがLIVE配信だったようですが、
先ほど、アーカイブで視聴しました。

<プログラム>
  • Tsotne Zedginidze,:Fantaisie-Impromptu
  • シューベルト:4つの即興曲, Op. 90, D. 899 No. 1 ハ短調 (Allegro molto moderato)・No. 2 in 変ホ長調(Allegro)・No. 3 in 変ト長調 (Andante)・No. 4 変イ長調(Allegretto)
  • Tsotne Zedginidze:Dedication to Claude Debussy and Maurice Ravel
  • ラヴェル: 夜のガスパール M. 55 I. Ondine・II. Le Gibet・III. Scarbo
  • Tsotne Zedginidze, Prelude No. 2
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テクニックを見せつけよう、とかいう意図は皆無の演奏。
見た目が「坊や」から「少年」に成長していましたが、演奏も「天衣無縫」から「冷静沈着」になったという感じです。

最後の解説が「What an intelligent young man」と言っていましたが、まさに。
ラヴェルのスカルボなどは、もうすこし狂気が欲しい気もしましたが、一方で、こういう演奏もアリだよなあ、とも思いました。

アンコールの一部はアーカイブに残さなかったようですが、最後の自作曲の美しさには痺れました。

2023年7月11日発行版です。
まずもって、表紙にビックリ。 
(例によって、図書館で借りてます😅)
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目次がこちら。
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p.18〜37、すべてピアノ関連の話題です。
普段コンサートホールに足を運ばないであろう客層が増えている点が、
「ブーニン現象」と「反田恭平現象」の共通点だ。(p.20)
という指摘で、この号の編集方針が見えました。

また、視点を変えて「受け手」の方に目を向ければ、
ニューズウィークの読者層といえば、きっと意識高い系、経済力のある層でしょう。
そういう人たちにもアピールしていくという戦略を持って、
反田氏のほうからアプローチした可能性もあるのかな、と思いました。

ヴェルビエ音楽祭における藤田真央くんの出演は
ヴァイオリニストのマルク・ブシュコフ(Marc Bouchkov )との共演で、
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの全曲演奏会(全3回)

(1)2023年7月17日(月・祝)本日17:45(日本時間)開演

<プログラム>
  • Ludwig van Beethoven:Sonata for Violin and Piano No. 1 in D Major, Op. 12 No. 1
  • Ludwig van Beethoven:Sonata for Violin and Piano No. 2 in A Major, Op. 12 No. 2
  • Ludwig van Beethoven:Sonata for Violin and Piano No. 7 in C Minor, Op. 30 No. 2
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(2)2023年7月20日(木)17:45(日本時間)開演

<プログラム>
  • Ludwig van Beethoven, Sonata for Violin and Piano No. 3 in E flat Major, Op. 12 No. 3
  • Ludwig van Beethoven, Sonata for Violin and Piano No. 4 in A minor, Op. 23
  • Ludwig van Beethoven, Sonata for Violin and Piano No. 6 in A Major, Op. 30 No. 1
  • Ludwig van Beethoven, Sonata for Violin and Piano No. 8 in G Major, Op. 30 No. 3

(3)2023年7月29日(土)2:25am(日本時間)開演
  • Ludwig van Beethoven, Sonata for Violin and Piano No. 5 in F Major, Op. 24 "Spring"
  • Ludwig van Beethoven, Sonata for Violin and Piano No. 10 in G Major, Op. 96
  • Ludwig van Beethoven, Sonata for Violin and Piano No. 9 in A Major, Op. 47 "Kreutzer Sonata"

今年のヴェルビエ音楽祭は、30周年の記念年にあたるそうです。
7月15日(スイス時間)に開幕。
Medici TVにログイン(無料)すれば、Live & replayが視聴できるようで、
現在(日本時間 7月16日22時)の時点で、
「Catch up on replays 」として、6つの動画がアップされています。



オープニング・コンサートは、
  • 指揮:ズービン・メータ
  • ピアノ:ユジャ・ワン
  • ヴェルビエ祝祭オーケストラ(若手中心)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 op.30
replayで、視聴しました。



いやもう、ユジャ・ワンの独断場です。
すべてを手中に入れて、完璧にコントロールしている感。
高音部のキラキラした音色の、まあ美しいこと。
強靭なバネで、実に軽やかに鍵盤上を駆け抜けていく手はアスリートそのもの。
そして、ユジャ自身は実に楽し気に、常に歌っている感じで、
「弾いている」というより、音楽と一体化していました。
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ソリスト・アンコールは、
  • ラフマニノフ(コチシュ編曲):ヴォカリース
  • ラフマニノフ:V.R.のポルカ(フランツ・ベーア作曲のポルカに基づく)
協奏曲でほてった身体を、ゆったり歌い上げる抒情的「ヴォカリース」で落ち着かせ、
最後に、可愛らしくも華麗な技巧的ポルカで締めるなんて、
これはもうユジャ・ワンにしかできないプログラムでしょう。

これは必聴のコンサートです。
って、いつまで視聴可能なのでしょうか。。。

ズービン・メータ氏、座っての指揮ではありましたが、顔色もよく、眼光鋭く、
まだまだ現役でご活躍できそうです。よかった、よかった。

今日は複数の外出の用事もあったので、
さきほどつまみ食いで、聴いたり見たりしただけですが、
「戴冠式」って、特別な響きですよね。
ということで、備忘録として。


ラジオでは、「musical ceremony」って表現していました。
そして、用いられる音楽は、Kingご自身が選ばれたとの説明が。
式典で演奏される音楽、曲目は22曲とのこと。
(上記ラジオのサイトに曲名も記載されています。放送時間2時間)

作曲家を演奏される曲順に列挙してみます。
  1. バッハ Johann Sebastian Bach(4曲)
  2. ブルックナー Anton Bruckner
  3. Judith Weir
  4. ホルスト Gustav Holst
  5. Karl Jenkins
  6. Sarah Class
  7. William Walton
  8. Ralph Vaughan Williams(2曲)
  9. Shirley Thompson/ Nigel Hess/ Roderick Will
  10. Iain Farrington
  11. Patrick Doyle
  12. パーセル Henry Purcell
  13. ヘンデル George Frideric Handel(3曲)
  14. エルガー Edward Elgar
  15. William Henry Harris
  16. Peter Holder(オルガニスト。即興演奏)
驚いたのが  式次第・全50ページ!
そして、テレビ中継は5時間以上!


国王の乗られている馬車が、角度によっては、まるで日本のおみこしのように見えて、ちょっと驚きました。
それから、お馬さんの頭数の多さ。
それも黒馬、白馬で色を揃えて、しっかり統制されているのも印象的でした。

NHKのサイトから引用(2023年2月10日14時49分)

1960年代から70年代を中心に「雨にぬれても」などのヒット曲を手がけ、ポップスの巨匠として知られたアメリカの作曲家、バート・バカラックさんが今月8日、ロサンゼルスの自宅で老衰で亡くなりました。94歳でした。

AP通信などアメリカの複数のメディアによりますとバート・バカラックさんは1928年、アメリカミズーリ州のカンザスシティーで生まれニューヨークで育ち、母の影響でピアノを学びました。

音楽業界に入ったあとは、カーペンターズの楽曲やミュージカル「プロミセス・プロミセス」の楽曲など500以上の作品を手がけました。

このうち、アメリカの西部劇の名作「明日に向って撃て!」の挿入歌、「雨にぬれても」では、アカデミー賞を受賞するなど、アカデミー賞を3回受賞しました。


2021年3月にはTV番組「らららクラシック」にもビデオで出演されていました。



全世界で、ゆる~く「この曲いいね~♪」と共有し、「未来は明るい(^^♪」と考えていた牧歌的な時代が、どんどん遠くなっていくように感じます。

2022年12月14日(水)東京版 第22面

My 吹部 Season
羽村一中(東京)28人まで部員減でも全国大会「銀」
倍音と高い技術で音に厚み
「良い音は楽しくて人を喜ばせるもの」

2022-12-14

中学校の全日本吹奏楽コンクール、ステージに乗る人数の上限は50人。
全国大会に13回出ているという羽村中の部員数は、2018年が約70名。
ところが、コロナ禍以来、その人数は減り続け、今は28名。
大人数の吹き手を想定している曲目を少人数で演奏するために「楽器の持ち替え」を駆使し、見事銀賞を受賞したとのこと。

驚いたのは、部長さんの言葉です。
「人数の少なさは、ソルフェージュで音程感を養い、音程やハーモニーを合わせることでカバーした」
この意味は、
音程やハーモニーがぴたりと合うと、実際に出した音に加えて、2以上の整数倍の周波数を持つ音が鳴る。この「倍音」を豊かに出すことを意識したのだという。
とのこと。

すごい中学生ですね。
しかも、先輩が後輩を教えるという仕組みにおいては、部員が少人数になると、一人一人を教える時間は長くなって個々の技術は高くなった」と言うのです。

とても中学生とは思えぬ発言内容のレベルの高さに、脱帽いたしました。
顧問の先生も当然ながら、さすがの発言です。

「倍音」と「個々の技術の高さ」を磨き上げるための基礎練習では「良い音やハーモニーは楽しくて、気持ちよくて、人を喜ばせるものだ、と教えている」


このシリーズ記事、初めて読みました。
「吹奏楽作家・オザワ部長がそのときどきの全国の部員の心に寄り添い、エールを送ります。」
というものだそうです。
今後も、注目してみようと思います。

10月15日の発表会の折、会場の関係者から標記についてのスピーチを聞きました。
せっかくなので備忘録としてメモを残しておきます。

世界のピアノ三大メーカーと言えば、

スタインウエイ
ベーゼンドルファー
ベヒシュタイン


スタインウェイの特徴
4000名のホールでも音が響く設計
アメリカの長距離移動、気温差に耐える堅牢性
ドイツの音響学の始祖、ヘルムホルツとともに開発


ベーゼンドルファーの特徴
1828年ウィーン発祥のメーカー
貴族のアンサンブルで低音楽器の役割を担うよう、響板を工夫
演奏者を見つけるのが難しく、運搬も大変なコントラバスを呼んでくる必要がなくなった


ベヒシュタインの特徴
フォルテピアノの流れを汲む繊細さを持つ
ピアニストであり、作曲者であったリストとともに開発
ショパンは「気分がいいときはベヒシュタイン、悪い時はエラールを弾いた」と言われている


日本音楽コンクール・ピアノ部門では、今年の第91回でピアノの使われ方が変わった。
  • 一次予選 全員がヤマハを弾く
  • 二次予選 全員がベヒシュタインを弾く
  • 三次 全員がスタインウェイを弾く
  • 本選 コンテスタントが自由に選ぶ

画像は記事の内容とは全く関係なし
昨日、久々に誕生日ディナー(1日遅れ)をしたので、記念に

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数日前のことになりますが、
2022年9月22日(木)の朝日新聞夕刊に、
藤田真央君の記事が載っていました。
モーツァルトソナタ全集CDが、ソニー・クラシカから発売されることについて、
真央君自身の発言も引用しながら。(画像は新聞記事より引用)
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記事の見出しは
「覚悟と幸せモーツァルトがくれる 藤田真央がピアノソナタ全集」
「心研ぎ澄ます一音 繰り返すフレーズ、即興への目覚め」


真央くんらしい、飄々とした発言が引用されていますが、
大物ピアニストの代役を連続してこなしている今現在の生活についてのコメントでは、
なんだか生き急いでいるような口ぶりにも読めて、ちょっと心配になりました。

武生国際音楽祭2022
午前に配信されたピアノ名曲コンサートは、こちらからアーカイブ視聴可能です。



日時:2022年9月11日(日) 10時30分開演
場所:越前市文化センター大ホール
  • ベートーヴェン :エリーゼのために(伊藤恵/ピアノ)
  • ベートーヴェン :ピアノソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」(伊藤恵/ピアノ)
  • 松村禎三:ギリシヤに寄せる2つの子守唄(北村朋幹/ピアノ)
  • リスト:『巡礼の年 第3年』より「 エステ荘の噴水」(北村朋幹/ピアノ)
  • ショパン:ノクターン 第20番嬰ハ短調「遺作」(津田裕也/ピアノ)
  • ショパン:ワルツ 第6番変ニ長調「子犬のワルツ」 Op.64-1(津田裕也/ピアノ)
  • ショパン:ポロネーズ第7番変イ長調 「幻想ポロネーズ」 Op.61(津田裕也/ピアノ)
  • ラフマニノフ:6手のための2つの小品(伊藤恵/ピアノ、津田裕也/ピアノ、北村朋幹/ピアノ)
北村くん、普通のピアノ椅子(パイプ椅子の三段重ねではない)で、楽譜を見ながらの演奏でしたが、
いつもながらの、内面に沈潜する彼の独自世界が展開されていました。
津田さんの幻想ポロネーズ、渾身の演奏でした。

~~~~

ファイナルコンサートは、途中からバッハの曲だけLIVEで視聴しました。
日時:2022年9月11日(日) 16時開演
場所:越前市文化センター大ホール

<曲目>視聴したコンサートの後半のみ

J.S.バッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060
  • チェンバロ:鈴木優人
  • ソリスト:白井圭(ヴァイオリン)、荒木奏美(オーボエ)
  • ヴァイオリン:山根一仁、毛利文香
  • ヴィオラ:田原綾子
  • チェロ:上野通明
  • コントラバス:四戸香那

J.S.バッハ:カンタータ『心と口と行いと生活で』BWV147
  • 指揮:鈴木優人
  • 独唱:半田美和子(ソプラノ)、小林あすき(アルト)、眞木喜規(テノール)山下哲弘(バス)
  • 管弦楽団:武生アンサンブル(★ヴァイオリン:白井圭、山根一仁、毛利文香、外村理紗、★ヴィオラ:田原綾子、三国レイチェル由依、★チェロ:岡本侑也、上野通明、★コントラバス:四戸香那、★オーボエ:荒木奏美エ、太田妃佳里、★トランペット:滝村洋子、★チェンバロ:古賀裕子)
  • 合唱:武生フェスティバル合唱団

福井県・武生音楽祭、これだけの実力者の弦楽器、管楽器奏者を揃えてしまうって、すごい!
みなさま、実に楽しげにバッハを奏でておられました。
聴いているほうも、心が浄化されていく感じでした。
このコンサートはアーカイブが残らないのが残念でなりません(LIVE視聴者が80数人だけだったことも、なんともったいない!)。

2022-09-11

2022-09-11 (1)

1970年ドイツのデューレンに生まれ、1990年、リーズ国際コンクール2位入賞以来、ピアニスト、さらには指揮者として活躍してきたLars Vogt (ラルス・フォークト)氏が、
2022年9月5日、51歳で亡くなられたとのことです。

私、2週間ほど前に次の動画インタビューを視聴し、とても感銘を受けたところだったので、非常にショックでした。
進行ガンで闘病中であることを公表のうえで、この秋には「hopefully travel to Japan」とご本人が語られているのを聞いて、その来日公演はぜひ聴きに行こう!と思っていたところでした。


この動画、
冒頭に挿入されたステージ上でのアンコール演奏、ブラームスのワルツのなんと美しいこと!

英語のインタビューではありますが、真摯に、温かい表情をたたえて訥々と語られる様子に、その人柄がにじみ出ています。

インタビュアーZsolt Bognár(ジョルト・ボグナー)もアメリカのピアニスト。
彼の主催するこの「Living the Classical Life」は有名なウェブ・シリーズのようです。

インタビュー冒頭から、闘病生活に切り込むボグナーに対し、フォークトも率直に答えています。
(以下、2週間前のうろ覚えの内容なので、間違いもあると思います。ご容赦を)
  • ガンの治療がピアノ演奏に影響を及ぼすかもしれないと医者に言われたが、生きていく方を選んで治療を受けている。ただ、どうなったとしても、私はピアノの練習を続けるだろう。
  • 生活における優先順位は変わったが、コロナ禍で始まったレコーディングのプロジェクトは5月に5回目までを終えた。
  • パリで、私のオーケストラ(2020年にパリ室内管の音楽監督に就任)とリハーサルをしていると、生きていると感じる。
ピアノとの出会いについては、
  • 両親、家族には音楽家はいない。習い事の一つとして始めた。
  • 6歳からルース・ヴァイスに習い始め、彼女に「あなたは才能がある。音楽家になるべきだ!」と言われ続けて、そんな気持ちになった。確かに他の生徒とは異なり、山のような課題を出されていて、あまり練習はしなかったけれども、その課題をこなしていた。素晴らしい先生だった。
  • 13歳でドイツの権威あるコンクールで1位になり、ケマーリング氏に師事するようになった。彼に習ったこと、彼との思い出は多い
他にも、家族(お嬢さんや、ヴァイオリニストの奥様)のことなどについても語られていました。
今後については、
  • 今、手掛けているのはブラームスの作品119。もっと深めていきたい(この話はインタビュー中に何度か出た)。
  • 他にも、シューマンの謝肉祭など、これから演奏したい曲はいろいろあるが、今はそのような話をする時期ではないと思う。
彼の表情を見ながら話を聞いていたら、鼻の奥がつーんとしてきました。
ただただ、残念です。

また、今、調べてみたら、本『ピアニストが語る!』にフォークトも収録されていたので、読み直してみました。
すると、ブラームスの《四つの小品》(作品119)は、リーズ国際ピアノ・コンクールで弾いた曲目の中に入っていました!……50代になって、深めたいと思っていたのでしょうね。
その結果を聴いてみたかったと、つくづく思います。

20歳で2位になったリーズ国際の3か月前には、チャイコフスキー・コンクールに参加し、セミファイナルまで進んでいます(この時の優勝者がベレゾフスキー)。
彼にとって、リーズ国際でサイモン・ラトルと知り合ったことが、ピアニスト人生上で大きな収穫だった、とのこと。

「読者に伝えたいこと」を問われて、次のように答えています。
  • 音楽や芸術は表現の極致
  • ますます物質的になっていく世界で生きる人々の救いとなるはず
  • 教育はもっと芸術を重視すべき
  • 音楽は真に人を感動させ、その感動には人の一生を変えるほどの大きな力があり、人生を豊かなものにしてくれる
51歳。彼の早すぎる死を悼みます。

既にLIVE配信済み。アーカイブが視聴できます。
反田氏、サムライ・スタイルを脱皮して、髪をおろしたんですね。

演奏はまだ聴いておらず、ご紹介だけ。
(アンコールの曲目を加筆しました。2022年8月13日)



<プログラム>
ショパン (1810‒1849):
マズルカ風ロンド op. 5 (1825–1826)
3つのマズルカ op. 56 (1843–1844)
H-dur
C-dur
c-moll
バラード F-dur op. 38 (1839)
ラルゴ Es-dur (1847)
ポロネーズ As-dur op. 53 (1842–1843)

~休憩~

シューベルト(1797–1828):
ピアノ・ソナタ 第20番 A-dur D 959 (1828)
Allegro
Andantino
Scherzo. Allegro vivace
Rondo. Allegretto

(アンコール)
グリーグ:トロルドハウゲンの婚礼の日 Op.65-6
ブラームス:間奏曲(intermezo)Op.118-2
ショパン:ワルツ Op.34-3(猫のワルツ)

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