ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団
名曲全集第137回

2018年 5月19日 (土) 14:00開演 16:10終演

指揮:カーチュン・ウォン
ヴァイオリン:郷古 廉
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:グレブ・ニキティン

≪プログラム≫

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47


2018-05-19

演奏を聴いて、元気になりました!
実に伸びやかで、みずみずしい音楽でした。

郷古君。
私が過去に聴いた経験としては、オーケストラと合わせるとなると、ちょっと音量が足りないかな……と感じたこともあったのですが、今日は全く違いました。
美しいヴァイオリンの音色、朗々と響いてきました。痺れました。
2階席のほぼ中央という座席がよかったという側面もあるかもしれませんが(見事な楽器ほど、音が遠くに飛ぶのだとか)、ほんと、彼の音色は魅力的です。
また、彼の弾きっぷりが今日は特に楽しそうでした。
リラックスして、弾きたいまま自由自在に演奏している、という趣。
客席の拍手がなかなか止まなかったのも当然かと。

指揮者は2016年に国際コンクールに優勝している、シンガポール人の若者。
郷古君とは演奏後にハグし合って、お互いを讃えていました。
こういう人間関係も、よい演奏を生むのでしょうね。
ウィーンで研鑽を積んでいる郷古君、
ベルリンに学び、ドイツ人マズア(ゲヴァントハウス管弦楽団で長らく指揮)の愛弟子だというウォン君、
ともにドイツ語が流暢で、コミュニケーションがばっちりとれているのかもしれません。

ウォン君はショスタコーヴィチの交響曲を暗譜で指揮。
パリっとした、メリハリの利いた演奏でした。
曲の輪郭がよく見えたように感じました。
いろんな楽器がソロ演奏で活躍する曲の魅力、存分に引き出していました。
ちょうどショスタコーヴィチに関連する本など読んだ(読んでいる)ところで、彼の交響曲を興味深く聴けた次第です。

管楽器が活躍する交響曲は、2階席で聴くのがおすすめかも。
新緑の瑞々しさが引き立つ季節にふさわしい、すてきなコンサートでした。