1冊でわかるポケット教養シリーズ
土田 京子 著    yamaha music media 2017年10月
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「さくさく理解」とは、とても言えませんが、
なんとなく和声法というものの全体像は見えました。
私にとっては、それで御の字です。

「属七」とか「属音」「下属音」とか、「ナポリの和音」とか、
単語としては耳にするものの、一体何者なのか、そのコンセプトがなぜ必要なのか、そこからして、ちんぷんかんぷんだった私です。恥。

ざっと一読したところで私が理解できたことは……
和音を作るにしても、
転調するにしても、
「Ⅴ」⇒ハ長調だと5番目の「ソ」を起点に、ソ・シ・レ・(ファ・ラ)と重ねる和音
の働きがいろんな意味で大きい。このVの和音をドミナント(属音)と呼ぶ。
筆者の言葉で言うと
「ドミナント(Dominant)というのは、一家の主。外でガンガン頑張って働くお父さんのようなもの。とっても強い。爆発力を持っています。(p.35)」
ということなのですね。

懸案項目(よく聞くけど私には意味不明…)だった
「属七和音」とは、この「V=音」の4音和音・ソシレファ(ソ~ファ=7度=)のこと
「減七の和音」とは、
V9(短調の属九和音)九度離れた5音のうち根音を省いたもの。シレファラ♭
この一番下〜一番上ラ♭の間が減七のため、この名前なんですね。
別名「ディミニッシュ」
4音すべて「短3度」でさまざまに変身可能なため、いろんな役目を果たすんだとか。

「ナポリの和音」は、
短調のⅡ度の和音の根音が半音引き下げられたもの。レ♭ファラ
ファラレ♭ という「第3音がバス」に来る形「6」(シックス)で使われるので
「ナポリの6の和音 Napooitan 6」と呼ばれるんだそうです。


ここで、和音のグループ分けをしておくと……
トニック(Tonic): 「Ⅰ」「Ⅳ」
ドミナント(Dominant):「Ⅴ」
サブ・ドミナント(Sub Dominant):「Ⅳ」「Ⅱ」


長3和音:「Ⅰ」「Ⅳ」「Ⅴ」
短3和音:「Ⅱ」「Ⅵ」
              &「Ⅲ」➡️「Ⅰ」「Ⅴ」和音の第3音をともに含むため、特別扱い
減3和音:「Ⅶ」➡️主音になれない響き。特別扱い。


この本で、や~っと分かったのは、7だ、5だ、3だ、と耳で聞くと同じ数字が
音と音の間の離れ具合(度)だったり、(属七、減七の「七」)
「ド」を1とするハ長調で見たときの音程だったり(Ⅰ、Ⅳ、Ⅴといった表記)
一つの和音をなす3つの音の並び方だったり(Naporitan6の「6」)と、多岐にわたること。

まったく楽典を学んだことがない人間は、
ここの初歩の初歩からから壁にぶちあたり、混乱するのですよ!(と声を大にして訴えたい)

それから、音階も下記のように様々な呼び名があって……あああ面倒くさい!
ドレミ・ド#、【イタリア語】
CDE・Cis(ツェーデーエー・チィス)【ドイツ語】
CDE・C# (シーディーイー・シ―シャープ)【英語】
ハニホ・嬰ハ 【日本語】

この本では、こんな方針でした。
「固有音名」を呼ぶときには英語
「移動音名」はイタリア語(音階のスタートの音は常に「ド」と呼ぶ)

そして、和音の状態を表す表記法としては、
「数字つき低音(Figured bass)」を使う。=ヨーロッパ伝統の表記法
(「基本形」「第1転回形」「第2転回形」という言葉は使わない)

数字つき低音の書き表しかた
「5」バスは根音=5度上に音がある(3度上にも)ドミソ等
「6」バスは第3音=6度上に音がある(3度上にも)ミソド等
「64」(縦に表記)バスは第5音=4度上と6度上に音がある  ソドミ等

和音のメンバーが増えて4音になると
Ⅴ7の和音=根音から短7度と音程が加わる
バスが根音:「7+」ナナ・プラス  ソシレファ
バスが第3音:「65(5に斜線)」減ゴロク=バスの減5度上と6度上に音
バスが第5音:「+6」プラス・ロク=バスの6度上に導音
バスが第7音:「+4」プラス・ヨン=バスの4度上に導音

Ⅱ7の和音もある。レファラド  レファ♭ラド

和音のメンバーが増えて5音になると
Ⅴ9の和音  
バス根音(5音のうち第5音か根音は省略)ソシレファラ、レ削除でソシファラ
バス第3音:減ゴ  ナナ
バス第5音:プラスロク  ゴ
バス第7音:プラスヨン  サン

ああああ、ギブアップ! 仕組みはわかっても、使いこなせる気が全くしません。