クラシック倶楽部 BSプレミアム 
2018年1月30日(火)5:00-5:55am放映
(2017年11月8日 収録@東京文化会館 小ホール)

≪プログラム≫
B.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻から
   前奏曲とフーガ ハ長調 BWV846
   前奏曲とフーガ 変ホ短調 BWV853
   前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 BWV849
   前奏曲とフーガ イ長調 BWV864
   前奏曲とフーガ イ短調 BWV865  

シューベルト:4つの即興曲 作品142から
   第1曲 ヘ短調  第2曲 変イ長調 第3曲 変ロ長調 第4曲 ヘ短調
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アンリ・バルダ
6年前にこの番組で演奏を聴いて驚嘆し(→旧ブログ2012年8月)、
リサイタルで生演奏に接して、改めて驚愕したピアニストです(→旧ブログ2015年9月)。
これまでは、ラヴェル、ショパン、ブラームスといったロマン派の曲を聴いて
そのセンスのよい流麗さに痺れていたので、
今回のような古典派はどうやって演奏されるのだろうか……と興味津々に視聴開始。

なんだか、納得してしまいました。
何も特別なことをせずとも、自然に氏のなかから音楽が溢れ出てくるバッハ、でした。
妙なテンポの揺れも、おセンチなため息もなく、
正々堂々、迷いのない演奏。

でも私は、やはりシューベルトのほうが好きです。
歌曲のメロディーを思わせるラインの歌わせ方の、なんと甘美なこと。
ミスタッチも多少ありますけれど、それを補って余りある歌心にリズム感。

脱力のお手本のような美しい演奏姿勢に、
そして、音楽を奏でつつ厳しくその音色を確かめるような引き締まった表情に
改めて、シビレました。
ステージに登場するときの人懐っこい笑み、演奏後の幸せそうな姿にも。