第12回【抽象絵画と音楽クプカ「ノクターン」/サティ「三つのノクターンより」】
2017年9月20日(水)放送→ストリーミング 2017年9月28日(木) 午後3:00配信終了
実践女子大学教授…六人部昭典


クプカ 1871年 チェコ生まれ 1896年 25歳でパリへ
ムハ(ミュシャ・1860年チェコ生まれ)がパリでちょうど 評判になった頃

今日のテーマ:
抽象絵画の誕生と音楽の関係

クプカ 1
911 年「ノクターン」ほぼ正方形の絵。 灰色青から緑の色あい。
発表は制作後20年以上経ってから。
20170921nocturne
画像は「あなたの知らないアートの世界」より。

抽象のフォルムの中にこそ主題を求めたクプカ。
ノクターンの2.年前の作品ピアノの鍵盤  湖」で描いた、湖のほとりピアノの鍵盤から立ち上がる色面と、「ノクターン」の細長い色面との類似性が指摘できる。

クプカは、情景がもたらす気分や感情、つまり、目に見えないものを描こうとしている。
1870年代ホイッスラーは「絵画は視覚の詩」と述べたが、
ホイッスラーにとって、抽象というフォルムを求める必然はなかった。(具象絵画に「アレンジメント」と題名をつけて発表)

クプカは、「ノクターン」制作の翌年
1912 年に
「アモルフォア  2色のフーガ」
を発表。(ここにも音楽用語「フーガ」)
その4年まえの作品ボールを持つ少女」→  運動への興味
「一瞬を切り取る」ことしかできない絵画で時間を表現しようとしている。
画面に垂直の線を描くことで、時間の経過を暗示
クプカにとって、抽象というフォルムは、描きたいテーマを表すのに必要なものだった。
音楽は時間を表す芸術の象徴。