セミナー初日は、デュオを組んで活躍中の方々を受講生とした日で、
午前に受講生たち(7組)のコンサート(11:10-12:30)、
午後に公開レッスン50分を8コマ(13:20-20:40)
というスケジュールでした。

◆コンサート演奏曲目

1.ドビュッシー(連弾) 六つの古代のエピグラフ ピアノ連弾のための より
  1. 夏の風の神、パンに祈るための
    4. クロタルにあわせて踊る舞姫のための
5. エジプトの女のための
6. 朝の雨に感謝するための

2.アルジェニアン=ババジャニアン(2台P) 2台のピアノのためのアルメニア狂詩曲

3.モシュコフスキー(連弾) 従者とガボット op.43

4.クレメンティ(2台P) 2台ピアノのための2つのソナタより 
   ソナタop.12 no.5 第1楽章
  ラフマニノフ(2台P) 組曲第2番 op.17より ロマンス

5.ラフマニノフ(連弾) ピアノ連弾のための6つの小品op.11より
   2.スケルツォ  6.スラヴァ

6.ルトスワフスキ(2台P) パガニーニの主題による変奏曲

7.シューマン(連弾) 東洋の絵「6つの即興曲」op.66より
 Ⅰ Ⅱ Ⅲ

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本格的な曲目オンパレードで、圧倒されました。
600人収容の音楽ホールですが、客席の観客はまばら。
その分、ピアノの響きがとても豊かで、音色が堪能できました。

セミナー開講の際、講師の先生から、
「演奏会の一発勝負では、緊張して自分の音色を楽しむという体験がなかなかできないが、それは本当にもったいない。この響きのよいホールでのセミナーでは、上から降ってくるような音、客席から帰ってくる音の響きを是非体感し、音の瞬間を楽しんでほしい」
とのお言葉があったのですが、その意味するところがわかりました。

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午後のセミナーは、3コマ(50分×3)だけ聴講しました。
なるほど、と思ったポイントのメモ書き

◆ドビュッシー
・上に昇っていく音 or 下に沈む音 どちらを出したいのかイメージを持つ(プリモとセコンドで異なる場合もある)。 
・別個の音として出すのか、和音の中に入る音として出すのか、意識的に。
・プリモ、セコンドが一つの響きの中に溶け合うように。
・「語る」パート、「宙を舞う」パート、のような性格づけを=横の線
・息づかいだけでなく、相手の手を見て合わせる=縦の線
・残響が大きいホールでは、休符をよく聴く。「待つ」時間を意識する。
・タッチを変えて。四分音符と八分音符は同じタッチではないはず。

◆シューマン
・セコンドからプリモへの引き渡しをスムーズに。そのためにお互いの身体の位置どりから検討。
・風を感じるようなイメージで。せかせかと急かしてはいけない。
・セコンドの和声で雰囲気を変える。
・のばす音のところで、広がっていく音を自分で感じる。
・シューマンには「全く同一の繰り返し」はない。同じように見えて全く違う景色が見えるはず。
・アンサンブルでは、拍感を失わないことが大切。
・セコンドは指揮者。拍と調を伝える役目がある。それに乗ってプリモはのびのび歌う。

◆モーツァルト
・16分音符の頭をはっきり。打鍵のタッチに気をつける。
・モーツァルトの時代のピアノは指先で音を作った。大きく腕を使うより指を立てて。
・音の広がりを聴くために、顔をあげて、音の方向へ向けて。
・長調の明るい音、短調の暗い音、その音色の差を意識。
・楽章ごとに音色を変えること。
・流れないで、拍感を感じて進んでいくこと。
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