ヴァーチャル・ヴァルビエ・フェスティヴァルの最終日は、
ユジャ・ワンでした。
MediciTVのほうには、インタビューがまとまっています。


YouTubeは、ヴァルビエ音楽祭での過去の演奏もアップされています。
わたくし現在、本業の方が多忙を極めているため、
ちょこちょこと、つまみ食い的に聴いているだけですが(なにしろ全体で4時間超)、
テクニックと疾走感、これはもう、ユジャならではですね。




彼女、このフェスティバルには2008年(当時21歳)に初参加して以来、
毎年のように参加しているのですね。
その見事なテクニックと音楽性が、多くの人に愛されていて、
音楽祭全体が、彼女を慈しんでいるように感じました。

初参加の折は、ミッシャ・マイスキー、アルゲリッチ、キーシンと
子どもの頃から雲の上の人だと思っていた人々が、生身の人間として同じ空間にいることに驚愕した、というような話をしていました。
VTRを見ても、当時の彼女、まだあどけなさの残るかわいらしさです。
その中でも、彼女にとっての特別な存在は、キーシンだったのだとか。

MARTIN T:SON ENGSTROEMという方(調べたら、歌手のBarbara Hendricks の夫君!)と
スイスとニューヨークをつないでの最新インタビューがこの配信の目玉のようですが、
なんというか、舞台に立ちたい強い思いとか、切迫感とは無縁の境地にいるようでした。
  • 「何か新しいレパートリーができた?」と何度か尋ねても、答えをはぐらかしている感じ。(他の話題に移ってから、あ、そういえば、という感じで、ファニー・メンデルスゾーン、シチェドリン、といった名前を出してきましたが)
  • Lots of sleeping、reading,  and movie ……サバティカルをとっている、リラックスしている、といった表現をよく使っていました。
  • 最後のステージはカーネギー・ホールで、次は9月のドイツ公演がある。ただ、大人数のオーケストラが必要なリストやブラームスはできないのではないか、モーツァルトやベートーヴェンになるのかも、とのこと。ルールがくるくる変わるから、わからないねえ、と。
2008年に21歳ということは、今年32歳?
この間、疾走を続けてきて、いま、休めてありがたい、といったところなのかも。
例の如く、けらけらと声をあげて笑いながらのインタビューでしたが、どことなく落ち着きがないというか、迷いのようなものが感じられたりも。

インタビュアーのマルティン氏、60歳の誕生日に、赤ちゃん32人(だったかな?人数の記憶曖昧)の写真をプレゼントされたそうで、その意味はというと、
「ヴァルビエ音楽祭で知り合って、結婚した音楽家たちの赤ちゃん」
だったとか。
夏のアルプスで知り合ってゴールインする若者音楽家たち。すばらしや。